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細マッチョな先輩と恋人同士になった件(ソレイユルート)
ソレイユにとっては些細なことでも
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振り向いて、軽く握っていた拳を広げる。
落としていた視線の先に映ったのはひと回りほど大きさの違う俺達の手のひら。そして。
「あぁ……」
納得しているような、驚いているような。どちらとも取れる声を深い息と共に漏らしたソレイユが眉を下げる。
「これは、ちょっと……難しいね」
困ったように自由な方の指先で頬を掻く彼の感想は最もだった。俺も同意見だったから。なんせ、どちらも甲乙つけがたい。
俺が勝負にと選んだ貝殻はオレンジと黒のグラデーション。形としての珍しさはないが、色合いの珍しさとキレイさは一級品だ。
それから、見付けた際の出来事的にも、これから良い思い出になるってことは確定している。だって、ソレイユと一緒に、ソレイユよりも先に見付けたんだから。
対して、ソレイユが選んだ勝負の貝殻はというと。あっちも形は俺と似たりよったり。貝殻と言えば、で誰しもが思い浮かべるであろう形の一つ。ホタテに似た形だった。
大きさの方も俺と大して変わらない。大きいとはとても言えず、かといって極端に小さくもない。
つまりはこの時点では、形の珍しさと大きさとではイーブン。勝ち負けを決定づけることが出来るような点はない。
じゃあ、色合いはというと。
「キレイですね……まるで夜空みたいっていうか、宇宙? みたいな」
「でしょ?」
光の加減でも色合いが変わるんだよ。得意気に口端を持ち上げたソレイユが、自身の手のひらの上にある貝殻を指先でそっと摘み上げる。
俺にも見やすいように、だろう。肩を抱き寄せてくれて、頬を寄せるように密着しながら貝殻を日にかざしてみせた。
海風に当たり過ぎて少し身体が冷えていたからだろうか。軽く体重をかけて寄りかかってきた温もりが肩を通してじんわりと伝わってくる。余計に際立って感じてしまって。
「ほら、この角度から見ると少し色合いが暗い感じだけど……こうするとさ、キラキラ感が増して見えない?」
「う、うん……キレイですね」
ふんわりと鼻を擽ってくるシャボンの香り。風によって揺れ、頬を掠めてきた柔らかな髪。甘い雰囲気が漂いそうな距離感とは真逆の無邪気な声。
思わず声が裏返りそうになってしまったけれども、ソレイユには些細なことだったらしい。
いや、気付いてもいないかもしれない。俺がどうにか貝殻への感想を返せた後も、嬉しそうな眼差しは貝殻を見つめるばかり。俺には向けられなかったのだから。
胸の辺りが何だかおかしい。舞い上がってしまいそうだった嬉しさが萎んでいって、代わりにモヤッとした感覚が広がっていってしまって。
「でしょ? 元々好きな貝殻だったんだけどさ、この上品な黒さとか、キラキラしてるとことかシュンの瞳みたいで」
「え」
「あ」
思わず口からこぼれていた驚きの一音に対して、返ってきたのはこれまた驚きの声。それは、まるで言うつもりではなかったかのような。
丸くなったオレンジの瞳が、俺を見つめている。胸の辺りにあったモヤはとっくに消えていた。
落としていた視線の先に映ったのはひと回りほど大きさの違う俺達の手のひら。そして。
「あぁ……」
納得しているような、驚いているような。どちらとも取れる声を深い息と共に漏らしたソレイユが眉を下げる。
「これは、ちょっと……難しいね」
困ったように自由な方の指先で頬を掻く彼の感想は最もだった。俺も同意見だったから。なんせ、どちらも甲乙つけがたい。
俺が勝負にと選んだ貝殻はオレンジと黒のグラデーション。形としての珍しさはないが、色合いの珍しさとキレイさは一級品だ。
それから、見付けた際の出来事的にも、これから良い思い出になるってことは確定している。だって、ソレイユと一緒に、ソレイユよりも先に見付けたんだから。
対して、ソレイユが選んだ勝負の貝殻はというと。あっちも形は俺と似たりよったり。貝殻と言えば、で誰しもが思い浮かべるであろう形の一つ。ホタテに似た形だった。
大きさの方も俺と大して変わらない。大きいとはとても言えず、かといって極端に小さくもない。
つまりはこの時点では、形の珍しさと大きさとではイーブン。勝ち負けを決定づけることが出来るような点はない。
じゃあ、色合いはというと。
「キレイですね……まるで夜空みたいっていうか、宇宙? みたいな」
「でしょ?」
光の加減でも色合いが変わるんだよ。得意気に口端を持ち上げたソレイユが、自身の手のひらの上にある貝殻を指先でそっと摘み上げる。
俺にも見やすいように、だろう。肩を抱き寄せてくれて、頬を寄せるように密着しながら貝殻を日にかざしてみせた。
海風に当たり過ぎて少し身体が冷えていたからだろうか。軽く体重をかけて寄りかかってきた温もりが肩を通してじんわりと伝わってくる。余計に際立って感じてしまって。
「ほら、この角度から見ると少し色合いが暗い感じだけど……こうするとさ、キラキラ感が増して見えない?」
「う、うん……キレイですね」
ふんわりと鼻を擽ってくるシャボンの香り。風によって揺れ、頬を掠めてきた柔らかな髪。甘い雰囲気が漂いそうな距離感とは真逆の無邪気な声。
思わず声が裏返りそうになってしまったけれども、ソレイユには些細なことだったらしい。
いや、気付いてもいないかもしれない。俺がどうにか貝殻への感想を返せた後も、嬉しそうな眼差しは貝殻を見つめるばかり。俺には向けられなかったのだから。
胸の辺りが何だかおかしい。舞い上がってしまいそうだった嬉しさが萎んでいって、代わりにモヤッとした感覚が広がっていってしまって。
「でしょ? 元々好きな貝殻だったんだけどさ、この上品な黒さとか、キラキラしてるとことかシュンの瞳みたいで」
「え」
「あ」
思わず口からこぼれていた驚きの一音に対して、返ってきたのはこれまた驚きの声。それは、まるで言うつもりではなかったかのような。
丸くなったオレンジの瞳が、俺を見つめている。胸の辺りにあったモヤはとっくに消えていた。
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