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★ 触って欲しいけれど、俺からも触りたい
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バアルさんは、ちゃんと俺のお願いを叶えてくれた。
絡めて繋いだ指をやわやわ握ったり緩めたりしながら、もう一方で俺の身体を満遍なく。まるで犬や猫を可愛がるような優しい手つきで、撫でてくれている。
確かに、いっぱい触って欲しいと思っていたし、これはこれで嬉しいけれど、そうじゃない。方向性が違う。
だからといって今更、直球を投げつける勇気なんて俺にはなかった。かといって、さっき以上の変化球を思いつく訳もなかった。完全に詰んでるってやつだ。
以前の俺なら、もうこの時点で諦めているだろう。まぁいっか……バアルさん喜んでくれてるし、好きな人から触ってもらえてるって事実は変わんないしな……と。
でも、今の俺には無理だった。毎晩彼から少しずつ、段階を踏んでは色んな心地よさを教えてもらっている俺には、一度灯ってしまった欲望を無視するなんて出来なかったんだ。
さて、諦めきれないなら……どうにかして彼をその気にさせるしかない訳で。なんとか名案を生み出そうと俺の頭がフル回転し始める。
バアルさんに俺でドキドキしてもらう為には……手を出してもらう為には……と。そうして、俺は思いついたんだ。以前、意図せずに触ってもらえた成功体験を。
「……バアルさん」
「はい、いかがなさいましたか?」
「……失礼します」
柔らかい微笑みを向けてくれた彼に一度頭を下げてから、繋いでいた手を離す。フリルがついた首元へと両手を伸ばす。
吸血鬼の仮装をした時、俺も同じ物をつけていたので外すのは簡単だ。首の後ろにあるボタンを外してから取り去り、キッチリ締められているシャツの襟元を緩めていく。
戸惑うように俺の名を呼ぶ声が、耳に届いてはいた。が、心の中でごめんなさいをしながらボタンを次々外していく。そして露わになった白い首に口を寄せた。
「……っ……ん、は……」
滑らかな肌に音を立てながら何度も口づけていく。彼が俺にしてくれている時の加減を思い出しながら、熱心に舌を這わせ続ける。
徐々に荒くなっていく吐息と艶を帯びていく低音に、緊張で煩かった鼓動が違う意味で高鳴っていくのを感じた。
突拍子もない行動に出てしまっているというのに。相変わらず優しい彼は、俺の好きにさせてくれている。それどころか、大きな手で頭や背中をよしよし撫でてくれるもんだから……嬉しくて、ますます夢中になってしまう。
もっとバアルさんに喜んで欲しい……もっと褒めて欲しい…………
そう。この時の俺は、いつの間にか目的が変わってしまっていたんだ。エッチなことをしてもらえるように頑張るぞっから、もっと褒めてもらえるように頑張るぞっへと。
そのせいだろう。俺にしては大胆な行動に出るほど待ち望んでいた展開を、ようやく迎えられたってのに……思わず待ったをかけてしまったのは。
「……アオイ」
いつもより低い囁きが俺の名を紡ぐ。
縋るような切ない声色につられ顔を離すと、バアルさんが片仮面を外していた。彼の手の中で銀の光沢を帯びたそれを、手品のようにぽんっと消す。自由になった彼の手が、俺の頬に添えられた。
ゆっくりと近づいてくる彫りの深い顔に見惚れているうちに、スッと通った鼻先が触れる。そっと形のいい唇が重なる。
角度を変えながら繰り返される強請るような口づけに、薄く口を開けば、熱く湿った彼の体温がぬるりと入ってきた。
余すことなく口内を撫で回されて、だんだんと甘い痺れが全身に広がっていく。頭の中がぽやぽやしてしまう。
さらに蕩けさせるつもりなんだろうか。優しく褒めてくれるようだった手つきが突然、背筋がぞくぞくするものに。触れるか触れないかのソフトタッチで、俺の首や耳を刺激し始めたんだ。
「ん……ぁ、あっ、ああ……っ……待って……んむ……ふっ、んん……」
黒いマントを握り締めて訴えるとピタリと止まる。ただひたすらに、心地のいい感覚だけを俺に与えてくれようとしていた手が。
名残惜しそうに口づけてから離れていった唇は、どこか寂しげに歪んでいた。
「……違いましたか? てっきり私めは、大変可愛らしいお誘いをして頂けたのだと……存じておりましたが……」
「あ……違わない、です…………え、エッチ……して欲しいなって……誘って、ました……」
目は口ほどに物を言うってホントだな。
なんせ、問われた気がしたのだ。きょとんと見つめる緑の瞳から「……では、何故?」と。その視線に応えるべく、俺は思っていることを素直にそのまま口にすることにした。
「その……喜んでくれたの、嬉しくて……俺、もっとバアルさんに喜んで欲しくて……だから、触って欲しいけど……俺も触りたい、です……」
そっと重なったひと回り大きな手が、指を絡めて繋いでくれる。手のひらを通して伝わってくる温もりが嬉しくて、ついぎゅっと強く握り返してしまっていた。
「……ふふ……本当に貴方様は、私めを虜にする天才ですね。これ以上はないと存じておりましたが……ますます惚れ込んでしまいました」
それはこっちの台詞だ!
