386 / 1,558
【385 血狂刃の本性】
しおりを挟む
弥生・・・あなたにばかり頼ってごめんね
私には戦う力はないから、いつもあなたに負担ばかりかけて・・・
なに言ってんの?アタシもあんたも同じ弥生でしょ?
自分が自分に遠慮してどうするの?アタシは戦う事しかできない。だから戦いは任せなよ
でも・・・危険な事ばかりお願いしてて、私・・・
ねぇ、ヤヨイ・・・
うん・・・
アタシ、この世界好きだよ・・・あんたのおかげで毎日が楽しい。まさかこの世界で結婚できるなんて思わなかったし、子供まで・・・ヤヨイ、ありがとう・・・
弥生・・・
あんたはみんなの生活を支える。アタシはみんなの平和を護る。アタシ達は二人で一人・・・
だからここはアタシの出番だよ!
・・・うん!弥生、お願い!みんなを護って!
「ヤァァァァァーーーッツ!」
上段からの振り下ろしはセシリアの左肩へ、これをセシリアは片手剣で受け太刀する。
刃を止められたヤヨイは、左手を振り上げ薙刀の石突でセシリアの右脇腹を狙う。
「ハァッツ!」
血狂刃の柄を叩きつけるように石突に当てる。
左手に受ける強い衝撃で弥生の体勢が崩されたところに、セシリアの弥生の右の頬に向けて左の拳を撃ち込む。
避けられるタイミングではなかったが、ヤヨイはセシリアに崩された体勢を立て直そうとせず、そのまま足の力を抜き重力にまかせセシリアの腰より低く体を沈ませ、本来躱せるはずのない拳を躱して見せた。
やるじゃない!ヤヨイ!
ニヤリと口の端を上げてセシリアは笑う。
予想以上だった。あの日、カエストゥスの城で初めて出会い、王位継承の儀で初めて剣をぶつけた、そして今、血狂刃の力を開放した自分と互角に渡り合っている。
「ハァァッツ!」
自分の腰より低い体勢から振るわれた弥生の薙刀が、セシリアの脛を狙う。
足への攻撃を読んでいたセシリアは飛んで躱す。
弥生の頭の上の高さのセシリアに、弥生は薙刀を構え直し突きを放つ。
「そうくるわよね!」
剣の腹で突きを受けると、そのまま衝撃に流されるように後ろに着地する。
「・・・やっぱりいいわね。とっても鋭いし重い・・・弥生、嬉しいわ。血狂刃の力を開放した私とここまで斬り合えるなんて嬉しいわ」
「あんた、本当に戦闘狂ね・・・でも・・・気持ちは分かるわ」
刃を下し弥生はセシリアの目を見つめた。
目を合わせれば熱を送られ体内に大きなダメージを受ける。
だが弥生はこの時、不思議とセシリアが攻撃をしないと感じていた。
一種の信頼があった。
それは弥生自身、叶わないと知りながら待ち望んでいた事だったからだ。
日本にいた時、薙刀の全国大会でさえ全力で戦える相手がいなかった。
この世界に来て、剣士隊のドミニクやペトラと戦った時も全力を出す程ではなかった。
ジョルジュやリンダと手合わせをした事はあるが、あくまで練習であり、命を懸けたやりとりはこれが初めてだった。
「セシリア・・・」
全力をぶつけられる相手に出会えた。
「ヤヨイ・・・」
視線を合わせている今、弥生に熱をぶつける事はできる。
だが、セシリアはそうしなかった。望んだものは自分の全力について来れる強者との命のやり取り。
セシリアは血狂刃を自分の左手首に当てると、ゆっくりと肌を斬り裂いた。
「え!?」
突然の自傷行為に弥生は眉を寄せ、セシリアを見張った。
「うふふ・・・頭がおかしくなったと思った?大丈夫。自殺じゃないわよ・・・このままあなたと楽しい時間を過ごしてもいいんだけね。そんな素敵な目を向けられたら、ちょっと我慢できなくなったわ。私の本当の本気・・・血狂刃の本性を見せてあげる・・・」
どくどくと手首から流れ落ちる真っ赤な血が、血狂刃に伝い流れ落ちる。
それはまるでその血を飲み込んでいるかのようだった。
・・・なんだこのプレッシャーは!?
