気が付いたらマッチョなblゲーの主人公になっていた件~恋人ルート~

白井のわ

文字の大きさ
332 / 662
細マッチョな先輩と恋人同士になった件(ソレイユルート)

貴方の全てが魅力にあふれている

しおりを挟む
 ソレイユ先輩が一緒に居てくれている。それだけで見慣れている部屋の景色が全く別物に、特別に見えてくるから不思議だ。それは今しがた後にしたリビングでも、今着いたばかりの洗面所においても変わりはない。

 鼓動はすでに駆け足だし、視界も勝手にうろちょろしちゃって落ち着かない。洗濯機の横とか、無造作に洗剤が置かれた部屋の隅とか、滅多に見ることのないところまで見てしまう。意味なんて何も無いのに。

 後ろ手で先輩が閉めたドアの音が妙に大きく聞こえた。

「よっと……」

 繋いでいくれていた手を離してから、早くも先輩は服をたくし上げた。相変わらず思い切りがいい。いや、まぁ、一緒にお風呂に入るんだから、脱がないと話にならないのだが。

 正面からでもカッコよかった身体は横から見てもやっぱりカッコいい。むしろ身体のラインに関してはこっちから見たが色っぽいかも。特に括れた腰から引き締まったお尻の辺りとか。

 不躾な視線を向け続けている間も先輩はマイペース。脱いだ服と肌着とを分けてから手早く畳み、脱衣カゴへと。スムーズな動きは勝手知ってる我が家のよう。あれ? 俺、とっくに先輩と同棲出来てた?

 願望マシマシな錯覚を覚えてしまっていた俺を現実に引き戻したのは、微かに聞こえ始めた金属を打ち鳴らすような音。先輩がベルトを外していた。

 上の方だけでなく、下の方もあっさりと。ズボンもボクサータイプのパンツさえもスルリと脱いでしまった。しなやかな足の白さが眩しい。

 手にしていた服と下着をカゴに入れた後でも、先輩はタオルで隠すことはしない。堂々と鍛え抜かれた四肢を惜しげもなく俺の前に晒している。

 どうあがいても意志の弱い俺は欲に勝つことは難しいようだ。瞬きをすることも忘れて見入ってしまっていた。魅力的な男らしい身体だけでなく、同じ男として気になってしまうあそこも。

「……ん、やっぱ気になっちゃう?」

 流石に着替えることなく見つめてしまっていては、先輩も声をかけずにはいられなかったらしかった。

 顔だけ俺の方を向いた先輩は少しだけ照れくさそう。こんな時でも俺に気を使おうとしてくれているのかニコっと口角を持ち上げ、冗談めかした調子で尋ねてきた。だというのに俺は。

「……オレンジ」

「ん?」

「あ……っ、いや、その……」

 デリカシーのないことをつい口走ってしまっていた。悪戯っぽい笑みを浮かべた先輩は気づいているのかいないのか。ニコニコと目尻を下げながら俺の肩へと腕を回してくる。

「なになにー? 遠慮しないで言っちゃいなよ? どんな感想でも受け止めるからさ」

「……そ、そちらもオレンジ色なんですね」

「あー……そっちかぁー……」

 どうやら気づいていなかったらしかった。どこか残念そうに片方の眉を下げて笑いながら、ご自身の引き締まった太ももの間を見下ろしている。

 離れないようにする為か、抱き寄せている腕に力を込めながら、これ見よがしに耳元で囁いてきた。微かにかかってきた吐息に勝手に肩が跳ねてしまう。

「……オレ、結構自信あったんだけどなぁ……太さとか長さとかさ……そっちの方は何とも思わなかったの?」

「っ……な、何とも思わない訳が」

「じゃあさ、じゃあさっ、雄っぱいとどっちが魅力的?」

 なんで、こんなにはしゃいでいるんだろうか? なんで、こんなに言わせたいんだろうか?

 意図は分からない。けれども、どっちかと問われたところで答えが変わることはない。

「……選べませんよ、どっちかなんて……俺にとって先輩は全部が魅力的なんですから……今みたいに可愛いところも、カッコいいところも」

 とんでもなく俺は欲張りで、どうしようもなく先輩のことが好きなのだから。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人

こじらせた処女
BL
 幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。 しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。 「風邪をひくことは悪いこと」 社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。 とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。 それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

男子寮のベットの軋む音

なる
BL
ある大学に男子寮が存在した。 そこでは、思春期の男達が住んでおり先輩と後輩からなる相部屋制度。 ある一室からは夜な夜なベットの軋む音が聞こえる。 女子禁制の禁断の場所。

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

寂しいを分け与えた

こじらせた処女
BL
 いつものように家に帰ったら、母さんが居なかった。最初は何か厄介ごとに巻き込まれたのかと思ったが、部屋が荒れた形跡もないからそうではないらしい。米も、味噌も、指輪も着物も全部が綺麗になくなっていて、代わりに手紙が置いてあった。  昔の恋人が帰ってきた、だからその人の故郷に行く、と。いくらガキの俺でも分かる。俺は捨てられたってことだ。

冤罪で堕とされた最強騎士、狂信的な男たちに包囲される

マンスーン
BL
​王国最強の聖騎士団長から一転、冤罪で生存率0%の懲罰部隊へと叩き落とされたレオン。 泥にまみれてもなお気高く、圧倒的な強さを振るう彼に、狂った執着を抱く男たちが集結する。

【完結】気が付いたらマッチョなblゲーの主人公になっていた件

白井のわ
BL
雄っぱいが大好きな俺は、気が付いたら大好きなblゲーの主人公になっていた。 最初から好感度MAXのマッチョな攻略対象達に迫られて正直心臓がもちそうもない。 いつも俺を第一に考えてくれる幼なじみ、優しいイケオジの先生、憧れの先輩、皆とのイチャイチャハーレムエンドを目指す俺の学園生活が今始まる。

「好きって言ったら負け!」完璧すぎる生徒会コンビの恋愛頭脳戦は今日も平行線です~恋は勝ち負けじゃないと知るまでの攻防戦

中岡 始
BL
「好きって言ったら負け」 それが、俺たちの間にある、たったひとつのルールだった。 星遥学園の顔、生徒会長・一ノ瀬結翔と副会長・神城凪。 容姿、成績、カリスマ性――すべてが完璧なふたりは、周囲から「最強ペア」と呼ばれている。 けれどその内側では、日々繰り広げられる仁義なき恋愛頭脳戦があった。 ・さりげない言葉の応酬 ・SNSでの匂わせ合戦 ・触れそうで触れない、静かな視線の駆け引き 恋してるなんて認めたくない。 でも、相手からの“告白”を待ち続けてしまう―― そんなふたりの関係が変わったのは、修学旅行での一夜。 「俺、たぶん君に“負けてもいい”って思いかけてる」 その一言が、沈黙を揺るがし、心の距離を塗り替えていく。 勝ち負けなんかじゃない、想いのかたちにたどり着くまで。 これは、美形ふたりの駆け引きまみれなラブコメ戦線、 ついに“終戦”の火蓋が落ちるまでの物語。

身代わり召喚された俺は四人の支配者に溺愛される〜囲い込まれて逃げられません〜

たら昆布
BL
間違って異世界召喚された青年が4人の男に愛される話

処理中です...