【完結】間違って地獄に落とされましたが、俺は幸せです。

白井のわ

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★【新婚旅行編】十一日目:もう、止まれなかった

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「く……っ、は……アオイ……」

「ん、ぅ……可愛い……可愛いね、バアル……」

 願望による気の昂りが、甘い声が紡ぐお褒めの言葉によってますます高められてしまう。限界が近いということも、愛らしく微笑む彼に察されてしまった。

「あ……んっ……バアルの……びくびく、してる……いいよ……あっ、気持ちく、なって……俺のっ、中……バアルので、いっぱいにして?」

 ……酷い。あまりにも酷くて魅力的な殺し文句だ。

「ひッ……ぅ、あ……きた……」

 手を出してしまっていた。誘うように揺れている細腰を鷲掴んで、勢いよく腰を突き上げていた。

 衝動に任せてしまったというのに、アオイはまるでこの瞬間を望んでいたかのよう。背筋を反らし、喉元を晒しながら、嬉しそうに喘いでいる。

 もう、止まれなかった。

「あっ、あ……っ、い、気持ち……んぁっ……おく、熱……あっ、は、ぁ……バアル、バアル……っ」

「ッ、アオイ……」

 熱に浮かされたようにどこか遠くを見つめていた眼差しが、私を捉える。ゆるりと細められていく。

「いい、よ……好きに、して? 俺に、バアルを……甘やかさせて……?」

 熱く小さな手が頬に触れた。弱々しい手つきで撫でられた途端、頭の中で何かが鋭い音を立てて焼き切れたような。


 木材が軋む鈍い音。一方的で身勝手な律動により、皮膚と皮膚とがぶつかり合う乾いた音。結合部から漏れ聞こえる粘着質で湿った音。それらが断続的に鳴る度に、鼻にかかった愛らしい声が上がる。組み敷いているか細い体躯は、ベッドと共に揺れていた。

 否、揺れているより他はないのだ。逃さぬよう、身動ぎすら出来ぬよう、私が彼に覆い被さり押さえつけてしまっているのだから。

 薄暗い中でも鮮やかに見える琥珀色。綿毛のように柔らかな髪は滲んだ汗により湿り気を帯び、白い首筋にしっとりと張り付いてしまっている。か細い首から漂う甘い香りに誘われ、口付けていた。

 どこもかしこも甘く、熱い。軽く吸い付けば、私の下で可愛らしく鳴く声に更に悦びが滲んだ。口付けだけで、もう心地良く感じてくれているのだろう。わざと音を立てながら熱く湿った肌を柔く食む度に、彼の尻の奥が、腹の中が蠢き、続きを強請るように締め付けてくる。

 先端から根元まで、しっかりと受け入れてくれている穴はただでさえ狭い。だというのに、その熱く柔い内壁で縋り付かれてしまえば。

「ぐ、ぅ……アオイ……もう……」

「ひ、あっ……いい、よ……バ、アル……バアルの……お願、っ……あ、んあぁっ」

 限界を告げれば返ってきた可愛らしい了承に、堪らず首筋に歯を甘く立てていた。アオイは一段と甲高い声で善がり、反射的に身体を仰け反らせようとしたが叶わなかった。私の重みの影響があまりない、いくらか自由な足先でシーツを引っ掻くように藻掻くだけ。

 ……可愛らしい。また胸の内が、熱い何かに満たされていく。独占欲とは、少し違う。けれども、眩しく澄んだ彼に向けてしまうのは、少々戸惑われてしまうような背徳感は似ているような。

 手の甲へと重ね、指を絡めて繋いでいる手に力が込められる。私の指を握り締めてくる力の愛らしさに、頭の奥が痺れるように熱くなる。

 すでにアオイは甘く達してしまわれている。にも関わらず、私は追い打ちをかけるようなことを。彼の内側が健気に締め付けてくるのも構わずに素早く腰を引き、打ち付けてしまっていた。それも、一気に最奥にまで届くように、体重をかけて勢いよく。

「は、ひ……っ」

 呼吸を忘れてしまったような。一瞬、アオイは息を詰まらせ、華奢な身を固くした。緊張の後に緩和が訪れるように、それは一気に押し寄せてきたのだろう。

「っ、あ……あっ、あっ、あ……う、ぁ……」

 私の下で小刻みに震えながら甘く喘ぐ。ああ、可愛らしい。立て続けに達してしまわれているのだろう。今まで鳴っていた湿り気のある音とは違う音が、シーツを更に濡らしていく。どうやら吐精だけでなく、潮も吹いてしまわれたようだ。
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