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1254 ここで死ぬのは
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「・・・暴走したか」
眼下の戦いを見つめていたジャロン・リピネッツが、誰に言うでもなく呟いた。
「はぁ、本当にこうなるんですね。生で見るのは初めてなので、少しだけ驚きました。これじゃ使いものにならないし、死者をもて遊んでるって批判もうけますよね。そりゃあ使用禁止になるわけだし、情報も隠蔽(いんぺい)されるわけですね」
トリッシュも視線はバージルに向けたまま、隣に立つジャロン・リピネッツに言葉を返した。
割られた頭から脳髄を垂れ流し、血みどろになって叫び声を上げるバージルの姿は、勝気なトリッシュにとっても嫌悪感があったのだろう。眉を寄せて苦々しい顔をしている。
「・・・ゴールド騎士を捕らえたはいい。だが暴走状態に陥ってからは早いぞ。灯のような僅かな時間、師団長さえ上回るほどのパワーを発揮する。だがそれが終われば待っているのは肉体の崩壊だ」
「ふふふ、あのオーラで粘っていますが、そう長くは持ちそうもないですね。周りの兵士も近づけないようだし、バージル副団長が力尽きるまで耐えられるかどうか、我慢比べってところですね。暴走に巻き込まれるわけにはいきませんし、私達は高見の見物といきましょうか」
隣に立つジャロン・リピネッツは何も答えなかった。だが動く様子を見せず、トリッシュの言葉に異を挟むつもりはないらしい。
暴走状態のバージルの標的はアルベルトに向いているが、うかつに近づけば敵意を向けられかねない、このまま戦いの結末を静観すると決めたようだ。
「バージル副団長、このまま終わっていいんですか?帝国のためにも、あなたの名誉のためにも、意地の一つくらい見せてほしいですね」
冷笑を浮かべるトリッシュ。その目には上司への敬意も、仲間への情も何も無かった。
トリッシュにあるもの、それはただ自分の研究を、好奇心を満たすための欲求、それだけである。
そう、トリッシュ・ルパージュは、魔道具宿り水の開発者の一人として、その名を連ねていたのだ。
「ぐ、ぐぅぅぅぅ!こ、この野郎!なんて力だ!」
自分の体を締め上げるバージルの腕を振りほどこうともがくが、アルベルトの全力でもびくともしない異常な怪力に、なすすべがなかった。
「グ、オ、ォォォ・・・ク、クク・・・オ、マエ、モ・・・オワ、リ・・・ダ」
「ッ!?な、なにッ!?」
歯を食いしばり必死に耐えるアルベルトの耳に、それまで獣のように叫ぶだけだったバージルの口から、意味のある言葉が届いた。
「オレ、ハ・・・モウ、スグ、ホロ、ビル・・・ダガ、オ、オマエモ・・・シヌ」
「こ、こいつ!い、意識が・・・なっ!?」
一瞬だが生気の無い空洞のようなバージルの目が、自分を見てニヤリと笑ったように見えた。
そしてバージルの体内から、強大なエネルギーが急速に膨らみ出した。それはまるで燃え盛る炎のように熱く、密着するアルベルトはその凄まじい熱量をモロに浴びせられる事となる。
そしれそれほどのエネルギーを体内で膨らませている反動なのか、バージルの体がガタガタと震え出した。
ぐぅっ!こ、これは、ヤバイ!このままだと・・・・・ッ!
「アルベルトさん!」
バージルから左腕を奪ったもう一人のゴールド騎士、レイマート・ハイランドが飛び出した。
後方で治療を受けていたが、死んだはずの男が立ち上がったと聞き、急ぎ駆け付けたのだ。
本来ならばこれ以上ないくらい、頼もしい援軍だろう。
だが・・・・・
「来るなァァァーーーーーッツ!」
「ッ!?」
すでにレイマートは右手に闘気を集中させ、レオンクローの態勢に入っていた。
今度こそバージルの頭を刈り取り、この戦いに完全決着をつける。その決意で飛び出したレイマートだったが、アルベルトからまさかの拒絶を受け、地面を強く踏みつけて無理やり足を止めた。
「なっ!?なにを・・・」
いったいを何を言っているんだ?確かに一般兵ならば近づく事はできないだろう。
だが同じ闘気を使える自分ならば、この窮地からアルベルトを救う事も可能なはず。まさかこの場面で自分の身を案じたとでも言うのか?いや、それはない。今は戦争をしているんだ。
アルベルト・ジョシュアはそんなあまい考えをする男ではない。むしろゴールド騎士として、自分もまだ生きて戦わなければと考えているはずだ。ではなぜアルベルトは来るなと拒絶するんだ?
「アルベルトさん!そいつの馬鹿力は俺も知っている!自力で抜け出せないなら俺が・・・!」
「レ、レイマート!ぜ、全軍撤退だ!こ、ここから離れろ!急げぇぇぇーーーーーッ!」
レイマートはアルベルトの指示を無視し、一歩踏み出そうとして止めた。
撤退、だと?
言っている意味が分からない。なぜここで撤退になるんだ?確かにアルベルト個人としては追い詰められているが、クインズベリー軍はまだまだ戦える。なぜここで退かなければならない?
「さっきからいったい何を・・・っ!?」
だが足を止めた事でレイマートは気が付いた。
アルベルトを締め上げるバージルの体が小刻みに震え出し、噴火前の火山のように、物凄いエネルギーが体内で膨れ上がって来ている事に。
「なっ!?・・・なんだ、これは!?」
信じられない程のエネルギーの圧を感じ、レイマートが目を開き驚きと戸惑いを見せる。
「ぐ、うぅぅ・・・レ、レイマート!こいつはもうすぐ爆発する!だから早く逃げろ!俺の事はいい!早く逃げろぉーーーーーッツ!」
アルベルトの叫びに、周囲で戦いを見ていた両軍の兵士達も大きく動揺した。
爆発するというアルベルトの言葉を裏付けるように、バージルの体から発せられるエネルギーはどんどん膨らんでいき、もういつ爆発してもおかしくない状態だった。
そしてその威力は上級魔法すら上回るだろう事は、誰の目にも明らかだった。
「お、おい・・・あれはヤバくねぇか?」
「な、なんだよあれ?すげぇパワーだ、あ、あんなのが本当に爆発するのか?」
「ま、まずいぞ!下がれ!下がれぇぇぇーーーーーッツ!」
クインズベリーかブロートン帝国か、どちらの陣営が先だったかは分からない。
だがどこからか怯えた声が聞こえると、あちこちから同様の声が上がり始め、ついには前線から下がり始める兵達も現れ始めた。
だがレイマートは下がらなかった。
自分がゴールド騎士になれたのは、シルバー騎士だった頃から稽古をつけてもらったアルベルトの存在があったからだ。憧れたゴールド騎士アルベルト・ジョシュアは、師であり恩人とも言える存在だった。
ただ一人、兵士達が離脱しようともただ一人残り、アルベルトと向き合っていた。
「く、くそっ!逃げろって、そんな事できるわけねぇだろ!アルベルトさん!俺がそいつを引き剝がしてやる!」
バージルの体から発せられるエネルギーは臨界点を超え、内側に抑えきれなかったエネルギーが皮膚を裂き、血が噴き出し始めた。
もう時間が無い!レイマートが一歩前に足を踏み出す。だがアルベルトが再び声を上げた。
「に、逃げろと言ってるんだッ!早くッ・・・早く行けぇぇぇーーーーーーーッツ!」
いくら闘気で身を護っていても、それを上回るすさまじい力で体を締め上げられれば、徐々に体力は削られ、ダメージは蓄積していく。
アルベルトの全身からは汗が吹き出し、異常なまでの怪力で体を圧迫されているため、呼吸すらままならない。意識を保っているだけでも精一杯だった。だがそれでも、仲間を護るために叫んだ。
悲痛なまでのアルベルトの叫びにレイマートの足が止まると、アルベルトは自分を締め上げるバージルに目を向けた。
こ、この野郎、やってくれるじゃねぇか・・・
脳みそぶちまけて、魔道具に体乗っ取られてるくせに、まだ自分の意思を残してやがる!
とんでもねぇ執念だ、自分を殺した俺がそれだけ憎たらしいって事かよ!
こいつのエネルギーは、もう自分の中に留めておけねぇくらい膨れ上がってやがる。
もういつ爆発してもおかしくねぇ。上級魔法を優に超えるこの力を、このままこの力を爆発させたらどうなる・・・・・
レイマート・・・そんな顔してんじゃねぇ、俺達は覚悟して戦ってたはずだろ?
お前ももう立派なゴールド騎士だ。これからはお前がこの隊を率いていくんだ、だからいちいち悲しんでんじゃねぇ、それが誰であろうとだ。
俺も俺の役目を果たす
まさかこんなところで覚悟を決める事になるとは思わなかったけどな
・・・せめて皇帝の顔くらいは見ておきたかったぜ
「・・・ふぅ・・・・・ウォォォォォォォォォーーーーーーーーーッツ!」
アルベルトは一度深く息を吐くと、カッと目を見開き腹の底から声は張り上げた。
消えかかっていた闘気が噴き出して、密着しているバージルをも飲み込んだ!
「グ、ガァ、キ、キサ、マ・・・!?」
「俺の命はくれてやる。だが軍はやらせねぇ、ここで死ぬのは俺とお前だけだ」
アルベルトの闘気によって、バージルは膨れ上がるエネルギーを抑えこまれた。
最大の標的はもちろんゴールド騎士のアルベルトである。だがこの力を爆発させれば、クインズベリー軍を全滅、少なくとも半壊はさせられると見込んでいた。それだけにアルベルトに狙いを見透かされ、ここまで力を抑え込まれた事は想定外だった。
だが、逆を言えばこのゴールド騎士は、それほどのエネルギーの爆発の中心にいるのだ。
クインズベリー軍には逃げられた。だが最大戦力の一角であるゴールド騎士、アルベルト・ジョシュアは逃げ場を失い、ここで直撃を受ける事になる。
いいだろう!
元よりキサマさえ道連れにできればそれでいいのだ!
バージルは視線だけでアルベルトにそう告げると、口の橋を持ち上げて、ニタリと嗤った。
そして次の瞬間
バージルの体が一瞬で何倍にも膨れ上がったかと思うと、山全体を揺るがす程の大爆発を起こした。
眼下の戦いを見つめていたジャロン・リピネッツが、誰に言うでもなく呟いた。
「はぁ、本当にこうなるんですね。生で見るのは初めてなので、少しだけ驚きました。これじゃ使いものにならないし、死者をもて遊んでるって批判もうけますよね。そりゃあ使用禁止になるわけだし、情報も隠蔽(いんぺい)されるわけですね」
トリッシュも視線はバージルに向けたまま、隣に立つジャロン・リピネッツに言葉を返した。
割られた頭から脳髄を垂れ流し、血みどろになって叫び声を上げるバージルの姿は、勝気なトリッシュにとっても嫌悪感があったのだろう。眉を寄せて苦々しい顔をしている。
「・・・ゴールド騎士を捕らえたはいい。だが暴走状態に陥ってからは早いぞ。灯のような僅かな時間、師団長さえ上回るほどのパワーを発揮する。だがそれが終われば待っているのは肉体の崩壊だ」
「ふふふ、あのオーラで粘っていますが、そう長くは持ちそうもないですね。周りの兵士も近づけないようだし、バージル副団長が力尽きるまで耐えられるかどうか、我慢比べってところですね。暴走に巻き込まれるわけにはいきませんし、私達は高見の見物といきましょうか」
隣に立つジャロン・リピネッツは何も答えなかった。だが動く様子を見せず、トリッシュの言葉に異を挟むつもりはないらしい。
暴走状態のバージルの標的はアルベルトに向いているが、うかつに近づけば敵意を向けられかねない、このまま戦いの結末を静観すると決めたようだ。
「バージル副団長、このまま終わっていいんですか?帝国のためにも、あなたの名誉のためにも、意地の一つくらい見せてほしいですね」
冷笑を浮かべるトリッシュ。その目には上司への敬意も、仲間への情も何も無かった。
トリッシュにあるもの、それはただ自分の研究を、好奇心を満たすための欲求、それだけである。
そう、トリッシュ・ルパージュは、魔道具宿り水の開発者の一人として、その名を連ねていたのだ。
「ぐ、ぐぅぅぅぅ!こ、この野郎!なんて力だ!」
自分の体を締め上げるバージルの腕を振りほどこうともがくが、アルベルトの全力でもびくともしない異常な怪力に、なすすべがなかった。
「グ、オ、ォォォ・・・ク、クク・・・オ、マエ、モ・・・オワ、リ・・・ダ」
「ッ!?な、なにッ!?」
歯を食いしばり必死に耐えるアルベルトの耳に、それまで獣のように叫ぶだけだったバージルの口から、意味のある言葉が届いた。
「オレ、ハ・・・モウ、スグ、ホロ、ビル・・・ダガ、オ、オマエモ・・・シヌ」
「こ、こいつ!い、意識が・・・なっ!?」
一瞬だが生気の無い空洞のようなバージルの目が、自分を見てニヤリと笑ったように見えた。
そしてバージルの体内から、強大なエネルギーが急速に膨らみ出した。それはまるで燃え盛る炎のように熱く、密着するアルベルトはその凄まじい熱量をモロに浴びせられる事となる。
そしれそれほどのエネルギーを体内で膨らませている反動なのか、バージルの体がガタガタと震え出した。
ぐぅっ!こ、これは、ヤバイ!このままだと・・・・・ッ!
「アルベルトさん!」
バージルから左腕を奪ったもう一人のゴールド騎士、レイマート・ハイランドが飛び出した。
後方で治療を受けていたが、死んだはずの男が立ち上がったと聞き、急ぎ駆け付けたのだ。
本来ならばこれ以上ないくらい、頼もしい援軍だろう。
だが・・・・・
「来るなァァァーーーーーッツ!」
「ッ!?」
すでにレイマートは右手に闘気を集中させ、レオンクローの態勢に入っていた。
今度こそバージルの頭を刈り取り、この戦いに完全決着をつける。その決意で飛び出したレイマートだったが、アルベルトからまさかの拒絶を受け、地面を強く踏みつけて無理やり足を止めた。
「なっ!?なにを・・・」
いったいを何を言っているんだ?確かに一般兵ならば近づく事はできないだろう。
だが同じ闘気を使える自分ならば、この窮地からアルベルトを救う事も可能なはず。まさかこの場面で自分の身を案じたとでも言うのか?いや、それはない。今は戦争をしているんだ。
アルベルト・ジョシュアはそんなあまい考えをする男ではない。むしろゴールド騎士として、自分もまだ生きて戦わなければと考えているはずだ。ではなぜアルベルトは来るなと拒絶するんだ?
「アルベルトさん!そいつの馬鹿力は俺も知っている!自力で抜け出せないなら俺が・・・!」
「レ、レイマート!ぜ、全軍撤退だ!こ、ここから離れろ!急げぇぇぇーーーーーッ!」
レイマートはアルベルトの指示を無視し、一歩踏み出そうとして止めた。
撤退、だと?
言っている意味が分からない。なぜここで撤退になるんだ?確かにアルベルト個人としては追い詰められているが、クインズベリー軍はまだまだ戦える。なぜここで退かなければならない?
「さっきからいったい何を・・・っ!?」
だが足を止めた事でレイマートは気が付いた。
アルベルトを締め上げるバージルの体が小刻みに震え出し、噴火前の火山のように、物凄いエネルギーが体内で膨れ上がって来ている事に。
「なっ!?・・・なんだ、これは!?」
信じられない程のエネルギーの圧を感じ、レイマートが目を開き驚きと戸惑いを見せる。
「ぐ、うぅぅ・・・レ、レイマート!こいつはもうすぐ爆発する!だから早く逃げろ!俺の事はいい!早く逃げろぉーーーーーッツ!」
アルベルトの叫びに、周囲で戦いを見ていた両軍の兵士達も大きく動揺した。
爆発するというアルベルトの言葉を裏付けるように、バージルの体から発せられるエネルギーはどんどん膨らんでいき、もういつ爆発してもおかしくない状態だった。
そしてその威力は上級魔法すら上回るだろう事は、誰の目にも明らかだった。
「お、おい・・・あれはヤバくねぇか?」
「な、なんだよあれ?すげぇパワーだ、あ、あんなのが本当に爆発するのか?」
「ま、まずいぞ!下がれ!下がれぇぇぇーーーーーッツ!」
クインズベリーかブロートン帝国か、どちらの陣営が先だったかは分からない。
だがどこからか怯えた声が聞こえると、あちこちから同様の声が上がり始め、ついには前線から下がり始める兵達も現れ始めた。
だがレイマートは下がらなかった。
自分がゴールド騎士になれたのは、シルバー騎士だった頃から稽古をつけてもらったアルベルトの存在があったからだ。憧れたゴールド騎士アルベルト・ジョシュアは、師であり恩人とも言える存在だった。
ただ一人、兵士達が離脱しようともただ一人残り、アルベルトと向き合っていた。
「く、くそっ!逃げろって、そんな事できるわけねぇだろ!アルベルトさん!俺がそいつを引き剝がしてやる!」
バージルの体から発せられるエネルギーは臨界点を超え、内側に抑えきれなかったエネルギーが皮膚を裂き、血が噴き出し始めた。
もう時間が無い!レイマートが一歩前に足を踏み出す。だがアルベルトが再び声を上げた。
「に、逃げろと言ってるんだッ!早くッ・・・早く行けぇぇぇーーーーーーーッツ!」
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悲痛なまでのアルベルトの叫びにレイマートの足が止まると、アルベルトは自分を締め上げるバージルに目を向けた。
こ、この野郎、やってくれるじゃねぇか・・・
脳みそぶちまけて、魔道具に体乗っ取られてるくせに、まだ自分の意思を残してやがる!
とんでもねぇ執念だ、自分を殺した俺がそれだけ憎たらしいって事かよ!
こいつのエネルギーは、もう自分の中に留めておけねぇくらい膨れ上がってやがる。
もういつ爆発してもおかしくねぇ。上級魔法を優に超えるこの力を、このままこの力を爆発させたらどうなる・・・・・
レイマート・・・そんな顔してんじゃねぇ、俺達は覚悟して戦ってたはずだろ?
お前ももう立派なゴールド騎士だ。これからはお前がこの隊を率いていくんだ、だからいちいち悲しんでんじゃねぇ、それが誰であろうとだ。
俺も俺の役目を果たす
まさかこんなところで覚悟を決める事になるとは思わなかったけどな
・・・せめて皇帝の顔くらいは見ておきたかったぜ
「・・・ふぅ・・・・・ウォォォォォォォォォーーーーーーーーーッツ!」
アルベルトは一度深く息を吐くと、カッと目を見開き腹の底から声は張り上げた。
消えかかっていた闘気が噴き出して、密着しているバージルをも飲み込んだ!
「グ、ガァ、キ、キサ、マ・・・!?」
「俺の命はくれてやる。だが軍はやらせねぇ、ここで死ぬのは俺とお前だけだ」
アルベルトの闘気によって、バージルは膨れ上がるエネルギーを抑えこまれた。
最大の標的はもちろんゴールド騎士のアルベルトである。だがこの力を爆発させれば、クインズベリー軍を全滅、少なくとも半壊はさせられると見込んでいた。それだけにアルベルトに狙いを見透かされ、ここまで力を抑え込まれた事は想定外だった。
だが、逆を言えばこのゴールド騎士は、それほどのエネルギーの爆発の中心にいるのだ。
クインズベリー軍には逃げられた。だが最大戦力の一角であるゴールド騎士、アルベルト・ジョシュアは逃げ場を失い、ここで直撃を受ける事になる。
いいだろう!
元よりキサマさえ道連れにできればそれでいいのだ!
バージルは視線だけでアルベルトにそう告げると、口の橋を持ち上げて、ニタリと嗤った。
そして次の瞬間
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