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細マッチョな先輩と恋人同士になった件(ソレイユルート)
いつも以上に眩しい
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注文からお代を払うまで、当たり前のようにソレイユはさっさとこなしてしまった。
俺は口を開く間もなく、ショルダーバッグから財布を取り出す間も与えられなかった。バッグに手をかけた時には、ピロンッと端末での支払いを受け付けた音が鳴っていたのだ。
あまり待たずに差し出されたソフトクリームも、二つともソレイユが笑顔で受け取っていた。
つい俺は訴えるような眼差しを向けてしまっていたハズだが、ソレイユは素知らぬ顔。それどころか柔らかく微笑みかけてくれながら、視線で促してきた。
「あっちで食べようか」
「……はい」
微笑む眼差しの先。建物から少し離れたところにあったのは、いくつかのテーブルとベンチが置かれた広いスペース。一般的な公園くらいの広さはありそうな。そこからは青い水平線を臨むことが出来るようだ。
海を見ながら休憩する為のスペースなのだろう。すでにちらほらと先客達の姿が見える。
俺達と同じようにソフトクリームを手にベンチに腰掛けていたり。はたまた唐揚げやフライドポテトらしきホットスナックの入った紙の容器、自販機で購入しただろうペットボトルや缶ジュースを並べて小腹を満たしつつ会話を弾ませていたり。
ただただのんびりと海から来る風に髪を遊ばせながら景色を眺めていたり。海に近い柵に寄りかかって肩を寄せ合い、端末を片手に記念撮影をしていたり。
……いいな。俺もソレイユと。
「オレ達も、後で写真撮ろうか」
「へ」
「いい景色だし、今日の記念にさ。ね?」
俺の目線に合わせるように高い背を屈めて微笑む。日差しに透けて煌めくオレンジを、爽やかな風がふわりと揺らした。何だろう。いつも以上にソレイユが眩しい。
胸の奥がきゅうきゅう締め付けられてしまっているのに、不思議とイヤじゃない。
「う、うん……俺も、ソレイユと写真、撮りたいなって……思ってたから」
「良かった。じゃあ、あそこ、座ろうか」
ソフトクリームが溶けちゃう。ぼうっと突っ立ってしまっていた俺を、明るい調子で急かす。彼が見つめていた先にあるベンチへと俺達は腰掛けた。
ワッフルコーンの上にくるくると巻かれた白と水色。二色に分かれたソフトクリームが差し出される。コーンには可愛らしい赤と白のチェックの紙が巻かれていた。
「はい、どうぞ」
「ありがとう」
あらかじめ、ソフトクリームに刺さっていたプラスチックのスプーンを指先で摘む。
先にお裾分けをした方が良いよな。
白と水色のクリームをいっぺんに楽しめるよう掬っていると、目の前にオレンジが現れた。丁度先端部分を掬ったんだろう。プラスチックのスプーンの上には小さなソフトクリームがこんもりと乗っかっている。
「しゅーん。はい、あーん」
「……あー」
大好きな恋人から可愛らしい声と笑顔で促されてしまえば、放っておくなんて、とても、とても。
ソフトクリームを掬おうとしていた手をいったん止めて、差し出された彼からのお裾分けを口に含む。
甘酸っぱい。ソフトクリームというよりはジェラートよりというか、オレンジシャーベットというか。とにかくオレンジの良さが全面的に出ている味だった。
喉の渇きを覚えていた口には嬉しい。生き返った気分だ。さっぱりする。
「どう?」
「美味しい……」
「フフ、だろうね。そういう顔してる」
俺は口を開く間もなく、ショルダーバッグから財布を取り出す間も与えられなかった。バッグに手をかけた時には、ピロンッと端末での支払いを受け付けた音が鳴っていたのだ。
あまり待たずに差し出されたソフトクリームも、二つともソレイユが笑顔で受け取っていた。
つい俺は訴えるような眼差しを向けてしまっていたハズだが、ソレイユは素知らぬ顔。それどころか柔らかく微笑みかけてくれながら、視線で促してきた。
「あっちで食べようか」
「……はい」
微笑む眼差しの先。建物から少し離れたところにあったのは、いくつかのテーブルとベンチが置かれた広いスペース。一般的な公園くらいの広さはありそうな。そこからは青い水平線を臨むことが出来るようだ。
海を見ながら休憩する為のスペースなのだろう。すでにちらほらと先客達の姿が見える。
俺達と同じようにソフトクリームを手にベンチに腰掛けていたり。はたまた唐揚げやフライドポテトらしきホットスナックの入った紙の容器、自販機で購入しただろうペットボトルや缶ジュースを並べて小腹を満たしつつ会話を弾ませていたり。
ただただのんびりと海から来る風に髪を遊ばせながら景色を眺めていたり。海に近い柵に寄りかかって肩を寄せ合い、端末を片手に記念撮影をしていたり。
……いいな。俺もソレイユと。
「オレ達も、後で写真撮ろうか」
「へ」
「いい景色だし、今日の記念にさ。ね?」
俺の目線に合わせるように高い背を屈めて微笑む。日差しに透けて煌めくオレンジを、爽やかな風がふわりと揺らした。何だろう。いつも以上にソレイユが眩しい。
胸の奥がきゅうきゅう締め付けられてしまっているのに、不思議とイヤじゃない。
「う、うん……俺も、ソレイユと写真、撮りたいなって……思ってたから」
「良かった。じゃあ、あそこ、座ろうか」
ソフトクリームが溶けちゃう。ぼうっと突っ立ってしまっていた俺を、明るい調子で急かす。彼が見つめていた先にあるベンチへと俺達は腰掛けた。
ワッフルコーンの上にくるくると巻かれた白と水色。二色に分かれたソフトクリームが差し出される。コーンには可愛らしい赤と白のチェックの紙が巻かれていた。
「はい、どうぞ」
「ありがとう」
あらかじめ、ソフトクリームに刺さっていたプラスチックのスプーンを指先で摘む。
先にお裾分けをした方が良いよな。
白と水色のクリームをいっぺんに楽しめるよう掬っていると、目の前にオレンジが現れた。丁度先端部分を掬ったんだろう。プラスチックのスプーンの上には小さなソフトクリームがこんもりと乗っかっている。
「しゅーん。はい、あーん」
「……あー」
大好きな恋人から可愛らしい声と笑顔で促されてしまえば、放っておくなんて、とても、とても。
ソフトクリームを掬おうとしていた手をいったん止めて、差し出された彼からのお裾分けを口に含む。
甘酸っぱい。ソフトクリームというよりはジェラートよりというか、オレンジシャーベットというか。とにかくオレンジの良さが全面的に出ている味だった。
喉の渇きを覚えていた口には嬉しい。生き返った気分だ。さっぱりする。
「どう?」
「美味しい……」
「フフ、だろうね。そういう顔してる」
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