弥生の頬を冷たい汗が伝い落ちる。
・・・セシリアの血狂刃に第二段階がある事は聞いていた。おそらくこれがそうなのだろう。
体中に剣から流れ落ちる血を浴びた事で、セシリアの力がグンと上がった事。
ウィッカーから聞いていたがあれが第一段階だ。
そして今度は逆に自分の血を剣に飲ませている・・・・・
これがセシリアの真の力・・・血狂刃の本性・・・・・
セシリアの赤い目に火が灯る。血狂刃が血を飲む旅たびに、セシリアの全身から溢れる血煙の如き赤いオーラが激しく燃え上がる。
腰まで伸びた血のように赤く長い髪は、そのオーラにあてられ天を突くように逆立っている。
「さぁ、ヤヨイ・・・始めましょうか。アタシの全て、ちゃんと受け止めてね?」
私には戦う力はないから、いつもあなたに負担ばかりかけて・・・
なに言ってんの?アタシもあんたも同じ弥生でしょ?
自分が自分に遠慮してどうするの?アタシは戦う事しかできない。だから戦いは任せなよ
でも・・・危険な事ばかりお願いしてて、私・・・
ねぇ、ヤヨイ・・・
うん・・・
アタシ、この世界好きだよ・・・あんたのおかげで毎日が楽しい。まさかこの世界で結婚できるなんて思わなかったし、子供まで・・・ヤヨイ、ありがとう・・・
弥生・・・
あんたはみんなの生活を支える。アタシはみんなの平和を護る。アタシ達は二人で一人・・・
だからここはアタシの出番だよ!
・・・うん!弥生、お願い!みんなを護って!
「ヤァァァァァーーーッツ!」
上段からの振り下ろしはセシリアの左肩へ、これをセシリアは片手剣で受け太刀する。
刃を止められたヤヨイは、左手を振り上げ薙刀の石突でセシリアの右脇腹を狙う。
「ハァッツ!」
血狂刃の柄を叩きつけるように石突に当てる。
左手に受ける強い衝撃で弥生の体勢が崩されたところに、セシリアの弥生の右の頬に向けて左の拳を撃ち込む。
避けられるタイミングではなかったが、ヤヨイはセシリアに崩された体勢を立て直そうとせず、そのまま足の力を抜き重力にまかせセシリアの腰より低く体を沈ませ、本来躱せるはずのない拳を躱して見せた。
やるじゃない!ヤヨイ!
ニヤリと口の端を上げてセシリアは笑う。
予想以上だった。あの日、カエストゥスの城で初めて出会い、王位継承の儀で初めて剣をぶつけた、そして今、血狂刃の力を開放した自分と互角に渡り合っている。
「ハァァッツ!」
自分の腰より低い体勢から振るわれた弥生の薙刀が、セシリアの脛を狙う。
足への攻撃を読んでいたセシリアは飛んで躱す。
弥生の頭の上の高さのセシリアに、弥生は薙刀を構え直し突きを放つ。
「そうくるわよね!」
剣の腹で突きを受けると、そのまま衝撃に流されるように後ろに着地する。
「・・・やっぱりいいわね。とっても鋭いし重い・・・弥生、嬉しいわ。血狂刃の力を開放した私とここまで斬り合えるなんて嬉しいわ」
「あんた、本当に戦闘狂ね・・・でも・・・気持ちは分かるわ」
刃を下し弥生はセシリアの目を見つめた。
目を合わせれば熱を送られ体内に大きなダメージを受ける。
だが弥生はこの時、不思議とセシリアが攻撃をしないと感じていた。
一種の信頼があった。
それは弥生自身、叶わないと知りながら待ち望んでいた事だったからだ。
日本にいた時、薙刀の全国大会でさえ全力で戦える相手がいなかった。
この世界に来て、剣士隊のドミニクやペトラと戦った時も全力を出す程ではなかった。
ジョルジュやリンダと手合わせをした事はあるが、あくまで練習であり、命を懸けたやりとりはこれが初めてだった。
「セシリア・・・」
全力をぶつけられる相手に出会えた。
「ヤヨイ・・・」
視線を合わせている今、弥生に熱をぶつける事はできる。
だが、セシリアはそうしなかった。望んだものは自分の全力について来れる強者との命のやり取り。
セシリアは血狂刃を自分の左手首に当てると、ゆっくりと肌を斬り裂いた。
「え!?」
突然の自傷行為に弥生は眉を寄せ、セシリアを見張った。
「うふふ・・・頭がおかしくなったと思った?大丈夫。自殺じゃないわよ・・・このままあなたと楽しい時間を過ごしてもいいんだけね。そんな素敵な目を向けられたら、ちょっと我慢できなくなったわ。私の本当の本気・・・血狂刃の本性を見せてあげる・・・」
どくどくと手首から流れ落ちる真っ赤な血が、血狂刃に伝い流れ落ちる。
それはまるでその血を飲み込んでいるかのようだった。
・・・なんだこのプレッシャーは!?
