649 / 1,560
648 策略
しおりを挟む
「・・・ガラハド、サリー、すまない。本当ならボロボロの二人には休んでいてくれと言うところなんだが、そうも言ってられないようだ」
レイチェルは目の前のギルバート・メンドーサから目を離さずに、後ろにいるガラハドとサリーに言葉をかけた。
「気にするな、皆さんそろってお越しのようだからな。こっちも歓迎してやらねぇと失礼だろ」
ガラハドはアラタを下ろして壁際に寄せると、立ち上がって右拳を左手に打ち付けた。パンッと渇いた音が響き、首を鳴らしながら回すと、ニヤリと笑って闘争心溢れる目を見せた。
「そうですね。せっかくのバルデス様との旅行が台無しになって、私もちょっと頭にきてますし、一暴れさせてもらいますよ」
右手でハサミをチョキチョキ鳴らしながら、サリーはニコリと微笑んだ。
自分と対峙する三人の視線が、自分だけでなくその後ろにも向いている。
そこでギルバートも気が付いた。
「・・・これはこれは、お三方お揃いですか・・・」
振り返ったその視線の先にいる三人。薄暗い通路をゆっくりと歩き近づいてくる。
徐々に姿がハッキリと見えてくると、その中心にいるスーツ姿の男が、ギルバートに向かって笑顔で言葉を返した。
「メンドーサ殿、ご無事だったようで何よりです。ですが、お取込み中のようですね」
ギルバートから少し距離をとって、リンジーと睨み合うカーンに目を向ける。
「フハハハ、パープルズ大臣、何をおっしゃりますか?こんな連中物の数ではありませんよ。道の先に転がった石コロ同然、すぐにどかして先へ行きましょう」
ギルバートはダリル・パープルズの様子を伺うように目を細めた。
その脳裏には、先ほどのガラハドの態度が引っかかっていた。
もし、本当にガラハド達がこの転覆を起こしたのならば、目的を達成した今それを隠す必要はない。
ならば先程の自分への反論はなんだ?
船を沈めたのはお前達だろうと指摘されて、本当に分からないという顔をしていた。
大した役者だと思ったが、感情を抜きにして考えてみればガラハドはそんな器用な男ではない。
出航して一時間足らずでの転覆、氷山にぶつかったわけではない。しかし船を沈める程の大きな衝撃があった。
ガラハド達でないとすれば誰だ?
一般の乗客達に、なんらかの悪意を持ってやった者がいないとは言い切れない。
言い切れないが考えづらい。魔法にしろ武器にしろ、船をひっくり返す程の破壊力を持ったなにかをできる者が、そういるとは思えない。
そうなると必然的に絞られて来る・・・・・
「・・・メンドーサ殿、どうかしましたか?」
じっと目を向けていると、ダリル・パープルズが怪訝な顔をしたので、ギルバートはすぐに笑みを浮かべて目礼をした。
「あぁ、いや失礼。なんでもありません。そちらの護衛の方、ラルス・ネイリー殿は体調が優れないように見えますが、大丈夫ですかな?」
話しを逸らすようにダリルの隣に立つ青魔法使いに言葉を向ける。
隠しているが、呼吸が荒く、汗が止まらないように見える。
「えぇ・・・、大丈夫、ですよ。ご心配、ありがとう、ございます」
無理に作った笑顔だという事がよく分かる。
なにがあったかは分からないが、相当なダメージを抱えているようだ。
帝国からも身の回りの世話をさせるため、それなりの人数を乗せたはずだが、ただの一人も白魔法使いが生き残っていない事は不運としか言いようがない。
「・・・そうですか。そちら、リコ・ヴァリン殿は、お怪我は?」
ダリル・パープルズの傍らに立つもう一人、紫色の長い髪の小柄な女性、それがリコ・ヴァリン。
「・・・ないわ」
言葉少なに返すと、リコ・ヴァリンは自分達の前に立つ三人に顔を向けた。
赤毛の女の両脇に立つ二人は、かなりの疲労が見える。だが、精神の高揚、闘争心がそれを補っている。こういう状態の相手は実力以上のものを発揮する。それを知っているからこそ、ボロボロのガラハドとサリーを見ても、リコ・ヴァリンに油断は無かった。
