俺の武器が最弱のブーメランだった件〜でも、レベルを上げたら強すぎた。なんか伝説作ってます!?〜

神伊 咲児

文字の大きさ
17 / 37

第17話 テストの合否

しおりを挟む
 俺は軽々と宙に舞い、ゴブリンリーダーの槍攻撃を避けていた。

 驚愕するチェックさん。

「は、速い! よく避けた!!」

  
 まぁ、大した事はない。
 それに──。


「避けるだけじゃないんだよね」


 リーダーの槍はゴブリンキングの巨体に突き刺さっていた。


『グワォオオオッ!!』


 キングの苦悶の叫び。
 チェックさんは目を見張る。

「何ィイイイイイ!? リーダーの槍をキングに突き刺すだとぉおおお!?」

「即死攻撃は敵同士でやってくれるのが一番効率いいっしょ?」

「そうか! 片目を潰したのは標的をわかりにくくするため! しかも怒らせていたから尚更わからなかったのか!!」

『流石だ! 主の素早さあっての芸当だな!!』

 説明と絶賛ありがとうございます。
 さぁて、止めといきますか!


「行け! ヴァンスレイブ!!」


 ブーメランはゴブリンキングの眉間に命中。


グサッ!!


「やった! 刺さった!!」


 キングの咆哮が響く。


『ブォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!』


 それは断末魔ではなかった。怒りと共に力を増幅する脅威の叫び。

ズシャン!!

 一筋の閃光。
 キングが斧を一振りするとゴブリンリーダー3体の首が飛んだ。
 緑色の鮮血が飛び散る。

 うはぁ、グロ注意。

「マワル! キングは怒って更に力を増したぞ!!」

『主!  回転遅延スピンスロウの効果が強制解除されてしまった!!』

 あらら、これはピンチかな?
 なんちゃって。残念ながらマイナス要素だけじゃないんだよね。

 回転遅延スピンスロウが解除されてもさ、防御のスキルが無くなってブーメランが刺さっただろ?」

『しかし主。奴の肉体は分厚い。少し刺さった程度では倒すことはできないぞ! 肉の鎧だ!』

 肉の鎧ねぇ……。

「だったら深く突き刺せばいいじゃん」

『そんなスキルは持ち合わせていない!!』

「ヴァンスレイブ……。俺さ。剣聖になりたかったんだ」

『なんの話だ?』

「だから毎日、剣の素振りしてさ。何年もそれを続けて……何万回もやってきたんだ」

 こんな肉の鎧……。

 俺はブーメランを振りかぶって飛び上がった。
 それと同時。アイアは対峙していたゴブリンに向かって鉄球を構えていた。


「はぁ……はぁ……。マワルさんは……ブーメランで一番の使い手になります! そして、私は──」


 深く溜めたスイングフォームをゴブリンに向かって解き放つ。




「 大 僧 侶 に な る ん で す !! 」




 鉄球はゴブリンの頭部に命中した。


ゴンッ!!


 同じタイミング、俺はキングの額に向かってブーメランを振り下ろしていた。



「俺は剣聖にはなれない。でも──」



 それはただの斬撃。毎日やってきた剣の素振りだった。


 肉の鎧を貫いてやる!





「 俺 は 飛 刃 聖 に な る ん だ !! 」






 ブーメランはゴブリンキングの額に深々と刺さった。






グサァアアアアアアアアアアアアアッ!!
 



『グァ……………!!』


 キングは絶命して地に伏せた。


ズシィーーーーン!!


『凄いぞ主! ただの斬撃でキングの分厚い肉を貫いてしまった!!』

 砂煙が舞い上がる中、チェックさんは顎が外れそうなくらい驚愕していた。
 それは驚きと言うより呆れに近い。


「キ……キングを……。た、倒しちまいやがった……」


 もう一人。
 その事実を把握できない人がいた。


「はぁ……はぁ……。あ、あれ??」


 アイアは地面に横たわるゴブリンを見つめていた。
 ピクリとも動かないゴブリンに目を瞬かせる。



「ゴブリン……。命中……してる? よね??」



 アイアの奴、まだ状況を理解してないんだな。教えてやろう!


「アイア! やったな!! 鉄球がゴブリンに命中したんだよ!!」

「あ、マワルさん……。わ、私……。あは……。ゴ、ゴブリンを、た、倒しちゃった……」

 アイアは状況を理解した。
 大きく飛び跳ねる。

「あは! 私、ゴブリンを倒しちゃいました!!」

「おお! やるじゃんかよ!!」

 アイアは駆けつけた俺に抱きつく。

「マワルさん! やったーー!!」

「うほぉ!! おう、やったなーー!!」

 俺達は飛び跳ねて喜んだ。

『主! 朗報だ! 今の勝利でレベルが2つも上がったぞ! 上位モンスターは経験値が高いようだ! 当然スキルも2つ覚えた!!』

「んあ~~後々!! んな事は後でいいよ。今はめでたいんだからよ」

『おお、そうであったか。これは無粋なことをした』

「見ましたかマワルさん。私が鉄球でゴブリンを倒す所を!?」

「おう! 見た見た! バッチリ見たぞ!」

 チェックさんが首を振る。

「いやいや。そんな場合じゃなかったぞ!」

「え? どういう意味ですか??」

 おいおい、チャックさんそれはないって!

「マワルは凄いんだ! なにせゴブリンキン……。んぐ……」

「?」

「あーー。な、なんでもない……」

 チェックさんは思わず口を閉じた。俺が唇の前で人差し指を立てているのを見たからだ。

「マワルさんが、どうかしたんですか?」

「なんでもねーーよ! ね!? チェックさん!!」

「え? あ、ああ。ま、まぁ……そうだな」

「それで、アイアのテストはどうなんですか?」

 チェックさんは倒れているゴブリンを見つめる。

「あ、うん! 合格だ!!」

 俺達は喜んでまた跳ねた。


 今日の主役はアイアで決まりだ!
 

「あはは! マワルさんの応援のおかげです!!」


 彼女の汗は日の光に照らされてキラキラと輝いていた。



==================================
==================================


現在の状況【読み飛ばしてもストーリーに影響はありません】



名前:マワル・ヤイバーン。

冒険者等級:E級。

守護武器:ブーメラン。

武器名:ヴァンスレイブ。

レベル:8。

取得スキル:
 戻るリターン
 双刃ダブルブーメラン
 回転遅延スピンスロウ
 絶対命中ストライクヒット
 魔力感知センシング
???? NEW
???? NEW



アイテム:薬草。図鑑。

昇級テスト必須アイテム:
白い角。黒い牙。緑の甲羅。


所持金:4万5千エーン。


仲間:僧侶アイア・ボールガルド。
オバケ袋のブクブク。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

スキルで最強神を召喚して、無双してしまうんだが〜パーティーを追放された勇者は、召喚した神達と共に無双する。神達が強すぎて困ってます〜

東雲ハヤブサ
ファンタジー
勇者に選ばれたライ・サーベルズは、他にも選ばれた五人の勇者とパーティーを組んでいた。 ところが、勇者達の実略は凄まじく、ライでは到底敵う相手ではなかった。 「おい雑魚、これを持っていけ」 ライがそう言われるのは日常茶飯事であり、荷物持ちや雑用などをさせられる始末だ。 ある日、洞窟に六人でいると、ライがきっかけで他の勇者の怒りを買ってしまう。  怒りが頂点に達した他の勇者は、胸ぐらを掴まれた後壁に投げつけた。 いつものことだと、流して終わりにしようと思っていた。  だがなんと、邪魔なライを始末してしまおうと話が進んでしまい、次々に攻撃を仕掛けられることとなった。 ハーシュはライを守ろうとするが、他の勇者に気絶させられてしまう。 勇者達は、ただ痛ぶるように攻撃を加えていき、瀕死の状態で洞窟に置いていってしまった。 自分の弱さを呪い、本当に死を覚悟した瞬間、視界に突如文字が現れてスキル《神族召喚》と書かれていた。 今頃そんなスキル手を入れてどうするんだと、心の中でつぶやくライ。 だが、死ぬ記念に使ってやろうじゃないかと考え、スキルを発動した。 その時だった。 目の前が眩く光り出し、気付けば一人の女が立っていた。 その女は、瀕死状態のライを最も簡単に回復させ、ライの命を救って。 ライはそのあと、その女が神達を統一する三大神の一人であることを知った。 そして、このスキルを発動すれば神を自由に召喚出来るらしく、他の三大神も召喚するがうまく進むわけもなく......。 これは、雑魚と呼ばれ続けた勇者が、強き勇者へとなる物語である。 ※小説家になろうにて掲載中

俺を凡の生産職だからと追放したS級パーティ、魔王が滅んで需要激減したけど大丈夫そ?〜誰でもダンジョン時代にクラフトスキルがバカ売れしてます~

風見 源一郎
ファンタジー
勇者が魔王を倒したことにより、強力な魔物が消滅。ダンジョン踏破の難易度が下がり、強力な武具さえあれば、誰でも魔石集めをしながら最奥のアイテムを取りに行けるようになった。かつてのS級パーティたちも護衛としての需要はあるもの、単価が高すぎて雇ってもらえず、値下げ合戦をせざるを得ない。そんな中、特殊能力や強い魔力を帯びた武具を作り出せる主人公のクラフトスキルは、誰からも求められるようになった。その後勇者がどうなったのかって? さぁ…

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

【収納∞】スキルがゴミだと追放された俺、実は次元収納に加えて“経験値貯蓄”も可能でした~追放先で出会ったもふもふスライムと伝説の竜を育成〜

あーる
ファンタジー
「役立たずの荷物持ちはもういらない」 貢献してきた勇者パーティーから、スキル【収納∞】を「大した量も入らないゴミスキル」だと誤解されたまま追放されたレント。 しかし、彼のスキルは文字通り『無限』の容量を持つ次元収納に加え、得た経験値を貯蓄し、仲間へ『分配』できる超チート能力だった! 失意の中、追放先の森で出会ったのは、もふもふで可愛いスライムの「プル」と、古代の祭壇で孵化した伝説の竜の幼体「リンド」。レントは隠していたスキルを解放し、唯一無二の仲間たちを最強へと育成することを決意する! 辺境の村を拠点に、薬草採取から魔物討伐まで、スキルを駆使して依頼をこなし、着実に経験値と信頼を稼いでいくレントたち。プルは多彩なスキルを覚え、リンドは驚異的な速度で成長を遂げる。 これは、ゴミスキルだと蔑まれた少年が、最強の仲間たちと共にどん底から成り上がり、やがて自分を捨てたパーティーや国に「もう遅い」と告げることになる、追放から始まる育成&ざまぁファンタジー!

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。

役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !

本条蒼依
ファンタジー
地球とは違う異世界シンアースでの物語。  主人公マルクは神聖の儀で何にも反応しないスキルを貰い、絶望の淵へと叩き込まれる。 その役に立たないスキルで冒険者になるが、役立たずと言われダンジョンで殺されかけるが、そのスキルは唯一無二の万能スキルだった。  そのスキルで成り上がり、ダンジョンで裏切った人間は落ちぶれざまあ展開。 主人公マルクは、そのスキルで色んなことを解決し幸せになる。  ハーレム要素はしばらくありません。

処理中です...