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細マッチョな先輩と恋人同士になった件(ソレイユルート)
完全無欠な
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絶賛悶えっぱなしの俺の胸中を知ってか知らずか、先輩はさらなるファンサービスをしてきた。
柔らかな髪を留めているヘアピンが俺により見えるようにと、すらりと伸びた背を軽く曲げて、その鼻筋の通った小顔を少し傾けて。緩やかに口角を持ち上げながら、ウィンクまでしてくれたのだ。
「どう? 似合う?」
……完璧過ぎる。完全無欠なカッコ可愛さだ。自分が魅力的だって、しっかりと理解している人のムーブだ。
「はい……カッコいいです……可愛いです……」
「フフ、良かった」
その後も、俺の挑戦は続いた。
モデルさんが被っていそうか丸っこい帽子を被ってもらったり、大きなシャチのクッションを持ってもらったり。色々と試してみてもらったが、どれも行き着く結論は。
「結局、全部似合っちゃうんだよなぁ……全部カッコいいし可愛いんだよなぁ……」
「いやぁ、照れちゃうね。そこまでベタ褒めしてもらっちゃったら」
心の中でだけに留めておくつもりが、うっかり漏らしてしまっていたらしい。俺の腕をきゅっと抱き締めてきた先輩の瞳はゆるっゆる。今にも蕩けてしまいそうなほどに目尻を下げている。
「……事実なんですから、仕方がないでしょ……お陰でこっちは困ってるんですからねっ」
カッと込み上げてきた気恥ずかしさを、つい俺はそのまま先輩にぶつけてしまっていた。
これじゃあ、ただの八つ当たりじゃないか。照れ隠しにしてもほどが。
「ゴメンゴメン、オレの為に真剣に悩んでくれている恋人が可愛くてさ……つい、ね」
ホントにこの人は……っ。
俺の取り扱い方を、俺以上に理解しているであろう先輩にはとっくに分かっているハズだ。もう、俺の気分は舞い上がってしまっていることなんて。
だというのに、この人は、手を繋いでくれながら頭を撫でてくれるのだ。
「からかったんじゃないんだよ? スッゴク嬉しかったからさ、もっとシュンちゃんから褒めてもらいたくなっちゃって……」
可愛らしいことばかりを言ってくれるのだ。度々、店の中で擦れ違う女の人の視線を独り占めにするくらいにカッコいいくせに。
「ソレイユ先輩はどれも似合うし、どんな時でもカッコよくて可愛いですよ……」
「フフ、へへへ……嬉しいなぁ」
一度、長い睫毛が瞬いてから、オレンジの瞳が再びとろりと細められていく。白い頬をほんのり染めて、口元をふにゃふにゃと綻ばせている。
思い知らされるような笑顔だった。鈍感な俺でも流石に分かってしまった。俺の言葉に、心の底から喜んでくれているんだって。俺のことを……好きでいてくれているんだって。
……やっぱり、敵わないなぁ。敵いっこないな。
付き合える前も、恋人同士になれてからも、俺の中での好きを日々更新していく彼。その柔らかな笑顔に見惚れていると魅力的な提案をされた。
「……ね、いっそ絞りきれないんだったらさ、二人で一緒に使えるものにしない?」
「二人で一緒に使えるもの、ですか?」
「うん。ほら、オレ達さ、これから……ほぼ、同棲する予定じゃん?」
「は、はぃ……そう、ですね……」
ピンと来ていなかった俺でもようやく分かった。先輩が何を欲しがってくれているのかって。
柔らかな髪を留めているヘアピンが俺により見えるようにと、すらりと伸びた背を軽く曲げて、その鼻筋の通った小顔を少し傾けて。緩やかに口角を持ち上げながら、ウィンクまでしてくれたのだ。
「どう? 似合う?」
……完璧過ぎる。完全無欠なカッコ可愛さだ。自分が魅力的だって、しっかりと理解している人のムーブだ。
「はい……カッコいいです……可愛いです……」
「フフ、良かった」
その後も、俺の挑戦は続いた。
モデルさんが被っていそうか丸っこい帽子を被ってもらったり、大きなシャチのクッションを持ってもらったり。色々と試してみてもらったが、どれも行き着く結論は。
「結局、全部似合っちゃうんだよなぁ……全部カッコいいし可愛いんだよなぁ……」
「いやぁ、照れちゃうね。そこまでベタ褒めしてもらっちゃったら」
心の中でだけに留めておくつもりが、うっかり漏らしてしまっていたらしい。俺の腕をきゅっと抱き締めてきた先輩の瞳はゆるっゆる。今にも蕩けてしまいそうなほどに目尻を下げている。
「……事実なんですから、仕方がないでしょ……お陰でこっちは困ってるんですからねっ」
カッと込み上げてきた気恥ずかしさを、つい俺はそのまま先輩にぶつけてしまっていた。
これじゃあ、ただの八つ当たりじゃないか。照れ隠しにしてもほどが。
「ゴメンゴメン、オレの為に真剣に悩んでくれている恋人が可愛くてさ……つい、ね」
ホントにこの人は……っ。
俺の取り扱い方を、俺以上に理解しているであろう先輩にはとっくに分かっているハズだ。もう、俺の気分は舞い上がってしまっていることなんて。
だというのに、この人は、手を繋いでくれながら頭を撫でてくれるのだ。
「からかったんじゃないんだよ? スッゴク嬉しかったからさ、もっとシュンちゃんから褒めてもらいたくなっちゃって……」
可愛らしいことばかりを言ってくれるのだ。度々、店の中で擦れ違う女の人の視線を独り占めにするくらいにカッコいいくせに。
「ソレイユ先輩はどれも似合うし、どんな時でもカッコよくて可愛いですよ……」
「フフ、へへへ……嬉しいなぁ」
一度、長い睫毛が瞬いてから、オレンジの瞳が再びとろりと細められていく。白い頬をほんのり染めて、口元をふにゃふにゃと綻ばせている。
思い知らされるような笑顔だった。鈍感な俺でも流石に分かってしまった。俺の言葉に、心の底から喜んでくれているんだって。俺のことを……好きでいてくれているんだって。
……やっぱり、敵わないなぁ。敵いっこないな。
付き合える前も、恋人同士になれてからも、俺の中での好きを日々更新していく彼。その柔らかな笑顔に見惚れていると魅力的な提案をされた。
「……ね、いっそ絞りきれないんだったらさ、二人で一緒に使えるものにしない?」
「二人で一緒に使えるもの、ですか?」
「うん。ほら、オレ達さ、これから……ほぼ、同棲する予定じゃん?」
「は、はぃ……そう、ですね……」
ピンと来ていなかった俺でもようやく分かった。先輩が何を欲しがってくれているのかって。
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