弥生の頬を冷たい汗が伝い落ちる。
・・・セシリアの血狂刃に第二段階がある事は聞いていた。おそらくこれがそうなのだろう。
体中に剣から流れ落ちる血を浴びた事で、セシリアの力がグンと上がった事。
ウィッカーから聞いていたがあれが第一段階だ。
そして今度は逆に自分の血を剣に飲ませている・・・・・
これがセシリアの真の力・・・血狂刃の本性・・・・・
セシリアの赤い目に火が灯る。血狂刃が血を飲む旅たびに、セシリアの全身から溢れる血煙の如き赤いオーラが激しく燃え上がる。
腰まで伸びた血のように赤く長い髪は、そのオーラにあてられ天を突くように逆立っている。
「さぁ、ヤヨイ・・・始めましょうか。アタシの全て、ちゃんと受け止めてね?」
0
あなたにおすすめの小説
称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~
しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」
病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?!
女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。
そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!?
そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?!
しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。
異世界転生の王道を行く最強無双劇!!!
ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!!
小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!
無能と言われた召喚士は実家から追放されたが、別の属性があるのでどうでもいいです
竹桜
ファンタジー
無能と呼ばれた召喚士は王立学園を卒業と同時に実家を追放され、絶縁された。
だが、その無能と呼ばれた召喚士は別の力を持っていたのだ。
その力を使用し、無能と呼ばれた召喚士は歌姫と魔物研究者を守っていく。
精霊さんと一緒にスローライフ ~異世界でも現代知識とチートな精霊さんがいれば安心です~
舞
ファンタジー
かわいい精霊さんと送る、スローライフ。
異世界に送り込まれたおっさんは、精霊さんと手を取り、スローライフをおくる。
夢は優しい国づくり。
『くに、つくりますか?』
『あめのぬぼこ、ぐるぐる』
『みぎまわりか、ひだりまわりか。それがもんだいなの』
いや、それはもう過ぎてますから。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
ペットたちと一緒に異世界へ転生!?魔法を覚えて、皆とのんびり過ごしたい。
千晶もーこ
ファンタジー
疲労で亡くなってしまった和菓。
気付いたら、異世界に転生していた。
なんと、そこには前世で飼っていた犬、猫、インコもいた!?
物語のような魔法も覚えたいけど、一番は皆で楽しくのんびり過ごすのが目標です!
※この話は小説家になろう様へも掲載しています
ある日、俺の部屋にダンジョンの入り口が!? こうなったら配信者で天下を取ってやろう!
さかいおさむ
ファンタジー
ダンジョンが出現し【冒険者】という職業が出来た日本。
冒険者は探索だけではなく、【配信者】としてダンジョンでの冒険を配信するようになる。
底辺サラリーマンのアキラもダンジョン配信者の大ファンだ。
そんなある日、彼の部屋にダンジョンの入り口が現れた。
部屋にダンジョンの入り口が出来るという奇跡のおかげで、アキラも配信者になる。
ダンジョン配信オタクの美人がプロデューサーになり、アキラのダンジョン配信は人気が出てくる。
『アキラちゃんねる』は配信収益で一攫千金を狙う!
男爵家の厄介者は賢者と呼ばれる
暇野無学
ファンタジー
魔法もスキルも授からなかったが、他人の魔法は俺のもの。な~んちゃって。
授けの儀で授かったのは魔法やスキルじゃなかった。神父様には読めなかったが、俺には馴染みの文字だが魔法とは違う。転移した世界は優しくない世界、殺される前に授かったものを利用して逃げ出す算段をする。魔法でないものを利用して魔法を使い熟し、やがては無敵の魔法使いになる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる