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★【新婚旅行編】十一日目:愛しい妻のこととなると
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「アオイ……」
もう一度。完全に眠りに落ちてしまわれていなければ届くであろう声量で呼びかけてみた。
けれども、やはり反応に変化は見られない。私の身体に縋るように抱き着いてくれたまま、小さな寝息を漏らすばかりだ。どうやら、本格的に眠りに入られてしまわれたらしい。
「はぁ……また、私はアオイにご無理を……」
重たい息と一緒にこぼれ落ちた自身への呆れは、誰に聞かれることもなく熱い名残の残った空気に溶けていく。
『いい、よ……好きに、して? 俺に、バアルを……甘やかさせて……?』
私の理性を完膚なきまでに粉々にし尽くした熱烈な殺し文句は、いまだに甘い残響となって頭の芯を痺れさせていた。
……あのお願いから、私は。
私は、胸の内を焼き尽くすような本能に身を委ねてしまった。獣と揶揄されても致し方がないほどに妻を貪ってしまった。華奢な腰を鷲掴み、決して逃さないよう固定しながら一心不乱に腰を打ち付け、己の欲ばかりを満たしてしまって。
『バ、アル……好き……』
「アオイ……」
蘇ってきたのは、気を失ってしまわれる前の幸せそうな声と笑顔。私にのしかかられたまま、身動きすら出来ずに好き勝手にされていたというのに、それでも彼は。
そればかりか、意識を失われている今ですら、私の罪悪感を拭ってくれようとしているかのような。
「私が、この様な愚かな考えに耽ってしまうことすら、見越していらっしゃったのでしょうか?」
目尻を撫で、頬を撫で、尋ねてみても返ってくるのはやはり健やかな寝息だけ。
「……先ずは、アオイの御身体を清めて差し上げなければ」
申し訳ないなどと反省を胸の内で述べていながらも、いまだに私は愛しい妻を手離せてはいない。腕の中へと閉じ込めたままでいるどころか、腹の奥にまで己の欲を埋め込んだままという、何とも説得力のない状態でいてしまっていた。
それも、いざ抜こうという時には名残惜しいなどと思ってしまうとは。
どうやら、私の身体の方は反省の色など無いようだ。愛しい妻のこととなると、途端に無様になってしまう。自嘲の笑みがこぼれていたが、やはりアオイが目を覚ましてくれる気配はない。
「失礼、致しますね……」
意味は無いが声をかけてから、ベッドの上に力なく投げ出された細い両足を抱えた。ゆっくりとアオイの中から己のものを引き抜いていく。決して彼を傷つけてしまわぬよう、慎重に。
そこで気付いてしまった。抜く上では都合が良いが、私の心持ちとしては非常に情けのない事実に。
「はぁ……いくらアオイが愛らしいとはいえ……これは……」
私は散々アオイに甘えてしまった筈。現に、彼は度重なる絶頂を受け止めきれずに気を失い、深い眠りに落ちてしまわれているというのに。
「はぁ……」
何度深く息を吐いてみたところで変わりはしない。いまだに熱く芯を持ち、柔く包みこんでいる彼の内壁に甘やかされたいと願ってしまっている自身の現状は。
「ふ、ぅ……」
じりじりと動いているとは思えない遅さで腰を引き続けること数分間。アオイと過ごす愛おしいひと時の中では瞬きの間に過ぎ去っていく時間も、この様な時ばかりは長く感じられてしまう。どうにか己の欲を抑えたまま、彼の中から引き抜くことが出来た。
明らかに熱を持ってしまっている己のものは見なかったことにして、手早く自身を清めていく。といっても、洗浄やら除菌やらの類の術を混ぜ合わせて施すだけであるから、瞬く間に済んでしまうのだが。
服は……少し悩んだが、着ておくことに。アオイの眠りっぷりからして経験上起こしてしまうことはないだろうが万が一、万が一にでも目を覚まされてしまった際に、堪え性のない姿を晒してしまう訳にはいかない。いくらアオイが、どのような私でも愛してくれるとはいえ。恐らくは、いやきっと、喜んでくれるとはいえ。
適当に新しい服と下着を着てから、アオイの身体を清めにかかる。
予め準備していた濡れタオル。異空間の中で冷めることなく程よい温かさを保っているそれを取り出し、細身な身体に優しく触れていく。
胸元や腹回り、下腹部辺りは特に念入りに。お風呂にお連れするとはいえ、しっかりと綺麗にしておかなければ。逐一タオルを新しいものへと変えながら次は腕を、足を、指と指の間をと力加減に気を付けながら触れていった。
もう一度。完全に眠りに落ちてしまわれていなければ届くであろう声量で呼びかけてみた。
けれども、やはり反応に変化は見られない。私の身体に縋るように抱き着いてくれたまま、小さな寝息を漏らすばかりだ。どうやら、本格的に眠りに入られてしまわれたらしい。
「はぁ……また、私はアオイにご無理を……」
重たい息と一緒にこぼれ落ちた自身への呆れは、誰に聞かれることもなく熱い名残の残った空気に溶けていく。
『いい、よ……好きに、して? 俺に、バアルを……甘やかさせて……?』
私の理性を完膚なきまでに粉々にし尽くした熱烈な殺し文句は、いまだに甘い残響となって頭の芯を痺れさせていた。
……あのお願いから、私は。
私は、胸の内を焼き尽くすような本能に身を委ねてしまった。獣と揶揄されても致し方がないほどに妻を貪ってしまった。華奢な腰を鷲掴み、決して逃さないよう固定しながら一心不乱に腰を打ち付け、己の欲ばかりを満たしてしまって。
『バ、アル……好き……』
「アオイ……」
蘇ってきたのは、気を失ってしまわれる前の幸せそうな声と笑顔。私にのしかかられたまま、身動きすら出来ずに好き勝手にされていたというのに、それでも彼は。
そればかりか、意識を失われている今ですら、私の罪悪感を拭ってくれようとしているかのような。
「私が、この様な愚かな考えに耽ってしまうことすら、見越していらっしゃったのでしょうか?」
目尻を撫で、頬を撫で、尋ねてみても返ってくるのはやはり健やかな寝息だけ。
「……先ずは、アオイの御身体を清めて差し上げなければ」
申し訳ないなどと反省を胸の内で述べていながらも、いまだに私は愛しい妻を手離せてはいない。腕の中へと閉じ込めたままでいるどころか、腹の奥にまで己の欲を埋め込んだままという、何とも説得力のない状態でいてしまっていた。
それも、いざ抜こうという時には名残惜しいなどと思ってしまうとは。
どうやら、私の身体の方は反省の色など無いようだ。愛しい妻のこととなると、途端に無様になってしまう。自嘲の笑みがこぼれていたが、やはりアオイが目を覚ましてくれる気配はない。
「失礼、致しますね……」
意味は無いが声をかけてから、ベッドの上に力なく投げ出された細い両足を抱えた。ゆっくりとアオイの中から己のものを引き抜いていく。決して彼を傷つけてしまわぬよう、慎重に。
そこで気付いてしまった。抜く上では都合が良いが、私の心持ちとしては非常に情けのない事実に。
「はぁ……いくらアオイが愛らしいとはいえ……これは……」
私は散々アオイに甘えてしまった筈。現に、彼は度重なる絶頂を受け止めきれずに気を失い、深い眠りに落ちてしまわれているというのに。
「はぁ……」
何度深く息を吐いてみたところで変わりはしない。いまだに熱く芯を持ち、柔く包みこんでいる彼の内壁に甘やかされたいと願ってしまっている自身の現状は。
「ふ、ぅ……」
じりじりと動いているとは思えない遅さで腰を引き続けること数分間。アオイと過ごす愛おしいひと時の中では瞬きの間に過ぎ去っていく時間も、この様な時ばかりは長く感じられてしまう。どうにか己の欲を抑えたまま、彼の中から引き抜くことが出来た。
明らかに熱を持ってしまっている己のものは見なかったことにして、手早く自身を清めていく。といっても、洗浄やら除菌やらの類の術を混ぜ合わせて施すだけであるから、瞬く間に済んでしまうのだが。
服は……少し悩んだが、着ておくことに。アオイの眠りっぷりからして経験上起こしてしまうことはないだろうが万が一、万が一にでも目を覚まされてしまった際に、堪え性のない姿を晒してしまう訳にはいかない。いくらアオイが、どのような私でも愛してくれるとはいえ。恐らくは、いやきっと、喜んでくれるとはいえ。
適当に新しい服と下着を着てから、アオイの身体を清めにかかる。
予め準備していた濡れタオル。異空間の中で冷めることなく程よい温かさを保っているそれを取り出し、細身な身体に優しく触れていく。
胸元や腹回り、下腹部辺りは特に念入りに。お風呂にお連れするとはいえ、しっかりと綺麗にしておかなければ。逐一タオルを新しいものへと変えながら次は腕を、足を、指と指の間をと力加減に気を付けながら触れていった。
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