104 / 119
第三章
ダンスの時間
しおりを挟む
会場に入るとすぐにフレイは係の者に呼ばれレオナルドと別れた。
準備が整った頃、国王ジャガンより、サプライズ演出としてムージェスト王国、アドヴァリス帝国、そしてエヴァンジュール神聖国の親交のため聖女フレイが歌を披露することが高らかに告げられた。
フレイが登場し、歌い始めると会場中が陶酔しているかのように静かに聴き入っていた。レオナルドもその一人。会場の片隅で一人、包み込むような温かさのあるフレイの歌に浸っていた。ステラでさえも、ほぅ、と感嘆の声を漏らしていたことには驚いたけれど。それほど魅力的な透明感のある澄んだ歌声だった。少なくともレオナルドはそう思った。加えて、幾度も練習を重ねたのだろう。楽団の演奏もフレイの歌にしっかりと花を添えていた。
フレイが歌い終わった瞬間、割れんばかりの拍手が会場に響き渡った。
そうして、いよいよダンスの時間となり、レオナルドは真っ直ぐ歩を進めた。
その輪の中で最初に気づいたのはセレナリーゼだった。常にレオナルドへ意識を向けていたのだから、それは当然と言えば当然のこと。何だか表情が硬いように感じるが、その目はしっかりと自分を捉えている。
それだけで胸に広がっていたモヤモヤしたものがドキドキに変わってしまった。
声の届く距離までレオナルドがやって来たところで、シャルロッテも気づいたようだ。
「あら?レオナルド。いったい何の用かしら?」
レオナルドに蔑むような目を向け自分から言葉をかける。
頭を軽く下げてシャルロッテへの返事としたレオナルドの表情が微かに歪んだ気がした。それを見た瞬間、無礼は承知でシャルロッテを諫めようと口を開きかけるセレナリーゼだが、言葉となって出てくることはなかった。すぐに頭を上げたレオナルドがセレナリーゼに微笑みかけ、
「セレナ。一曲お相手願えますか?」
優雅な所作でセレナリーゼをダンスに誘ったから。シャルロッテが驚きに目を見開き、セレナリーゼのことを誘おうとでも思っていたのか周囲がざわざわとしていたが、レオナルドはそれらすべてをサクッと無視した。
「は、はい。喜んで……」
セレナリーゼは周囲の声など聞こえていないようで、少し恥じらうように頷くと、差し出されたレオナルドの手に自分の手を重ねた。
「ミレーネも一緒に来てくれるかな?」
続けてレオナルドがミレーネにもう片方の手を差し出すと、
「はい…」
ミレーネも自分の手を重ねるのだった。ここでも周囲がざわついたが、当然レオナルドは無視した。色々言われるだろうことは事前に想定済みだ。その上で覚悟を持って二人を誘いに来たのだから。
そして、レオナルドは再び両手に花の状態で二人を連れ立って待機場所へと移動を始めた。
とんとん拍子で話が進み、離れていく背中をアレクセイは面白くなさそうな顔で見つめていた。
(セレナとも俺が踊るはずだったのに……)
セレナリーゼやシャルロッテとはすでに数年来の付き合いだ。今だって関係性は良好だ。だから兄であるレオナルドの出る幕なんてないはずなのだ。わざわざ兄妹で踊る必要なんて……。そんな思いがアレクセイの中で燻っていた。
一方、レオナルドなんかにあしらわれたと感じ怒りを覚えたシャルロッテは、ふと目がいったアレクセイの顔から心情を察してその怒りを霧散させる。そして、すぐにコケティッシュな笑みを浮かべると、自分の願望を叶えるためアレクセイに話しかけるのだった。
一曲目の案内がされたため、ミレーネには待機場所で待っていてもらい、ダンススペースに立つと、あらためてレオナルドが柔らかな表情で手を差し出した。セレナリーゼはそっと自分の手を重ねる。
そして、どちらからともなく身体を寄せ合う。生地越しではあるが、二人の肌が接触する。
