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より強くなるために
修行その弐『間合い』
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「いきなり素振り千回は無謀だと思いました」
これからの基本的な構えとなる『霞の構え』をアヤカから教わり、それを馴染ませる為にまずは霞の構えからの素振りから始まった。
が、いきなり素振り千回だと言われた時はリンは耳を疑った。
「う~ん? そんなにキツかったでござるか?」
「肩が外れるかと思いました」
ただひたすら繰り返されるその動作は、苦行と表現して差し支えないだろう。
「なら次からは百回にしておくでござるかな」
「いきなり十分の一じゃねえか」
「いや~! 如何にも加減が解らぬのでこれぐらいかな~っと」
一応、リンはアヤカにとって弟子第一号だった。
つまりそれは今までみっちりと、誰かに教えるという事をした事がなかったということだ。
「アンタ確か偶に町の道場に教えに行ってるんだろ? いつもこんな感じなのか?」
「道場だと元々そこにある教え方に沿ってやってるでござるよ そこの流派もあるでござるからな」
「だったらそこのやり方で良いだろ」
「ダメでござるよ~ リン殿は拙者の弟子なんだから拙者がキチンと考えた修行法を教えたいのでござる」
「そのキチンと考えた修行法のうちまず一つは十分の一に軽くカットしたけどな さっき」
「それだけ軽口を叩けるならまだ休憩しなくて良さそうでござるな 次を教えるでござるよ」
するとアヤカは持っていた木刀を床に置いて、そのまま構えた。
「……どういうつもりだ?」
「あーリン殿は置かなくて良いでござるよ 拙者はなくても大丈夫でござるから」
それはつまりリンの木刀に対してアヤカは『素手で相手をする』ということだった。
(随分下に見られたもんだな……まあ実際負ける気しかしないが)
どういう意図があるのかは分からなかったが、とりあえず自分が負けるだろうという事をリンは理解した。
アヤカのお望み通りにリンは構える。早速教わったばかりの構えを試す。
(確かこの構えは攻めよりかは迎撃に適してる構えだったよな? なら攻めてくるのを待つか?)
しかしアヤカはこちらに攻めてくる様子は無い。
(なら動くか……? このまま膠着状態が続くのも避けたい)
ジリジリとにじり寄り、少しずつアヤカとの距離を詰める。
(なるようになれだ!)
木刀を振り下ろす。しかし、振り下ろされた時には既に避けられ、アヤカの裏拳がすんでのところまで放たれる。
「次に教えるのが『間合い』でござる……これを間違えれば命取りでござるよ」
「……体感しました」
寸止めされなければ確実に裏拳はリンの顎を捉えていだろう。アヤカの動きには一切の無駄がなく、まるで事前に把握していたかのようだった。
「簡単なことでござる さっきリン殿は少しずつ距離を詰めたでござるがアレでは『どうぞ間合いを測ってください』と言われてるようなものでござった」
「それは恥ずかしい」
「振り下ろされた時もその角度からどれぐらい避ければ良いかもわかる あとは振り下ろされた瞬間を狙って突いたまでのこと 攻撃時は相手の『攻め時』にもなるのでござるよ」
動作を攻めに費やした分、その瞬間は身を守ることがどうしてま疎かになる。
相手が強ければ強い程、そこは狙われやすいだろう。
「だからリン殿に間合いを覚えてもらいたいのでござる」
「具体的には?」
「ちょっと待っててほしいでござるよ」
そう言ってアヤカは小走りでその場を離れ、戻ってきた時には数本の竹刀を抱えて持ってきた。
「ヒーフーミー……計九本でござるな」
「これは?」
「何か気づいた事はあるでござるか?」
「……僅かではあるが長さが違うのか」
「そのとおりでござる」
アヤカの持ってきた竹刀を一つずつ比較すると、少々わかりづらいが全て長さ、それに太さもばらつきがあった。
「これからリン殿にはさっきとは逆に『素手』で拙者を相手してもらうでござる 拙者はこの竹刀の中からテキトーに使うでござる」
「俺が素手なのか?」
「そうでござる さっき言ったでござるがリン殿にはリン殿自身の間合いを知ってほしいのでござる」
リン自身の間合いを知るには、武器の長さは寧ろ邪魔になる。
「ここでリン殿に問題でござるが……剣と手足 どっちの方が自分と付き合いが長いと思うでござるか?」
「ひっかけじゃあなければ答えは『手足』だろ?」
「そのとおり 『剣を手足のように扱う』と比喩する事はあっても本当にそうなわけではないし そんなふうに自由に扱うのは手足があるからこそでござるな」
つまりはその『土台』をしっかりしていなければ話にならないという事だ。
「まあリン殿みたいに 手足との付き合いが二十代後半ともなれば必要ない事かも知れないでござるが……」
「まだ十六だすっとこどっこい」
知っていながら歳を大幅に増やしたアヤカを、これでもかと睨みつける。
「まあまあ軽い冗談でござるよ~ じゃあ早速やるでござるよ」
するとアヤカはリンに教えた『霞の構え』をとり、リンと相対する。
(……なるほど ついでに構えの手本も見せようってことか)
これならば自分が相手にどうみられているかもわかり、長所と短所を肌身で感じることができ、一石二鳥だった。
「お手柔らかに頼むよ」
「それはできない相談でござる」
「本当……やる気無くすわ」
そんな事お構いなしにアヤカはリンに教えを叩き込む。
間合いを測る修行は、何度も何度も繰り返された。
「どうでござる? 少しは理解できたでござるかな?」
「勘弁……してくれ」
勿論リンは真面目に頑張ってはいのだが、どうにも考えているよりも難しい事なのだ。
「少し休憩にするでござるかな? ぶっ続けというのも良くないでござろう」
「そうしてくれると助かるよ」
木刀から竹刀に変わった事で前よりはマシ程度だが、痛みは軽減されている。
だがそれでも何度も打ち込まれたのだ、明日にはおそらくアザだらけであろう。
それがこれから暫く続くと考えるとたまったものではない。
「最初はこんなものでござるよ……多分」
「ここまで信用できない慰めは初めてだな」
アヤカから水を渡され、リンはありがたくいただく。
疲れた身体にただの水ではあるが、その冷たさが癒してくれる。
「なんかコツとか無いものなんですかねぇ師匠?」
「こればっかりは感覚でござるからな なんとも言えぬでござる」
「真面目に返された……」
「拙者をなんだと思ってるでござる?」
ジト目で睨まれるがリンは気にしない。さっきの意趣返しも含まれていたからだ。
「リン殿は背丈は如何程で?」
「? 百七十だが」
「拙者は百六十三……単純に考えてそれだけで『七』の差が有るのでござる そこに手足の長さが含まれるのだから たとえ同じ背丈だったとしても同じ間合いは通用しないでござる」
「まあそうなるよな」
「だから強いて言えば『よく観る』ことでござるかな 観察眼というやつでござる」
身長だけでなく、それぞれの癖や特徴もある。
間合いを身につけるのも一苦労だというのに、相手の観察もしなくてはならないとなれば、頭も痛くなる事だろう。
「だいぶ参ってるようでござるな」
「読書してる方が俺は性に合ってるからな 休ませろ」
「読書もいいでござるが 動かずともできる修行とかはどうでござる?」
「動かずともできる修行?」
それは一体どんな修行なのか? という疑問を込めた問いに、アヤカは答える。
「それはズバリ……『呼吸』でござる」
休憩中ではあるが、それを有効活用できる『修行その参』をアヤカは提案する。
これからの基本的な構えとなる『霞の構え』をアヤカから教わり、それを馴染ませる為にまずは霞の構えからの素振りから始まった。
が、いきなり素振り千回だと言われた時はリンは耳を疑った。
「う~ん? そんなにキツかったでござるか?」
「肩が外れるかと思いました」
ただひたすら繰り返されるその動作は、苦行と表現して差し支えないだろう。
「なら次からは百回にしておくでござるかな」
「いきなり十分の一じゃねえか」
「いや~! 如何にも加減が解らぬのでこれぐらいかな~っと」
一応、リンはアヤカにとって弟子第一号だった。
つまりそれは今までみっちりと、誰かに教えるという事をした事がなかったということだ。
「アンタ確か偶に町の道場に教えに行ってるんだろ? いつもこんな感じなのか?」
「道場だと元々そこにある教え方に沿ってやってるでござるよ そこの流派もあるでござるからな」
「だったらそこのやり方で良いだろ」
「ダメでござるよ~ リン殿は拙者の弟子なんだから拙者がキチンと考えた修行法を教えたいのでござる」
「そのキチンと考えた修行法のうちまず一つは十分の一に軽くカットしたけどな さっき」
「それだけ軽口を叩けるならまだ休憩しなくて良さそうでござるな 次を教えるでござるよ」
するとアヤカは持っていた木刀を床に置いて、そのまま構えた。
「……どういうつもりだ?」
「あーリン殿は置かなくて良いでござるよ 拙者はなくても大丈夫でござるから」
それはつまりリンの木刀に対してアヤカは『素手で相手をする』ということだった。
(随分下に見られたもんだな……まあ実際負ける気しかしないが)
どういう意図があるのかは分からなかったが、とりあえず自分が負けるだろうという事をリンは理解した。
アヤカのお望み通りにリンは構える。早速教わったばかりの構えを試す。
(確かこの構えは攻めよりかは迎撃に適してる構えだったよな? なら攻めてくるのを待つか?)
しかしアヤカはこちらに攻めてくる様子は無い。
(なら動くか……? このまま膠着状態が続くのも避けたい)
ジリジリとにじり寄り、少しずつアヤカとの距離を詰める。
(なるようになれだ!)
木刀を振り下ろす。しかし、振り下ろされた時には既に避けられ、アヤカの裏拳がすんでのところまで放たれる。
「次に教えるのが『間合い』でござる……これを間違えれば命取りでござるよ」
「……体感しました」
寸止めされなければ確実に裏拳はリンの顎を捉えていだろう。アヤカの動きには一切の無駄がなく、まるで事前に把握していたかのようだった。
「簡単なことでござる さっきリン殿は少しずつ距離を詰めたでござるがアレでは『どうぞ間合いを測ってください』と言われてるようなものでござった」
「それは恥ずかしい」
「振り下ろされた時もその角度からどれぐらい避ければ良いかもわかる あとは振り下ろされた瞬間を狙って突いたまでのこと 攻撃時は相手の『攻め時』にもなるのでござるよ」
動作を攻めに費やした分、その瞬間は身を守ることがどうしてま疎かになる。
相手が強ければ強い程、そこは狙われやすいだろう。
「だからリン殿に間合いを覚えてもらいたいのでござる」
「具体的には?」
「ちょっと待っててほしいでござるよ」
そう言ってアヤカは小走りでその場を離れ、戻ってきた時には数本の竹刀を抱えて持ってきた。
「ヒーフーミー……計九本でござるな」
「これは?」
「何か気づいた事はあるでござるか?」
「……僅かではあるが長さが違うのか」
「そのとおりでござる」
アヤカの持ってきた竹刀を一つずつ比較すると、少々わかりづらいが全て長さ、それに太さもばらつきがあった。
「これからリン殿にはさっきとは逆に『素手』で拙者を相手してもらうでござる 拙者はこの竹刀の中からテキトーに使うでござる」
「俺が素手なのか?」
「そうでござる さっき言ったでござるがリン殿にはリン殿自身の間合いを知ってほしいのでござる」
リン自身の間合いを知るには、武器の長さは寧ろ邪魔になる。
「ここでリン殿に問題でござるが……剣と手足 どっちの方が自分と付き合いが長いと思うでござるか?」
「ひっかけじゃあなければ答えは『手足』だろ?」
「そのとおり 『剣を手足のように扱う』と比喩する事はあっても本当にそうなわけではないし そんなふうに自由に扱うのは手足があるからこそでござるな」
つまりはその『土台』をしっかりしていなければ話にならないという事だ。
「まあリン殿みたいに 手足との付き合いが二十代後半ともなれば必要ない事かも知れないでござるが……」
「まだ十六だすっとこどっこい」
知っていながら歳を大幅に増やしたアヤカを、これでもかと睨みつける。
「まあまあ軽い冗談でござるよ~ じゃあ早速やるでござるよ」
するとアヤカはリンに教えた『霞の構え』をとり、リンと相対する。
(……なるほど ついでに構えの手本も見せようってことか)
これならば自分が相手にどうみられているかもわかり、長所と短所を肌身で感じることができ、一石二鳥だった。
「お手柔らかに頼むよ」
「それはできない相談でござる」
「本当……やる気無くすわ」
そんな事お構いなしにアヤカはリンに教えを叩き込む。
間合いを測る修行は、何度も何度も繰り返された。
「どうでござる? 少しは理解できたでござるかな?」
「勘弁……してくれ」
勿論リンは真面目に頑張ってはいのだが、どうにも考えているよりも難しい事なのだ。
「少し休憩にするでござるかな? ぶっ続けというのも良くないでござろう」
「そうしてくれると助かるよ」
木刀から竹刀に変わった事で前よりはマシ程度だが、痛みは軽減されている。
だがそれでも何度も打ち込まれたのだ、明日にはおそらくアザだらけであろう。
それがこれから暫く続くと考えるとたまったものではない。
「最初はこんなものでござるよ……多分」
「ここまで信用できない慰めは初めてだな」
アヤカから水を渡され、リンはありがたくいただく。
疲れた身体にただの水ではあるが、その冷たさが癒してくれる。
「なんかコツとか無いものなんですかねぇ師匠?」
「こればっかりは感覚でござるからな なんとも言えぬでござる」
「真面目に返された……」
「拙者をなんだと思ってるでござる?」
ジト目で睨まれるがリンは気にしない。さっきの意趣返しも含まれていたからだ。
「リン殿は背丈は如何程で?」
「? 百七十だが」
「拙者は百六十三……単純に考えてそれだけで『七』の差が有るのでござる そこに手足の長さが含まれるのだから たとえ同じ背丈だったとしても同じ間合いは通用しないでござる」
「まあそうなるよな」
「だから強いて言えば『よく観る』ことでござるかな 観察眼というやつでござる」
身長だけでなく、それぞれの癖や特徴もある。
間合いを身につけるのも一苦労だというのに、相手の観察もしなくてはならないとなれば、頭も痛くなる事だろう。
「だいぶ参ってるようでござるな」
「読書してる方が俺は性に合ってるからな 休ませろ」
「読書もいいでござるが 動かずともできる修行とかはどうでござる?」
「動かずともできる修行?」
それは一体どんな修行なのか? という疑問を込めた問いに、アヤカは答える。
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