そして中央に立つ赤毛の女、レイチェル・エリオットを目にした時、リコ・ヴァリンは脳を撃たれたかと思う程の、かつてない衝撃に身を震わせた。
「・・・あの赤い髪の人・・・私を呼んでるわ」
「ん?急になにを?」
突然意味の分からない事を口にするリコ・ヴァリンに、ギルバートは眉を寄せて怪訝な顔で問い返す。
だが、リコ・ヴァリンはそれに答える事はせず、ダリル・パープルズに顔を向けた。
「・・・リコ、行きたいのかい?」
ダリル・パープルズは向けられた眼差しから心中を察した。
リコ・ヴァリンが頷くと、フッと笑って送り出すように手を差し向けた。
「よし、いいだろう。あの赤毛が相当な強者だという事は私も感じている。リコ、キミに任せよう」
「ありがとうございます」
一礼をすると、リコ・ヴァリンは前に進み出た。
「・・・パープルズ殿、よろしいのですか?」
「えぇ、あの赤毛の女は強いですよ。リコに任せましょう。それより、うちのネイリーはこの通り、少々体調不良でしてね、ガラハドと侍女服の女は私達で相手をしなければなりませんが、よろしいですか?」
「えぇ、それはもちろん。まぁ、あんな死にぞこないに負ける事などありえませんがね。さっさと倒して先へ行きましょう」
ギルバートがダリルから視線を外して、ガラハドとサリーに向き直る。
一歩後ろに立つダリル・パープルズは、ギルバートの後ろ姿を見つめていた。
今まで親し気に話していた事など考えられない程、冷たい眼差しで・・・・・。
ギルバート・メンドーサよ、ここで生き残っても、貴様はもう終わっているんだよ。
船は沈む。招待客であるこの俺を乗せた船が沈むんだ。帝国の大臣であるこの俺を乗せた船がだ。
出航してたった一時間で沈没。船の不具合としか考えられないよな?
俘虜の事故ではない。帝国は貴様らの怠慢による、起こるべくして起こった事故として追及する。
それがどういう事か分かるか?
帝国の招待はロンズデール国王も承認して、国として関知しているのだ。
つまり国として責任を取らねばならん。
くっくっく・・・それが一体どれほどの事か。
ギルバート・メンドーサ。貴様はそこまで考えが至っていないのか?
ロンズデールはもう終わっているんだよ!
ダリル・パープルズの瞳が歪んだ光を放った。
レイチェルは目の前のギルバート・メンドーサから目を離さずに、後ろにいるガラハドとサリーに言葉をかけた。
「気にするな、皆さんそろってお越しのようだからな。こっちも歓迎してやらねぇと失礼だろ」
ガラハドはアラタを下ろして壁際に寄せると、立ち上がって右拳を左手に打ち付けた。パンッと渇いた音が響き、首を鳴らしながら回すと、ニヤリと笑って闘争心溢れる目を見せた。
「そうですね。せっかくのバルデス様との旅行が台無しになって、私もちょっと頭にきてますし、一暴れさせてもらいますよ」
右手でハサミをチョキチョキ鳴らしながら、サリーはニコリと微笑んだ。
自分と対峙する三人の視線が、自分だけでなくその後ろにも向いている。
そこでギルバートも気が付いた。
「・・・これはこれは、お三方お揃いですか・・・」
振り返ったその視線の先にいる三人。薄暗い通路をゆっくりと歩き近づいてくる。
徐々に姿がハッキリと見えてくると、その中心にいるスーツ姿の男が、ギルバートに向かって笑顔で言葉を返した。
「メンドーサ殿、ご無事だったようで何よりです。ですが、お取込み中のようですね」
ギルバートから少し距離をとって、リンジーと睨み合うカーンに目を向ける。
「フハハハ、パープルズ大臣、何をおっしゃりますか?こんな連中物の数ではありませんよ。道の先に転がった石コロ同然、すぐにどかして先へ行きましょう」
ギルバートはダリル・パープルズの様子を伺うように目を細めた。
その脳裏には、先ほどのガラハドの態度が引っかかっていた。
もし、本当にガラハド達がこの転覆を起こしたのならば、目的を達成した今それを隠す必要はない。
ならば先程の自分への反論はなんだ?