レオナルド達から少し離れたところではシャルロッテとアレクセイも二人でダンススペースに立っていた。何組もの男女が立つ中からその姿を目にしたレオナルドは、どういう流れでそうなったのかわからなかったが、王女であるシャルロッテの最初のダンスパートナーがゲームの主人公とはいえ男爵家の跡取りというのはいいのか?と疑問に思う。しかしすぐに、自分の今後に関わってくるようなものでなければ別にどうでもいいかと考えるのをやめた。今はダンスに集中したいから。シャルロッテルートが今のところ一番近いかもしれないとだけステラと情報を共有して。
間もなく演奏が始まり、レオナルドとセレナリーゼの二人は優雅にダンスを始めた。
握った手と手。触れ合う身体。それは互いの体温が感じられるほどで。この体勢になるのは初めからわかっていたことではあるが、セレナリーゼは胸の高鳴りが止まらなかった。
ダンススペースを囲むようにして大勢の観衆がいる中、二人はゆっくりとステップを刻む。動きに合わせセレナリーゼのドレスのスカート部分がまるで可憐な花びらのようにひらりひらりと広がる。
互いにしか聞こえない声で他愛のない話をしながら心の底からレオナルドとのダンスを楽しんでいたセレナリーゼは、しかし楽しいからこそ沸々とこみ上げてくるものがあった。
モヤモヤしたものは夜会が始まってすぐ――レオナルドから引き離されてしまったときから心の中にあった。
レオナルドに対する、シャルロッテの態度、アレクセイの言い様、周囲の人間の心無い言葉、それらは本当に腹立たしいものばかりで……。
でも今感じているものはそれとは別のもの。もっと個人的な自分自身の気持ちの問題。
そこまで自覚してしまったらもう抑えることなんてできなかった。
だから―――。
「ところで、レオ兄様?」
その想いのままレオナルドを呼んだ。
「ん?どうしっ…、た?」
レオナルドは言葉に詰まった。変わらず笑顔のセレナリーゼ、そのはずなのに目だけが笑っていないように感じたから。どうしてそんな風に思ったのか全くわからないが、急に冷や汗が出てきた。
「レオ兄様は聖女様…、フレイさんとどういった関係ですか?随分と親しそうでしたが」
セレナリーゼが『フレイさん』呼びなのは、これから同級生になるのだから様付けは不要だと本人に言われたからだった。
「え?……っ!?」
予想外過ぎた問いにレオナルドはぽかんとしてしまう。それだけじゃない。しまったと思ったときにはステップを間違えてしまった。けれどセレナリーゼは咄嗟のことにもかかわらず、しっかりとついてきてくれた。
「ご、ごめん」
「いえ。大丈夫ですよ。ふふっ」
セレナリーゼの言葉にレオナルドは安堵する。
ただ、どうしたことだろう。やっぱり先ほどからセレナリーゼの笑顔に圧を感じる気がするのだが、気のせいなのだろうか……。
「それでレオ兄様。庭ですごく楽しそうにお話されていましたよね?」
セレナリーゼは何事もなかったかのように言葉を続ける。言っている自分にちょっぴり自己嫌悪しながら。
だってこれはただの嫉妬だから。レオナルドが庭に出て行くのは見ていた。その後ろ姿に胸が痛くなった。その後すぐにフレイが自分達の輪を離れ、庭に向かった。そしてレオナルドと二人きりの時間を過ごしていた。二人とも笑顔で。それを目の当たりにしたときから、自分でも本当に面倒臭いと思うが、気持ちが抑えられなくなったのだ。まだ自分の気持ちを伝えていないくせに。その勇気すらまだ持てていないくせに。
「あ、ああ…そう、かな?…フレイとは少し前に知り合ったんだ。それがこんなところでまさかの再会だったからさ。少し話してただけだよ?」
まさか離れたところでたくさんの人と一緒にいたセレナリーゼに見られていたなんて思ってもみなかったレオナルドは、驚きながらも何とか事実を説明する。なぜか鼓動が速くなってしまっているが。
「っ!?」
「と」
セレナリーゼはレオナルドがフレイを呼び捨てにしたことに思わず動揺してしまい、瞬間、今度はセレナリーゼのステップが狂いそうになるが、そこはレオナルドが上手くリードして立て直した。
そして、「ご、ごめんなさい」「大丈夫。さっきは俺がやっちゃったし気にしないで」「ありがとうございます……」なんていうやり取りを交わした後のことだ。
「フレイさんとは以前からお知り合いだったんですね」
何とか気持ちを落ち着けたセレナリーゼが確認する。
「ああ、そうなんだ」
女の直感と言えばいいのだろうか。一つ息を吐いたセレナリーゼは続けて辿り着いた可能性も口にした。
「……もしかしてレオ兄様はフレイさんともこの後踊られるのですか?」
「っ!?お、おぅ。よくわかったな…。うん、ミレーネの次に踊る約束をしてる」
「そう、ですか……。ぅん…、わかりました!」
セレナリーゼは何かが吹っ切れたような満面の笑みを浮かべてみせた。ここまでにすると決めた。
「えっと…セレナ?」
「答えてくださってありがとうございました、レオ兄様。変なこと聞いちゃってごめんなさい。もう大丈夫ですから、今はダンスを楽しみませんか?ふふっ、私、ずっとレオ兄様と踊れるのを楽しみにしてたんですよ」
「…そっか。うん、わかった。目一杯楽しもう、セレナ」
理由は全くわからないが、ここでようやくセレナリーゼの笑顔から言い知れぬ圧が消えたようにレオナルドは感じた。そして嬉しいことを言ってくれたセレナリーゼと全力でダンスを楽しもうとあらためて意気込んだ。
このとき、セレナリーゼは夜会が終わったらすぐにミレーネとの第何回目となるとも知れない『レオナルド情報共有会議』を開くことを決めていた。そしてフレイのことをもっと知りたいと思った。その上で、もしも自分達と同じなら彼女と親しくなりたいとも思っていた。
その後、レオナルドとセレナリーゼは和やかに、優雅に最後まで笑顔絶えることなくダンスを楽しむのだった。
準備が整った頃、国王ジャガンより、サプライズ演出としてムージェスト王国、アドヴァリス帝国、そしてエヴァンジュール神聖国の親交のため聖女フレイが歌を披露することが高らかに告げられた。
フレイが登場し、歌い始めると会場中が陶酔しているかのように静かに聴き入っていた。レオナルドもその一人。会場の片隅で一人、包み込むような温かさのあるフレイの歌に浸っていた。ステラでさえも、ほぅ、と感嘆の声を漏らしていたことには驚いたけれど。それほど魅力的な透明感のある澄んだ歌声だった。少なくともレオナルドはそう思った。加えて、幾度も練習を重ねたのだろう。楽団の演奏もフレイの歌にしっかりと花を添えていた。
フレイが歌い終わった瞬間、割れんばかりの拍手が会場に響き渡った。
そうして、いよいよダンスの時間となり、レオナルドは真っ直ぐ歩を進めた。
その輪の中で最初に気づいたのはセレナリーゼだった。常にレオナルドへ意識を向けていたのだから、それは当然と言えば当然のこと。何だか表情が硬いように感じるが、その目はしっかりと自分を捉えている。
それだけで胸に広がっていたモヤモヤしたものがドキドキに変わってしまった。
声の届く距離までレオナルドがやって来たところで、シャルロッテも気づいたようだ。
「あら?レオナルド。いったい何の用かしら?」
レオナルドに蔑むような目を向け自分から言葉をかける。
頭を軽く下げてシャルロッテへの返事としたレオナルドの表情が微かに歪んだ気がした。それを見た瞬間、無礼は承知でシャルロッテを諫めようと口を開きかけるセレナリーゼだが、言葉となって出てくることはなかった。すぐに頭を上げたレオナルドがセレナリーゼに微笑みかけ、
「セレナ。一曲お相手願えますか?」
優雅な所作でセレナリーゼをダンスに誘ったから。シャルロッテが驚きに目を見開き、セレナリーゼのことを誘おうとでも思っていたのか周囲がざわざわとしていたが、レオナルドはそれらすべてをサクッと無視した。
「は、はい。喜んで……」
セレナリーゼは周囲の声など聞こえていないようで、少し恥じらうように頷くと、差し出されたレオナルドの手に自分の手を重ねた。
「ミレーネも一緒に来てくれるかな?」
続けてレオナルドがミレーネにもう片方の手を差し出すと、
「はい…」
ミレーネも自分の手を重ねるのだった。ここでも周囲がざわついたが、当然レオナルドは無視した。色々言われるだろうことは事前に想定済みだ。その上で覚悟を持って二人を誘いに来たのだから。
そして、レオナルドは再び両手に花の状態で二人を連れ立って待機場所へと移動を始めた。
とんとん拍子で話が進み、離れていく背中をアレクセイは面白くなさそうな顔で見つめていた。
(セレナとも俺が踊るはずだったのに……)
セレナリーゼやシャルロッテとはすでに数年来の付き合いだ。今だって関係性は良好だ。だから兄であるレオナルドの出る幕なんてないはずなのだ。わざわざ兄妹で踊る必要なんて……。そんな思いがアレクセイの中で燻っていた。
一方、レオナルドなんかにあしらわれたと感じ怒りを覚えたシャルロッテは、ふと目がいったアレクセイの顔から心情を察してその怒りを霧散させる。そして、すぐにコケティッシュな笑みを浮かべると、自分の願望を叶えるためアレクセイに話しかけるのだった。
一曲目の案内がされたため、ミレーネには待機場所で待っていてもらい、ダンススペースに立つと、あらためてレオナルドが柔らかな表情で手を差し出した。セレナリーゼはそっと自分の手を重ねる。
そして、どちらからともなく身体を寄せ合う。生地越しではあるが、二人の肌が接触する。
レオナルド達から少し離れたところではシャルロッテとアレクセイも二人でダンススペースに立っていた。何組もの男女が立つ中からその姿を目にしたレオナルドは、どういう流れでそうなったのかわからなかったが、王女であるシャルロッテの最初のダンスパートナーがゲームの主人公とはいえ男爵家の跡取りというのはいいのか?と疑問に思う。しかしすぐに、自分の今後に関わってくるようなものでなければ別にどうでもいいかと考えるのをやめた。今はダンスに集中したいから。シャルロッテルートが今のところ一番近いかもしれないとだけステラと情報を共有して。
間もなく演奏が始まり、レオナルドとセレナリーゼの二人は優雅にダンスを始めた。
握った手と手。触れ合う身体。それは互いの体温が感じられるほどで。この体勢になるのは初めからわかっていたことではあるが、セレナリーゼは胸の高鳴りが止まらなかった。
ダンススペースを囲むようにして大勢の観衆がいる中、二人はゆっくりとステップを刻む。動きに合わせセレナリーゼのドレスのスカート部分がまるで可憐な花びらのようにひらりひらりと広がる。
互いにしか聞こえない声で他愛のない話をしながら心の底からレオナルドとのダンスを楽しんでいたセレナリーゼは、しかし楽しいからこそ沸々とこみ上げてくるものがあった。
モヤモヤしたものは夜会が始まってすぐ――レオナルドから引き離されてしまったときから心の中にあった。
レオナルドに対する、シャルロッテの態度、アレクセイの言い様、周囲の人間の心無い言葉、それらは本当に腹立たしいものばかりで……。
でも今感じているものはそれとは別のもの。もっと個人的な自分自身の気持ちの問題。
そこまで自覚してしまったらもう抑えることなんてできなかった。
だから―――。
「ところで、レオ兄様?」
その想いのままレオナルドを呼んだ。
「ん?どうしっ…、た?」
レオナルドは言葉に詰まった。変わらず笑顔のセレナリーゼ、そのはずなのに目だけが笑っていないように感じたから。どうしてそんな風に思ったのか全くわからないが、急に冷や汗が出てきた。
「レオ兄様は聖女様…、フレイさんとどういった関係ですか?随分と親しそうでしたが」
セレナリーゼが『フレイさん』呼びなのは、これから同級生になるのだから様付けは不要だと本人に言われたからだった。
「え?……っ!?」
予想外過ぎた問いにレオナルドはぽかんとしてしまう。それだけじゃない。しまったと思ったときにはステップを間違えてしまった。けれどセレナリーゼは咄嗟のことにもかかわらず、しっかりとついてきてくれた。
「ご、ごめん」
「いえ。大丈夫ですよ。ふふっ」
セレナリーゼの言葉にレオナルドは安堵する。
ただ、どうしたことだろう。やっぱり先ほどからセレナリーゼの笑顔に圧を感じる気がするのだが、気のせいなのだろうか……。
「それでレオ兄様。庭ですごく楽しそうにお話されていましたよね?」
セレナリーゼは何事もなかったかのように言葉を続ける。言っている自分にちょっぴり自己嫌悪しながら。
だってこれはただの嫉妬だから。レオナルドが庭に出て行くのは見ていた。その後ろ姿に胸が痛くなった。その後すぐにフレイが自分達の輪を離れ、庭に向かった。そしてレオナルドと二人きりの時間を過ごしていた。二人とも笑顔で。それを目の当たりにしたときから、自分でも本当に面倒臭いと思うが、気持ちが抑えられなくなったのだ。まだ自分の気持ちを伝えていないくせに。その勇気すらまだ持てていないくせに。
「あ、ああ…そう、かな?…フレイとは少し前に知り合ったんだ。それがこんなところでまさかの再会だったからさ。少し話してただけだよ?」
まさか離れたところでたくさんの人と一緒にいたセレナリーゼに見られていたなんて思ってもみなかったレオナルドは、驚きながらも何とか事実を説明する。なぜか鼓動が速くなってしまっているが。
「っ!?」
「と」
セレナリーゼはレオナルドがフレイを呼び捨てにしたことに思わず動揺してしまい、瞬間、今度はセレナリーゼのステップが狂いそうになるが、そこはレオナルドが上手くリードして立て直した。
そして、「ご、ごめんなさい」「大丈夫。さっきは俺がやっちゃったし気にしないで」「ありがとうございます……」なんていうやり取りを交わした後のことだ。
「フレイさんとは以前からお知り合いだったんですね」
何とか気持ちを落ち着けたセレナリーゼが確認する。
「ああ、そうなんだ」
女の直感と言えばいいのだろうか。一つ息を吐いたセレナリーゼは続けて辿り着いた可能性も口にした。
「……もしかしてレオ兄様はフレイさんともこの後踊られるのですか?」
「っ!?お、おぅ。よくわかったな…。うん、ミレーネの次に踊る約束をしてる」
「そう、ですか……。ぅん…、わかりました!」
セレナリーゼは何かが吹っ切れたような満面の笑みを浮かべてみせた。ここまでにすると決めた。
「えっと…セレナ?」
「答えてくださってありがとうございました、レオ兄様。変なこと聞いちゃってごめんなさい。もう大丈夫ですから、今はダンスを楽しみませんか?ふふっ、私、ずっとレオ兄様と踊れるのを楽しみにしてたんですよ」
「…そっか。うん、わかった。目一杯楽しもう、セレナ」
理由は全くわからないが、ここでようやくセレナリーゼの笑顔から言い知れぬ圧が消えたようにレオナルドは感じた。そして嬉しいことを言ってくれたセレナリーゼと全力でダンスを楽しもうとあらためて意気込んだ。
このとき、セレナリーゼは夜会が終わったらすぐにミレーネとの第何回目となるとも知れない『レオナルド情報共有会議』を開くことを決めていた。そしてフレイのことをもっと知りたいと思った。その上で、もしも自分達と同じなら彼女と親しくなりたいとも思っていた。
その後、レオナルドとセレナリーゼは和やかに、優雅に最後まで笑顔絶えることなくダンスを楽しむのだった。
158
あなたにおすすめの小説
悪役令息に転生したけど、静かな老後を送りたい!
えながゆうき
ファンタジー
妹がやっていた乙女ゲームの世界に転生し、自分がゲームの中の悪役令息であり、魔王フラグ持ちであることに気がついたシリウス。しかし、乙女ゲームに興味がなかった事が仇となり、断片的にしかゲームの内容が分からない!わずかな記憶を頼りに魔王フラグをへし折って、静かな老後を送りたい!
剣と魔法のファンタジー世界で、精一杯、悪足搔きさせていただきます!
