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1220 ハビエルとノエル
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軍の上層部が今後の帝国の在り方を、偉そうに語るだけの退屈な集会だった。
俺は壁に背を預けて、話しが終わるまで目を瞑っていた。
長々と何かを語っていたが、やっと終わって部屋を出ようとすると、突然女が声をかけてきた。
「ねぇあなた、上官が話しているのにずっと寝てるから、すごく目立ってたわよ?でも誰も何も言わないんだもの、どういう事なのかしら?びっくりだわ」
驚いたと言いながら、女は何が楽しいのかクスクス笑いながら、俺の顔をじっと見つめている。
薄紫色の瞳には、俺に対する好奇心が見える。だが相手をする気にはならない。
暇潰しなら他でやれ。
「・・・さぁな、それだけ俺に関心が無いという事じゃないのか?話しがそれだけならどいてくれ」
それだけ告げると、もう女には目を向けず脇を通って部屋を出た。
「ねぇ、私はノエル。ノエル・メレイシアよ。またお話ししましょう」
俺を追うように女の明るい声が背中に届くが、振り返りはしなかった。
「ねぇ、ハビエル。本当に師団長にはならないの?あなたが本気を出せば、勝てる人なんていないんじゃないかしら?」
ある日の午後、木陰でぼんやりと空を見ている俺の隣に腰を下ろしたノエルは、もったいないと言うように言葉に力を込めて話し出した。
「・・・何度も言っているが興味はない。それに俺には向かない。万の軍勢を指揮するには、部下との信頼関係が大切だ。単独行動ばかりしている俺が、どう思われているかなんて分かるだろ?」
今まで何度か聞かれた事だが、俺は師団長になる気なんて無い。適当にあしらってきたが、そろそろこの話しも終わらせよう。俺はノエルに体を向けると、その目を見て答えた。
「あら、ハビエルったら意外と自分の事が分かってるのね?ふふふ、冗談よ冗談。少なくとも私は信頼してるわ。でも、そうね・・・私はあなたに仲間を作ってほしいのよ。師団長は・・・分かったわ、あなたがそこまで言うのなら私ももう言わない。でももっと小さくてもいいの、十人、いえ五人でもいいわ。ハビエル、チームを作りましょうよ」
・・・知り合って半年も経つと、俺とノエルは一緒にいる事が当たり前のようになっていた。
最初に会ったあの日から、ノエルは俺を見つけては声をかけてくるようになり、いつしか二人で行動をする事が増えていた。
ノエルは俺に、一人でいてほしくないようだった。
ノエルは一緒にいてくれるが、自分だけではなく、もう少し他人と関わった方がいいと、そう考えているようだ。
正直面倒ではあった。俺は一人でもいいと思って生きて来た。けれど俺の世界にノエルが入り、退屈な毎日が少しだけ面白いと感じるようになった。
だから・・・・・
「分かった・・・ノエルがそう言うのなら、そうしよう」
そして俺はチームを作った。
不思議と自分と似た境遇のヤツらばかり集まって、はぐれ者の集団なんて呼ばれたりもしたが、俺達には相応しい言葉だ。
いいじゃないか、はぐれ者の力を認めさせてやろう。
十人にも満たない小さなチームが、一個師団にも勝る戦力を持つ。
それが俺達ハビエルチームだ。
ねぇハビエル、あなた本当に覚えてないの?
・・・だから何の話しだ?
しかたない人ね・・・私は一目見て分かったのに。あなたがあの時助けてくれた男の子だって。
・・・あの時、助けた?
そうよ・・・十年前、いじめられている女の子を助けたの、覚えてないかしら?
女の子はね、自分の魔道具が気持ち悪いってからかわれてたの。体から蔦を出すなんて不気味だって。最初は口だけだったわ、でも女の子が無視をしているのが気に入らなかったのね、彼らは手を出してきたの。押し飛ばされたり、髪を掴まれたりして・・・本当に怖かったわ。
・・・・・・・
ハビエル、あなたが助けてくれたのよ。あの時あなたは、たまたま通りかかっただけ、そしてたまたま気が向いて助けてくれただけかもしれない・・・・・
でもね、ハビエル・・・・・・
私は嬉しかった・・・・・ありがとう、ハビエル・・・・・ずっと、ずっとあなたに会いたかった
ノエル・・・・・・
思い出した
そうか、あの時の女の子が・・・ノエルだったのか・・・・・・・
だからあの日、俺に声をかけてきたのか・・・・・俺だと気づいて・・・・・
ハビエル、忘れないで。あなたが私を必要としてくれる限り、私はずっとあなたの傍にいるわ
ずっと・・・いつまでも・・・・・
あなたの傍に
「・・・・・ノエル、お前を一人にはしない。俺もお前の傍に行こう。だがその前にやる事がある」
穏やかな顔で眠りについたノエルを胸に抱き、俺は内なる黒き声に身を委ねた
俺からノエルを奪ったこいつらだけは・・・・・絶対に生かして帰さん!
悲しみを、怒りを、そして憎しみを・・・・・
内なる闇が解き放たれた
俺は壁に背を預けて、話しが終わるまで目を瞑っていた。
長々と何かを語っていたが、やっと終わって部屋を出ようとすると、突然女が声をかけてきた。
「ねぇあなた、上官が話しているのにずっと寝てるから、すごく目立ってたわよ?でも誰も何も言わないんだもの、どういう事なのかしら?びっくりだわ」
驚いたと言いながら、女は何が楽しいのかクスクス笑いながら、俺の顔をじっと見つめている。
薄紫色の瞳には、俺に対する好奇心が見える。だが相手をする気にはならない。
暇潰しなら他でやれ。
「・・・さぁな、それだけ俺に関心が無いという事じゃないのか?話しがそれだけならどいてくれ」
それだけ告げると、もう女には目を向けず脇を通って部屋を出た。
「ねぇ、私はノエル。ノエル・メレイシアよ。またお話ししましょう」
俺を追うように女の明るい声が背中に届くが、振り返りはしなかった。
「ねぇ、ハビエル。本当に師団長にはならないの?あなたが本気を出せば、勝てる人なんていないんじゃないかしら?」
ある日の午後、木陰でぼんやりと空を見ている俺の隣に腰を下ろしたノエルは、もったいないと言うように言葉に力を込めて話し出した。
「・・・何度も言っているが興味はない。それに俺には向かない。万の軍勢を指揮するには、部下との信頼関係が大切だ。単独行動ばかりしている俺が、どう思われているかなんて分かるだろ?」
今まで何度か聞かれた事だが、俺は師団長になる気なんて無い。適当にあしらってきたが、そろそろこの話しも終わらせよう。俺はノエルに体を向けると、その目を見て答えた。
「あら、ハビエルったら意外と自分の事が分かってるのね?ふふふ、冗談よ冗談。少なくとも私は信頼してるわ。でも、そうね・・・私はあなたに仲間を作ってほしいのよ。師団長は・・・分かったわ、あなたがそこまで言うのなら私ももう言わない。でももっと小さくてもいいの、十人、いえ五人でもいいわ。ハビエル、チームを作りましょうよ」
・・・知り合って半年も経つと、俺とノエルは一緒にいる事が当たり前のようになっていた。
最初に会ったあの日から、ノエルは俺を見つけては声をかけてくるようになり、いつしか二人で行動をする事が増えていた。
ノエルは俺に、一人でいてほしくないようだった。
ノエルは一緒にいてくれるが、自分だけではなく、もう少し他人と関わった方がいいと、そう考えているようだ。
正直面倒ではあった。俺は一人でもいいと思って生きて来た。けれど俺の世界にノエルが入り、退屈な毎日が少しだけ面白いと感じるようになった。
だから・・・・・
「分かった・・・ノエルがそう言うのなら、そうしよう」
そして俺はチームを作った。
不思議と自分と似た境遇のヤツらばかり集まって、はぐれ者の集団なんて呼ばれたりもしたが、俺達には相応しい言葉だ。
いいじゃないか、はぐれ者の力を認めさせてやろう。
十人にも満たない小さなチームが、一個師団にも勝る戦力を持つ。
それが俺達ハビエルチームだ。
ねぇハビエル、あなた本当に覚えてないの?
・・・だから何の話しだ?
しかたない人ね・・・私は一目見て分かったのに。あなたがあの時助けてくれた男の子だって。
・・・あの時、助けた?
そうよ・・・十年前、いじめられている女の子を助けたの、覚えてないかしら?
女の子はね、自分の魔道具が気持ち悪いってからかわれてたの。体から蔦を出すなんて不気味だって。最初は口だけだったわ、でも女の子が無視をしているのが気に入らなかったのね、彼らは手を出してきたの。押し飛ばされたり、髪を掴まれたりして・・・本当に怖かったわ。
・・・・・・・
ハビエル、あなたが助けてくれたのよ。あの時あなたは、たまたま通りかかっただけ、そしてたまたま気が向いて助けてくれただけかもしれない・・・・・
でもね、ハビエル・・・・・・
私は嬉しかった・・・・・ありがとう、ハビエル・・・・・ずっと、ずっとあなたに会いたかった
ノエル・・・・・・
思い出した
そうか、あの時の女の子が・・・ノエルだったのか・・・・・・・
だからあの日、俺に声をかけてきたのか・・・・・俺だと気づいて・・・・・
ハビエル、忘れないで。あなたが私を必要としてくれる限り、私はずっとあなたの傍にいるわ
ずっと・・・いつまでも・・・・・
あなたの傍に
「・・・・・ノエル、お前を一人にはしない。俺もお前の傍に行こう。だがその前にやる事がある」
穏やかな顔で眠りについたノエルを胸に抱き、俺は内なる黒き声に身を委ねた
俺からノエルを奪ったこいつらだけは・・・・・絶対に生かして帰さん!
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内なる闇が解き放たれた
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