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【新婚旅行編】九日目:とある王様の死角で起きるイベント
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私達が気付いた途端に戻った部屋の明るさにより、人影の正体が明らかになる。人物自体は予想通り。バアルであった。しかし、その身に纏う衣装は、いつかの彼の晴れ姿を思わせるもので。
「お待たせしてしまい、申し訳ございませんでした」
バアルは私達に向かって柔らかく微笑んでから、胸に手を当て頭を下げた。誠実でありながらも美しいお辞儀であった。
白というよりは明かりの加減によっては銀にも見える美しい髪は、普段よりも緩めに後ろへと撫でつけられている。
細められた緑の瞳よりも幾分か深い緑を基調とした衣装には、金の糸による装飾が襟元や袖や裾にあしらわれているが、決して飾り過ぎであるというには感じない。寧ろ元々バアルが持ち合わせている魅力をより引き立てている。彼が纏う雰囲気をより華やかに上品なものにしていた。
似合っている。似合っているのだが、シックな服を好む彼にしては珍しく華やかだ。どちらかといえば、アオイ殿に……アオイ殿は?
彼の隣にいつも寄り添うように居てくれているアオイ殿。その小柄で華奢な姿が、愛らしい笑顔を向けてくれる彼が今は居ない。だというのに、バアルは穏やかに微笑んでいる。
私達はただただバアルを見つめてしまっていた。だが、彼だけは違った。綺麗な笑みを浮かべているバアルへとごく普通に話しかけていたのだ。
「失礼ですがバアル様、アオイ様はどちらに?」
こういう時のレタリーは非常に頼もしい。尋ねたいが尋ねにくい雰囲気などお構い無しなマイペースっぷりには度々助けられ……ん?
何やらレタリーの手元がチカチカと瞬いている。真剣な彼の眼差しと同じ色をした黄緑色の輝き、静まり返っている室内に何の遠慮もなく響いているシャッター音。バアルに対して会釈はしているものの、手にしている投影石での撮影を止めはしない。
いや、本当に頼もし過ぎるな。確かに今のバアルの姿はしっかりと収めておくべき素敵さだとはいえ。
「いらっしゃいますよ。私めの後ろに」
どうやらバアルの後ろに隠れていたらしい。バアルがちらりと後ろを見てから内緒話をするような声で、アオイ、と呼べば、バアルの括れた腰の辺りから小さな手だけがおずおずと出てきた。
愛らしい。何やらおぼつかないその手の動きだけでも、アオイ殿がどのような表情をしているのか何となく分かってしまった。照れているのであろう。アオイ殿は照れ屋さんであるからな。
……む? しかし何故、今更、私達相手にバアルの後ろにかくれんぼさんする程に照れてしまう必要が?
私自身が出した答えに私自身が疑問を投げかける。そうして導き出された答えに、思わず私は声を大にしていた。
「もしや、アオイ殿もバアルとお揃いの衣装を? そちらのお披露目の為に斯様な形をとったのであるか!?」
ようやくだった。ようやく事前にレタリーが言っていたことと繋がった。何やら私に隠していたという素敵な写真と動画、その時と同じ格好をバアルが、アオイ殿がしてくれているということであろう!
「わ、ちょ……もうバレちゃったよ……どうしよ、ごめんねバアル、俺が出て行くタイミング逃しちゃ」
「ええ、バレてしまいましたね」
「ふぇ? わー……めっちゃ嬉しそうじゃん。ヨミ様が言い当ててくれてから?」
「そちらもバレてしまいましたか」
「ふふ、隠す気なかったクセに」
何やら愛らしいイベントが発生しているようであるのだが? よりにもよって私達の死角で!!
「お待たせしてしまい、申し訳ございませんでした」
バアルは私達に向かって柔らかく微笑んでから、胸に手を当て頭を下げた。誠実でありながらも美しいお辞儀であった。
白というよりは明かりの加減によっては銀にも見える美しい髪は、普段よりも緩めに後ろへと撫でつけられている。
細められた緑の瞳よりも幾分か深い緑を基調とした衣装には、金の糸による装飾が襟元や袖や裾にあしらわれているが、決して飾り過ぎであるというには感じない。寧ろ元々バアルが持ち合わせている魅力をより引き立てている。彼が纏う雰囲気をより華やかに上品なものにしていた。
似合っている。似合っているのだが、シックな服を好む彼にしては珍しく華やかだ。どちらかといえば、アオイ殿に……アオイ殿は?
彼の隣にいつも寄り添うように居てくれているアオイ殿。その小柄で華奢な姿が、愛らしい笑顔を向けてくれる彼が今は居ない。だというのに、バアルは穏やかに微笑んでいる。
私達はただただバアルを見つめてしまっていた。だが、彼だけは違った。綺麗な笑みを浮かべているバアルへとごく普通に話しかけていたのだ。
「失礼ですがバアル様、アオイ様はどちらに?」
こういう時のレタリーは非常に頼もしい。尋ねたいが尋ねにくい雰囲気などお構い無しなマイペースっぷりには度々助けられ……ん?
何やらレタリーの手元がチカチカと瞬いている。真剣な彼の眼差しと同じ色をした黄緑色の輝き、静まり返っている室内に何の遠慮もなく響いているシャッター音。バアルに対して会釈はしているものの、手にしている投影石での撮影を止めはしない。
いや、本当に頼もし過ぎるな。確かに今のバアルの姿はしっかりと収めておくべき素敵さだとはいえ。
「いらっしゃいますよ。私めの後ろに」
どうやらバアルの後ろに隠れていたらしい。バアルがちらりと後ろを見てから内緒話をするような声で、アオイ、と呼べば、バアルの括れた腰の辺りから小さな手だけがおずおずと出てきた。
愛らしい。何やらおぼつかないその手の動きだけでも、アオイ殿がどのような表情をしているのか何となく分かってしまった。照れているのであろう。アオイ殿は照れ屋さんであるからな。
……む? しかし何故、今更、私達相手にバアルの後ろにかくれんぼさんする程に照れてしまう必要が?
私自身が出した答えに私自身が疑問を投げかける。そうして導き出された答えに、思わず私は声を大にしていた。
「もしや、アオイ殿もバアルとお揃いの衣装を? そちらのお披露目の為に斯様な形をとったのであるか!?」
ようやくだった。ようやく事前にレタリーが言っていたことと繋がった。何やら私に隠していたという素敵な写真と動画、その時と同じ格好をバアルが、アオイ殿がしてくれているということであろう!
「わ、ちょ……もうバレちゃったよ……どうしよ、ごめんねバアル、俺が出て行くタイミング逃しちゃ」
「ええ、バレてしまいましたね」
「ふぇ? わー……めっちゃ嬉しそうじゃん。ヨミ様が言い当ててくれてから?」
「そちらもバレてしまいましたか」
「ふふ、隠す気なかったクセに」
何やら愛らしいイベントが発生しているようであるのだが? よりにもよって私達の死角で!!
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