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★【新婚旅行編】五日目:いつも俺ばかりを優先してくれる、優しい彼からのお強請り
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乱れきっていた俺の呼吸が落ち着き始めても、温かい手のひらは俺の背中を撫で続けてくれていた。
着心地の良いジャケット越しでも、寄りかかり、抱き支えてもらえている彼の温もりが心地いい。
「あ……っ」
予告なく、尻の穴から優しく指を引き抜かれたものだから、思わず上擦った声を上げてしまっていた。
何も言わない彼の逞しい肩が僅かに震えた。抱き締めてもらえていた腕の力が緩んでいく。
「バア、ル……?」
やっと見ることが出来た彼の表情に、穏やかな微笑みはなかった。
渋いシワはより濃く刻まれ、緩やかなアーチを描いている眉は釣り上がっている。一心に俺を捉えている瞳は鋭く細められ、焦がれるような熱を宿している。
バアルが俺を求めてくれている。
「ね、バアル……俺も」
「宜しいでしょうか?」
喋ってくれたかと思えば、お願いしようとしていた俺の言葉を遮って、手を握ってきた。けれども、繋いでくれる訳じゃなかった。
「あ……」
そっと引かれて導かれたのは、彼の引き締まった太ももの間。触れさせてもらった彼のものは、ズボン越しでも分かるくらいに昂っている。考えていたことは同じだったみたい。
「また、貴方様からの御奉仕を賜りたく……」
腰に回されていた手が、頬に添えられた。ゆるゆると撫でてくれてから、しなやかな指先が唇を、その輪郭をなぞるように撫でていく。
片時も俺から離れない緑の瞳が、薄い涙の膜に覆われ揺れている。荒く短い吐息を漏らしながら願ってくれる声は、縋るようにどこか弱々しげで。
「貴方様の愛らしい御手と、可憐な唇で……貴方様の虜であるこの老骨めを、どうか慰めては頂けないでしょうか?」
「っ……うんっ、バアルに喜んでもらえるように、俺、頑張るね!」
すっかり俺は舞い上がってしまっていた。いつも俺ばかりを優先してくれる、優しい彼からのお強請りが嬉しくて、嬉しくて。
こういう時は情緒というか、ムードが大切なハズ。だというのに、俺は慌ただしくベルトに手をかけていた。ガッチャ、ガッチャ、と賑やかな音を鳴らしながら前を寛げられては、気が緩んでしまっても仕方がないだろう。
「ふふ……慌てないで、アオイ……ゆっくり御自身のペースでなされて良いのですから」
くすくすと微笑む彼に頭を撫でてもらって、ようやくだった。気持ちが先走り過ぎていることに気がつけたのは。
「あ……ご、ごめんなさい」
「いえ……誠に嬉しく存じておりますよ。私のお願いを、大変前向きに受け入れて頂けて……」
「あ、ぅ……と、とにかく、頑張りますからっ、俺」
「ええ……宜しくお願い致します」
別の意味でこみ上げてきた恥ずかしさを振り切って、俺は彼のズボンのジッパーに手をかけた。今度はゆっくりと、バアルがしてくれているみたいに焦らすように下ろしてみる。
けれども、すっかり和んでしまった様子の彼は、また擽ったそうな笑みをこぼすばかり。よく出来ましたねと言わんばかりに、よしよしと頭を撫でてくれた。嬉しいんだけれど、何だかなぁ。
納得がいかない気持ちは、膝立ちになっている彼のズボンを下ろした途端に吹っ飛んでいった。
しっかりと確認出来た彼のものは、大きく反り上がっている。ぐんと押し上げている黒い布地がなければ、縦に伸びたヘソを隠していることだろう。
色気漂う腰のくびれに結ばれている紐が、支えている布地は小さい。相変わらずどうやって収まっているのか不思議なくらいだ。あんなに太くて長いのに……って。
「……バアルも、穿いていてくれたの?」
「ええ。私も愛しい妻に喜んで頂きたかったものですから……いかがでしょうか?」
透明感のある白い頬が、ほんのりと桜色に染まっている。柔らかな微笑みには、僅かに緊張が滲んでいた。
「っ……カッコいいよ……スゴく嬉しい……」
「左様でございましたか……アオイに喜んで頂けて、私も嬉しいです……」
「バアル……」
まだ、始めさせてもらってもいないのに、くらくらしてしまう。カッコいい彼の可愛さに、心をきゅうきゅう締め付けられてしまう。
