勇者の抜け殻〜スキル【装備】で成り上がる〜

観測オニーちゃん

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空を超えし願い星

第十八話 80階層

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 現在、目の前でドラゴンが眠っている。
 万里の長城擬き道を進んだ先に円形状の大きな広場へとたどり着くとその中央には金銀財宝を守る様にして眠る赤黒い鱗を生やした竜が横たわっていた。

魂核値  : X
名前   :ターニス
種族   :終焉魔竜アポカリプス
レベル  :100/100
攻撃   :50800
魔力   :64580
物防   :49658
魔防   :47523
俊敏   :27639
精神   :200
スキル  :【代償】【終焉宣告】
逆鱗   :【暗黒】
SP.0

 しばらくするとゆっくりと目を開きこちらの存在を認知する。
「まさか、挑戦者か!?」
ターニスはガバァッと起き上がりこちらをマジマジと観察する。
「えぇ、その通りですよ」
「久方ぶりの客人だ。ここまで到達した者はアヤツ以来だな」
 ターニスの視線の先には財宝と人の頭蓋らしき者が一つだけ飾られていた。
「まぁ来たのは後にも先にもあやつだけだったがな」
 ガハハと笑う姿は絵本の中の竜とは比べ物にならないほどの迫力だった。その後もターニスはかなりのおしゃべり好きらしく自身の武勇伝やら愚痴やらで体感数時間は喋り続けていた。
「兄上め!まさか我を奈落に封じ込めようとは許すまじ。しかし、近々が外の世界へと侵攻なされる予定だ。この奈落が崩壊するのも時間の問題よ!その時、竜の里に終焉をくれてやるつもりだ。おっと、喋りすぎたな」
 正直武勇伝辺りから上の空ではあったが最後の話に関しては重要度の高い情報として記憶に止めた。 話の内容からしてラスボスは黒の君とやらになりそうだ。
「さて、このままどんぱちやり合うのも悪くないがここは趣向を凝らしレースという形で勝負をしないか?」
 唐突な申し出にソラは頷く。
「良いですよ」
 ターニスは羽を広げ周囲の霧を吹き飛ばす。すると広場の先に霧に隠れていた一本道が現れた。
「この道の先に我の秘宝【竜鳴酒】が保管されている祠がある。その竜鳴酒を手にしたものが勝者とする」
次にターニスはとあるスキルを発動した。
『スキル【終焉宣告】が発動しました』
『スキルの使用を禁じられました』
『魔術の使用を禁じられました』
『闘術の使用を禁じられました』
 次の瞬間、ソラが身につけている勇者一行装備が地面にゴトゴトッと落ち収納空間へと強制的に戻される。
「案ずるな。この【終焉宣告】は我にも適用される」
 ケンさんもまた収納空間へと送られてしまい、それが真実なのかどうか分からなくなってしまった。今はただターニスを信じレースを受けなければいけない。
 お互いスタート地点へと立ちターニスがコインを投げる。そのコインが落ちた瞬間がスタートの合図だ。
 そして、チャリンっと音が鳴る。
「ガーハッハッハ!先に行くぞ挑戦者よ!」
ソラを煽り先へと飛び立ったターニスに対しソラたちは未だスタートしていなかった。
「アル君、粘金持ってます?」
「持ってる」
アルは粘金を取り出しソラへと渡す。
「魔術はダメでも魔力は大丈夫の様ですね」
ソラは粘金に魔力を流しバイクを作る。メーカーはハーレー仕様である。無論エンジンは搭載していないため全て魔力で稼働する仕組みだ。
 ソラはアルを後ろに乗せスタートから数秒後に走り出す。
「あわわわわ!」
「飛ばしますよ!」
 時速は400キロを超え、前方には早くもターニスの姿が見えてくる。
「ほう、面妖な」
 それを見たターニスはさらに加速しソラ達を引き離そうとするが徐々にターニスへ近づくソラたち。
「仕方があるまい」
次の瞬間ソラの前方から赤黒い風が襲う。
「これは?」
「我も負けられんのでな」
 ソラは竜族が保有する【逆鱗】の力であると推測した。
 ターニスが保有する逆鱗には未知の自然エネルギー【暗黒物質】が内包してありその物質に触れると精神が破壊される。
 ソラは精神に極振りしてあるためかろうじて意識を繋ぎ止めることに成功しアルに直撃しないよう体で防ぐ。
 距離は突き放されターニスは竜鳴酒へ手を伸ばす。
「我の勝ちだ」
「いいえ、私の勝ちです」
 ターニスの爪が竜鳴酒に触れる瞬間爪に付着した粘金が動き竜鳴酒を掴む。
 そしてソラの元に竜鳴酒が運び込まれソラの勝利に終わった。
「我に勝利した褒美だ。その酒はくれてやる」
ターニスは下戸であった話は置いといて餞別としてソラは竜鳴酒を貰い次の階層へと進む。
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