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俺と2人のお揃いの色
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紙の上を滑るみたいに筆が動く。飾り気のないシンプルなものから、アクセントにいくつかの宝玉をあつらえたものまで、色々な造形の指輪が描かれていった。
「取り敢えずベースは金を使うとして、飾りには赤い宝玉を使わない?」
「サトルの瞳の色だな。いいな、そうしよう」
「ソウ、絵が上手なんだね! スゴい!!」
あの太い筆先から生み出されたとは思えない、繊細な意匠の数々に。つい興奮してセイの膝の上から身を乗り出して、おまけに二人の会話に割り込んでしまった。
「だろう? 昔から上手くてな。人間の世界で戯れに描いた壁画が、今や国宝になっているんだぞ!」
「ちょっとセイ、止めてよね……そっちこそ遊びで削った彫刻が、国の象徴になって国旗にまで描かれたでしょ!」
まるで自分のことのように嬉しそうに話すセイを、頬を赤らめたソウが肘でつつく。お返しとばかりにしたり顔で語られた彼の偉業に、絹みたいに白い肌が真っ赤になった。
「二人ともスゴいんだね! 今度は、セイの作った彫刻を見てみたいな」
ソウみたいに緻密な造形なのかな? それとも意外と豪快というか、荒々しい感じだったりして。
新たな一面を知れたってだけでも嬉しいけど、二人が褒められていると何だか俺まで嬉しくなっちゃうな。
「ああっ、勿論構わないぞ! 何なら今からでもすぐに作ろう、君が好きなものをいくらでも!」
俺を抱えたまま弾かれるように立ち上がったセイが、高い高いするみたいに俺を抱き上げ、その場でくるくると回り始める。
「せぇーいー、今は指輪の方が大事でしょ?」
赤い鱗を纏った長い尻尾が咎めるように、ペシペシとセイの腰の辺りを軽く叩いた。
「ああ、そうだったな……すまない」
残念そうに眉を下げたセイが、しおしおと座布団の上に座り直す。俺の肩口に顎を乗せ、すり寄ってきたその頭を優しく撫でてあげた。
「まぁ、気持ちは分かるけどね……」
そう言って、左右に大きく尻尾を振る彼の手元からは、明らかに指輪とは関係のない俺とセイの似顔絵や、召し使いの蜥蜴達が次々と紙の上に量産されていた。
思わず、頂戴! とお願いすると、はにかみながら大量の絵をプレゼントしてくれた。
でも、本人的にはこれはあくまで落書きだったらしい。俺にとっては十分素敵な絵なんだけども。
「今度は、もっとちゃんとした紙で、いい画材も使った渾身の自信作を贈るからね!」
と満面の笑みで宣言してもらえたので、今からとても楽しみだ。
◇
和気あいあいとしていたはずの空気が、あっという間に重く沈んだものになる。
蜥蜴達がきゅうきゅうと怯えたような、か細い鳴き声を上げながら身を寄せ合っている。その子達の周囲には、色鮮やかな宝玉がいくつも散らばって、静かに輝いていた。
俺の大好きな二人の表情からは、穏やかな笑顔は完全に消え失せてしまい。普段の優しい彼等から発せられているとは到底思えない、呪詛のような言葉が延々と口から紡がれている。
ほんの少し前に、何のけなしに言った俺のぼやきのせいだ。
◇
鏡に映った自分の顔を眺める。
相も変わらず老人みたいな白い髪と、血のように真っ赤な瞳に嫌気がさした。
「どうしたの? ぼーっとしちゃって」
「そんなにむくれていたら、折角の可愛らしい顔が台無しだぞ? いや、これはこれで可愛いな……」
そんなに顔に出てたのかな? 改めて自分の顔を見つめても、いつも通り無表情な俺が映っているだけだ。違いがよく分からない。
後ろから覗きこんでいた二人が、
「今はそんなこと言ってる場合じゃないでしょ? 可愛いけどさぁ!」
「やっぱりそう思うよな! どんな表情でも可愛いなんて、流石俺達のサトルだ!」
と何やらまた盛り上がっている。
「赤い宝玉で、いいのかな?」
ずっと心に引っ掛かっていた疑問を口にすると、不思議そうな顔をした二人が鏡に映った。
「違う色の方が良かったの? 何色がいい?」
「俺達としては、是非とも君の瞳の色を使いたかったんだが……君が喜んでくれないと意味がないからな」
そう言うと再び蜥蜴達が、頭に色とりどりの宝玉を乗せてから俺の側に並んだ。自分の色を選んで欲しいと主張するように、皆ピコピコと小さな尻尾を振っている。
「……俺の目、ずっと血みたいだって……化け物、みたいだって言われてたからさ」
今でも目に焼きついて離れない。あの、おぞましいモノでも見ているような…鋭く心を抉るような眼差しを。
「だから、大丈夫なのかなって……二人の綺麗な色に、俺の……色を飾りにするなんて」
……俺はきっと醜いから、綺麗な二人を汚してしまいそうで。提案してくれた嬉しさよりも、不安の方が勝ってしまう。
突如、つんざくような甲高い鳴き声が足元から響く。
はっとして目線を向けると、蜥蜴達がなりふり構わずに部屋の隅へと逃げている。恐る恐る振り返ると案の定、鬼のような形相をした二人がブツブツと何やら呟いていた。
また、やってしまった。
こっそり耳をそばだてると……殺すだの、潰すだの、聞こえてくるのは不穏な言葉ばかりで。頭が痛くなった。
◇
さて、反省するのは後にして……まずは、この場を収めよう。今までの経験上、どうにかこちらへと気を引けばいいはずだ。
経験値が少なすぎるせいで、甘える言葉は正直もう思い浮かばない。
こうなったらもう、当たって砕けるしかないな! 失敗した場合、砕けるってゆーか潰れるのは、俺じゃなくて村の方なんだけどさ。
限界まで腕を広げて二人の腰に抱き付く。
じっと訴えるように彼等を仰ぎ見ていると、見下ろしてきた四つの瞳とかち合う。しばらくしてから二人の頬が、ぽっと朱に染まった。
「そんなに真剣な目で見つめられると、照れちゃうよー」
「どうした? 抱っこして欲しいのか? 甘えたな君も可愛いな……」
上機嫌な青い腕に抱き上げられて、赤い手が俺の頬を優しく包み込む。危機は去ったと認識したのか、怯えていた蜥蜴達が散らばった宝玉を回収し始めていた。
「俺はさ、サトルちゃんの瞳を見たとき嬉しかったんだ。だって、俺の鱗の色とお揃いなんだもん」
ソウの指が俺の目元を愛おしそうになぞる。
……そんなこと、考えたこともなかった。彼の鮮やかな赤色と俺の目がお揃い、だなんて。
ふと、鏡に映った赤い色を見る。
あんなに嫌だった色なのに、ずっといらないって、そう思っていた色なのに。
大好きな人と一緒だって……そう、言ってもらえただけで。とても綺麗に、輝いて見えて……
胸がいっぱいになって、俺の頬を撫でるその手に自分の手をそっと重ねた。
「お揃いか……そうか……良かったな、ソウ……」
拗ねたような、低く弱々しい声が耳元に響く。青く逞しい腕から、慰めて欲しいと言わんばかりに抱き上げられる。
しょんぼりと歪んだ表情のセイと目が合ったかと思えば、俺の胸元に顔を埋め、ぐりぐり押し付けてきた。
「もー……セイもお揃いでしょ? 角の色、サトルちゃんの髪の色と一緒じゃん」
短い金色の髪を撫でていると、勢いよく顔を上げる。大きな青い手が俺の頭に触れて、髪を嬉しそうに撫でてくれた。
「本当だ! 俺もお揃いだぞ!!」
「うんうん、良かったねぇ」
クスクス笑いながら赤い手が、俺とセイの頭を撫で回す。青い腕が俺を抱えたままソウに勢いよく飛びついて、力強く抱き締めた。
……言葉って、本当に不思議だ。
たった一言なのに、簡単に傷ついたり悲しくなったり。でも、嬉しくなったり、幸せな気持ちにもなる。
目に入るだけでうんざりしていた、俺の目も髪も。今ではもう、そっと鏡で確認してしまうくらい大好きになっていた。
二人にお願いして、指輪には二種類の石を付けてもらうことにした。
赤と白、俺と二人のお揃いの色だ。
「取り敢えずベースは金を使うとして、飾りには赤い宝玉を使わない?」
「サトルの瞳の色だな。いいな、そうしよう」
「ソウ、絵が上手なんだね! スゴい!!」
あの太い筆先から生み出されたとは思えない、繊細な意匠の数々に。つい興奮してセイの膝の上から身を乗り出して、おまけに二人の会話に割り込んでしまった。
「だろう? 昔から上手くてな。人間の世界で戯れに描いた壁画が、今や国宝になっているんだぞ!」
「ちょっとセイ、止めてよね……そっちこそ遊びで削った彫刻が、国の象徴になって国旗にまで描かれたでしょ!」
まるで自分のことのように嬉しそうに話すセイを、頬を赤らめたソウが肘でつつく。お返しとばかりにしたり顔で語られた彼の偉業に、絹みたいに白い肌が真っ赤になった。
「二人ともスゴいんだね! 今度は、セイの作った彫刻を見てみたいな」
ソウみたいに緻密な造形なのかな? それとも意外と豪快というか、荒々しい感じだったりして。
新たな一面を知れたってだけでも嬉しいけど、二人が褒められていると何だか俺まで嬉しくなっちゃうな。
「ああっ、勿論構わないぞ! 何なら今からでもすぐに作ろう、君が好きなものをいくらでも!」
俺を抱えたまま弾かれるように立ち上がったセイが、高い高いするみたいに俺を抱き上げ、その場でくるくると回り始める。
「せぇーいー、今は指輪の方が大事でしょ?」
赤い鱗を纏った長い尻尾が咎めるように、ペシペシとセイの腰の辺りを軽く叩いた。
「ああ、そうだったな……すまない」
残念そうに眉を下げたセイが、しおしおと座布団の上に座り直す。俺の肩口に顎を乗せ、すり寄ってきたその頭を優しく撫でてあげた。
「まぁ、気持ちは分かるけどね……」
そう言って、左右に大きく尻尾を振る彼の手元からは、明らかに指輪とは関係のない俺とセイの似顔絵や、召し使いの蜥蜴達が次々と紙の上に量産されていた。
思わず、頂戴! とお願いすると、はにかみながら大量の絵をプレゼントしてくれた。
でも、本人的にはこれはあくまで落書きだったらしい。俺にとっては十分素敵な絵なんだけども。
「今度は、もっとちゃんとした紙で、いい画材も使った渾身の自信作を贈るからね!」
と満面の笑みで宣言してもらえたので、今からとても楽しみだ。
◇
和気あいあいとしていたはずの空気が、あっという間に重く沈んだものになる。
蜥蜴達がきゅうきゅうと怯えたような、か細い鳴き声を上げながら身を寄せ合っている。その子達の周囲には、色鮮やかな宝玉がいくつも散らばって、静かに輝いていた。
俺の大好きな二人の表情からは、穏やかな笑顔は完全に消え失せてしまい。普段の優しい彼等から発せられているとは到底思えない、呪詛のような言葉が延々と口から紡がれている。
ほんの少し前に、何のけなしに言った俺のぼやきのせいだ。
◇
鏡に映った自分の顔を眺める。
相も変わらず老人みたいな白い髪と、血のように真っ赤な瞳に嫌気がさした。
「どうしたの? ぼーっとしちゃって」
「そんなにむくれていたら、折角の可愛らしい顔が台無しだぞ? いや、これはこれで可愛いな……」
そんなに顔に出てたのかな? 改めて自分の顔を見つめても、いつも通り無表情な俺が映っているだけだ。違いがよく分からない。
後ろから覗きこんでいた二人が、
「今はそんなこと言ってる場合じゃないでしょ? 可愛いけどさぁ!」
「やっぱりそう思うよな! どんな表情でも可愛いなんて、流石俺達のサトルだ!」
と何やらまた盛り上がっている。
「赤い宝玉で、いいのかな?」
ずっと心に引っ掛かっていた疑問を口にすると、不思議そうな顔をした二人が鏡に映った。
「違う色の方が良かったの? 何色がいい?」
「俺達としては、是非とも君の瞳の色を使いたかったんだが……君が喜んでくれないと意味がないからな」
そう言うと再び蜥蜴達が、頭に色とりどりの宝玉を乗せてから俺の側に並んだ。自分の色を選んで欲しいと主張するように、皆ピコピコと小さな尻尾を振っている。
「……俺の目、ずっと血みたいだって……化け物、みたいだって言われてたからさ」
今でも目に焼きついて離れない。あの、おぞましいモノでも見ているような…鋭く心を抉るような眼差しを。
「だから、大丈夫なのかなって……二人の綺麗な色に、俺の……色を飾りにするなんて」
……俺はきっと醜いから、綺麗な二人を汚してしまいそうで。提案してくれた嬉しさよりも、不安の方が勝ってしまう。
突如、つんざくような甲高い鳴き声が足元から響く。
はっとして目線を向けると、蜥蜴達がなりふり構わずに部屋の隅へと逃げている。恐る恐る振り返ると案の定、鬼のような形相をした二人がブツブツと何やら呟いていた。
また、やってしまった。
こっそり耳をそばだてると……殺すだの、潰すだの、聞こえてくるのは不穏な言葉ばかりで。頭が痛くなった。
◇
さて、反省するのは後にして……まずは、この場を収めよう。今までの経験上、どうにかこちらへと気を引けばいいはずだ。
経験値が少なすぎるせいで、甘える言葉は正直もう思い浮かばない。
こうなったらもう、当たって砕けるしかないな! 失敗した場合、砕けるってゆーか潰れるのは、俺じゃなくて村の方なんだけどさ。
限界まで腕を広げて二人の腰に抱き付く。
じっと訴えるように彼等を仰ぎ見ていると、見下ろしてきた四つの瞳とかち合う。しばらくしてから二人の頬が、ぽっと朱に染まった。
「そんなに真剣な目で見つめられると、照れちゃうよー」
「どうした? 抱っこして欲しいのか? 甘えたな君も可愛いな……」
上機嫌な青い腕に抱き上げられて、赤い手が俺の頬を優しく包み込む。危機は去ったと認識したのか、怯えていた蜥蜴達が散らばった宝玉を回収し始めていた。
「俺はさ、サトルちゃんの瞳を見たとき嬉しかったんだ。だって、俺の鱗の色とお揃いなんだもん」
ソウの指が俺の目元を愛おしそうになぞる。
……そんなこと、考えたこともなかった。彼の鮮やかな赤色と俺の目がお揃い、だなんて。
ふと、鏡に映った赤い色を見る。
あんなに嫌だった色なのに、ずっといらないって、そう思っていた色なのに。
大好きな人と一緒だって……そう、言ってもらえただけで。とても綺麗に、輝いて見えて……
胸がいっぱいになって、俺の頬を撫でるその手に自分の手をそっと重ねた。
「お揃いか……そうか……良かったな、ソウ……」
拗ねたような、低く弱々しい声が耳元に響く。青く逞しい腕から、慰めて欲しいと言わんばかりに抱き上げられる。
しょんぼりと歪んだ表情のセイと目が合ったかと思えば、俺の胸元に顔を埋め、ぐりぐり押し付けてきた。
「もー……セイもお揃いでしょ? 角の色、サトルちゃんの髪の色と一緒じゃん」
短い金色の髪を撫でていると、勢いよく顔を上げる。大きな青い手が俺の頭に触れて、髪を嬉しそうに撫でてくれた。
「本当だ! 俺もお揃いだぞ!!」
「うんうん、良かったねぇ」
クスクス笑いながら赤い手が、俺とセイの頭を撫で回す。青い腕が俺を抱えたままソウに勢いよく飛びついて、力強く抱き締めた。
……言葉って、本当に不思議だ。
たった一言なのに、簡単に傷ついたり悲しくなったり。でも、嬉しくなったり、幸せな気持ちにもなる。
目に入るだけでうんざりしていた、俺の目も髪も。今ではもう、そっと鏡で確認してしまうくらい大好きになっていた。
二人にお願いして、指輪には二種類の石を付けてもらうことにした。
赤と白、俺と二人のお揃いの色だ。
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