喉まで出かかったけど出なかった。ときめきっぱなしの胸と一緒に喉の奥がきゅっと締まったせいだ。
「……あ、ぅ……」
蕩けるような微笑みを浮かべた唇が、触れるだけのキスを送ってくれる。耳元に感じた吐息の熱さに、身体の奥がじんと疼くのを感じた。
「では……貴方様のお望み通り、ご一緒に触り合いっこ致しましょうね……」
何処を、とは言ってくれなかったけれど……すぐに分かった。
いつの間に外したのか、あらわになっていた彼の白い手が、俺の下半身へと伸びていく。
無意識のうちにもじもじと擦り合わせてしまっていた、太ももの内側をするりとひと撫でして。一番感じてしまう部分を、ズボン越しにやわやわと触り始めた。
今からここを、お互いのものを触り合うんですよ……と俺に強く意識させるみたいに。
指の腹で優しく撫でてもらっているだけなのに……早くも腰が期待に震えてしまう。
少しでも口を開けば、上ずった声を漏らしそうになっている俺は、ただ何度も頷くことでしか同意を示すことが出来ない。
それでも彼は嬉しそうに微笑んでくれて、額や頬。勿論、口にも……いっぱいキスをしてくれたんだ。
絡めて繋いだ指をやわやわ握ったり緩めたりしながら、もう一方で俺の身体を満遍なく。まるで犬や猫を可愛がるような優しい手つきで、撫でてくれている。
確かに、いっぱい触って欲しいと思っていたし、これはこれで嬉しいけれど、そうじゃない。方向性が違う。
だからといって今更、直球を投げつける勇気なんて俺にはなかった。かといって、さっき以上の変化球を思いつく訳もなかった。完全に詰んでるってやつだ。
以前の俺なら、もうこの時点で諦めているだろう。まぁいっか……バアルさん喜んでくれてるし、好きな人から触ってもらえてるって事実は変わんないしな……と。
でも、今の俺には無理だった。毎晩彼から少しずつ、段階を踏んでは色んな心地よさを教えてもらっている俺には、一度灯ってしまった欲望を無視するなんて出来なかったんだ。
さて、諦めきれないなら……どうにかして彼をその気にさせるしかない訳で。なんとか名案を生み出そうと俺の頭がフル回転し始める。
バアルさんに俺でドキドキしてもらう為には……手を出してもらう為には……と。そうして、俺は思いついたんだ。以前、意図せずに触ってもらえた成功体験を。
「……バアルさん」
「はい、いかがなさいましたか?」
「……失礼します」
柔らかい微笑みを向けてくれた彼に一度頭を下げてから、繋いでいた手を離す。フリルがついた首元へと両手を伸ばす。
吸血鬼の仮装をした時、俺も同じ物をつけていたので外すのは簡単だ。首の後ろにあるボタンを外してから取り去り、キッチリ締められているシャツの襟元を緩めていく。
戸惑うように俺の名を呼ぶ声が、耳に届いてはいた。が、心の中でごめんなさいをしながらボタンを次々外していく。そして露わになった白い首に口を寄せた。
「……っ……ん、は……」
滑らかな肌に音を立てながら何度も口づけていく。彼が俺にしてくれている時の加減を思い出しながら、熱心に舌を這わせ続ける。
徐々に荒くなっていく吐息と艶を帯びていく低音に、緊張で煩かった鼓動が違う意味で高鳴っていくのを感じた。
突拍子もない行動に出てしまっているというのに。相変わらず優しい彼は、俺の好きにさせてくれている。それどころか、大きな手で頭や背中をよしよし撫でてくれるもんだから……嬉しくて、ますます夢中になってしまう。
もっとバアルさんに喜んで欲しい……もっと褒めて欲しい…………
そう。この時の俺は、いつの間にか目的が変わってしまっていたんだ。エッチなことをしてもらえるように頑張るぞっから、もっと褒めてもらえるように頑張るぞっへと。
