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【新婚旅行編】最終日:とある王様も二人を出迎える準備は万端
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城内の一階にある大きな広間。ホテルと城とを瞬きの間に行き来することが出来る魔法陣がある部屋は、普段よりも少々賑やかであった。
空気も違う。皆が二人の帰りを待ち侘びているからであろう。そわそわとしていて落ち着かない。
グリムとクロウは私が訪れる前からお出迎えの準備は万端。
グリムは朝に摘んできたという緑の花とオレンジの花が鮮やかな花束を、その細い両腕いっぱいに抱えておる。
クロウは丁寧にラッピングされたジンジャークッキーを渡すらしい。紅茶のお供にどうかと、と照れ臭そうに人差し指で頬をかきながら、可愛らしい紙袋から取り出して見せてくれた。
父上は御自身もお気に入りであり、アオイ殿の好物でもあるチョコレート。勿論、馴染みのお店のものだ。アオイ殿も何度か食べ、美味しかったですっ、と大きな瞳を輝かせていたのでさぞ喜んでくれるであろう。
レダは忙しい身である故に残念ながら時間の都合が合わなかったが、アオイ殿の親衛隊であるシアン達はすでに私が課していた任務を終えて、二人よりも先に帰還済み。私達の後ろで待機してくれている。
六人共、ただ色鮮やかな光が輝くだけの魔術の使用の許可を求めてきたので、恐らくはそれで出迎えるつもりなのであろう。アオイ殿は、彼らや兵士の皆が使う魔術を観るのが大層好きであるから。
スヴェンも今は此方には居ない。しかし、スー達と一緒に私達の茶会の準備を整えてくれている。此方へと訪れる前にそちらを、中庭を少し見させてもらったが気合十分であった。あの装飾の数々はどちらかといえばパーティーのような。まぁ、バアルもアオイ殿も賑やかなものは好きであるし、実際めでたくもあるからな。
因みに私はというと……勿論、準備万端に決まっておる。
この時の為にと、随分と前から予約して、お取り寄せしておいたとっておき。とある紅茶園でしか作られていない貴重な茶葉である。お試し用のものを頂いたが、香りも味もバアル好みのものであった。
私も好きであるが、アオイ殿もバアルが淹れる紅茶が大好きだという。であれば、バアルの好みに合えば、自然とアオイ殿の好みにも合う筈。きっと気に入ってくれるであろう。
レタリーが用意していたのは、ノンアルコールのワインであった。正直、何を用意したのか教えてもらった際には、その手があったかと悔しく思ったものだ。
アオイ殿は、バアルの好物であるワインを一緒に飲みたいと常々言っておったからな。おまけにテーマパークにて、ついに自身らのお土産用として購入したと言っておったし。
アオイ殿が飲みやすいように、甘めのものを選んだとのこと。私も今度はワインにしてみようか。オススメの銘柄のものでノンアルコールのものがあった筈だ。
何だか逆みたいですね、旅行に行ってきたのは俺達の方なのに。
アオイ殿のことだ、私達が贈る品々を見てはにかみながら、そのようなことを言うに違いない。バアルもきっと嬉しそうにしながらも、少しだけ申し訳なさそうに微笑むことだろう。
だが、どうか受け取って欲しい。これが私達の気持ちなのだから。バアルとアオイ殿が幸せそうに笑っている、そのことが嬉しくて仕方がないのだから。
約束の時間までもう少し。皆、自身の投影石で時間を確認しては、魔法陣を見つめている。
丁度、後5分となったところで、床に描かれた魔法陣に変化が起き始めた。
まるで輝く筆で、今まさに描いているかのような。陣を描いている薄暗い線がゆっくりと光を帯びていく。
それらが光り輝いたその瞬間、私達の視界を、広い部屋の隅々までもを明るく照らさんばかりの真白な光が放たれた。
爆発的な輝きは、収まる時も瞬きの内で。眩しさに目が慣れた時にはすっかり収まっていた。
再び光を失った魔法陣の上に、先程までは居なかった影が一つ。
いや、一つではあったが二人であった。バアルがアオイ殿を横抱きにして恭しく抱き上げていた。
空気も違う。皆が二人の帰りを待ち侘びているからであろう。そわそわとしていて落ち着かない。
グリムとクロウは私が訪れる前からお出迎えの準備は万端。
グリムは朝に摘んできたという緑の花とオレンジの花が鮮やかな花束を、その細い両腕いっぱいに抱えておる。
クロウは丁寧にラッピングされたジンジャークッキーを渡すらしい。紅茶のお供にどうかと、と照れ臭そうに人差し指で頬をかきながら、可愛らしい紙袋から取り出して見せてくれた。
父上は御自身もお気に入りであり、アオイ殿の好物でもあるチョコレート。勿論、馴染みのお店のものだ。アオイ殿も何度か食べ、美味しかったですっ、と大きな瞳を輝かせていたのでさぞ喜んでくれるであろう。
レダは忙しい身である故に残念ながら時間の都合が合わなかったが、アオイ殿の親衛隊であるシアン達はすでに私が課していた任務を終えて、二人よりも先に帰還済み。私達の後ろで待機してくれている。
六人共、ただ色鮮やかな光が輝くだけの魔術の使用の許可を求めてきたので、恐らくはそれで出迎えるつもりなのであろう。アオイ殿は、彼らや兵士の皆が使う魔術を観るのが大層好きであるから。
スヴェンも今は此方には居ない。しかし、スー達と一緒に私達の茶会の準備を整えてくれている。此方へと訪れる前にそちらを、中庭を少し見させてもらったが気合十分であった。あの装飾の数々はどちらかといえばパーティーのような。まぁ、バアルもアオイ殿も賑やかなものは好きであるし、実際めでたくもあるからな。
因みに私はというと……勿論、準備万端に決まっておる。
この時の為にと、随分と前から予約して、お取り寄せしておいたとっておき。とある紅茶園でしか作られていない貴重な茶葉である。お試し用のものを頂いたが、香りも味もバアル好みのものであった。
私も好きであるが、アオイ殿もバアルが淹れる紅茶が大好きだという。であれば、バアルの好みに合えば、自然とアオイ殿の好みにも合う筈。きっと気に入ってくれるであろう。
レタリーが用意していたのは、ノンアルコールのワインであった。正直、何を用意したのか教えてもらった際には、その手があったかと悔しく思ったものだ。
アオイ殿は、バアルの好物であるワインを一緒に飲みたいと常々言っておったからな。おまけにテーマパークにて、ついに自身らのお土産用として購入したと言っておったし。
アオイ殿が飲みやすいように、甘めのものを選んだとのこと。私も今度はワインにしてみようか。オススメの銘柄のものでノンアルコールのものがあった筈だ。
何だか逆みたいですね、旅行に行ってきたのは俺達の方なのに。
アオイ殿のことだ、私達が贈る品々を見てはにかみながら、そのようなことを言うに違いない。バアルもきっと嬉しそうにしながらも、少しだけ申し訳なさそうに微笑むことだろう。
だが、どうか受け取って欲しい。これが私達の気持ちなのだから。バアルとアオイ殿が幸せそうに笑っている、そのことが嬉しくて仕方がないのだから。
約束の時間までもう少し。皆、自身の投影石で時間を確認しては、魔法陣を見つめている。
丁度、後5分となったところで、床に描かれた魔法陣に変化が起き始めた。
まるで輝く筆で、今まさに描いているかのような。陣を描いている薄暗い線がゆっくりと光を帯びていく。
それらが光り輝いたその瞬間、私達の視界を、広い部屋の隅々までもを明るく照らさんばかりの真白な光が放たれた。
爆発的な輝きは、収まる時も瞬きの内で。眩しさに目が慣れた時にはすっかり収まっていた。
再び光を失った魔法陣の上に、先程までは居なかった影が一つ。
いや、一つではあったが二人であった。バアルがアオイ殿を横抱きにして恭しく抱き上げていた。
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