伯爵令息は後味の悪いハッピーエンドを回避したい
えながゆうき
ファンタジー
停戦中の隣国の暗殺者に殺されそうになったフェルナンド・ガジェゴス伯爵令息は、目を覚ますと同時に、前世の記憶の一部を取り戻した。
どうやらこの世界は前世で妹がやっていた恋愛ゲームの世界であり、自分がその中の攻略対象であることを思い出したフェルナンド。
だがしかし、同時にフェルナンドがヒロインとハッピーエンドを迎えると、クーデターエンドを迎えることも思い出した。
もしクーデターが起これば、停戦中の隣国が再び侵攻してくることは間違いない。そうなれば、祖国は簡単に蹂躙されてしまうだろう。
後味の悪いハッピーエンドを回避するため、フェルナンドの戦いが今始まる!
気づいたら美少女ゲーの悪役令息に転生していたのでサブヒロインを救うのに人生を賭けることにした
高坂ナツキ
ファンタジー
衝撃を受けた途端、俺は美少女ゲームの中ボス悪役令息に転生していた!?
これは、自分が制作にかかわっていた美少女ゲームの中ボス悪役令息に転生した主人公が、報われないサブヒロインを救うために人生を賭ける話。
日常あり、恋愛あり、ダンジョンあり、戦闘あり、料理ありの何でもありの話となっています。
神様の忘れ物
mizuno sei
ファンタジー
仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。
わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。
【第2章完結】最強な精霊王に転生しました。のんびりライフを送りたかったのに、問題にばかり巻き込まれるのはなんで?
山咲莉亜
ファンタジー
ある日、高校二年生だった桜井渚は魔法を扱うことができ、世界最強とされる精霊王に転生した。家族で海に遊びに行ったが遊んでいる最中に溺れた幼い弟を助け、代わりに自分が死んでしまったのだ。
だけど正直、俺は精霊王の立場に興味はない。精霊らしく、のんびり気楽に生きてみせるよ。
趣味の寝ることと読書だけをしてマイペースに生きるつもりだったナギサだが、優しく仲間思いな性格が災いして次々とトラブルに巻き込まれていく。果たしてナギサはそれらを乗り越えていくことができるのか。そして彼の行動原理とは……?
ロマンス、コメディ、シリアス───これは物語が進むにつれて露わになるナギサの闇やトラブルを共に乗り越えていく仲間達の物語。
※HOT男性ランキング最高6位でした。ありがとうございました!
※完結後、三人称一元視点に変えて全話改稿する予定です。規約を確認してから決めますが、こちらも残したいと思っています。
最低最悪の悪役令息に転生しましたが、神スキル構成を引き当てたので思うままに突き進みます! 〜何やら転生者の勇者から強いヘイトを買っている模様
コレゼン
ファンタジー
「おいおい、嘘だろ」
ある日、目が覚めて鏡を見ると俺はゲーム「ブレイス・オブ・ワールド」の公爵家三男の悪役令息グレイスに転生していた。
幸いにも「ブレイス・オブ・ワールド」は転生前にやりこんだゲームだった。
早速、どんなスキルを授かったのかとステータスを確認してみると――
「超低確率の神スキル構成、コピースキルとスキル融合の組み合わせを神引きしてるじゃん!!」
やったね! この神スキル構成なら処刑エンドを回避して、かなり有利にゲーム世界を進めることができるはず。
一方で、別の転生者の勇者であり、元エリートで地方自治体の首長でもあったアルフレッドは、
「なんでモブキャラの悪役令息があんなに強力なスキルを複数持ってるんだ! しかも俺が目指してる国王エンドを邪魔するような行動ばかり取りやがって!!」
悪役令息のグレイスに対して日々不満を高まらせていた。
なんか俺、勇者のアルフレッドからものすごいヘイト買ってる?
でもまあ、勇者が最強なのは検証が進む前の攻略情報だから大丈夫っしょ。
というわけで、ゲーム知識と神スキル構成で思うままにこのゲーム世界を突き進んでいきます!
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
伯爵家の三男に転生しました。風属性と回復属性で成り上がります
竹桜
ファンタジー
武田健人は、消防士として、風力発電所の事故に駆けつけ、救助活動をしている途中に、上から瓦礫が降ってきて、それに踏み潰されてしまった。次に、目が覚めると真っ白な空間にいた。そして、神と名乗る男が出てきて、ほとんど説明がないまま異世界転生をしてしまう。
転生してから、ステータスを見てみると、風属性と回復属性だけ適性が10もあった。この世界では、5が最大と言われていた。俺の異世界転生は、どうなってしまうんだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる