勇者の抜け殻〜スキル【装備】で成り上がる〜

観測オニーちゃん

文字の大きさ
19 / 25
空を超えし願い星

第十八話 80階層

しおりを挟む
 現在、目の前でドラゴンが眠っている。
 万里の長城擬き道を進んだ先に円形状の大きな広場へとたどり着くとその中央には金銀財宝を守る様にして眠る赤黒い鱗を生やした竜が横たわっていた。

魂核値  : X
名前   :ターニス
種族   :終焉魔竜アポカリプス
レベル  :100/100
攻撃   :50800
魔力   :64580
物防   :49658
魔防   :47523
俊敏   :27639
精神   :200
スキル  :【代償】【終焉宣告】
逆鱗   :【暗黒】
SP.0

 しばらくするとゆっくりと目を開きこちらの存在を認知する。
「まさか、挑戦者か!?」
ターニスはガバァッと起き上がりこちらをマジマジと観察する。
「えぇ、その通りですよ」
「久方ぶりの客人だ。ここまで到達した者はアヤツ以来だな」
 ターニスの視線の先には財宝と人の頭蓋らしき者が一つだけ飾られていた。
「まぁ来たのは後にも先にもあやつだけだったがな」
 ガハハと笑う姿は絵本の中の竜とは比べ物にならないほどの迫力だった。その後もターニスはかなりのおしゃべり好きらしく自身の武勇伝やら愚痴やらで体感数時間は喋り続けていた。
「兄上め!まさか我を奈落に封じ込めようとは許すまじ。しかし、近々が外の世界へと侵攻なされる予定だ。この奈落が崩壊するのも時間の問題よ!その時、竜の里に終焉をくれてやるつもりだ。おっと、喋りすぎたな」
 正直武勇伝辺りから上の空ではあったが最後の話に関しては重要度の高い情報として記憶に止めた。 話の内容からしてラスボスは黒の君とやらになりそうだ。
「さて、このままどんぱちやり合うのも悪くないがここは趣向を凝らしレースという形で勝負をしないか?」
 唐突な申し出にソラは頷く。
「良いですよ」
 ターニスは羽を広げ周囲の霧を吹き飛ばす。すると広場の先に霧に隠れていた一本道が現れた。
「この道の先に我の秘宝【竜鳴酒】が保管されている祠がある。その竜鳴酒を手にしたものが勝者とする」
次にターニスはとあるスキルを発動した。
『スキル【終焉宣告】が発動しました』
『スキルの使用を禁じられました』
『魔術の使用を禁じられました』
『闘術の使用を禁じられました』
 次の瞬間、ソラが身につけている勇者一行装備が地面にゴトゴトッと落ち収納空間へと強制的に戻される。
「案ずるな。この【終焉宣告】は我にも適用される」
 ケンさんもまた収納空間へと送られてしまい、それが真実なのかどうか分からなくなってしまった。今はただターニスを信じレースを受けなければいけない。
 お互いスタート地点へと立ちターニスがコインを投げる。そのコインが落ちた瞬間がスタートの合図だ。
 そして、チャリンっと音が鳴る。
「ガーハッハッハ!先に行くぞ挑戦者よ!」
ソラを煽り先へと飛び立ったターニスに対しソラたちは未だスタートしていなかった。
「アル君、粘金持ってます?」
「持ってる」
アルは粘金を取り出しソラへと渡す。
「魔術はダメでも魔力は大丈夫の様ですね」
ソラは粘金に魔力を流しバイクを作る。メーカーはハーレー仕様である。無論エンジンは搭載していないため全て魔力で稼働する仕組みだ。
 ソラはアルを後ろに乗せスタートから数秒後に走り出す。
「あわわわわ!」
「飛ばしますよ!」
 時速は400キロを超え、前方には早くもターニスの姿が見えてくる。
「ほう、面妖な」
 それを見たターニスはさらに加速しソラ達を引き離そうとするが徐々にターニスへ近づくソラたち。
「仕方があるまい」
次の瞬間ソラの前方から赤黒い風が襲う。
「これは?」
「我も負けられんのでな」
 ソラは竜族が保有する【逆鱗】の力であると推測した。
 ターニスが保有する逆鱗には未知の自然エネルギー【暗黒物質】が内包してありその物質に触れると精神が破壊される。
 ソラは精神に極振りしてあるためかろうじて意識を繋ぎ止めることに成功しアルに直撃しないよう体で防ぐ。
 距離は突き放されターニスは竜鳴酒へ手を伸ばす。
「我の勝ちだ」
「いいえ、私の勝ちです」
 ターニスの爪が竜鳴酒に触れる瞬間爪に付着した粘金が動き竜鳴酒を掴む。
 そしてソラの元に竜鳴酒が運び込まれソラの勝利に終わった。
「我に勝利した褒美だ。その酒はくれてやる」
ターニスは下戸であった話は置いといて餞別としてソラは竜鳴酒を貰い次の階層へと進む。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

【コミカライズ決定】勇者学園の西園寺オスカー~実力を隠して勇者学園を満喫する俺、美人生徒会長に目をつけられたので最強ムーブをかましたい~

エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】 【第5回一二三書房Web小説大賞コミカライズ賞】 ~ポルカコミックスでの漫画化(コミカライズ)決定!~  ゼルトル勇者学園に通う少年、西園寺オスカーはかなり変わっている。  学園で、教師をも上回るほどの実力を持っておきながらも、その実力を隠し、他の生徒と同様の、平均的な目立たない存在として振る舞うのだ。  何か実力を隠す特別な理由があるのか。  いや、彼はただ、「かっこよさそう」だから実力を隠す。  そんな中、隣の席の美少女セレナや、生徒会長のアリア、剣術教師であるレイヴンなどは、「西園寺オスカーは何かを隠している」というような疑念を抱き始めるのだった。  貴族出身の傲慢なクラスメイトに、彼と対峙することを選ぶ生徒会〈ガーディアンズ・オブ・ゼルトル〉、さらには魔王まで、西園寺オスカーの前に立ちはだかる。  オスカーはどうやって最強の力を手にしたのか。授業や試験ではどんなムーブをかますのか。彼の実力を知る者は現れるのか。    世界を揺るがす、最強中二病主人公の爆誕を見逃すな! ※小説家になろう、カクヨム、pixivにも投稿中。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

男女比1対5000世界で俺はどうすれバインダー…

アルファカッター
ファンタジー
ひょんな事から男女比1対5000の世界に移動した学生の忠野タケル。 そこで生活していく内に色々なトラブルや問題に巻き込まれながら生活していくものがたりである!

男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)

大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。 この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人) そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ! この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。 前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。 顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。 どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね! そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる! 主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。 外はその限りではありません。 カクヨムでも投稿しております。

大和型戦艦、異世界に転移する。

焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。 ※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。

処理中です...