87 / 1,566
あの日とは違う、今の俺の側には、大好きな彼が居てくれるから
しおりを挟む
ほんの少し前の、息苦しいほどに重たかった空気はすっかり消え、代わりに部屋には和やかな空気が満ちている。
ゆっくりと話し始めたグリムさんの表情は、憑き物が落ちたみたいにすっきりとしていて、自然な笑顔が浮かんでいた。
「先程は、お恥ずかしい姿を見せてしまってすみません。……僕、アオイ様にありがとうなんて……言ってもらえる資格、ないって思ってましたから……」
今度は逸らされることなく、俺を真っ直ぐ見つめる薄紫色がゆるりと細められる。柔らかい光を帯びている瞳が、また少しだけ滲んだ。
「だから……とっても嬉しかったんです。びっくりさせちゃって、ごめんなさい」
「いえ、俺の方こそ会いたいからって、サタン様に頼んで無理に呼び出しちゃって、すみませんでした……」
「わわ、頭を上げてくださいっ……その、僕も会いたかったんですから。勇気が、出なかっただけで……」
立ち上がり小さな頭をぺこりと下げた彼を追いかけるように、俺もソファーから立って頭を下げる。
シーソーみたいに頭を交互に下げ合う自分達が、なんだか可笑しくて。つい、吹き出してしまった俺につられたんだろう。グリムさんもくすくすと可愛らしい声を漏らした。
ひとしきり笑い合ってから、ふと絡んだ眼差しに真剣な光が宿る。
俺達と一緒に微笑んでいた皆も口を結び、室内に再び静寂が訪れた。
「アオイ様……」
「はい……」
「本当に、ごめんなさい…………それから、ありがとうございます…………僕を、師匠を……赦してくれて……」
一度深く頭を下げ、再び合った瞳からあふれた雫が、赤く染まった頬を伝う。
クロウさんが音もなく立ち上がり、逞しい腕で震えるグリムさんの背中を支えながら、続けて頭を下げた。
「こんな僕に……権利なんて、ないけど……こんなお願い、烏滸がましいって、分かっているけど…………どうか、僕に、僕達に……これからのお二人の幸せを、願わせて……くれませんか?」
祈るように頭を垂れる彼の瞳からこぼれ落ちた涙が、細かい装飾が施された絨毯へと静かに吸い込まれていく。
……胸の奥が熱い。目の奥も。目の前にいるハズの彼らが、突然ぼやけて見えてくる。今度は俺の方が、彼につられてしまったみたいだ。
しわくちゃになるほどマントの裾を握りしめ、震える喉から振り絞るように言葉を紡ぐ姿が、不意に初めて出会った時のグリムさんと重なる。
ごめんなさい、ごめんなさい……と青い石造りの床に頭を擦りつけ、涙をこぼしていた彼に。
あの日……互いに庇い合う彼らを、グリムさんとクロウさんを見て、俺の胸を占めていた気持ちは諦めと虚しさだった。
もう済んだことだから仕方がないだろうと。真摯に謝る彼らに怒りを、悲しみをぶつけたって、何も解決しないだろうと。
心の内側が真っ黒に塗り潰されたみたいに、言いようのない寂しさで、埋め尽くされてしまっていたんだ。
でも、今は違う。ずっと側に居てくれるって約束してくれた人が、俺のことを好きになってくれた……大好きな彼が居るから。俺を受け入れてくれて、優しく見守ってくれている人達が居るから。
……俺は、今とても……幸せだから。
そっと横を見下ろせば、宝石のように煌めく緑の瞳が俺を見つめていた。
柔らかい笑みを浮かべたバアルさんが、小さく頷く。彼に向かって微笑み返した俺の胸の内は、雲ひとつない空のように晴れ渡っていた。
「グリムさん……」
「はい……」
「ありがとうございます……とても嬉しいです」
知らず知らずの内に俺は、あの日のように手を伸ばし彼の頭を撫でてしまっていた。
ゆっくりと顔を上げたグリムさんのぱちぱちと瞬いた瞳から、壊れたように涙がどっと溢れ出してから、ようやく気づく始末だ。
「ご、ごめんなさいっ、俺、大変失礼なことを……」
なんとなく親しみやすいというか、勝手にグリムさんに親近感を覚えているからって距離感を間違えすぎだろ。
どれだけ見た目は年下に見えても、彼は100歳なんだぞ? 人生の大先輩なんだぞ?