船を沈めたのはお前達だろうと指摘されて、本当に分からないという顔をしていた。
大した役者だと思ったが、感情を抜きにして考えてみればガラハドはそんな器用な男ではない。
出航して一時間足らずでの転覆、氷山にぶつかったわけではない。しかし船を沈める程の大きな衝撃があった。
ガラハド達でないとすれば誰だ?
一般の乗客達に、なんらかの悪意を持ってやった者がいないとは言い切れない。
言い切れないが考えづらい。魔法にしろ武器にしろ、船をひっくり返す程の破壊力を持ったなにかをできる者が、そういるとは思えない。
そうなると必然的に絞られて来る・・・・・
「・・・メンドーサ殿、どうかしましたか?」
じっと目を向けていると、ダリル・パープルズが怪訝な顔をしたので、ギルバートはすぐに笑みを浮かべて目礼をした。
「あぁ、いや失礼。なんでもありません。そちらの護衛の方、ラルス・ネイリー殿は体調が優れないように見えますが、大丈夫ですかな?」
話しを逸らすようにダリルの隣に立つ青魔法使いに言葉を向ける。
隠しているが、呼吸が荒く、汗が止まらないように見える。
「えぇ・・・、大丈夫、ですよ。ご心配、ありがとう、ございます」
無理に作った笑顔だという事がよく分かる。
なにがあったかは分からないが、相当なダメージを抱えているようだ。
帝国からも身の回りの世話をさせるため、それなりの人数を乗せたはずだが、ただの一人も白魔法使いが生き残っていない事は不運としか言いようがない。
「・・・そうですか。そちら、リコ・ヴァリン殿は、お怪我は?」
ダリル・パープルズの傍らに立つもう一人、紫色の長い髪の小柄な女性、それがリコ・ヴァリン。
「・・・ないわ」
言葉少なに返すと、リコ・ヴァリンは自分達の前に立つ三人に顔を向けた。
赤毛の女の両脇に立つ二人は、かなりの疲労が見える。だが、精神の高揚、闘争心がそれを補っている。こういう状態の相手は実力以上のものを発揮する。それを知っているからこそ、ボロボロのガラハドとサリーを見ても、リコ・ヴァリンに油断は無かった。
そして中央に立つ赤毛の女、レイチェル・エリオットを目にした時、リコ・ヴァリンは脳を撃たれたかと思う程の、かつてない衝撃に身を震わせた。
「・・・あの赤い髪の人・・・私を呼んでるわ」
「ん?急になにを?」
突然意味の分からない事を口にするリコ・ヴァリンに、ギルバートは眉を寄せて怪訝な顔で問い返す。
だが、リコ・ヴァリンはそれに答える事はせず、ダリル・パープルズに顔を向けた。
「・・・リコ、行きたいのかい?」
ダリル・パープルズは向けられた眼差しから心中を察した。
リコ・ヴァリンが頷くと、フッと笑って送り出すように手を差し向けた。
「よし、いいだろう。あの赤毛が相当な強者だという事は私も感じている。リコ、キミに任せよう」
「ありがとうございます」
一礼をすると、リコ・ヴァリンは前に進み出た。
「・・・パープルズ殿、よろしいのですか?」
「えぇ、あの赤毛の女は強いですよ。リコに任せましょう。それより、うちのネイリーはこの通り、少々体調不良でしてね、ガラハドと侍女服の女は私達で相手をしなければなりませんが、よろしいですか?」
「えぇ、それはもちろん。まぁ、あんな死にぞこないに負ける事などありえませんがね。さっさと倒して先へ行きましょう」
ギルバートがダリルから視線を外して、ガラハドとサリーに向き直る。
一歩後ろに立つダリル・パープルズは、ギルバートの後ろ姿を見つめていた。
今まで親し気に話していた事など考えられない程、冷たい眼差しで・・・・・。
ギルバート・メンドーサよ、ここで生き残っても、貴様はもう終わっているんだよ。
船は沈む。招待客であるこの俺を乗せた船が沈むんだ。帝国の大臣であるこの俺を乗せた船がだ。
出航してたった一時間で沈没。船の不具合としか考えられないよな?
俘虜の事故ではない。帝国は貴様らの怠慢による、起こるべくして起こった事故として追及する。
それがどういう事か分かるか?
帝国の招待はロンズデール国王も承認して、国として関知しているのだ。
つまり国として責任を取らねばならん。
くっくっく・・・それが一体どれほどの事か。
ギルバート・メンドーサ。貴様はそこまで考えが至っていないのか?
ロンズデールはもう終わっているんだよ!
ダリル・パープルズの瞳が歪んだ光を放った。
0
あなたにおすすめの小説
武装法人二階堂商会 ―― 企業買収(M&A)で異世界を支配する!
Innocentblue
ファンタジー
日本で企業買収の最前線を駆け抜けてきた敏腕社長・二階堂漣司。
裏切りにより命を落としたはずの彼が目を覚ましたのは、
剣と魔法が支配する異世界の戦場だった。
与えられたスキルは《企業買収(M&A)》。
兵士も村も土地も国家さえも、株式として評価・買収・支配できる異能の力。
「ならば、この世界そのものを買い叩く」
漣司は《武装法人二階堂商会》を設立。
冷徹な参謀にして最強の魔導士リュシア、獣人傭兵団、裏社会の戦力――
すべてを子会社として編成し、経済と武力を融合した前代未聞の経営戦争へと踏み出す。
弱小の村を救済し、都市と契約を結び、裏切り者を切り捨て、敵対勢力を力で買収する。
交渉は戦争、戦争は経営。
数字が命運を決め、契約が国境を塗り替える。
やがて商会は、都市国家・ギルド・貴族・宗教勢力すら巻き込み、
世界の価値そのものを再定義する巨大企業へと変貌していく。
これは、剣ではなく契約で世界を制圧する男の物語。
奪うのではない。支配するのでもない。
価値を見抜き、価値を操り、世界に値札を付ける――
救済か、支配か。正義か、合理か。
その境界線を踏み越えながら、蓮司は異世界そのものを経営していく。
異世界×経済×武力が激突する、知略と覇道の武装経営ファンタジー。
「この世界には、村があり、町があり、国家がある。
――全部まとめて、俺が買い叩く」
俺! 神獣達のママ(♂)なんです!
青山喜太
ファンタジー
時は、勇者歴2102年。
世界を巻き込む世界大戦から生き延びた、国々の一つアトランタでとある事件が起きた。
王都アトスがたったの一夜、いや正確に言えば10分で崩壊したのである。
その犯人は5体の神獣。
そして破壊の限りを尽くした神獣達はついにはアトス屈指の魔法使いレメンスラーの転移魔法によって散り散りに飛ばされたのである。
一件落着かと思えたこの事件。
だが、そんな中、叫ぶ男が1人。
「ふざけんなぁぁぁあ!!」
王都を見渡せる丘の上でそう叫んでいた彼は、そう何を隠そう──。
神獣達のママ(男)であった……。
私は〈元〉小石でございます! ~癒し系ゴーレムと魔物使い~
Ss侍
ファンタジー
"私"はある時目覚めたら身体が小石になっていた。
動けない、何もできない、そもそも身体がない。
自分の運命に嘆きつつ小石として過ごしていたある日、小さな人形のような可愛らしいゴーレムがやってきた。
ひょんなことからそのゴーレムの身体をのっとってしまった"私"。
それが、全ての出会いと冒険の始まりだとは知らずに_____!!
底辺から始まった俺の異世界冒険物語!
ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。
しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。
おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。
漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。
この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――
巻き込まれ異世界召喚、なぜか俺だけ竜皇女の推しになった
ノラクラ
ファンタジー
俺、霧島悠斗は筋金入りの陰キャ高校生。
学校が終わったら即帰宅して、ゲームライフを満喫するのが至福の時間――のはずだった。
だがある日の帰り道、玄関前で学園トップスターたちの修羅場に遭遇してしまう。
暴君・赤城獅童、王子様系イケメン・天条院義孝、清楚系美少女・柊奏、その親友・羽里友莉。
よりによって学園の顔ぶれが勢ぞろいして大口論!?
……陰キャ代表の俺に混ざる理由なんて一ミリもない。見なかったことにしてゲームしに帰りたい!
そう願った矢先――空気が変わり、街に巨大な魔法陣が出現。
赤城たちは光に呑まれ、異世界へと召喚されてしまった。
「お~、異世界召喚ね。ラノベあるあるだな」
そう、他人事のように見送った俺だったが……。
直後、俺の足元にも魔法陣が浮かび上がる。
「ちょ、待て待て待て! 俺は陰キャだぞ!? 勇者じゃないんだぞ!?」
――かくして、ゲームライフを愛する陰キャ高校生の異世界行きが始まる。
正しい聖女さまのつくりかた
みるくてぃー
ファンタジー
王家で育てられた(自称)平民少女が、学園で起こすハチャメチャ学園(ラブ?)コメディ。
同じ年の第二王女をはじめ、優しい兄姉(第一王女と王子)に見守られながら成長していく。
一般常識が一切通用しない少女に友人達は振り回されてばかり、「アリスちゃんメイドを目指すのになぜダンスや淑女教育が必要なの!?」
そこには人知れず王妃と王女達によるとある計画が進められていた!
果たしてアリスは無事に立派なメイドになれるのか!? たぶん無理かなぁ……。
聖女シリーズ第一弾「正しい聖女さまのつくりかた」
神様から転生スキルとして鑑定能力とリペア能力を授けられた理由
瀬乃一空
ファンタジー
普通の闇バイトだと思って気軽に応募したところ俺は某国の傭兵部隊に入れられた。しかし、ちょっとした俺のミスから呆気なく仲間7人とともに爆死。気が付くと目の前に神様が……。
神様は俺を異世界転生させる代わりに「罪業の柩」なるものを探すよう命じる。鑑定スキルや修復スキル、イケメン、その他を与えられることを条件に取りあえず承諾したものの、どうしたらよいか分からず、転生した途端、途方にくれるエルン。
没落貴族は最果ての港で夢を見る〜政敵の公爵令嬢と手を組み、忘れられた航路を拓いて帝国の海を制覇する〜
namisan
ファンタジー
日本の海運会社に勤めていた男は、事故死し、異世界の没落貴族の三男ミナト・アークライトとして転生した。
かつては王国の海運業を牛耳ったアークライト家も、今や政争に敗れた見る影もない存在。ミナト自身も、厄介払い同然に、寂れた港町「アルトマール」へ名ばかりの代官として追いやられていた。
無気力な日々を過ごしていたある日、前世の海運知識と経験が完全に覚醒する。ミナトは気づいた。魔物が蔓延り、誰もが見捨てたこの港こそ、アークライト家再興の礎となる「宝の山」であると。
前世の知識と、この世界で得た風を読む魔法「風詠み」を武器に、家の再興を決意したミナト。しかし、その矢先、彼の前に最大の障害が現れる。
アークライト家を没落させた政敵、ルクスブルク公爵家の令嬢セラフィーナ。彼女は王命を受け、価値の失われた港を閉鎖するため、監察官としてアルトマールに乗り込んできたのだ。
「このような非効率な施設は、速やかに閉鎖すべきですわ」
家の再興を賭けて港を再生させたい没落貴族と、王国の未来のために港を閉鎖したいエリート令嬢。
立場も思想も水と油の二人が、互いの野望のために手を組むとき、帝国の経済、そして世界の物流は、歴史的な転換点を迎えることになる。
これは、一人の男が知識と魔法で巨大な船団を組織し、帝国の海を制覇するまでの物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる