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「おいおい、ユーリのヤツ大丈夫か?」
負傷兵達の運び出しが終わり、リカルド達体力型の手は空いたが、白魔法使いであるユーリは前日と変わらず治療にあたっていた。
早朝からヒールをかけ続けるユーリの背中を見ながら、一人でぼやくリカルドに、ケイトが包帯を持って近づいて来た。
「リカルド、突っ立ってるだけならあんたも手伝いなよ」
そう言ってぐいっと包帯を突き出すと、リカルドは眉を顰(ひそ)めて目の前の白い包帯を凝視した。
そしてケイトの顔と包帯を何度か見比べると、首をかしげながら口を開いた。
「・・・・・え?なに?」
「え?・・・・・いや、包帯、だけど?」
「・・・・・で?」
「いや、で?じゃなくて、手が空いてんなら、あんたも手伝いなよ?軽傷の人は傷薬や包帯で対応してんの。ほら」
「いや、ほら、じゃなくて、傷薬や包帯ですむんならよ、自分でやらせろよ?なんで俺がわざわざ薬塗って、包帯巻いてやんなんねぇの?甘やかしはよくねぇぞ?自立させろよ」
「いや、自立じゃなくて・・・あ~、ほら、自分じゃ手の届きにくい場所ってあるでしょ?背中とか見えないし、右手に包帯巻くのに左手一本じゃ難しくない?だから私らでやるの。分かった?」
「いや、やる前からできないって決めつけんの違くね?まずやらせてみねぇとよ、何が向いてるのかって分かんねぇじゃん?一人一人違う人間なんだからよ、そいつの個性を見つけるのも大事だと思うぜ?俺は」
「え?いや・・・お前何の話ししてんの?」
ケイトが呆気にとられたところで、後ろからミゼルが走って来た。
「おーい、レイチェルが戻って来たぞ!」
「お!我らがレイチェルが帰って来たか!んじゃ俺は麦茶持って出迎えに行かねぇとな!包帯とか細かい事はお前らに任せんぜ!じゃあな!」
「あ!こらリカルド!」
昨日アゲハと共に、レイマートの捜索に向かったレイチェルが戻って来た事を聞くなり、リカルドは右手を目の上掲げて、足早に去っていった。
「え?あ、ん?なんだアイツ?・・・なぁケイト、なんかあったの?」
「はぁ・・・はい、ミゼル」
走り去っていくリカルドの背中を見ているミゼルに、ケイトはため息をつきながら包帯を差し出した。
レイマートの捜索に出て行ったレイチェルが、一夜明けて戻って来た。
負傷兵の中でも、傷薬や包帯で対処できる軽傷者の手当をしていたラクエルは、レイチェルの姿を見かけると手を上げて声をかけた。
「おー、レイチェルおかえりー、どうだった?」
「ああ、ただいま。残念ながら私はレイマートを見つけられなかった。あまり時間も無かったし遠くまでは探せなかったんだが、夜が明けたら一度拠点に戻ろうと決めておいたんだ。アゲハはまだみたいだな?」
レイチェルは辺りを見回しながら、ゆっくりとラクエルの前まで歩いて来た。
昨日は負傷兵の運び出しや、あちこちに呼ばれる白魔法使い達で慌ただしいものだったが、一日経ってある程度落ち着いたように見える。
「ん、そうだね。アゲハはまだ戻ってきてないよ。アゲハがうまく見つけられてたらいいね。てかさ、あんたも手伝ってよ。怪我酷い人はヒールで治療してんだけど、そうでもない人は傷薬つけて包帯巻いてんのさ。あそこのテントの前の箱に入ってるから」
そう言ってラクエルが指さした先を、レイチェルも目で追いかける。
十数メートル程先に張ってあるテントの前には、沢山の木箱が積まれており、大勢の兵達がかわるがわるに水や傷薬や包帯を取っている。
「あれか、分かった。私も手つだ・・・?」
「おーい、レイチェルー!」
一歩足を前に出したところで、リカルドが手を振りながら駆け寄ってきた。
「おお、リカルド」
「んだよレイチェル、帰ってきたんなら真っ先に俺んとこに来いよ?水くせぇな!」
「ん?えっと、リカルドってそんなに私の帰りを気にする感じだったっけ?」
「今日はそんな感じなんだよ、喉乾いてっと思って麦茶持ってきてやったのに細けぇなぁ?」
ぐいっと竹筒を突き出されてレイチェルは少し戸惑ったが、確かにここまで歩いて来て、喉は乾いていた。
「え、麦茶?あ、ありがとう、いただくよ。丁度喉が渇いてたんだ」
素直にお礼を口にすると、リカルドは得意気に口の端を持ち上げる。
「だろ?俺って気が利くんだよなぁ」
そして蓋(ふた)を開けてグイっと喉に流し込むと、レイチェルは眉根を寄せて口から竹筒を離し、怪訝な顔でリカルドを見た。
「・・・なぁ、リカルド・・・これ、麦茶じゃなくてただの水、だよね?」
「あ?同じ飲み物だろ?飲んどいて文句言ってんじゃねぇよ。水だって麦茶なんだよ」
「え?いや、違うだろ?・・・お前何言ってんの?」
心底訳が分からないとレイチェルが首を傾げると、二人の後ろでラクエルが声を上げた。
「あ!ねぇねぇ二人とも、あれアゲハじゃない?帰ってきたみたいだよ。あとあの青い髪、ゴールド騎士だ。あれレイマートじゃない?アゲハは合流できたんだね)
振り返ってラクエルの指さす方に目を向けると、自分の身長よりも長い武器を肩に乗せた黒髪の女戦士が、黄金の鎧を着た青い髪の騎士と並んで、こちらへと歩いて来た。
負傷兵達の運び出しが終わり、リカルド達体力型の手は空いたが、白魔法使いであるユーリは前日と変わらず治療にあたっていた。
早朝からヒールをかけ続けるユーリの背中を見ながら、一人でぼやくリカルドに、ケイトが包帯を持って近づいて来た。
「リカルド、突っ立ってるだけならあんたも手伝いなよ」
そう言ってぐいっと包帯を突き出すと、リカルドは眉を顰(ひそ)めて目の前の白い包帯を凝視した。
そしてケイトの顔と包帯を何度か見比べると、首をかしげながら口を開いた。
「・・・・・え?なに?」
「え?・・・・・いや、包帯、だけど?」
「・・・・・で?」
「いや、で?じゃなくて、手が空いてんなら、あんたも手伝いなよ?軽傷の人は傷薬や包帯で対応してんの。ほら」
「いや、ほら、じゃなくて、傷薬や包帯ですむんならよ、自分でやらせろよ?なんで俺がわざわざ薬塗って、包帯巻いてやんなんねぇの?甘やかしはよくねぇぞ?自立させろよ」
「いや、自立じゃなくて・・・あ~、ほら、自分じゃ手の届きにくい場所ってあるでしょ?背中とか見えないし、右手に包帯巻くのに左手一本じゃ難しくない?だから私らでやるの。分かった?」
「いや、やる前からできないって決めつけんの違くね?まずやらせてみねぇとよ、何が向いてるのかって分かんねぇじゃん?一人一人違う人間なんだからよ、そいつの個性を見つけるのも大事だと思うぜ?俺は」
「え?いや・・・お前何の話ししてんの?」
ケイトが呆気にとられたところで、後ろからミゼルが走って来た。
「おーい、レイチェルが戻って来たぞ!」
「お!我らがレイチェルが帰って来たか!んじゃ俺は麦茶持って出迎えに行かねぇとな!包帯とか細かい事はお前らに任せんぜ!じゃあな!」
「あ!こらリカルド!」
昨日アゲハと共に、レイマートの捜索に向かったレイチェルが戻って来た事を聞くなり、リカルドは右手を目の上掲げて、足早に去っていった。
「え?あ、ん?なんだアイツ?・・・なぁケイト、なんかあったの?」
「はぁ・・・はい、ミゼル」
走り去っていくリカルドの背中を見ているミゼルに、ケイトはため息をつきながら包帯を差し出した。
レイマートの捜索に出て行ったレイチェルが、一夜明けて戻って来た。
負傷兵の中でも、傷薬や包帯で対処できる軽傷者の手当をしていたラクエルは、レイチェルの姿を見かけると手を上げて声をかけた。
「おー、レイチェルおかえりー、どうだった?」
「ああ、ただいま。残念ながら私はレイマートを見つけられなかった。あまり時間も無かったし遠くまでは探せなかったんだが、夜が明けたら一度拠点に戻ろうと決めておいたんだ。アゲハはまだみたいだな?」
レイチェルは辺りを見回しながら、ゆっくりとラクエルの前まで歩いて来た。
昨日は負傷兵の運び出しや、あちこちに呼ばれる白魔法使い達で慌ただしいものだったが、一日経ってある程度落ち着いたように見える。
「ん、そうだね。アゲハはまだ戻ってきてないよ。アゲハがうまく見つけられてたらいいね。てかさ、あんたも手伝ってよ。怪我酷い人はヒールで治療してんだけど、そうでもない人は傷薬つけて包帯巻いてんのさ。あそこのテントの前の箱に入ってるから」
そう言ってラクエルが指さした先を、レイチェルも目で追いかける。
十数メートル程先に張ってあるテントの前には、沢山の木箱が積まれており、大勢の兵達がかわるがわるに水や傷薬や包帯を取っている。
「あれか、分かった。私も手つだ・・・?」
「おーい、レイチェルー!」
一歩足を前に出したところで、リカルドが手を振りながら駆け寄ってきた。
「おお、リカルド」
「んだよレイチェル、帰ってきたんなら真っ先に俺んとこに来いよ?水くせぇな!」
「ん?えっと、リカルドってそんなに私の帰りを気にする感じだったっけ?」
「今日はそんな感じなんだよ、喉乾いてっと思って麦茶持ってきてやったのに細けぇなぁ?」
ぐいっと竹筒を突き出されてレイチェルは少し戸惑ったが、確かにここまで歩いて来て、喉は乾いていた。
「え、麦茶?あ、ありがとう、いただくよ。丁度喉が渇いてたんだ」
素直にお礼を口にすると、リカルドは得意気に口の端を持ち上げる。
「だろ?俺って気が利くんだよなぁ」
そして蓋(ふた)を開けてグイっと喉に流し込むと、レイチェルは眉根を寄せて口から竹筒を離し、怪訝な顔でリカルドを見た。
「・・・なぁ、リカルド・・・これ、麦茶じゃなくてただの水、だよね?」
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「え?いや、違うだろ?・・・お前何言ってんの?」
心底訳が分からないとレイチェルが首を傾げると、二人の後ろでラクエルが声を上げた。
「あ!ねぇねぇ二人とも、あれアゲハじゃない?帰ってきたみたいだよ。あとあの青い髪、ゴールド騎士だ。あれレイマートじゃない?アゲハは合流できたんだね)
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