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細マッチョな先輩と恋人同士になった件(ソレイユルート)
全く、何やってんだか
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剣を収め、胸に手を当て礼をして。握手を交わした後でも、キラキラとオレに向かって飛ばしてくるのを止めない眩しい視線。オレを見上げてくる後輩の、ほんの少しだけ可愛い恋人と似ている純粋な尊敬の眼差しに、ますます申し訳なくなった。
「やっぱ、すげぇっすね! ソレイユ先輩! 俺、絶対一本取れたと思いましたもん! いつもだったら、空気を切ったみたいにひらりと避けられちゃうのに、珍しく手応えがあったから」
「…………」
筋が良く、将来有望なジェットくんは興奮冷めやらぬ様子。胸板の前で握った拳を震わせながら、前のめりな姿勢でオレにキラキラをぶつけてくる。
色々と刺さりまくっているオレはぐうの音も出せない。っていうか、言える訳がない。神聖な演習場で、しかも真剣な模擬戦中に完全に上の空だったなんて。
「まさか、あの状態からカウンター決められて、場外までふっ飛ばされるなんて……マジ、カッコよかったっす!!」
「……ん、ありがとう。でも、たまたま上手くいっただけだよ。オレのことよりさ、スゴかったよ、あの一撃。身に受けてみて改めて思ったけど、強くなったね」
これに関してはウソ偽りはない。ハンパな一撃だったら、あのタイミングでも受け止めることは出来たから。でも、ムリだった。筋肉に力を込めて、少しでも衝撃を抑えることしか。
反撃を決められたのも、彼が勝ちを確信していたから。サルフが相手だったら、間違いなくそのまま追撃されて「何をぼーっと突っ立っているんだ? 貴様らしくもない」と苦言の一言や二言呈されていたことだろう。
「っ……あ、ありがとうございますっ! 俺、もっともっと頑張りますね! ソレイユ先輩とサルファー先輩みたいになれるように!」
「応援してるね。はい、これ。打ったとこ、ちゃんと冷やしとくんだよ? もし痛むようだったら、保健室で自然治癒の術も受けておくんだよ?」
「はいっ! ありがとうございます!!」
元気よく頭を下げて、嬉しそうにアイシング用の氷嚢とスポーツドリンクを抱えた彼に背を向ける。
最初は何でもないように。ある程度、演習場を離れてからは早足で、隅にあるベンチへとむかった。逃げるような勢いのまま、辿り着いたそこへと腰を下ろす。
木材が軋む音と共に反発してきた衝撃。普段ならば屁でもないハズが、今は割と痛い。
尾てい骨から伝わってきた小さな波は上半身にまで。ついさっき、見事な一撃をもらった脇腹にまでも届いたよう。肋骨に鋭い痛みが走った。ヒビとか入ってなきゃあいいけど。
「……全く、何やってんだか」
シュンちゃんに好きなことだと伝えるくらいには大切で、オレが歩んできた時間の大半を捧げてきた剣術。たかが色ボケてしまったくらいで、支障が出るとは。そんなに優先順位は低くなかったハズ……っていうか、相当上位だったろうに。
情けないやら、気恥ずかしいやら。項垂れていると不意に首筋に冷たいものが押し当てられた。
「どわっ!? な、なにすんだ……って、サルフじゃん……」
弾かれるように見上げた先でかち合った、心配そうな眼差し。親友が氷嚢とスポーツドリンクを手に、オレの前で佇んでいた。
「やっぱ、すげぇっすね! ソレイユ先輩! 俺、絶対一本取れたと思いましたもん! いつもだったら、空気を切ったみたいにひらりと避けられちゃうのに、珍しく手応えがあったから」
「…………」
筋が良く、将来有望なジェットくんは興奮冷めやらぬ様子。胸板の前で握った拳を震わせながら、前のめりな姿勢でオレにキラキラをぶつけてくる。
色々と刺さりまくっているオレはぐうの音も出せない。っていうか、言える訳がない。神聖な演習場で、しかも真剣な模擬戦中に完全に上の空だったなんて。
「まさか、あの状態からカウンター決められて、場外までふっ飛ばされるなんて……マジ、カッコよかったっす!!」
「……ん、ありがとう。でも、たまたま上手くいっただけだよ。オレのことよりさ、スゴかったよ、あの一撃。身に受けてみて改めて思ったけど、強くなったね」
これに関してはウソ偽りはない。ハンパな一撃だったら、あのタイミングでも受け止めることは出来たから。でも、ムリだった。筋肉に力を込めて、少しでも衝撃を抑えることしか。
反撃を決められたのも、彼が勝ちを確信していたから。サルフが相手だったら、間違いなくそのまま追撃されて「何をぼーっと突っ立っているんだ? 貴様らしくもない」と苦言の一言や二言呈されていたことだろう。
「っ……あ、ありがとうございますっ! 俺、もっともっと頑張りますね! ソレイユ先輩とサルファー先輩みたいになれるように!」
「応援してるね。はい、これ。打ったとこ、ちゃんと冷やしとくんだよ? もし痛むようだったら、保健室で自然治癒の術も受けておくんだよ?」
「はいっ! ありがとうございます!!」
元気よく頭を下げて、嬉しそうにアイシング用の氷嚢とスポーツドリンクを抱えた彼に背を向ける。
最初は何でもないように。ある程度、演習場を離れてからは早足で、隅にあるベンチへとむかった。逃げるような勢いのまま、辿り着いたそこへと腰を下ろす。
木材が軋む音と共に反発してきた衝撃。普段ならば屁でもないハズが、今は割と痛い。
尾てい骨から伝わってきた小さな波は上半身にまで。ついさっき、見事な一撃をもらった脇腹にまでも届いたよう。肋骨に鋭い痛みが走った。ヒビとか入ってなきゃあいいけど。
「……全く、何やってんだか」
シュンちゃんに好きなことだと伝えるくらいには大切で、オレが歩んできた時間の大半を捧げてきた剣術。たかが色ボケてしまったくらいで、支障が出るとは。そんなに優先順位は低くなかったハズ……っていうか、相当上位だったろうに。
情けないやら、気恥ずかしいやら。項垂れていると不意に首筋に冷たいものが押し当てられた。
「どわっ!? な、なにすんだ……って、サルフじゃん……」
弾かれるように見上げた先でかち合った、心配そうな眼差し。親友が氷嚢とスポーツドリンクを手に、オレの前で佇んでいた。
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