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【新婚旅行編】十日目:予想通り、後、拍子抜け
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予想は的中した。
今までの仕掛けと同様に今回も俺達は条件をクリアしたのだろう。石造りの扉がその重たい口を開け始めていた。
バアルが小さく息を吐く。釣り上がっていた眉も緩やかなアーチへと戻っていた。
「どうやら、正解だったようですね」
「うん。音がした時は間違えちゃったのかなって思ったけど」
「ええ」
正解の音だったんだろう。そうとは知らずに身構えちゃったな。宝玉を取った時とは明らかに違う音だったなってのは分かってはいたけれども。
次の部屋は、前の部屋みたいに分かりやすい仕掛けはなかった。
でも変わってはいた。今までの部屋の中で一番狭い。入ってから数歩進めばもう壁に行く手を遮られてしまう。それは、まぁ、いい。ただ問題なのは。
どこにも扉が見当たらなかったことだ。
唯一あったのは横に長い石造りの台座だけ。おれの腰よりも高さのあるそこには、見覚えのある宝玉が三つ並んでいた。
左から赤、黄、青。黄色と青の間には、いかにも他に宝玉があったかのような不自然な空きがあった。それも、三つの宝玉と同じようにちゃんと転がらないで置けるような作りになっている。
左右の壁にも、台座とくっついた形になっている前の壁にも、ヒントとなるような文章は彫られてはいない。出すまでもないってことなんだろうか。それじゃあ、もう答えは出たようなもんだろう。
「バアルっ」
いつもの不思議なスペースから取り出してくれていたんだろう。バアルの手にはすでに黒の宝玉が握られていた。
「ええ、此方の宝玉の出番のようでございますね」
「うんっ、早速置いてみてもいいかな?」
待ちき切れずに手を出せば、バアルは微笑ましそうに瞳を細めながら黒い宝玉を手渡してくれた。
見ていると吸い込まれてしまいそうな魅力を放つお宝に、コルテも興味津々のようだ。俺の手元近くに寄ってきて、そのつぶらな目でじっと見つめている。
「じゃあ、置いてみるね?」
「ええ、お願い致します」
コルテも同意してくれているかのように、ぴるるっと羽を鳴らす。バアルとコルテを交互に見つめてから俺は開いているスペースに、本来宝玉が置かれていたであろう場所へとツルツルとした冷たい黒をそっと戻した。
胸が高鳴る楽しさに、少しだけ緊張が混ざったような不思議な感覚。宝玉を手放してからすぐは、それらが右肩上がりになっていた。
でも、だんだんと下がっていってしまう。拍子抜けしてしまっていた。だって、何にも起きる気配がないのだ。てっきり、隠されていた出入り口でも現れるのかと思っていたのに。コルテの羽も、バアルの触角も何だかしょんぼりしてしまっている。
「……違うのかな?」
「……ですが、宝玉の種類は他の三つと同じ物かと」
「んー……じゃあ、ここに置くこと自体は合ってるっぽいよね? 色合いが合わない気もするけど」
「ふむ……私達が見落としてしまっているだけで、何処かにヒントがあるのやもしれません」
「そうだね。探してみようか」
そうと決まれば、先ずはいかにもな台座から。やっぱり此方も今まで散々見た幾何学的な模様が刻まれている。
「文字っぽいものは、と……」
「此方など、どうでしょう?」
一歩下がった位置から台座を見つめていたバアルが指し示したのは台座の縁だった。
子供の目線であればすぐに見つけられそうな、俺だと少ししゃがまないと視線が合わない位置。そこには確かに様々な模様が細かく刻まれてはいるのだけれども。
「えっと……」
台座の側でしゃがんだまま、バアルが教えてくれた模様を目で左から右へと何度も何度もなぞってみた。けれども、やっぱりこの遺跡特有の模様にしか見えない。一体何処に文字が?
今までの仕掛けと同様に今回も俺達は条件をクリアしたのだろう。石造りの扉がその重たい口を開け始めていた。
バアルが小さく息を吐く。釣り上がっていた眉も緩やかなアーチへと戻っていた。
「どうやら、正解だったようですね」
「うん。音がした時は間違えちゃったのかなって思ったけど」
「ええ」
正解の音だったんだろう。そうとは知らずに身構えちゃったな。宝玉を取った時とは明らかに違う音だったなってのは分かってはいたけれども。
次の部屋は、前の部屋みたいに分かりやすい仕掛けはなかった。
でも変わってはいた。今までの部屋の中で一番狭い。入ってから数歩進めばもう壁に行く手を遮られてしまう。それは、まぁ、いい。ただ問題なのは。
どこにも扉が見当たらなかったことだ。
唯一あったのは横に長い石造りの台座だけ。おれの腰よりも高さのあるそこには、見覚えのある宝玉が三つ並んでいた。
左から赤、黄、青。黄色と青の間には、いかにも他に宝玉があったかのような不自然な空きがあった。それも、三つの宝玉と同じようにちゃんと転がらないで置けるような作りになっている。
左右の壁にも、台座とくっついた形になっている前の壁にも、ヒントとなるような文章は彫られてはいない。出すまでもないってことなんだろうか。それじゃあ、もう答えは出たようなもんだろう。
「バアルっ」
いつもの不思議なスペースから取り出してくれていたんだろう。バアルの手にはすでに黒の宝玉が握られていた。
「ええ、此方の宝玉の出番のようでございますね」
「うんっ、早速置いてみてもいいかな?」
待ちき切れずに手を出せば、バアルは微笑ましそうに瞳を細めながら黒い宝玉を手渡してくれた。
見ていると吸い込まれてしまいそうな魅力を放つお宝に、コルテも興味津々のようだ。俺の手元近くに寄ってきて、そのつぶらな目でじっと見つめている。
「じゃあ、置いてみるね?」
「ええ、お願い致します」
コルテも同意してくれているかのように、ぴるるっと羽を鳴らす。バアルとコルテを交互に見つめてから俺は開いているスペースに、本来宝玉が置かれていたであろう場所へとツルツルとした冷たい黒をそっと戻した。
胸が高鳴る楽しさに、少しだけ緊張が混ざったような不思議な感覚。宝玉を手放してからすぐは、それらが右肩上がりになっていた。
でも、だんだんと下がっていってしまう。拍子抜けしてしまっていた。だって、何にも起きる気配がないのだ。てっきり、隠されていた出入り口でも現れるのかと思っていたのに。コルテの羽も、バアルの触角も何だかしょんぼりしてしまっている。
「……違うのかな?」
「……ですが、宝玉の種類は他の三つと同じ物かと」
「んー……じゃあ、ここに置くこと自体は合ってるっぽいよね? 色合いが合わない気もするけど」
「ふむ……私達が見落としてしまっているだけで、何処かにヒントがあるのやもしれません」
「そうだね。探してみようか」
そうと決まれば、先ずはいかにもな台座から。やっぱり此方も今まで散々見た幾何学的な模様が刻まれている。
「文字っぽいものは、と……」
「此方など、どうでしょう?」
一歩下がった位置から台座を見つめていたバアルが指し示したのは台座の縁だった。
子供の目線であればすぐに見つけられそうな、俺だと少ししゃがまないと視線が合わない位置。そこには確かに様々な模様が細かく刻まれてはいるのだけれども。
「えっと……」
台座の側でしゃがんだまま、バアルが教えてくれた模様を目で左から右へと何度も何度もなぞってみた。けれども、やっぱりこの遺跡特有の模様にしか見えない。一体何処に文字が?
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