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【新婚旅行編】五日目:ズルい要望
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2つ目も、タイミングバッチリに現れたコルテによってあの巻物に、1つ目のルールの横に万年筆で刻まれた。
まだ話し合うんだから、ゆっくりしていってもいいのに。書き終えた途端に、コルテは自分の役目は済んだと言わんばかりに消えていってしまった。帰ってしまう前に、俺とバアルさんの前でくるくると踊るように飛んでから。
すぐに二人っきりになった室内には、変わらずに穏やかな静けさに満ちている。なのに、なんだか、そわそわしてしまっていた。
「あと、他に決めておかないといけないことは……」
とにもかくにも、ちゃんとルールを決めておいてしまわないと。そう思って切り出したものの、すぐにつまずいてしまっていた。
だって、上手くいきそうな気がするのだ。1つ目と2つ目のルールさえ、ちゃんと守って過ごしていれば。大抵の事態には対応出来る気がするのだ。
……となれば、後は。
「バアルさん、俺に対して何か……要望とかってあります? もっと、こうして欲しいとか……これはして欲しくないとか……」
残るは、お互いの気持ちの摺り合わせくらいだろう。バアルさんの場合、いつでも俺ファーストだったから、こういう機会にちゃんとホントの気持ちを聞いておかないと。
「要望、でございますか……」
彼の手の甲に、そっと重ねようとして気づかれた。触れる前に指先を恭しく取られて、持ち上げられる。
鮮やかな緑の瞳が俺を見つめている。柔らかく微笑む唇が、見せつけるよう口づけてくれる。ふわふわのお髭が、指先を撫でるように掠めていった。
「最たるものは、やはり末永くお元気で、笑顔で私の隣に居て下さること……でございますね」
……何だソレ、ズルい。
「っ……それだったら、俺だって! ずっとバアルさんには元気で居て欲しいっ……俺の一番側で、笑っていて欲しいです……」
「ふふ、お揃いでございますね」
「へへ……はいっ」
思いがけないお願いによって、一際大きく高鳴った鼓動はまだまだはしゃぎっぱなし。そればかりか、微かな欲が湧き上がってしまっていた。
ぎゅってして欲しい……キス、して欲しいな……
まだ、お話し合いの最中なのに。すぐ側に居てくれている長身に抱きつきたくて、あの逞しい腕の中でとびきり甘やかして欲しくて堪らない。
そわそわとこみ上げてきている欲求を、何とか押し留めようとしていたってのに。
「それから、して欲しいこと……でございますが」
「はい……」
「もっと、私めに甘えて頂きたい……もっと貴方様を甘やかさせて頂きたく存じます」
「っ……」
まさかのお願いに、思わず抱きつこうとしていた身体を叱咤する。何とか踏みとどまれたものの、跳ねるように身体を揺らしてしまっていた。
危なかった。もし、またさっきみたいにキスしてもらえちゃってたら、絶対にムリだった。そっちのけにしちゃうところだった。
すーはーすーは。深く吸って吐いてを繰り返して。それでも気持ちはスキップしっぱなしだけれども、何とか喋れる程度には、尋ねられるくらいには、復帰出来た。
挙動不審な俺を前にしても、バアルさんは何も言わない。真剣な表情のまま俺を見つめている。
「……も、もう、十分甘えさせてもらえているのに、ですか?」
なのに、もっとだなんて。
「足りません」
まだ話し合うんだから、ゆっくりしていってもいいのに。書き終えた途端に、コルテは自分の役目は済んだと言わんばかりに消えていってしまった。帰ってしまう前に、俺とバアルさんの前でくるくると踊るように飛んでから。
すぐに二人っきりになった室内には、変わらずに穏やかな静けさに満ちている。なのに、なんだか、そわそわしてしまっていた。
「あと、他に決めておかないといけないことは……」
とにもかくにも、ちゃんとルールを決めておいてしまわないと。そう思って切り出したものの、すぐにつまずいてしまっていた。
だって、上手くいきそうな気がするのだ。1つ目と2つ目のルールさえ、ちゃんと守って過ごしていれば。大抵の事態には対応出来る気がするのだ。
……となれば、後は。
「バアルさん、俺に対して何か……要望とかってあります? もっと、こうして欲しいとか……これはして欲しくないとか……」
残るは、お互いの気持ちの摺り合わせくらいだろう。バアルさんの場合、いつでも俺ファーストだったから、こういう機会にちゃんとホントの気持ちを聞いておかないと。
「要望、でございますか……」
彼の手の甲に、そっと重ねようとして気づかれた。触れる前に指先を恭しく取られて、持ち上げられる。
鮮やかな緑の瞳が俺を見つめている。柔らかく微笑む唇が、見せつけるよう口づけてくれる。ふわふわのお髭が、指先を撫でるように掠めていった。
「最たるものは、やはり末永くお元気で、笑顔で私の隣に居て下さること……でございますね」
……何だソレ、ズルい。
「っ……それだったら、俺だって! ずっとバアルさんには元気で居て欲しいっ……俺の一番側で、笑っていて欲しいです……」
「ふふ、お揃いでございますね」
「へへ……はいっ」
思いがけないお願いによって、一際大きく高鳴った鼓動はまだまだはしゃぎっぱなし。そればかりか、微かな欲が湧き上がってしまっていた。
ぎゅってして欲しい……キス、して欲しいな……
まだ、お話し合いの最中なのに。すぐ側に居てくれている長身に抱きつきたくて、あの逞しい腕の中でとびきり甘やかして欲しくて堪らない。
そわそわとこみ上げてきている欲求を、何とか押し留めようとしていたってのに。
「それから、して欲しいこと……でございますが」
「はい……」
「もっと、私めに甘えて頂きたい……もっと貴方様を甘やかさせて頂きたく存じます」
「っ……」
まさかのお願いに、思わず抱きつこうとしていた身体を叱咤する。何とか踏みとどまれたものの、跳ねるように身体を揺らしてしまっていた。
危なかった。もし、またさっきみたいにキスしてもらえちゃってたら、絶対にムリだった。そっちのけにしちゃうところだった。
すーはーすーは。深く吸って吐いてを繰り返して。それでも気持ちはスキップしっぱなしだけれども、何とか喋れる程度には、尋ねられるくらいには、復帰出来た。
挙動不審な俺を前にしても、バアルさんは何も言わない。真剣な表情のまま俺を見つめている。
「……も、もう、十分甘えさせてもらえているのに、ですか?」
なのに、もっとだなんて。
「足りません」
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