「ぐすっ……そんなこと、ないですよ…………僕、嬉しいです……とても……」
ふにゃりと微笑んでくれた彼に、ほっと胸を撫で下ろす。
ぐしゃぐしゃになった目元を拭ったせいで、すっかり濡れてしまった袖から覗く指をもじもじ動かしながら、グリムさんがおずおずと口を開いた。
「あの、アオイ様……これからもお二人のお部屋に、お花を届けに行ってもいいですか?」
「え? 俺は嬉しいですけど……いいんですか? 大変なんじゃ……」
「全っ然大丈夫ですっ! 僕が、したくてしてることなんでっ!」
胸の前で拳を握った彼が、はつらつとした声で「任せてくださいっ」と勢いよく身を乗り出す。
宥めるようにグリムさんの背中を優しく叩いていたクロウさんが、続けて「私達の朝の習慣になっていますから気にせず。ぜひ、受け取ってください」と微笑んでくれた。
俺とバアルさんからしても、有り難いお話だ。なんせ、届いたお花を飾って二人で眺めるのは、もはや、朝のルーティンというか、楽しみになっていたのだから。二人のお言葉に、甘えることにしたんだ。
「じゃあ、お願いします。これからは、毎朝会えますね」
単純な俺は、こう考えていた。
もう、隠す必要はないんだから、今までと違って俺もバアルさんと一緒にお花を受け取れるだろうと。
そしてあわよくば、グリムさんと仲良くなれたら嬉しいなと。そんな能天気な思考で、彼に向かって手を差し出していたんだ。
「毎朝……僕が、アオイ様と?」
「あ、すみません……グリムさん話しやすいから、その……友達になれたら嬉しいなって……」
「とも、だち……僕と……アオイ様が……」
「ほっほっほ、いいんじゃないかのう? お主ら、さっきは息もぴったりじゃったし」
静かにことの成り行きを見守っていたサタン様が、コウモリの形をした真っ黒な羽を大きく広げ、嬉しそうに鋭い牙を見せる。
それは、ほぼ同時だった「気が合うんじゃないかの?」とサタン様が厳つい身体を乗り出し尋ねたのと、大きく見開いていた丸い瞳から、再び雨のような勢いで雫がこぼれ落ちたのは。
「おいおい、大丈夫か? 今日はお前、涙腺緩みっぱなしだなぁ」
声を上げずにただただ涙をこぼし続けているグリムさんを、クロウさんが自分の胸元へぽすんっと抱き寄せ、あやすように背中や頭をぽんぽん撫でている。
……ところで今日の俺は、何故か、誰かとシンクロしてしまうらしい。
「ご、ごめんなさいっ、俺のせいで」
「あー……問題無いですよ。これ、嬉し泣きですから」
咄嗟に謝罪を口にした俺と、責任を感じているのか、大きな手を意味なくおろおろと動かしていたサタン様に向かって、クロウさんが困ったよう眉毛を下げて笑う。
少し間を置いて口にした、
「え?」
「ほ?」
といった間の抜けた声が、まるでタイミングを計っていたかのように、サタン様のものと綺麗に重なったんだ。
ゆっくりと話し始めたグリムさんの表情は、憑き物が落ちたみたいにすっきりとしていて、自然な笑顔が浮かんでいた。
「先程は、お恥ずかしい姿を見せてしまってすみません。……僕、アオイ様にありがとうなんて……言ってもらえる資格、ないって思ってましたから……」
今度は逸らされることなく、俺を真っ直ぐ見つめる薄紫色がゆるりと細められる。柔らかい光を帯びている瞳が、また少しだけ滲んだ。
「だから……とっても嬉しかったんです。びっくりさせちゃって、ごめんなさい」
「いえ、俺の方こそ会いたいからって、サタン様に頼んで無理に呼び出しちゃって、すみませんでした……」
「わわ、頭を上げてくださいっ……その、僕も会いたかったんですから。勇気が、出なかっただけで……」
立ち上がり小さな頭をぺこりと下げた彼を追いかけるように、俺もソファーから立って頭を下げる。
シーソーみたいに頭を交互に下げ合う自分達が、なんだか可笑しくて。つい、吹き出してしまった俺につられたんだろう。グリムさんもくすくすと可愛らしい声を漏らした。
ひとしきり笑い合ってから、ふと絡んだ眼差しに真剣な光が宿る。
俺達と一緒に微笑んでいた皆も口を結び、室内に再び静寂が訪れた。
「アオイ様……」
「はい……」
「本当に、ごめんなさい…………それから、ありがとうございます…………僕を、師匠を……赦してくれて……」
