アフロ神の休日

なおちか

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ロマンスの宇宙

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「それで、用件はなんじゃ?」神様は天使に聞いた。

「実は、そちらまで行こうとしたのですが、こいつが狭い所が嫌だと言い出しまして」天使がそう言って横に動くと1人の男が立っていた。

「ロマンス!」神様はその人物を見て声を上げた。

「すまない。ワシは閉所恐怖症なんじゃ」ロマンスは眉を八の字にして言った。

「閉所って、あれは小屋じゃぞ。そんなに狭くはないじゃろうが」神様は言う。

「でも、ワシの寝室の100分の1くらいしかないから・・・」

「ワシの宮殿より寝室がでかいんじゃが・・・」

「まぁ、大きければ良いという事でも無いと思いますよ」天使は穏やかに言った。

「うむ。そう、そうじゃな。ところで、ロマンスはなぜ来たんじゃ?」

「そうでした。実は、私が意気揚々と戦に赴いた時には、すでにロマンスの宇宙は攻撃されていまして」天使は説明を始めた。

「攻撃?誰にじゃ」神様は質問した。

「デビールじゃ」とロマンス。

「デビール。最近大人しかったはずだが」

「戦える態勢を整えていたのでしょう。奴の宇宙規模はこちらの約6割。ロマンスの宇宙を取り込まれますと、こちらとほぼ同じ規模になります」天使は続ける。

それを聞いたロマンスは、神様の近くまで駆け寄った。「それだけは阻止したいんじゃ!あいつは卑怯者じゃ!何の便りも無くいきなり攻撃してきおった!」

「このままいけば取り込まれるのも時間の問題かと」横から天使が言う。

「うむぅ。我が宇宙にも危険な状況になるかもしれんな」神様は唸った。

「危険って!あの、どうなると取り込まれるんですか?」黙っていたカッパが慌てながら聞いた。

「宇宙全体にある、生物が住んでいない星の半分以上を破壊されると吸収されることになり、ロマンスの宇宙はもうすでに4割が破壊されています」天使が答えた。

「ギリギリじゃないですか!」宇宙人も驚き声を発する。

「そう。あと1割破壊されれば、ロマンスは神の力を封印され、デビールのしもべとなる。そして、全ての星もデビールの管理下に置かれることになります」天使は続けた。

「ワシがどうなろうがそんな事はどうでもいいんじゃ!だが、あいつに星を取られるのはどうしてもダメなんじゃ!」ロマンスは訴える。

「確かにデビールは、過去に奪ったいくつかの綺麗な星を、たった数千年で生物の住めない劣悪な環境の星に変えています」天使は腕を組んだ。

「頼む。なんとかしてもらえないじゃろうか。1つだけだが、命が宿り、豊かで美しい星もあるんじゃ。そこに住む者達には何の罪もない。これからもっと生物も増え、発展していくはずの星なんじゃ」ロマンスは神様に頭を下げて訴えた。

「確かに、ロマンスの宇宙を取り込まれるのはワシらとしても脅威じゃ」神様はヒゲを触った。

「しかし、今からではさすがに間に合わないかと」天使は少し眉間にシワを寄せた。

「うむ・・・」神様はヒゲを触りながら少し考え込んだ。
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