そんな場合じゃ。バアルに喜んでもらうんだから。俺がバアルを気持ちよくするんだから。
着心地の良いジャケット越しでも、寄りかかり、抱き支えてもらえている彼の温もりが心地いい。
「あ……っ」
予告なく、尻の穴から優しく指を引き抜かれたものだから、思わず上擦った声を上げてしまっていた。
何も言わない彼の逞しい肩が僅かに震えた。抱き締めてもらえていた腕の力が緩んでいく。
「バア、ル……?」
やっと見ることが出来た彼の表情に、穏やかな微笑みはなかった。
渋いシワはより濃く刻まれ、緩やかなアーチを描いている眉は釣り上がっている。一心に俺を捉えている瞳は鋭く細められ、焦がれるような熱を宿している。
バアルが俺を求めてくれている。
「ね、バアル……俺も」
「宜しいでしょうか?」
喋ってくれたかと思えば、お願いしようとしていた俺の言葉を遮って、手を握ってきた。けれども、繋いでくれる訳じゃなかった。
「あ……」
そっと引かれて導かれたのは、彼の引き締まった太ももの間。触れさせてもらった彼のものは、ズボン越しでも分かるくらいに昂っている。考えていたことは同じだったみたい。
「また、貴方様からの御奉仕を賜りたく……」
腰に回されていた手が、頬に添えられた。ゆるゆると撫でてくれてから、しなやかな指先が唇を、その輪郭をなぞるように撫でていく。
片時も俺から離れない緑の瞳が、薄い涙の膜に覆われ揺れている。荒く短い吐息を漏らしながら願ってくれる声は、縋るようにどこか弱々しげで。
「貴方様の愛らしい御手と、可憐な唇で……貴方様の虜であるこの老骨めを、どうか慰めては頂けないでしょうか?」
「っ……うんっ、バアルに喜んでもらえるように、俺、頑張るね!」
すっかり俺は舞い上がってしまっていた。いつも俺ばかりを優先してくれる、優しい彼からのお強請りが嬉しくて、嬉しくて。
こういう時は情緒というか、ムードが大切なハズ。だというのに、俺は慌ただしくベルトに手をかけていた。ガッチャ、ガッチャ、と賑やかな音を鳴らしながら前を寛げられては、気が緩んでしまっても仕方がないだろう。
「ふふ……慌てないで、アオイ……ゆっくり御自身のペースでなされて良いのですから」
くすくすと微笑む彼に頭を撫でてもらって、ようやくだった。気持ちが先走り過ぎていることに気がつけたのは。
「あ……ご、ごめんなさい」
「いえ……誠に嬉しく存じておりますよ。私のお願いを、大変前向きに受け入れて頂けて……」
「あ、ぅ……と、とにかく、頑張りますからっ、俺」
「ええ……宜しくお願い致します」
別の意味でこみ上げてきた恥ずかしさを振り切って、俺は彼のズボンのジッパーに手をかけた。今度はゆっくりと、バアルがしてくれているみたいに焦らすように下ろしてみる。
けれども、すっかり和んでしまった様子の彼は、また擽ったそうな笑みをこぼすばかり。よく出来ましたねと言わんばかりに、よしよしと頭を撫でてくれた。嬉しいんだけれど、何だかなぁ。
納得がいかない気持ちは、膝立ちになっている彼のズボンを下ろした途端に吹っ飛んでいった。
しっかりと確認出来た彼のものは、大きく反り上がっている。ぐんと押し上げている黒い布地がなければ、縦に伸びたヘソを隠していることだろう。
色気漂う腰のくびれに結ばれている紐が、支えている布地は小さい。相変わらずどうやって収まっているのか不思議なくらいだ。あんなに太くて長いのに……って。
「……バアルも、穿いていてくれたの?」
「ええ。私も愛しい妻に喜んで頂きたかったものですから……いかがでしょうか?」
透明感のある白い頬が、ほんのりと桜色に染まっている。柔らかな微笑みには、僅かに緊張が滲んでいた。
「っ……カッコいいよ……スゴく嬉しい……」
「左様でございましたか……アオイに喜んで頂けて、私も嬉しいです……」
「バアル……」
まだ、始めさせてもらってもいないのに、くらくらしてしまう。カッコいい彼の可愛さに、心をきゅうきゅう締め付けられてしまう。
そんな場合じゃ。バアルに喜んでもらうんだから。俺がバアルを気持ちよくするんだから。
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