龍王転生〜転生したら魔導師ってのに出待ちされてた件について〜

波動砲

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龍王と冒険者ギルド

60話目

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ギルド。それはファンタジーの世界を生きる上で切っても切れない僕たち転生者の強い味方。タマを介して姫からそんなギルドについての情報を聞くことができた


ギルドと一口で表しても、この大陸アナシスタイル(他に四大陸あるらしい)には大小様々なギルドが存在しているらしく、俺がイメージしていたのは、いわゆる魔獣討伐や魔迷宮の攻略をメインで行う冒険者ギルドらしい。因みに新人冒険者の1年以内の死亡率は脅威の3割超え。ここで死ななければ大抵みんなそれなりに長生きすると話していた。最初の1年はギルドがOJTを導入して新人に冒険者のノウハウを叩き込むべきでは?毎年3割もタマ取ってくる強打者に対して、強気すぎませんかね……
ようこそ実力至上主義の冒険者ギルドへ!仕事はしてもらうが死んだら自己責任だからよろしくな!


ゲーテ曰く、今ある問題を嘆くばかりで放置し、解決せずに漫然と生きる事は罪である(言ってない)。俺がギルドに加入したら、新人育成を軽視していると問題提起してやる!黙って欲しけりゃ俺のクエストの際には、美人で巨乳で面倒見が良くて俺が何をしても褒めるタイプのお姉さんをお供に付けろ!わかったバブか!


因みに魔獣ってなに?と改めて聞いてみると、この世界アルタートゥームでは、人族以外で魔力を持っている種族は初め全て下等で邪悪な魔物として区分していたそうな。
魔力格差がまだ広がる前の人族は団結しており、三つの大国を興していたらしく、そしてかの大国たちは国力の維持と拡大の為に、征服活動を持ってして植民と魔物の奴隷化を推奨していたとのことだった


遂には事態を看過しきれなくなった後の初代魔王ルーテン・ブルグを中心に奴隷にされた種族たちが反乱を起こして、自由を勝ち取ったらしいが、魔王と共に決起した種族たちにより建国されたのが今の魔国リーブルであり、魔と人は対等である故に魔人と呼ばれ、魔族なのだそうだ


その後、残りの種族も続々と独立戦争を仕掛けていったらしく、そっちの方は亜人と一括りにされている


人間、魔物、魔族、亜人、では魔獣とは?の話に戻るが、魔獣は人間以外の生物が魔力の澱みである"瘴気"に肉体を50%以上侵食された場合に変異した生物らしい。人族は侵食されない訳ではなく、急激な変異に耐えられず先に死ぬらしい


まあ要するに世界中で魔力が使用され続ける限りは事実上魔獣根絶は不可能とされているらしく、各地で散発的に対応を行なっていかなくてはならないが、恒久的な需要があるならと冒険者ギルドの発足はこの辺に起因しているのだろう


後、侵食率が100%を超えている個体を最上位魔獣ゾディアックとして分類しているらしく、1体を除いて、忘れられし大陸 エクリフィスに四賢人なる偉い人たちが現在進行形でその大陸の外に出ないように結界で封じ込めているらしい。後一体もはやく封じてほしい。怖くて夜しか寝れないんだが?


最後に商業・職人ギルドのみ横の繋がりがあり、『超巨大複合互助組織』という形を取っているらしい。この大陸全土の金融と交易と流通を一手に引き受けているらしく、本当に国の枠組みを越えて大陸全土を牛耳っているなら、俺たちの世界で言うロスチャイルド財閥やロックフェラー財閥やモルガン財閥みたいなものだろうか?俺は陰謀論が好きなので、裏で着々と世界征服が進んでるってシチュは割と好みだったりする


姫に忠告されたが、背後にはブレックファストという裏社会最大の犯罪組織が一枚噛んでいるから、ヘタに手を出すと全冒険者ギルドを合わせた以上の戦力を差し向けられるらしい。気付いてないだけで、もう世界征服完了してない?魔獣より先に退治するべきなのはこっちじゃないのと思ったが、俺にはどうすることも出来ないので、そのブレックなんたらには近付かない様にするぜ


「こんな感じなんだけど、話を聞くって事は、偉大なる龍王様アーカーシャはギルドに興味があるのかな?」


別に働かなくても金がもらえれば何でもいいのだが、コクコクと頷くと、姫は少しだけ困ったように声を漏らして俺の顔を見上げる


「あー……そうなんだ。でも魔族や亜人なら兎も角、龍は現在魔物として扱われているから、どこのギルド加入も難しいんじゃないかな?」


「《なん、だと!?こうなったら、金の鉱山でも探して1発当てるしか……》」


龍ってなんか、神聖な生き物として崇め奉られてると思ったんだがな。世知辛い世の中だぜ
ぼんやりそんなことを思ってると、後ろに控えていた花ちゃんが発言権を求めておずおずと手を挙げる


「先輩。自分たちならギルドに登録することが可能です」


「賢いわ、花。偉いわね ただ国と繋がりのある大手ギルドの所属は避けたい所ね。魔導師が特定の国家にのみ既得権益をもたらすと後々面倒になるから」


「なら地方の小さなギルドが望ましい、ということですね。『黄』さんそういうの詳しそうですし、自分がちょっと聞いてきます」


そう言うや否や、花ちゃんは通信用の魔導具を持って外に出ていってしまった。こんな洞窟だし、アンテナ立ってはいないと思うが、通信って電波でやってる……のか?


「私なりに考えました。貴方がなぜ急に冒険者ギルドに興味を示したのか」


「《ぐぅ!?勘が良い子は嫌いだよ。そうだよ、金だよ。金と財産が目当てなんだ》」


「人と龍が創った国アルカサルは滅びました。
だから貴方は人に力を貸すことで、かつての国の面影を取り戻したいと考えた」


「《んんっ……???》」


お前は突然何を言っているんだ?
俺は透明になれる薬が欲しいだけで、別に他意はないんだが……


「ふふ なんてね。偉大なる龍王様アーカーシャの思惑なんて知らないわ。だと良いなって思っただけ」


「《……なんだろう、胸が痛い》」


この龍王様はさぞ偉大な御方なのだろう。偉業を成してきたのだろう
だが俺はアーカーシャなどではない。ただその皮を被ったどこにでもいる高校生なのだ。
羨望や幻想を押し付けられても困るのだ。困るのだが……顔に泥を塗りたいわけでもないし、唾を吐きたいわけでもない


「《龍王のイメージを崩さないように立ち振る舞い方考えてみるか》」


「《僕……は違うな。私、でもない。……俺だと変わらないな……儂、それがし、吾輩、我……我?おお。我ってなんか強そうだな。これにしよう》」


「《我龍王アーカーシャ。転生者也》」


心なしか強くなった気がする。ノブレスオブリージュ、貴族たるもの身分に相応しい振る舞いを。ってやつだ


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