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いきなり、雪玉クエスト!
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ハスキーボイスな悪役じみた高笑いをBGMに、皆さんが思い思いのポーズを決めていらっしゃる。
勿論センターはヨミ様とサタン様だ。お二人共、世界征服を企むお方のようなオーラが漂っている。ヨミ様なんか正面に向かって伸ばした手のひらで、地球を丸ごと掴んでしまいそうだ。
従えている皆さん方は、シンプルに敬礼やピースサインに始まり、手のひらで額を覆うイケメンにしか許されないポーズ。
複数人でしか出来ない、組体操っぽいものをしている方々もいる。彼らがジャジャンと決めているものだけで、カッコいいポーズ集が出来てしまいそうだ。
表情は笑顔だったり、平然としていたり、照れくさそうだったり、様々だが……何で皆さんそんなにノリノリなんだろう。あー……そうか、彼らの主達が一番ノリノリだったわ。
因みにグリムさんは、満面の笑みでクロウさんと手を振っていらっしゃったので、バアルさんと一緒に振り返しました。ますます笑顔になって可愛かったです。
いまいち状況が飲み込めていない俺を置き去りに、瞬く間にいくつもの大小様々な雪の壁が作り上げられていく。
指の先をパチンと弾くだけで自動的に形成されていくなんて、やっぱり魔術は便利だなぁ。
なんて呆けている俺に対して、いつでも冷静かつ順応能力の高いバアルさんはというと、すでに雪玉を山ほど作っている。流石だ。
「アオイ様! 頑張ってくださいね!」
「あ、うん。ありがとうございます、グリムさん」
「一緒に頑張りましょうね」
「は、はいっ、バアルさん」
敵であるハズのグリムさんから笑顔いっぱいなエールをいただき、唯一の味方であるバアルさんから両手で包み込むように手を握られる。
……やっぱり安心するな。
ついさっきまで雪を触ってたハズなのに、手袋越しからでも優しい温もりが伝わってくる。
若葉を思わせるような緑の柔らかい眼差しに、つい見惚れてしまっていると通りのいい声に鼓膜を揺らされた。
「ルールは単純明快、制限時間内にそなたが私達全員に雪玉を当てられれば勝利となるぞ!」
指揮者のようにしなやかな両腕を広げ、ウサ耳と羽を動かしながら「私達が壁から身体を出す瞬間を狙うといい!」と続ける。
要は、もぐら叩きな的当て……といった感じだろうか。やっぱり合戦ではないよな。縁日みたいだし。
「スヴェン達の特製クリームシチューが出来上がった時点で終了とするからな! 力を合わせて頑張ってくれ!」
長い指先によって示された先、城の壁近くにはいつの間にか、イベント用のテントが設置されていた。体育祭とかで見るような、屋根だけの白いやつだ。
その下で炊き出しみたく、大きな鍋や簡易な調理設備が揃えられている。
料理長であるスヴェンさんと目が合うと、部下であるコウモリの羽が生えた子豚達と一緒に手を振ってくれた。
シチューか……寒い時に恋しくなる一品だよなぁ。おでんや鍋も捨てがたいけれど。
いつも美味しいお食事を作っていただいてる、スヴェンさん達特製とあれば絶品に違いない。優勝が確約されたようなもんだな。
期待に胸を踊らさせている間にヨミ様が「バアルは術でサポートしていいからな、時間操作以外の」とキッチリ釘を刺す。
説明は済んだということなのだろうか。皆さんがいそいそと雪の壁に隠れ始めてしまった。
「あ、あの……皆さんは反撃とかなさらないんですか?」
今にも開始してしまいそうな雰囲気に、慌てて口を開く。
「うむっ! 簡潔に申せば、力の差があり過ぎるからだ」
さらりと放った一言で、俺にとって最大の疑問の答えが返されることにはならなかった。
「が……百聞は一見にしかず、と言うからな。グリム!」
「はーいっ」
「バアルに向かって雪玉を投げるがよい、軽めにな」
どうやら理由を見せてくれるらしい。俺の目から見ても明らかに、皆さんの中で一番小柄で華奢なグリムさん……という人選には何か意図があるんだろうか?
「アオイ殿、少し離れ……いや、絶対にバアルの側から離れるんじゃないぞ?」
「へ? は、はい……」
言われるがままにバアルさんの身体に腕を回し、逞しい胸元へ頬を寄せる。主からの目配せに、会釈で返したバアルさんの腕が、俺の背を支えるように回された。
「いきますよー」
「いつでもどうぞ」
のんびりとした声と共に、小さな手から白い玉が緩いアーチを描いて投げられ……なかった。
緩やかな動作から放たれたものとは思えない、目で追うのもやっとな豪速球が放たれ、弾け飛んだ。バアルさんの目の前で。
術によるバリアかなんかだろう。俺とバアルさんを包み込んでいた淡い緑色の光が、役割を果たしたと言わんばかりに霧のように消えていく。
「い、今ので……軽く、ですか?」
あまりの衝撃と速さに悲鳴すら上げる間もなかった。うむっ! と頷くヨミ様を筆頭に、肯定を示す皆さん方を前にして、ますます身体が震えてしまう。
大きな手から余すことなく撫で回してもらえたお陰で、すぐに止まったんだけれど。
確かに今までもバアルさんとの間に、到底敵わない力の差を感じてはいた。
それにしても、これ程までとは……確かに、話にならないな。的当てゲームでも対等かは怪しいレベルだ。バアルさんのサポートがあるとはいえ。
バッチリ納得出来たものの、悪い意味での自信しかない。避けられまくって終わるんじゃないか? という。
が、俺の予想はものの見事に外れることになる。
勿論センターはヨミ様とサタン様だ。お二人共、世界征服を企むお方のようなオーラが漂っている。ヨミ様なんか正面に向かって伸ばした手のひらで、地球を丸ごと掴んでしまいそうだ。
従えている皆さん方は、シンプルに敬礼やピースサインに始まり、手のひらで額を覆うイケメンにしか許されないポーズ。
複数人でしか出来ない、組体操っぽいものをしている方々もいる。彼らがジャジャンと決めているものだけで、カッコいいポーズ集が出来てしまいそうだ。
表情は笑顔だったり、平然としていたり、照れくさそうだったり、様々だが……何で皆さんそんなにノリノリなんだろう。あー……そうか、彼らの主達が一番ノリノリだったわ。
因みにグリムさんは、満面の笑みでクロウさんと手を振っていらっしゃったので、バアルさんと一緒に振り返しました。ますます笑顔になって可愛かったです。
いまいち状況が飲み込めていない俺を置き去りに、瞬く間にいくつもの大小様々な雪の壁が作り上げられていく。
指の先をパチンと弾くだけで自動的に形成されていくなんて、やっぱり魔術は便利だなぁ。
なんて呆けている俺に対して、いつでも冷静かつ順応能力の高いバアルさんはというと、すでに雪玉を山ほど作っている。流石だ。
「アオイ様! 頑張ってくださいね!」
「あ、うん。ありがとうございます、グリムさん」
「一緒に頑張りましょうね」
「は、はいっ、バアルさん」
敵であるハズのグリムさんから笑顔いっぱいなエールをいただき、唯一の味方であるバアルさんから両手で包み込むように手を握られる。
……やっぱり安心するな。
ついさっきまで雪を触ってたハズなのに、手袋越しからでも優しい温もりが伝わってくる。
若葉を思わせるような緑の柔らかい眼差しに、つい見惚れてしまっていると通りのいい声に鼓膜を揺らされた。
「ルールは単純明快、制限時間内にそなたが私達全員に雪玉を当てられれば勝利となるぞ!」
指揮者のようにしなやかな両腕を広げ、ウサ耳と羽を動かしながら「私達が壁から身体を出す瞬間を狙うといい!」と続ける。
要は、もぐら叩きな的当て……といった感じだろうか。やっぱり合戦ではないよな。縁日みたいだし。
「スヴェン達の特製クリームシチューが出来上がった時点で終了とするからな! 力を合わせて頑張ってくれ!」
長い指先によって示された先、城の壁近くにはいつの間にか、イベント用のテントが設置されていた。体育祭とかで見るような、屋根だけの白いやつだ。
その下で炊き出しみたく、大きな鍋や簡易な調理設備が揃えられている。
料理長であるスヴェンさんと目が合うと、部下であるコウモリの羽が生えた子豚達と一緒に手を振ってくれた。
シチューか……寒い時に恋しくなる一品だよなぁ。おでんや鍋も捨てがたいけれど。
いつも美味しいお食事を作っていただいてる、スヴェンさん達特製とあれば絶品に違いない。優勝が確約されたようなもんだな。
期待に胸を踊らさせている間にヨミ様が「バアルは術でサポートしていいからな、時間操作以外の」とキッチリ釘を刺す。
説明は済んだということなのだろうか。皆さんがいそいそと雪の壁に隠れ始めてしまった。
「あ、あの……皆さんは反撃とかなさらないんですか?」
今にも開始してしまいそうな雰囲気に、慌てて口を開く。
「うむっ! 簡潔に申せば、力の差があり過ぎるからだ」
さらりと放った一言で、俺にとって最大の疑問の答えが返されることにはならなかった。
「が……百聞は一見にしかず、と言うからな。グリム!」
「はーいっ」
「バアルに向かって雪玉を投げるがよい、軽めにな」
どうやら理由を見せてくれるらしい。俺の目から見ても明らかに、皆さんの中で一番小柄で華奢なグリムさん……という人選には何か意図があるんだろうか?
「アオイ殿、少し離れ……いや、絶対にバアルの側から離れるんじゃないぞ?」
「へ? は、はい……」
言われるがままにバアルさんの身体に腕を回し、逞しい胸元へ頬を寄せる。主からの目配せに、会釈で返したバアルさんの腕が、俺の背を支えるように回された。
「いきますよー」
「いつでもどうぞ」
のんびりとした声と共に、小さな手から白い玉が緩いアーチを描いて投げられ……なかった。
緩やかな動作から放たれたものとは思えない、目で追うのもやっとな豪速球が放たれ、弾け飛んだ。バアルさんの目の前で。
術によるバリアかなんかだろう。俺とバアルさんを包み込んでいた淡い緑色の光が、役割を果たしたと言わんばかりに霧のように消えていく。
「い、今ので……軽く、ですか?」
あまりの衝撃と速さに悲鳴すら上げる間もなかった。うむっ! と頷くヨミ様を筆頭に、肯定を示す皆さん方を前にして、ますます身体が震えてしまう。
大きな手から余すことなく撫で回してもらえたお陰で、すぐに止まったんだけれど。
確かに今までもバアルさんとの間に、到底敵わない力の差を感じてはいた。
それにしても、これ程までとは……確かに、話にならないな。的当てゲームでも対等かは怪しいレベルだ。バアルさんのサポートがあるとはいえ。
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