一度深く頭を下げ、再び合った瞳からあふれた雫が、赤く染まった頬を伝う。
クロウさんが音もなく立ち上がり、逞しい腕で震えるグリムさんの背中を支えながら、続けて頭を下げた。
「こんな僕に……権利なんて、ないけど……こんなお願い、烏滸がましいって、分かっているけど…………どうか、僕に、僕達に……これからのお二人の幸せを、願わせて……くれませんか?」
祈るように頭を垂れる彼の瞳からこぼれ落ちた涙が、細かい装飾が施された絨毯へと静かに吸い込まれていく。
……胸の奥が熱い。目の奥も。目の前にいるハズの彼らが、突然ぼやけて見えてくる。今度は俺の方が、彼につられてしまったみたいだ。
しわくちゃになるほどマントの裾を握りしめ、震える喉から振り絞るように言葉を紡ぐ姿が、不意に初めて出会った時のグリムさんと重なる。
ごめんなさい、ごめんなさい……と青い石造りの床に頭を擦りつけ、涙をこぼしていた彼に。
あの日……互いに庇い合う彼らを、グリムさんとクロウさんを見て、俺の胸を占めていた気持ちは諦めと虚しさだった。
もう済んだことだから仕方がないだろうと。真摯に謝る彼らに怒りを、悲しみをぶつけたって、何も解決しないだろうと。
心の内側が真っ黒に塗り潰されたみたいに、言いようのない寂しさで、埋め尽くされてしまっていたんだ。
でも、今は違う。ずっと側に居てくれるって約束してくれた人が、俺のことを好きになってくれた……大好きな彼が居るから。俺を受け入れてくれて、優しく見守ってくれている人達が居るから。
……俺は、今とても……幸せだから。
そっと横を見下ろせば、宝石のように煌めく緑の瞳が俺を見つめていた。
柔らかい笑みを浮かべたバアルさんが、小さく頷く。彼に向かって微笑み返した俺の胸の内は、雲ひとつない空のように晴れ渡っていた。
「グリムさん……」
「はい……」
「ありがとうございます……とても嬉しいです」
知らず知らずの内に俺は、あの日のように手を伸ばし彼の頭を撫でてしまっていた。
ゆっくりと顔を上げたグリムさんのぱちぱちと瞬いた瞳から、壊れたように涙がどっと溢れ出してから、ようやく気づく始末だ。
「ご、ごめんなさいっ、俺、大変失礼なことを……」
なんとなく親しみやすいというか、勝手にグリムさんに親近感を覚えているからって距離感を間違えすぎだろ。
どれだけ見た目は年下に見えても、彼は100歳なんだぞ? 人生の大先輩なんだぞ?
「ぐすっ……そんなこと、ないですよ…………僕、嬉しいです……とても……」
ふにゃりと微笑んでくれた彼に、ほっと胸を撫で下ろす。
ぐしゃぐしゃになった目元を拭ったせいで、すっかり濡れてしまった袖から覗く指をもじもじ動かしながら、グリムさんがおずおずと口を開いた。
「あの、アオイ様……これからもお二人のお部屋に、お花を届けに行ってもいいですか?」
「え? 俺は嬉しいですけど……いいんですか? 大変なんじゃ……」
「全っ然大丈夫ですっ! 僕が、したくてしてることなんでっ!」
胸の前で拳を握った彼が、はつらつとした声で「任せてくださいっ」と勢いよく身を乗り出す。
宥めるようにグリムさんの背中を優しく叩いていたクロウさんが、続けて「私達の朝の習慣になっていますから気にせず。ぜひ、受け取ってください」と微笑んでくれた。
俺とバアルさんからしても、有り難いお話だ。なんせ、届いたお花を飾って二人で眺めるのは、もはや、朝のルーティンというか、楽しみになっていたのだから。二人のお言葉に、甘えることにしたんだ。
「じゃあ、お願いします。これからは、毎朝会えますね」
単純な俺は、こう考えていた。
もう、隠す必要はないんだから、今までと違って俺もバアルさんと一緒にお花を受け取れるだろうと。
そしてあわよくば、グリムさんと仲良くなれたら嬉しいなと。そんな能天気な思考で、彼に向かって手を差し出していたんだ。
「毎朝……僕が、アオイ様と?」
「あ、すみません……グリムさん話しやすいから、その……友達になれたら嬉しいなって……」
「とも、だち……僕と……アオイ様が……」
「ほっほっほ、いいんじゃないかのう? お主ら、さっきは息もぴったりじゃったし」
静かにことの成り行きを見守っていたサタン様が、コウモリの形をした真っ黒な羽を大きく広げ、嬉しそうに鋭い牙を見せる。
それは、ほぼ同時だった「気が合うんじゃないかの?」とサタン様が厳つい身体を乗り出し尋ねたのと、大きく見開いていた丸い瞳から、再び雨のような勢いで雫がこぼれ落ちたのは。
「おいおい、大丈夫か? 今日はお前、涙腺緩みっぱなしだなぁ」
声を上げずにただただ涙をこぼし続けているグリムさんを、クロウさんが自分の胸元へぽすんっと抱き寄せ、あやすように背中や頭をぽんぽん撫でている。
……ところで今日の俺は、何故か、誰かとシンクロしてしまうらしい。
「ご、ごめんなさいっ、俺のせいで」
「あー……問題無いですよ。これ、嬉し泣きですから」
咄嗟に謝罪を口にした俺と、責任を感じているのか、大きな手を意味なくおろおろと動かしていたサタン様に向かって、クロウさんが困ったよう眉毛を下げて笑う。
少し間を置いて口にした、
「え?」
「ほ?」
といった間の抜けた声が、まるでタイミングを計っていたかのように、サタン様のものと綺麗に重なったんだ。
138
あなたにおすすめの小説
美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜
飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。
でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。
しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。
秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。
美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。
秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。
最強で美人なお飾り嫁(♂)は無自覚に無双する
竜鳴躍
BL
ミリオン=フィッシュ(旧姓:バード)はフィッシュ伯爵家のお飾り嫁で、オメガだけど冴えない男の子。と、いうことになっている。だが実家の義母さえ知らない。夫も知らない。彼が陛下から信頼も厚い美貌の勇者であることを。
幼い頃に死別した両親。乗っ取られた家。幼馴染の王子様と彼を狙う従妹。
白い結婚で離縁を狙いながら、実は転生者の主人公は今日も勇者稼業で自分のお財布を豊かにしています。
捨てられた生贄オメガ、魔王城で極上の『巣作り』始めます!~不眠症の魔王様、私のクッションで爆睡して溺愛モードに突入~
水凪しおん
BL
「役立たずのオメガ」として冷遇され、血も涙もない魔王への生贄として捨てられたリノ。
死を覚悟して連れてこられた魔王城は、寒くて硬くて、居住性最悪のブラック環境だった!?
「こんなところで寝られるか!」
極限状態で発動したオメガ特有の『巣作り本能』と、神業レベルの裁縫スキルが火を噴く!
ゴミ同然の布切れをフカフカのクッションに、冷たい石床を極上のラグマットにリフォーム。
すると、不眠症で常にイライラしていた魔王ザルドリスが、リノの作った「巣」のあまりの快適さに陥落してしまい……?
「……貴様、私を堕落させる気か」
(※いいえ、ただ快適に寝たいだけです)
殺されるどころか、魔王様に気に入られ、気付けば城中がリノの虜に。
捨てられた生贄オメガが、裁縫一つで魔王城を「世界一のマイホーム」に変える、ほのぼの逆転溺愛ファンタジー!
【本編完結】才色兼備の幼馴染♂に振り回されるくらいなら、いっそ赤い糸で縛って欲しい。
誉コウ
BL
才色兼備で『氷の王子』と呼ばれる幼なじみ、藍と俺は気づけばいつも一緒にいた。
その関係が当たり前すぎて、壊れるなんて思ってなかった——藍が「彼女作ってもいい?」なんて言い出すまでは。
胸の奥がざわつき、藍が他の誰かに取られる想像だけで苦しくなる。
それでも「友達」のままでいられるならと思っていたのに、藍の言葉に行動に振り回されていく。
運命の赤い糸が見えていれば、この関係を紐解けるのに。
オッサン課長のくせに、無自覚に色気がありすぎる~ヨレヨレ上司とエリート部下、恋は仕事の延長ですか?
中岡 始
BL
「新しい営業課長は、超敏腕らしい」
そんな噂を聞いて、期待していた橘陽翔(28)。
しかし、本社に異動してきた榊圭吾(42)は――
ヨレヨレのスーツ、だるそうな関西弁、ネクタイはゆるゆる。
(……いやいや、これがウワサの敏腕課長⁉ 絶対ハズレ上司だろ)
ところが、初めての商談でその評価は一変する。
榊は巧みな話術と冷静な判断で、取引先をあっさり落としにかかる。
(仕事できる……! でも、普段がズボラすぎるんだよな)
ネクタイを締め直したり、書類のコーヒー染みを指摘したり――
なぜか陽翔は、榊の世話を焼くようになっていく。
そして気づく。
「この人、仕事中はめちゃくちゃデキるのに……なんでこんなに色気ダダ漏れなんだ?」
煙草をくゆらせる仕草。
ネクタイを緩める無防備な姿。
そのたびに、陽翔の理性は削られていく。
「俺、もう待てないんで……」
ついに陽翔は榊を追い詰めるが――
「……お前、ほんまに俺のこと好きなんか?」
攻めるエリート部下 × 無自覚な色気ダダ漏れのオッサン上司。
じわじわ迫る恋の攻防戦、始まります。
【最新話:主任補佐のくせに、年下部下に見透かされている(気がする)ー関西弁とミルクティーと、春のすこし前に恋が始まった話】
主任補佐として、ちゃんとせなあかん──
そう思っていたのに、君はなぜか、俺の“弱いとこ”ばっかり見抜いてくる。
春のすこし手前、まだ肌寒い季節。
新卒配属された年下部下・瀬戸 悠貴は、無表情で口数も少ないけれど、妙に人の感情に鋭い。
風邪気味で声がかすれた朝、佐倉 奏太は、彼にそっと差し出された「ミルクティー」に言葉を失う。
何も言わないのに、なぜか伝わってしまう。
拒むでも、求めるでもなく、ただそばにいようとするその距離感に──佐倉の心は少しずつ、ほどけていく。
年上なのに、守られるみたいで、悔しいけどうれしい。
これはまだ、恋になる“少し前”の物語。
関西弁とミルクティーに包まれた、ふたりだけの静かな始まり。
(5月14日より連載開始)
冤罪で追放された王子は最果ての地で美貌の公爵に愛し尽くされる 凍てついた薔薇は恋に溶かされる
尾高志咲/しさ
BL
旧題:凍てついた薔薇は恋に溶かされる
🌟第10回BL小説大賞(2022年)奨励賞。2025年11月アンダルシュノベルズより刊行🌟
ロサーナ王国の病弱な第二王子アルベルトは、突然、無実の罪状を突きつけられて北の果ての離宮に追放された。王子を裏切ったのは幼い頃から大切に想う宮中伯筆頭ヴァンテル公爵だった。兄の王太子が亡くなり、世継ぎの身となってからは日々努力を重ねてきたのに。信頼していたものを全て失くし向かった先で待っていたのは……。
――どうしてそんなに優しく名を呼ぶのだろう。
お前に裏切られ廃嫡されて最北の離宮に閉じ込められた。
目に映るものは雪と氷と絶望だけ。もう二度と、誰も信じないと誓ったのに。
ただ一人、お前だけが私の心を凍らせ溶かしていく。
執着攻め×不憫受け
美形公爵×病弱王子
不憫展開からの溺愛ハピエン物語。
◎書籍掲載は、本編と本編後の四季の番外編:春『春の来訪者』です。
四季の番外編:夏以降及び小話は本サイトでお読みいただけます。
なお、※表示のある回はR18描写を含みます。
🌟第10回BL小説大賞での応援ありがとうございました!
🌟本作は旧Twitterの「フォロワーをイメージして同人誌のタイトルつける」タグで貴宮あすかさんがくださったタイトル『凍てついた薔薇は恋に溶かされる』から思いついて書いた物語です。ありがとうございました。
【完結】極貧イケメン学生は体を売らない。【番外編あります】
紫紺
BL
貧乏学生をスパダリが救済!?代償は『恋人のフリ』だった。
相模原涼(さがみはらりょう)は法学部の大学2年生。
超がつく貧乏学生なのに、突然居酒屋のバイトをクビになってしまった。
失意に沈む涼の前に現れたのは、ブランドスーツに身を包んだイケメン、大手法律事務所の副所長 城南晄矢(じょうなんみつや)。
彼は涼にバイトしないかと誘うのだが……。
※番外編を公開しました(2024.10.21)
生活に追われて恋とは無縁の極貧イケメンの涼と、何もかもに恵まれた晄矢のラブコメBL。二人の気持ちはどっちに向いていくのか。
※本作品中の公判、判例、事件等は全て架空のものです。完全なフィクションであり、参考にした事件等もございません。拙い表現や現実との乖離はどうぞご容赦ください。
巣ごもりオメガは後宮にひそむ【続編完結】
晦リリ@9/10『死に戻りの神子~』発売
BL
後宮で幼馴染でもあるラナ姫の護衛をしているミシュアルは、つがいがいないのに、すでに契約がすんでいる体であるという判定を受けたオメガ。
発情期はあるものの、つがいが誰なのか、いつつがいの契約がなされたのかは本人もわからない。
そんななか、気になる匂いの落とし物を後宮で拾うようになる。
第9回BL小説大賞にて奨励賞受賞→書籍化しました。ありがとうございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる