【完結】間違って地獄に落とされましたが、俺は幸せです。

白井のわ

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【新婚旅行編】後日談:やっぱりね、俺のバアルだもの

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 ヨミ様がぐっと親指を上げれば、レタリーさんは投影石の撮影を止めることなく胸に手を当て会釈で返した。彼の表情はさも当然のように平然としていたけれど、髪色と同じ黄緑色の長い尾羽根はヨミ様に手を振るかのように揺れている。

「……素敵な笑顔をありがとうございます、バアル様。お陰で良い写真が撮れました」

 やっぱりね。俺のバアルだもの。
 つい口角が上がってしまう。自覚してすぐに緩みきった口元を引き締めたがもう遅い。息つくヒマもなく投影石が瞬いているのだ。自分のことのようにニヤけていた顔も撮られてしまっていた。

「アオイ殿っ、照れた顔も、その得意気な顔も愛らしいことこの上ないのだが、もっと笑顔をっ、いつもの自然な笑顔を見せてくれ!」

 忙しなく飛ぶ指示と、鳴り止まないシャッター音。こういうことは初めてではないとはいえ緊張はするし、やっぱり照れる。
 それでも、ちゃんと笑わなければ。どうにか口角を上げようとしていたところで、頬をゆるりと撫でられた。

 横を向けば、思いのほか間近にあった整った顔。柔らかな微笑み。バアルは俺の鼻先に、ちょんと尖った高い鼻を猫の挨拶のようにくっつけてきた。

「バア、ふはっ……」

 戸惑いと照れが混じった呼びかけは、俺自身が吹き出したことで不発に終わった。
 とはいえ、俺は悪くはない。バアルが笑わせてきたからいけないのだ。おまけにやり方がズルい。悪戯に微笑む唇でこちらの耳の上を軽く食んできて、ふっと息まで吹きかけてきたのだから。俺達の正面に居る皆さんからは見えていないのを良いことに。

 耳の下にも唇を擦り寄せられて、再び首筋に走った擽ったさから咄嗟に背を逸らそうとすれば、その分彼が距離を詰めてくる。腰に回されている腕に、しっかりと抱き寄せられているから逃げることも出来ない。まぁ、そんなつもりはそもそもないけれど。

「ふっ、んふふっ、ちょっと……」

 密着してくる筋肉質な分厚い胸板を、手で軽く押しながらの訴えてみたところで全く通じてはいない。バレバレだから。俺が嫌がってなんかいないって。
 すっかりバアルも楽しんじゃっているのか、唇の柔らかさだけでなく、小さな笑みまでもが俺の肌を、首を撫でていく。

「も、擽ったいってば……ふはっ、ふふふふ……」
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