1 / 1
プロローグ「今日からあんたの家で暮らすことになったわ!」
しおりを挟む
第一話「今日からあんたの家で暮らすことになったわ!」
まだ春の陽気を残しつつ全国の学生が憂鬱な気分になる春休み最終日。
俺のへやのドアが「バタン!」と音を立てて開いた。
「拓海!今日からあんたの家で暮らすことになったわ!」
「は?何を言っているのだ?」
いきなり無断で家に飛び込んできたと思ったら挨拶より先にこんな意味のわからないことを言われた。
「どういう意味だ?」
「言葉のまんまよ!今日から拓海の家で暮らすことになったってこと」
この言葉を聞いた瞬間に俺が机の上に置いておいた携帯が揺れた。
画面には父さんとだけ書いてある。
「父さん!今はそれどころじゃないから後でかけ直してくれ!」
「あぁもつ来てたか……。あのな拓海。今日から愛梨ちゃんと結菜ちゃんと一緒に暮らすことになった」
「は?」
あんたもその冗談を言うのかよ!と心の中でツッコミをした。
その後父さんの話を聞いた。
どうやら本当に愛梨と結菜と暮らすことになるらしい……。
理由はこうだ。
俺には彼女もできたことがない。高校二年までに彼女が出来なかったら愛梨と結菜どちらかを許嫁として選べということらしい。
なんだこの状況。
「ね?本当でしょ。今日からこの家は私たちとあんたの家よ!」
指をさしながら言ってくる愛梨。
この言葉の後ヒッコリ顔を出てきた少女がいた。
「久しぶり拓兄」
姉の愛梨からひょっこり顔を出して言ってきたのは妹の結菜。
「あぁ久しぶりだな結。」
「じゃねえよ。お前らはそれでいいのか!?お前らの親父さんは何か言ってるだろ!
「パパは拓兄だったら安心だって言ってた」
お前らの親俺の事信用しすぎじゃね?
「べ、別に私もいいかなって……。」
顔を赤くして言ってくる愛梨。
この姿は可愛いと思ってしまう。
「拓兄。顔赤くした」
「してねーよ!」
「した」
「わかったよ!ハイハイ赤くなりました!」
結菜の圧力に負けて俺は認めてしまった。
「ま、まぁ私の可愛さだもの大抵の男子はそうなってしまうのは当然ね!」
「愛梨姉。自意識過剰すぎ」
「自意識過剰じゃないし!事実だし!」
「と、とにかく!私たちは今日からあんたの家で暮らすことになったわ!」
こいつらの家は超金持ちだ。
もしも断ったりなんかしたら、どうなるか分からない。
火で炙られるかもしれないし串刺しにされるかも……。
俺はゴクリと喉を鳴らした。
「…………わかった」
「やった。じゃあよろしくね拓海兄」
「……ハイハイ」
「じゃあ言うわね!」
「うん」
「は?」
「拓海!」「拓兄」
「「私を選んで!」」
こっからだ……俺の従姉妹とのドタバタ同居生活が始まったのは……。
まだ春の陽気を残しつつ全国の学生が憂鬱な気分になる春休み最終日。
俺のへやのドアが「バタン!」と音を立てて開いた。
「拓海!今日からあんたの家で暮らすことになったわ!」
「は?何を言っているのだ?」
いきなり無断で家に飛び込んできたと思ったら挨拶より先にこんな意味のわからないことを言われた。
「どういう意味だ?」
「言葉のまんまよ!今日から拓海の家で暮らすことになったってこと」
この言葉を聞いた瞬間に俺が机の上に置いておいた携帯が揺れた。
画面には父さんとだけ書いてある。
「父さん!今はそれどころじゃないから後でかけ直してくれ!」
「あぁもつ来てたか……。あのな拓海。今日から愛梨ちゃんと結菜ちゃんと一緒に暮らすことになった」
「は?」
あんたもその冗談を言うのかよ!と心の中でツッコミをした。
その後父さんの話を聞いた。
どうやら本当に愛梨と結菜と暮らすことになるらしい……。
理由はこうだ。
俺には彼女もできたことがない。高校二年までに彼女が出来なかったら愛梨と結菜どちらかを許嫁として選べということらしい。
なんだこの状況。
「ね?本当でしょ。今日からこの家は私たちとあんたの家よ!」
指をさしながら言ってくる愛梨。
この言葉の後ヒッコリ顔を出てきた少女がいた。
「久しぶり拓兄」
姉の愛梨からひょっこり顔を出して言ってきたのは妹の結菜。
「あぁ久しぶりだな結。」
「じゃねえよ。お前らはそれでいいのか!?お前らの親父さんは何か言ってるだろ!
「パパは拓兄だったら安心だって言ってた」
お前らの親俺の事信用しすぎじゃね?