そのせいだろう。俺にしては大胆な行動に出るほど待ち望んでいた展開を、ようやく迎えられたってのに……思わず待ったをかけてしまったのは。
「……アオイ」
いつもより低い囁きが俺の名を紡ぐ。
縋るような切ない声色につられ顔を離すと、バアルさんが片仮面を外していた。彼の手の中で銀の光沢を帯びたそれを、手品のようにぽんっと消す。自由になった彼の手が、俺の頬に添えられた。
ゆっくりと近づいてくる彫りの深い顔に見惚れているうちに、スッと通った鼻先が触れる。そっと形のいい唇が重なる。
角度を変えながら繰り返される強請るような口づけに、薄く口を開けば、熱く湿った彼の体温がぬるりと入ってきた。
余すことなく口内を撫で回されて、だんだんと甘い痺れが全身に広がっていく。頭の中がぽやぽやしてしまう。
さらに蕩けさせるつもりなんだろうか。優しく褒めてくれるようだった手つきが突然、背筋がぞくぞくするものに。触れるか触れないかのソフトタッチで、俺の首や耳を刺激し始めたんだ。
「ん……ぁ、あっ、ああ……っ……待って……んむ……ふっ、んん……」
黒いマントを握り締めて訴えるとピタリと止まる。ただひたすらに、心地のいい感覚だけを俺に与えてくれようとしていた手が。
名残惜しそうに口づけてから離れていった唇は、どこか寂しげに歪んでいた。
「……違いましたか? てっきり私めは、大変可愛らしいお誘いをして頂けたのだと……存じておりましたが……」
「あ……違わない、です…………え、エッチ……して欲しいなって……誘って、ました……」
目は口ほどに物を言うってホントだな。
なんせ、問われた気がしたのだ。きょとんと見つめる緑の瞳から「……では、何故?」と。その視線に応えるべく、俺は思っていることを素直にそのまま口にすることにした。
「その……喜んでくれたの、嬉しくて……俺、もっとバアルさんに喜んで欲しくて……だから、触って欲しいけど……俺も触りたい、です……」
そっと重なったひと回り大きな手が、指を絡めて繋いでくれる。手のひらを通して伝わってくる温もりが嬉しくて、ついぎゅっと強く握り返してしまっていた。
「……ふふ……本当に貴方様は、私めを虜にする天才ですね。これ以上はないと存じておりましたが……ますます惚れ込んでしまいました」
それはこっちの台詞だ!
喉まで出かかったけど出なかった。ときめきっぱなしの胸と一緒に喉の奥がきゅっと締まったせいだ。
「……あ、ぅ……」
蕩けるような微笑みを浮かべた唇が、触れるだけのキスを送ってくれる。耳元に感じた吐息の熱さに、身体の奥がじんと疼くのを感じた。
「では……貴方様のお望み通り、ご一緒に触り合いっこ致しましょうね……」
何処を、とは言ってくれなかったけれど……すぐに分かった。
いつの間に外したのか、あらわになっていた彼の白い手が、俺の下半身へと伸びていく。
無意識のうちにもじもじと擦り合わせてしまっていた、太ももの内側をするりとひと撫でして。一番感じてしまう部分を、ズボン越しにやわやわと触り始めた。
今からここを、お互いのものを触り合うんですよ……と俺に強く意識させるみたいに。
指の腹で優しく撫でてもらっているだけなのに……早くも腰が期待に震えてしまう。
少しでも口を開けば、上ずった声を漏らしそうになっている俺は、ただ何度も頷くことでしか同意を示すことが出来ない。
それでも彼は嬉しそうに微笑んでくれて、額や頬。勿論、口にも……いっぱいキスをしてくれたんだ。
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