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細マッチョな先輩と恋人同士になった件(ソレイユルート)
一度感じてしまえば、後は転がり落ちるように
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思わず俺は、上擦った声で彼に待ったをかけるように呼んでしまっていた。
柔らかな指先が耳の裏をするりと撫でていった感覚に、産毛だけを撫でるような触れ方に、少しだけ戸惑ってしまったのだ。
背筋をほんのりと走っていった感覚があまりにも似ていたもんだから。あの時と、先輩にとことん愛してもらえていた時と。
俺がなにか言葉を重ねる前に細く長い指が止まった。耳元からゆっくりと離れていってしまう。
「耳、擽ったかった……?」
先輩はそんなつもりじゃなかっただろう。俺が強請った通りに甘やかそうとしてくれていただけなのに。
「ちょ、ちょっとだけ……でも、イヤじゃなかったよ? だから……」
続けて欲しい。先輩の好きに触って欲しい。そうお願いするよりも先に先輩は汲み取ってくれた。大丈夫だよと、俺を安心させるように微笑んで、額に口づけてくれた。
「そっか……じゃあ、もうちょっと触らせてもらうね……止めて欲しい時は我慢しないでちゃんとオレに言うんだよ?」
「うん……」
「イイ子……」
今度はご褒美だろうか。頬に口づけてくれてから、先輩は再び俺の耳へと指を伸ばした。人差し指と親指が、俺の耳をそっと摘む。感触を確認しているかのように、むにむにと揉み始めた。
最初は耳の上の方。何度か揉みながら、少しずつ下の方へと耳たぶに向かって移動していく。
「どう? 大丈夫?」
「大丈夫、です……もっと、して欲しい……」
「ん、良かった……」
正直、普通に気持ちがいい。気恥ずかしくて口には出来なかったけれども、触れてもらう度に、揉んでもらう度に、耳全体が温かくなっていって。頭の方までふわふわしてきている。
目を閉じれば、眠ってしまいそうだ。気持ちがざわついていなければ。
先輩の触れ方がどうというよりは、俺自身に問題があったようだ。頭や背中とかならともかく、耳は先輩から触られ慣れていないから。
……気持ちいいところ探しの時に、首の周りを触ってもらっていた時にちょっとだけ触ってもらえたくらいで。
そう思い出しかけたことにより、余計に妙な方へと意識してしまっていた。ただ、マッサージをするように触れてくれている指の動きが、そういう触れ方に思えてきて。
「ん、ふ……」
途端に、またあの感覚が背中に走ってしまう。今度は下腹部の辺りまで。ほのかな熱がじんわりと広がっていってしまう。
一度感じてしまえば、後は転がり落ちていくかのように。溺れていってしまう。夢中になってしまう。
普通に気持ちがいいと思えていた指の動きに対して、俺はもじもじと身を捩るようになっていた。癒しとはまた違った気持ちよさを感じてしまっていた。
それから、罪悪感も。
「先ぱ……ぁ……」
「んー? どうしたの、シュンちゃん……オレになにか」
「ごめんなさい……」
「ん、ぇ?」
楽しそうだった先輩の声が、戸惑いに変わっていく。それは予想外だとでも言いたげに。不思議には思ったけれども、俺は止まれなかった。
「俺、気持ちよく……なっちゃって……先輩が、せっかく俺のこといっぱいよしよししてくれてるのに……俺」
「ちょ、ちょっと待って? 整理させて?」
大きな手のひらが俺の頬を包みこんだ。宥めるように撫でられてしまえば、困ったように見つめられてしまえば止まらざるを得なかった。
俺が口をつぐんだところで、先輩がおずおずと尋ねてくる。白い頬が真っ赤に染まっていた。
「確認、したいんだけどさ……」
「はい……」
「その、シュンちゃんが……気持ちよくなっちゃってるって……エッチな、意味で?」
自分で言ったくせに、気恥ずかしくなってしまっていた。認めてしまうのに、勇気と時間を要した。
「……はい」
「ゴメンなさいっ」
「……へ?」
食い気味に返ってきたのは予想外の。お陰様で上手く飲み込めなかった。今度は、理解するのに時間を要した。
柔らかな指先が耳の裏をするりと撫でていった感覚に、産毛だけを撫でるような触れ方に、少しだけ戸惑ってしまったのだ。
背筋をほんのりと走っていった感覚があまりにも似ていたもんだから。あの時と、先輩にとことん愛してもらえていた時と。
俺がなにか言葉を重ねる前に細く長い指が止まった。耳元からゆっくりと離れていってしまう。
「耳、擽ったかった……?」
先輩はそんなつもりじゃなかっただろう。俺が強請った通りに甘やかそうとしてくれていただけなのに。
「ちょ、ちょっとだけ……でも、イヤじゃなかったよ? だから……」
続けて欲しい。先輩の好きに触って欲しい。そうお願いするよりも先に先輩は汲み取ってくれた。大丈夫だよと、俺を安心させるように微笑んで、額に口づけてくれた。
「そっか……じゃあ、もうちょっと触らせてもらうね……止めて欲しい時は我慢しないでちゃんとオレに言うんだよ?」
「うん……」
「イイ子……」
今度はご褒美だろうか。頬に口づけてくれてから、先輩は再び俺の耳へと指を伸ばした。人差し指と親指が、俺の耳をそっと摘む。感触を確認しているかのように、むにむにと揉み始めた。
最初は耳の上の方。何度か揉みながら、少しずつ下の方へと耳たぶに向かって移動していく。
「どう? 大丈夫?」
「大丈夫、です……もっと、して欲しい……」
「ん、良かった……」
正直、普通に気持ちがいい。気恥ずかしくて口には出来なかったけれども、触れてもらう度に、揉んでもらう度に、耳全体が温かくなっていって。頭の方までふわふわしてきている。
目を閉じれば、眠ってしまいそうだ。気持ちがざわついていなければ。
先輩の触れ方がどうというよりは、俺自身に問題があったようだ。頭や背中とかならともかく、耳は先輩から触られ慣れていないから。
……気持ちいいところ探しの時に、首の周りを触ってもらっていた時にちょっとだけ触ってもらえたくらいで。
そう思い出しかけたことにより、余計に妙な方へと意識してしまっていた。ただ、マッサージをするように触れてくれている指の動きが、そういう触れ方に思えてきて。
「ん、ふ……」
途端に、またあの感覚が背中に走ってしまう。今度は下腹部の辺りまで。ほのかな熱がじんわりと広がっていってしまう。
一度感じてしまえば、後は転がり落ちていくかのように。溺れていってしまう。夢中になってしまう。
普通に気持ちがいいと思えていた指の動きに対して、俺はもじもじと身を捩るようになっていた。癒しとはまた違った気持ちよさを感じてしまっていた。
それから、罪悪感も。
「先ぱ……ぁ……」
「んー? どうしたの、シュンちゃん……オレになにか」
「ごめんなさい……」
「ん、ぇ?」
楽しそうだった先輩の声が、戸惑いに変わっていく。それは予想外だとでも言いたげに。不思議には思ったけれども、俺は止まれなかった。
「俺、気持ちよく……なっちゃって……先輩が、せっかく俺のこといっぱいよしよししてくれてるのに……俺」
「ちょ、ちょっと待って? 整理させて?」
大きな手のひらが俺の頬を包みこんだ。宥めるように撫でられてしまえば、困ったように見つめられてしまえば止まらざるを得なかった。
俺が口をつぐんだところで、先輩がおずおずと尋ねてくる。白い頬が真っ赤に染まっていた。
「確認、したいんだけどさ……」
「はい……」
「その、シュンちゃんが……気持ちよくなっちゃってるって……エッチな、意味で?」
自分で言ったくせに、気恥ずかしくなってしまっていた。認めてしまうのに、勇気と時間を要した。
「……はい」
「ゴメンなさいっ」
「……へ?」
食い気味に返ってきたのは予想外の。お陰様で上手く飲み込めなかった。今度は、理解するのに時間を要した。
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