「べ、別に私もいいかなって……。」
顔を赤くして言ってくる愛梨。
この姿は可愛いと思ってしまう。
「拓兄。顔赤くした」
「してねーよ!」
「した」
「わかったよ!ハイハイ赤くなりました!」
結菜の圧力に負けて俺は認めてしまった。
「ま、まぁ私の可愛さだもの大抵の男子はそうなってしまうのは当然ね!」
「愛梨姉。自意識過剰すぎ」
「自意識過剰じゃないし!事実だし!」
「と、とにかく!私たちは今日からあんたの家で暮らすことになったわ!」
こいつらの家は超金持ちだ。
もしも断ったりなんかしたら、どうなるか分からない。
火で炙られるかもしれないし串刺しにされるかも……。
俺はゴクリと喉を鳴らした。
「…………わかった」
「やった。じゃあよろしくね拓海兄」
「……ハイハイ」
「じゃあ言うわね!」
「うん」
「は?」
「拓海!」「拓兄」
「「私を選んで!」」
こっからだ……俺の従姉妹とのドタバタ同居生活が始まったのは……。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
友人の結婚式で友人兄嫁がスピーチしてくれたのだけど修羅場だった
海林檎
恋愛
え·····こんな時代錯誤の家まだあったんだ····?
友人の家はまさに嫁は義実家の家政婦と言った風潮の生きた化石でガチで引いた上での修羅場展開になった話を書きます·····(((((´°ω°`*))))))
隣人の幼馴染にご飯を作るのは今日で終わり
鳥花風星
恋愛
高校二年生のひよりは、隣の家に住む幼馴染の高校三年生の蒼に片思いをしていた。蒼の両親が海外出張でいないため、ひよりは蒼のために毎日ご飯を作りに来ている。
でも、蒼とひよりにはもう一人、みさ姉という大学生の幼馴染がいた。蒼が好きなのはみさ姉だと思い、身を引くためにひよりはもうご飯を作りにこないと伝えるが……。
悪役令嬢として断罪? 残念、全員が私を庇うので処刑されませんでした
ゆっこ
恋愛
豪奢な大広間の中心で、私はただひとり立たされていた。
玉座の上には婚約者である王太子・レオンハルト殿下。その隣には、涙を浮かべながら震えている聖女――いえ、平民出身の婚約者候補、ミリア嬢。
そして取り巻くように並ぶ廷臣や貴族たちの視線は、一斉に私へと向けられていた。
そう、これは断罪劇。
「アリシア・フォン・ヴァレンシュタイン! お前は聖女ミリアを虐げ、幾度も侮辱し、王宮の秩序を乱した。その罪により、婚約破棄を宣告し、さらには……」
殿下が声を張り上げた。
「――処刑とする!」
広間がざわめいた。
けれど私は、ただ静かに微笑んだ。
(あぁ……やっぱり、来たわね。この展開)
神託の聖女様~偽義妹を置き去りにすることにしました
青の雀
恋愛
半年前に両親を亡くした公爵令嬢のバレンシアは、相続権を王位から認められ、晴れて公爵位を叙勲されることになった。
それから半年後、突如現れた義妹と称する女に王太子殿下との婚約まで奪われることになったため、怒りに任せて家出をするはずが、公爵家の使用人もろとも家を出ることに……。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
夫から「用済み」と言われ追い出されましたけれども
神々廻
恋愛
2人でいつも通り朝食をとっていたら、「お前はもう用済みだ。門の前に最低限の荷物をまとめさせた。朝食をとったら出ていけ」
と言われてしまいました。夫とは恋愛結婚だと思っていたのですが違ったようです。
大人しく出ていきますが、後悔しないで下さいね。
文字数が少ないのでサクッと読めます。お気に入り登録、コメントください!
幼馴染の許嫁
山見月 あいまゆ
恋愛
私にとって世界一かっこいい男の子は、同い年で幼馴染の高校1年、朝霧 連(あさぎり れん)だ。
彼は、私の許嫁だ。
___あの日までは
その日、私は連に私の手作りのお弁当を届けに行く時だった
連を見つけたとき、連は私が知らない女の子と一緒だった
連はモテるからいつも、周りに女の子がいるのは慣れいてたがもやもやした気持ちになった
女の子は、薄い緑色の髪、ピンク色の瞳、ピンクのフリルのついたワンピース
誰が見ても、愛らしいと思う子だった。
それに比べて、自分は濃い藍色の髪に、水色の瞳、目には大きな黒色の眼鏡
どうみても、女の子よりも女子力が低そうな黄土色の入ったお洋服
どちらが可愛いかなんて100人中100人が女の子のほうが、かわいいというだろう
「こっちを見ている人がいるよ、知り合い?」
可愛い声で連に私のことを聞いているのが聞こえる
「ああ、あれが例の許嫁、氷瀬 美鈴(こおりせ みすず)だ。」
例のってことは、前から私のことを話していたのか。
それだけでも、ショックだった。
その時、連はよしっと覚悟を決めた顔をした
「美鈴、許嫁をやめてくれないか。」
頭を殴られた感覚だった。
いや、それ以上だったかもしれない。
「結婚や恋愛は、好きな子としたいんだ。」
受け入れたくない。
けど、これが連の本心なんだ。
受け入れるしかない
一つだけ、わかったことがある
私は、連に
「許嫁、やめますっ」
選ばれなかったんだ…
八つ当たりの感覚で連に向かって、そして女の子に向かって言った。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる