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細マッチョな先輩と恋人同士になった件(ソレイユルート)
★ 釣り合わないって言っていたのは先輩でしょう?
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いつの間にやら流してしまっていた涙で頬は濡れてしまっていた。けれども先輩は構わずに受け入れてくれる。先輩の方からも、その滑らかな頬を擦り寄せてきてくれる。
「よしよし……気持ちよかったね……」
もっとくっつこうとして、上手く力が入らなかった俺を抱き寄せてくれる。ふと、ずっと感じていた大好きな重みが軽くなった。
どうやら横向きに体勢を変えたらしい。さり気なく腕枕をしてくれながら、先輩はその鍛え抜かれた身体をますます密着させてくれる。
長くしなやかな足まで俺に絡めてくれて。絡めて……くれて……
「……ん? どうしたの、シュン?」
擦り寄ってくれるのを止めて、抱き寄せてくれていた力を緩めて、先輩が俺の様子を窺うように見つめている。態度なり、表情なりに出してしまっていたんだろう。そうに違いない。
そこまで驚いたつもりは、いや、まぁ、ドキッとはしちゃったけれども。
全身を使って俺を抱き締めてくれたことにより、太もも辺りに触れてしまった硬い熱。もしかしたら、ずっとドキドキしてくれていたのかもしれない先輩の昂りに、俺はようやく気がつけた。
気がついてしまえば、途端に込み上げてきてしまっていた。
「……交代」
「こう、たい?」
「交代しよ……俺もソレイユのこと気持ちよくしたい……ソレイユに、触りたいよ……」
お願いしながら太ももを動かす。ズボン越しでも逞しさが分かる先輩のものを優しく擦れば、流石に先輩も合点がいったようだった。
何のことやらと、不思議そうにしていた表情が驚きに変わり、かと思えば喜びと気恥ずかしさが滲んでいく。鼻筋の通った顔が、あっという間に真っ赤に染まっていった。
構わずに全体を撫で擦るように足を動かせば、堪えるように眉間にシワが刻まれる。尖った喉が、上下した。
「っ……嬉しい、けどさ……でも、まだシュンちゃんのこと甘やかしたりな」
「かわりばんこ! あーんの時だって、交互にしてたじゃないですかっ」
「それは、そうだけど……って、クレープの時とは話が違」
「それに、釣り合ってないですっ」
二度も途中で遮られるとは思っていなかったのか、それとも俺の気持ちが伝わったのか。先輩は開きかけていた口をそっと閉じた。俺の言葉を待ってくれた。
「俺もお返ししたいです……俺が気持ちよくしてもらえた分だけ、先輩にも気持ちよくなってもらいたいんです……ダメ、ですか……?」
最後まで聞いてはくれたけれども、先輩は黙ったまま。その表情は、いまだに何かを堪えるように歪んでしまっている。
「ぁ……先輩……」
不意に抱き締めてもらえた。また熱い体温と、引き締まった筋肉の厚みと密着してしまう。強くなった爽やかな香りと、首筋に触れた吐息に上がりっぱなしの気持ちがそわそわしてきてしまう。
「ん……」
どこか切なそうな声を漏らしながら、先輩は抱き締めてくれる腕に更に力を込めた。
……オッケーってこと、なんだろうか。でも、このままじゃあ、背中くらいしか撫でられないけれども。
……まぁ、でも、いいか。
好きな人の温もりに包まれてしまえば。逞しい腕に抱き寄せられて、程よく柔らかな雄っぱいと密着してしまえば、手放すのが惜しくなってしまう。この安らぎをずっと感じていたくなってしまう。
これはこれで、先輩に喜んでもらえているのなら。頼もしい背を抱き締め返して、このまま少し熱い体温を堪能しようとしていた矢先だった。
「……先輩?」
先輩が離れていってしまった。強く抱き寄せてくれた腕を解いて身体を起こした。俺を置き去りにして。
「よしよし……気持ちよかったね……」
もっとくっつこうとして、上手く力が入らなかった俺を抱き寄せてくれる。ふと、ずっと感じていた大好きな重みが軽くなった。
どうやら横向きに体勢を変えたらしい。さり気なく腕枕をしてくれながら、先輩はその鍛え抜かれた身体をますます密着させてくれる。
長くしなやかな足まで俺に絡めてくれて。絡めて……くれて……
「……ん? どうしたの、シュン?」
擦り寄ってくれるのを止めて、抱き寄せてくれていた力を緩めて、先輩が俺の様子を窺うように見つめている。態度なり、表情なりに出してしまっていたんだろう。そうに違いない。
そこまで驚いたつもりは、いや、まぁ、ドキッとはしちゃったけれども。
全身を使って俺を抱き締めてくれたことにより、太もも辺りに触れてしまった硬い熱。もしかしたら、ずっとドキドキしてくれていたのかもしれない先輩の昂りに、俺はようやく気がつけた。
気がついてしまえば、途端に込み上げてきてしまっていた。
「……交代」
「こう、たい?」
「交代しよ……俺もソレイユのこと気持ちよくしたい……ソレイユに、触りたいよ……」
お願いしながら太ももを動かす。ズボン越しでも逞しさが分かる先輩のものを優しく擦れば、流石に先輩も合点がいったようだった。
何のことやらと、不思議そうにしていた表情が驚きに変わり、かと思えば喜びと気恥ずかしさが滲んでいく。鼻筋の通った顔が、あっという間に真っ赤に染まっていった。
構わずに全体を撫で擦るように足を動かせば、堪えるように眉間にシワが刻まれる。尖った喉が、上下した。
「っ……嬉しい、けどさ……でも、まだシュンちゃんのこと甘やかしたりな」
「かわりばんこ! あーんの時だって、交互にしてたじゃないですかっ」
「それは、そうだけど……って、クレープの時とは話が違」
「それに、釣り合ってないですっ」
二度も途中で遮られるとは思っていなかったのか、それとも俺の気持ちが伝わったのか。先輩は開きかけていた口をそっと閉じた。俺の言葉を待ってくれた。
「俺もお返ししたいです……俺が気持ちよくしてもらえた分だけ、先輩にも気持ちよくなってもらいたいんです……ダメ、ですか……?」
最後まで聞いてはくれたけれども、先輩は黙ったまま。その表情は、いまだに何かを堪えるように歪んでしまっている。
「ぁ……先輩……」
不意に抱き締めてもらえた。また熱い体温と、引き締まった筋肉の厚みと密着してしまう。強くなった爽やかな香りと、首筋に触れた吐息に上がりっぱなしの気持ちがそわそわしてきてしまう。
「ん……」
どこか切なそうな声を漏らしながら、先輩は抱き締めてくれる腕に更に力を込めた。
……オッケーってこと、なんだろうか。でも、このままじゃあ、背中くらいしか撫でられないけれども。
……まぁ、でも、いいか。
好きな人の温もりに包まれてしまえば。逞しい腕に抱き寄せられて、程よく柔らかな雄っぱいと密着してしまえば、手放すのが惜しくなってしまう。この安らぎをずっと感じていたくなってしまう。
これはこれで、先輩に喜んでもらえているのなら。頼もしい背を抱き締め返して、このまま少し熱い体温を堪能しようとしていた矢先だった。
「……先輩?」
先輩が離れていってしまった。強く抱き寄せてくれた腕を解いて身体を起こした。俺を置き去りにして。
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