33 / 104
Chapetr1
033 レティシアと妄想サイクリング
しおりを挟む
良いお天気だ。
涼しい風が吹く湖畔の道。
景色はゆったり流れる。
「最近、このコースで新記録が出たんだって。星団新記録らしいよ」
「……へー、そーなんだ」
マリーさんの視線がつらい。最近デレたと思っていたが、冷たさは健在だ。
「スピード新記録で、若い女性らしいわ。展示とか有るみたいだから、後で見に行かない?実はたくましい太股、憧れるのよね~」
「いや……いいかな。サイクリングってほらのんびりを楽しむものだし」
「私は興味有るわ。その人、意外と細身で可愛いかもしれないし」
誉められてんだけどね!
今日は惰弱……もとい、ファミリーサイクリングコースをのんびり走る、のが目的。
さっきから最上級コースの赤い道が気になって仕方ない。
そんな私の気も知らない惰弱なソフィアが、私の前後左右にまとわりつく。普通に危ない。
あの時のマシンは、今と同じ何の変哲もないサイクリング用自転車。もし、戦闘用のマシンに乗ることができていれば、宇宙記録を更新できていたかもしれない……。
「レティシア、なんか怖くなってるよ」
「闘争本能が疼くのよ……」
わかっています、今日はね。
それにしても、ソフィアは危なっかしいな。下手クソだ!
「ソフィア、練習場でもう少し練習しようよ~」
「やだよ~。私が練習している間、二人はキャッキャしてるんでしょ?」
「ソフィには私か付いておくわ。レティシアは走りたいんでしょ?」
「……え、そう、なんだけどね」
いいのかな?いいのかな?
「めっちゃウキウキしてるよこの子。何?レティシア走るの好きなの?」
「ソフィ、さっき言ってた……」
「マリー!それはオチ用の」
「星団記録のこと?レティシアでしょ?……知ってるよ」
ソフィアの雰囲気が変わった。
「ふふ……貴女がどういう反応を見せるか、ずっと探っていたの。その様子、やっぱり何の覚悟も持っていないようね、タイトルホルダーの覚悟を!」
また小芝居を……この前は騙されちゃったけど、そう何度も騙されてたまるかよ!役に酔っているソフィアではなく、後ろのマリーを睨みつける。
(えっ、何?私も分からないよ!)
何も知らない村人Aの役?違うの?どっちなのマリー!
ソフィアは私の答えを待っている。なんて答えよう。1、つき合ってやる。2、無視してここを去る。
「私は……」
「えい」
マリーがソフィアに「膝カックン」!
「あう」
コレはキレイに入ったな。
力が抜けて崩れるソフィアをマリーが優しく抱き留める。
「マリィ……何すんだよぉ……」
「レティシアがタイトルをとったのは、私の為なの」
まだ続けるのかよ……。ソフィア、そんな目で見るな。始めたのはアンタだ。
「ソフィア。私は行くわ。マリーは最近私に構ってばかりでいてくれたから、ソフィア成分が足りてないみたい。二人でイチャコラしていなさい」
「ちょっと、レティ……」
うわ、ソフィアの力が入らないことを良いことに、マリーったら対面に抱き替えて……あれってチューしてるんじゃないよね?まさかね!
レティシア号戦線離脱、急速発進!
落ち着け、落ち着け。
黄色コースを走り、心を落ち着かせる。
あの二人は割と子供の頃から知り合いみたいだったし、一緒にいたらお風呂もベッドも当然一緒みたいだし。だからってチューはないよね!いやでもさ、私のことも揉もうとして来るじゃない?あの子達は二人だけの時も、あんなのかしら、どっちかが止めるの?止まるの?そしたら盛り上がってチューくらいしちゃうんじゃないの?そっちの人?でも先生と結婚狙ってるはずだし。もしかしたら街の女の子達はチューくらい普通なのか?私もされちゃうのか?
動揺してヨタヨタ走っていたら、惰弱コースに入るよう指示された。
ムカツク!……でもよ、でもさ……。
涼しい風が吹く湖畔の道。
景色はゆったり流れる。
「最近、このコースで新記録が出たんだって。星団新記録らしいよ」
「……へー、そーなんだ」
マリーさんの視線がつらい。最近デレたと思っていたが、冷たさは健在だ。
「スピード新記録で、若い女性らしいわ。展示とか有るみたいだから、後で見に行かない?実はたくましい太股、憧れるのよね~」
「いや……いいかな。サイクリングってほらのんびりを楽しむものだし」
「私は興味有るわ。その人、意外と細身で可愛いかもしれないし」
誉められてんだけどね!
今日は惰弱……もとい、ファミリーサイクリングコースをのんびり走る、のが目的。
さっきから最上級コースの赤い道が気になって仕方ない。
そんな私の気も知らない惰弱なソフィアが、私の前後左右にまとわりつく。普通に危ない。
あの時のマシンは、今と同じ何の変哲もないサイクリング用自転車。もし、戦闘用のマシンに乗ることができていれば、宇宙記録を更新できていたかもしれない……。
「レティシア、なんか怖くなってるよ」
「闘争本能が疼くのよ……」
わかっています、今日はね。
それにしても、ソフィアは危なっかしいな。下手クソだ!
「ソフィア、練習場でもう少し練習しようよ~」
「やだよ~。私が練習している間、二人はキャッキャしてるんでしょ?」
「ソフィには私か付いておくわ。レティシアは走りたいんでしょ?」
「……え、そう、なんだけどね」
いいのかな?いいのかな?
「めっちゃウキウキしてるよこの子。何?レティシア走るの好きなの?」
「ソフィ、さっき言ってた……」
「マリー!それはオチ用の」
「星団記録のこと?レティシアでしょ?……知ってるよ」
ソフィアの雰囲気が変わった。
「ふふ……貴女がどういう反応を見せるか、ずっと探っていたの。その様子、やっぱり何の覚悟も持っていないようね、タイトルホルダーの覚悟を!」
また小芝居を……この前は騙されちゃったけど、そう何度も騙されてたまるかよ!役に酔っているソフィアではなく、後ろのマリーを睨みつける。
(えっ、何?私も分からないよ!)
何も知らない村人Aの役?違うの?どっちなのマリー!
ソフィアは私の答えを待っている。なんて答えよう。1、つき合ってやる。2、無視してここを去る。
「私は……」
「えい」
マリーがソフィアに「膝カックン」!
「あう」
コレはキレイに入ったな。
力が抜けて崩れるソフィアをマリーが優しく抱き留める。
「マリィ……何すんだよぉ……」
「レティシアがタイトルをとったのは、私の為なの」
まだ続けるのかよ……。ソフィア、そんな目で見るな。始めたのはアンタだ。
「ソフィア。私は行くわ。マリーは最近私に構ってばかりでいてくれたから、ソフィア成分が足りてないみたい。二人でイチャコラしていなさい」
「ちょっと、レティ……」
うわ、ソフィアの力が入らないことを良いことに、マリーったら対面に抱き替えて……あれってチューしてるんじゃないよね?まさかね!
レティシア号戦線離脱、急速発進!
落ち着け、落ち着け。
黄色コースを走り、心を落ち着かせる。
あの二人は割と子供の頃から知り合いみたいだったし、一緒にいたらお風呂もベッドも当然一緒みたいだし。だからってチューはないよね!いやでもさ、私のことも揉もうとして来るじゃない?あの子達は二人だけの時も、あんなのかしら、どっちかが止めるの?止まるの?そしたら盛り上がってチューくらいしちゃうんじゃないの?そっちの人?でも先生と結婚狙ってるはずだし。もしかしたら街の女の子達はチューくらい普通なのか?私もされちゃうのか?
動揺してヨタヨタ走っていたら、惰弱コースに入るよう指示された。
ムカツク!……でもよ、でもさ……。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる