異世界でリサイクルショップ!俺の高価買取り!

理太郎

文字の大きさ
902 / 1,560

【901 二発目】

しおりを挟む
「なっ・・・この、爆発は!?」

「師匠・・・」

城へ向かい走っていたブレンダンとジャニスは、突如城の上階を、内側から吹き飛ばした爆発に足を止めた。
凄まじい破壊力だった。上階の半分以上は、今の爆発で崩壊されただろう。石の破片が中空に撒かれ、白く大きな煙が濛々と空に昇って行く。

「この魔力、ウィッカーではないな。皇帝か?」

とんでもない破壊力じゃ。おそらく中級魔法じゃろうが、上級魔法に匹敵する破壊力じゃぞ。
爆発を見上げながら、思わず歯を噛みしめる。

まずい・・・この魔力、明らかにウィッカーより上じゃ。
読みがあまかった。ウィッカーはあの王位継承の儀から、より修練に励み、力をつけていった。
今のウィッカーなら皇帝にも届く。そう思っておった。


「・・・師匠、急ごう。ウィッカーが危ないかもしれない」

ジャニスもこの爆発には息を飲んだ。だが単身で皇帝に挑んだ弟分(おとうとぶん)の身を案じ、ブレンダンを促した。

「・・・ジャニス」

ブレンダンはジャニスに頼もしさを感じていた。
ジャニスは勝ち気で周りを引っ張っていく強さを持っている。だが、それと同時にとても繊細だった。
どこか儚くて脆い。それがジャニス・コルバートだった。

しかし、最後の最後ではやはり強い。
夫を亡くしたばかりなのに、辛い気持ちに蓋をして立ち向かおうとしている。

「うむ、そうじゃな」

ブレンダンはジャニスの目を見て、強く言葉を返して頷いた。

明るい栗色の髪に、髪と同じ栗色の瞳。
小さい時からずっと見てきた色は、今も昔と変わらない。

二人は視線を交わすと再び走り出した。


ウィッカー、待っておれ!ワシらが行くまで持ちこたえてくれ!







「ハァッ・・・ハァッ・・・!」

呼吸が乱れ、鼓動が早くなる。たった今、自分のすぐ脇を抉り飛ばしていった爆発の跡を目で追いかけた。とてつもない爆発だった。
天井を支える柱も、石造りの床も壁も、全てが跡形もなく吹き飛ばされていた。

危なかった。まともに受けていたら、今頃俺は・・・・・

あまりの破壊力に、俺は自分の両手が残っているのか確認した。

すでに拳に纏っていた風を、最大限まで大きく強くして、自分を護る盾として構えていた。

皇帝の爆裂空破弾を上空に飛んで躱そうとしたが、一目で不可能だと分かった。
それほど巨大だった。隙間なく部屋を埋める程の破壊のエネルギー、回避ができないのであれば、防御しかなかった。

風の盾を作り、体を回して皇帝の爆裂空破弾を受け流した。

あれほど巨大な破壊のエネルギーだ、弾く事も軌道をズラす事もできるはずがない。
必然とできる対応策は限られる。そして唯一可能だった手段が、風と回転で受け流す事だった。

凄まじい衝撃に、手が痺れて小刻みに震えている。感覚もおかしい。
だが両手が残っている事に、安堵の息をもらした。


「フハハハハハハ!どうした?さっきまでの威勢の良さはどうした!?」

「くっ・・・皇帝」

「そんな隅っでかくれんぼか!?今更怖気づいたか!?クックック、これが実力差というヤツだ!」

ひとしきり笑い通すと、皇帝は再び俺に右手の平を向けて来た。

「痙攣か?その腕で、もう一度余の爆裂空破弾を凌げるかな!?」

破壊の魔力が込められた右手が、バチバチと火花を弾けさせる。

「ぐっ・・・ 」

攻撃に備えて両腕を上げようとするが、まだ痺れの残る両手では、満足に拳も握れなかった。


駄目だ・・・この状態では、次も回転で防ぐ事はできない。
だがどうする?それなら次の一発をどうやって回避する!?

「さぁ、ウィッカーよ!この一発、防げるものなら防いでみろ!」

その手から撃ち放たれたものは、最初に見たものと同じ、強烈な光を放ち大気を震わせる破壊のエネルギー弾。


爆発の中級魔法 爆裂空破弾


「ぐッ・・・!」

やるしかない!ここでこれをやらなければ死ぬ!

両手に風の魔力を集めて盾を作る。
感覚の無い痺れた両手を無理やりに動かして、爆裂空破弾に向けて振るう!

「ウォォォォォォォォーーーーー!」


そして一発目と同等・・・いやそれ以上の爆発が、目の前の全てを吹き飛ばした。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

俺! 神獣達のママ(♂)なんです!

青山喜太
ファンタジー
時は、勇者歴2102年。 世界を巻き込む世界大戦から生き延びた、国々の一つアトランタでとある事件が起きた。 王都アトスがたったの一夜、いや正確に言えば10分で崩壊したのである。 その犯人は5体の神獣。 そして破壊の限りを尽くした神獣達はついにはアトス屈指の魔法使いレメンスラーの転移魔法によって散り散りに飛ばされたのである。 一件落着かと思えたこの事件。 だが、そんな中、叫ぶ男が1人。 「ふざけんなぁぁぁあ!!」 王都を見渡せる丘の上でそう叫んでいた彼は、そう何を隠そう──。 神獣達のママ(男)であった……。

私は〈元〉小石でございます! ~癒し系ゴーレムと魔物使い~

Ss侍
ファンタジー
 "私"はある時目覚めたら身体が小石になっていた。  動けない、何もできない、そもそも身体がない。  自分の運命に嘆きつつ小石として過ごしていたある日、小さな人形のような可愛らしいゴーレムがやってきた。 ひょんなことからそのゴーレムの身体をのっとってしまった"私"。  それが、全ての出会いと冒険の始まりだとは知らずに_____!!

正しい聖女さまのつくりかた

みるくてぃー
ファンタジー
王家で育てられた(自称)平民少女が、学園で起こすハチャメチャ学園(ラブ?)コメディ。 同じ年の第二王女をはじめ、優しい兄姉(第一王女と王子)に見守られながら成長していく。 一般常識が一切通用しない少女に友人達は振り回されてばかり、「アリスちゃんメイドを目指すのになぜダンスや淑女教育が必要なの!?」 そこには人知れず王妃と王女達によるとある計画が進められていた! 果たしてアリスは無事に立派なメイドになれるのか!? たぶん無理かなぁ……。 聖女シリーズ第一弾「正しい聖女さまのつくりかた」

神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。 アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。 いわゆる"神々の愛し子"というもの。 神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。 そういうことだ。 そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。 簡単でしょう? えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか?? −−−−−− 新連載始まりました。 私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。 会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。 余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。 会話がわからない!となるよりは・・ 試みですね。 誤字・脱字・文章修正 随時行います。 短編タグが長編に変更になることがございます。 *タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。

武装法人二階堂商会 ―― 企業買収(M&A)で異世界を支配する!

Innocentblue
ファンタジー
日本で企業買収の最前線を駆け抜けてきた敏腕社長・二階堂漣司。 裏切りにより命を落としたはずの彼が目を覚ましたのは、 剣と魔法が支配する異世界の戦場だった。 与えられたスキルは《企業買収(M&A)》。 兵士も村も土地も国家さえも、株式として評価・買収・支配できる異能の力。 「ならば、この世界そのものを買い叩く」 漣司は《武装法人二階堂商会》を設立。 冷徹な参謀にして最強の魔導士リュシア、獣人傭兵団、裏社会の戦力―― すべてを子会社として編成し、経済と武力を融合した前代未聞の経営戦争へと踏み出す。 弱小の村を救済し、都市と契約を結び、裏切り者を切り捨て、敵対勢力を力で買収する。 交渉は戦争、戦争は経営。 数字が命運を決め、契約が国境を塗り替える。 やがて商会は、都市国家・ギルド・貴族・宗教勢力すら巻き込み、 世界の価値そのものを再定義する巨大企業へと変貌していく。 これは、剣ではなく契約で世界を制圧する男の物語。 奪うのではない。支配するのでもない。 価値を見抜き、価値を操り、世界に値札を付ける―― 救済か、支配か。正義か、合理か。 その境界線を踏み越えながら、蓮司は異世界そのものを経営していく。 異世界×経済×武力が激突する、知略と覇道の武装経営ファンタジー。 「この世界には、村があり、町があり、国家がある。 ――全部まとめて、俺が買い叩く」

巻き込まれ異世界召喚、なぜか俺だけ竜皇女の推しになった

ノラクラ
ファンタジー
俺、霧島悠斗は筋金入りの陰キャ高校生。 学校が終わったら即帰宅して、ゲームライフを満喫するのが至福の時間――のはずだった。 だがある日の帰り道、玄関前で学園トップスターたちの修羅場に遭遇してしまう。 暴君・赤城獅童、王子様系イケメン・天条院義孝、清楚系美少女・柊奏、その親友・羽里友莉。 よりによって学園の顔ぶれが勢ぞろいして大口論!? ……陰キャ代表の俺に混ざる理由なんて一ミリもない。見なかったことにしてゲームしに帰りたい! そう願った矢先――空気が変わり、街に巨大な魔法陣が出現。 赤城たちは光に呑まれ、異世界へと召喚されてしまった。 「お~、異世界召喚ね。ラノベあるあるだな」 そう、他人事のように見送った俺だったが……。 直後、俺の足元にも魔法陣が浮かび上がる。 「ちょ、待て待て待て! 俺は陰キャだぞ!? 勇者じゃないんだぞ!?」 ――かくして、ゲームライフを愛する陰キャ高校生の異世界行きが始まる。

神様から転生スキルとして鑑定能力とリペア能力を授けられた理由

瀬乃一空
ファンタジー
普通の闇バイトだと思って気軽に応募したところ俺は某国の傭兵部隊に入れられた。しかし、ちょっとした俺のミスから呆気なく仲間7人とともに爆死。気が付くと目の前に神様が……。 神様は俺を異世界転生させる代わりに「罪業の柩」なるものを探すよう命じる。鑑定スキルや修復スキル、イケメン、その他を与えられることを条件に取りあえず承諾したものの、どうしたらよいか分からず、転生した途端、途方にくれるエルン。

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。

処理中です...