龍王転生〜転生したら魔導師ってのに出待ちされてた件について〜

波動砲

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龍王と魔物

75話目

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最初の冒険者依頼一件目の成功から数日が経っていた。
我と姫はあれから何度か低難易度D~E程度の依頼をこなしていた。正直なところ透明化の薬(残り99錠)が手に入ったのでお金はもう必要ないのだが世のため人のためというやつだ。家の掃除やら荷物を隣町へ届けたりやら稀少な薬草の採取やら…etc(大抵は冒険者じゃなくてもいい依頼なのだが、安くこき使えるかららしい)


規模の大きいやつだと、土地の開墾から始まり、痩せた土壌作りの前段階に堆肥を作ったり、害獣駆除をして村の整備をやったりしていた。
ここまでくると本来ならCランク並みの報酬が求められて然るべきらしいが、姫が低い報酬で安請け合いしていたのが原因だ。
しかし人間そうなると図々しくなれるものらしい。その話が広まると、誰も彼もが姫と花ちゃんをアテにしてギルドを介さずに名指しで頼んでくるようになっていて、見かねたフィッツさんたちが間に入って適性な依頼として調整するよう一悶着あったらしい。
後、何度か"略奪者たちの王"という冒険者ギルドとも依頼がかち合うこともあって、こちらを目の仇にしているのか、何度か揉めたりもしたがそっちのほうはトーチカさんが何とかしてくれてたので割愛する


「ゲホッ……」


「《なあ姫とりあえず病院、行こうぜ》」


「そんなに心配そうな顔しないで。大丈夫よ まだね」


気になる事といえば、鳳仙の魔迷宮を攻略して以降、姫はよく咳き込むようになっていた。明らかに身体に何らかの異常を来している。あの日あの魔迷宮で魔法を使うたびに実は命を削っていたらしいが、やはり相当な無理をしていたのだろう。
いや、原因はそれだけではない。我と姫のこの契約って、契約が発動している間、大なり小なり魔力が姫の身体から我の身体へ流れ込んでいるのだ。しかし逆はない。これでは姫が一日中ずっと魔力を垂れ流しにしていることと同義だろう。姫の魔力は決して無限ではない。せめて姫から送られる魔力を我から循環させる手段を講じるべきだろうが……


「あ アーカーシャ様!うう浮かない顔してどうしました?アヤメで良ければおお、お力になれると思います」


《アヤメ様はまだまだですね。アーカーシャ様の顔を見れば分かります。我が主に渡した贈り物のチョーカーを付けてないのが気になるのですね。大丈夫です。あれは大事に保管されてますよ》


「《うーん。全然違う。》」


「お贈り物なんて素敵です!そそそういえば、ライカンの風習でネックレスを送るのは特別な関係の男女が行うものと聞きました!ももしやアーカーシャ様と赤空様はそういう関係なのですか!」


「アヤメ様 お察しの通りです」


「や、やっぱり!」


「《何もかもが違う。贈り物がやばかったなら今すぐ取り替えるよ。ヒノキの棒と死の宝玉どっちがいい?》」


《アーカーシャ様は性急ですね。棒と玉を一度にライカンに贈る行為は貴女とチョメチョメしたいっていう意味なんですが》


「や、やっぱり!」


「《ちょっと我、この世界に来て初めて文化の壁に戸惑ってるかもしれない》」


我とアヤメと玉ちゃんはどうやら言葉が通じるので、最近はこうして3人でよく顔を突き合わせて相談することが増えてきていた。この2人はなんだか前の世界の従姉妹に似てる気がする。まああっちはもう少し小生意気だったが、こういうバカな会話は気が休まるので嫌いじゃない


向かいのテーブルでは姫と花ちゃんが何やら大事そうな話をしている


「雪先輩!そういえば教会から連絡が来て、今回の学院オーウェンの方の選抜試験の担当が自分たちになってるみたいですよ」


「ケホッ……あら、そうなの?」


「3名の募集枠に2万人って凄いですね。どうします?魔導学院コンコルディアの試験担当してた翠さんは最初の魔導師資質検査で自分と勝負させて全員落として筆頭に珍しくガチギレされたみたいですけど」


「……受からせる気がないのね。あいつに勝てる魔導師なんてそれこそ特級と筆頭くらいなものじゃない」


「あの人バカ強いですからね。で、自分たちはどうします?穴埋めの補充なんで独断と偏見で適当に3名決めますか?」


「そんな意地悪なこと言わないの。
そうね……私の考える魔導師で求められるのは強さとセンスじゃないわ。少なくとも学生の内に必要なのは知識と魔力よ。他は後からついてくる。
花 一次試験は最低限の下地が出来ているかの確認で筆記試験と魔力適正検査を設けましょう」


「流石雪先輩!筆記も適正検査も厳密な合格ラインを設けなくて志願者全員の平均から割り出すって形でいいです?」


その問いかけに姫はその綺麗な指をこめかみに当てて、数秒だけ考え込む。何か引っかかったのだろうか


「そうね。後、筆記試験の制限時間は例年通りで問題数を千問にしましょう」


いやいや多すぎるだろ。全問解かせる気ないじゃん。花ちゃんも我と同じことを思ったらしい


「雪先輩幾らなんでもそれは多すぎないです?例年通りだとそれこそ多くても100問前後しか出ないですよ?」


「満点が取れる筆記試験だと正確に測れないもの。それに仮に魔力量で大きく差がつけられる人もこれなら知識量で差を埋められるでしょう?」


「分かりました。じゃあ二次試験で魔力コントロールとか魔物との模擬戦闘設けて良いです?自分も翠さんほどじゃないけど魔導師は強くあるべきだと考えているので」


「……構わないわ。でもそれなら────────して」


「だったら────────とかも良いかもしれませんね」


「悪くないわね。じゃあ────。」


隣の我ら3人とは随分と寒暖差がある白熱した会話をしていた


「《魔導師、ね》」


後日、最初の一次試験で志願者1万9997人が落ちたというニースが一面に掲載されており、姫と花ちゃんは頭を抱えていた
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