裏銀河のレティシア

SHINJIRO_G

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Chapetr2

076 レティシアと敵前逃亡!

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「私は帰ってきた!」
 昨日の散策では豪邸エリアで彼のおうちを発見した。そしてお互いの活動時間内では決してそこで出会うことがないことも理解した。
 逢いたいのなら待ち合わせればいい?どうやって連絡取り合うのさ。
 こんどこそ確実に会うために、私は彼の職場に再びやって来ていた。戦闘準備おめかしは完璧だ!

 数日前は敵の強大さに為すすべもなく逃げ帰った私だが、精神的に安定した私は無敵の気がする。無意味に堂々と、彼の職場の玄関をくぐった。
「あ~涼し~」
 私は荒ぶる魂を、一瞬で、治められてしまった。これが大人のやり方……!
「あら、レティシアちゃん、こんにちは。今日も可愛いわね」
 この間荒ぶっていた受付のお姉さんは、今日は仕事をしているようだ。
 アカリさんは美人美人と言ってくれて、それは凄く嬉しいんだけど、私としては可愛いとも言って欲しいのだ。特に今日はそう言われるのを狙った衣装だし。このお姉さんはそこんところ分かってらっしゃる。好きかも。
「こんにちは!アカリさんいますか!それとこの服、イケてると思いますか!」
 再び魂を荒ぶらせて、私は受付のお姉さんに想いを叩きつけた。アカリさんに届け、我が魂の叫び!
「どうしよう!やっぱりめっちゃ可愛い!」
 いつの間にか周りには人が増えていて、皆が皆私を温かく見ているのだ。中には私よりも荒ぶっている人もいるが。仕事しなよ……。
「アカリさんは、ついさっき昼の配達に向かったよ。もういないね」
 私の進路を塞ぐように、女性が一人立っていた。
「あなたは?」
「私?私はアカリさんの上司が突然の失踪をしたため、代わりに配送チームの担当主任になった、「後輩だけど上司」よ」
「何その盛り属性?羨ましい!」
 主任は腕組み胸を張り、威厳を主張するポーズで威嚇してくる。でもプルプル震えてる。
 (うわぁレティシアちゃんだ!めっちゃ可愛い!ごめんねこれは私の本来のキャラではないの~)
 主任、まる聞こえです。
「……私もそう思ってたんだけどね、今日は朝からアカリさん取扱説明を、エレナさんと二人きりで……」
 またエレナ!
「そうだ!早く逃げなさい、レティシアちゃん!今、休憩時間なの!下手するとここにもやって来るわ、彼女が!」
 主任の叫びに、エントランスにたむろしていた野次馬たちが静まり返る。
 そんなに怖いのか……。私どうなる?
「エレナさんは貴方に興味津々よ。研修中にも何回かあなたのこと出てきたし……」
「え?こわい」
「早く行って!アカリさんは街にいるわ!」
 エレナショックの中、私は急いでビルを後にした。
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