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かき氷
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洸は数分間泳ぎ回るとプールから出て、プールサイドに上がった。
「もう、水も怖くないよ」そう俺に笑いかけ、洸は両手でプールの水をすくって自分の顔にかけた。
すると、洸の前髪が濡れて「うわっ」と洸は声を上げ、両手で顔をゴシゴシと拭き水を落とした。洸は驚いていたが俺も驚いたよ。生きている世界の物を触る事が出来るとは思っていなかったから。
洸がすくった場所を見ると、すくった分くらいが黒くなっていて、その黒い水はプールの水に紛れて消えていった。プールの中でおしっこをしてもバレないような感じで。
何が起きたのかよくわからなかったけど、洸は普通にしていたので、俺もあまり深く考えない事にした。
それから俺たちは遊園地に向かった。
こちらも多くの人で賑わっていて、楽しい声が園内に響きわたっている。観覧車やメリーゴーランド、フリーウォールなどがあり、どれも楽しそうだった。
まずはあれがいいと洸が言うので、ジェットコースターが向かってくるレールの上に立つ遊びをやった。
洸は、飛行機が体を透けていった体験が相当気に入ったようだ。
それを何度か繰り返し、次に俺はお化け屋敷に行こうと提案した。お化けがお化け屋敷に入るっていうのが面白そうだったからだ。洸は少し怖そうにしていたがついて来た。
何も面白くなかった。
待機しているお化けを見るだけで何も驚く事が無かったからだ。でも、雰囲気は楽しめたと思う事にした。ちなみに洸はその雰囲気だけでも十分怖がってた。
お化け屋敷から出ると、洸はかき氷が食べたいと言った。
幽霊がかき氷は食べれないと思ったけど、洸は水に触れた。その事を思い出し、俺たちはいくつかの店が集まる場所に行った。
白くて丸いテーブルがいくつかある小さなフードコートのような場所。
団扇や扇子であおぎながら汗をぬぐう親たちと、アイスを笑顔で食べたりジュースを美味しそうに飲む子供たちで席は埋まっていた。
そんな様子を見ながら歩いていると、「氷」と書かれた氷旗をぶらさげている店を見つけた。
店の前まで行くと涼しさを求めた人たちが並んでいて、ガガガガっと氷を削る音が響いている。
赤、青、黄、緑とカラフルなシロップが並び、首にタオルをかけたおじさんが、かき氷に先端がスプーンになったストローを刺して提供していた。
俺たちはテンポ良くかき氷が販売されるところをボーっと眺めていた。すると、洸が動き出した。新しく出来上がり、ストローが刺されたばかりのかき氷に手を伸ばし掴んだ。
すると洸はかき氷を手にする事が出来ていて、こちらに嬉しそうに戻って来た。俺は、洸が一口食べたのを見てから、本物のかき氷がどうなっているのかが気になったので少し近付いて確認した。
かき氷は紙の器とストローだけになっていて、中身が無くなり空っぽになっていた。しかも、器とストローは古くボロボロになっていて、もう何年も前に捨てられたゴミみたいだった。
順番を待っていたお客さんが驚きの声を上げ、お金のやりとりに集中していたおじさんはその声で異変に気付いたようだった。
作ったばかりのかき氷がなくなったどころか、器やストローがゴミのように汚れボロボロになっている。理解できない現象だろう。
でも、きっと洸がかき氷を取った事が影響している。プールの水が黒くなったのもきっと同じ事だ。洸も気付いてないと思う。俺はおじさんに「ごめんよ」と心の中で謝った。
おじさんは驚き続けてるわけにはいかないので、またすぐにかき氷を作り始めた。俺は洸の所へ戻り「美味しいか?」と聞いた。
「うん!」と洸は笑って答え、「セミさんも食べる?」と聞いて来たので、少し食べてみる事にした。
ストローの先端に少しだけ乗ったかき氷、口を刺してみるとしっかりと感触があった。冷たく甘いかき氷。これは本当なのか、記憶が温度と味を思い出しているのかわからなかった。
それでも、俺はかき氷を感じたし、洸は美味しいと笑っている。それは本当だ。おじさんとお客さんには悪い事しちゃったけど、また1つ俺たちは夏休みを楽しんだ。
「もう、水も怖くないよ」そう俺に笑いかけ、洸は両手でプールの水をすくって自分の顔にかけた。
すると、洸の前髪が濡れて「うわっ」と洸は声を上げ、両手で顔をゴシゴシと拭き水を落とした。洸は驚いていたが俺も驚いたよ。生きている世界の物を触る事が出来るとは思っていなかったから。
洸がすくった場所を見ると、すくった分くらいが黒くなっていて、その黒い水はプールの水に紛れて消えていった。プールの中でおしっこをしてもバレないような感じで。
何が起きたのかよくわからなかったけど、洸は普通にしていたので、俺もあまり深く考えない事にした。
それから俺たちは遊園地に向かった。
こちらも多くの人で賑わっていて、楽しい声が園内に響きわたっている。観覧車やメリーゴーランド、フリーウォールなどがあり、どれも楽しそうだった。
まずはあれがいいと洸が言うので、ジェットコースターが向かってくるレールの上に立つ遊びをやった。
洸は、飛行機が体を透けていった体験が相当気に入ったようだ。
それを何度か繰り返し、次に俺はお化け屋敷に行こうと提案した。お化けがお化け屋敷に入るっていうのが面白そうだったからだ。洸は少し怖そうにしていたがついて来た。
何も面白くなかった。
待機しているお化けを見るだけで何も驚く事が無かったからだ。でも、雰囲気は楽しめたと思う事にした。ちなみに洸はその雰囲気だけでも十分怖がってた。
お化け屋敷から出ると、洸はかき氷が食べたいと言った。
幽霊がかき氷は食べれないと思ったけど、洸は水に触れた。その事を思い出し、俺たちはいくつかの店が集まる場所に行った。
白くて丸いテーブルがいくつかある小さなフードコートのような場所。
団扇や扇子であおぎながら汗をぬぐう親たちと、アイスを笑顔で食べたりジュースを美味しそうに飲む子供たちで席は埋まっていた。
そんな様子を見ながら歩いていると、「氷」と書かれた氷旗をぶらさげている店を見つけた。
店の前まで行くと涼しさを求めた人たちが並んでいて、ガガガガっと氷を削る音が響いている。
赤、青、黄、緑とカラフルなシロップが並び、首にタオルをかけたおじさんが、かき氷に先端がスプーンになったストローを刺して提供していた。
俺たちはテンポ良くかき氷が販売されるところをボーっと眺めていた。すると、洸が動き出した。新しく出来上がり、ストローが刺されたばかりのかき氷に手を伸ばし掴んだ。
すると洸はかき氷を手にする事が出来ていて、こちらに嬉しそうに戻って来た。俺は、洸が一口食べたのを見てから、本物のかき氷がどうなっているのかが気になったので少し近付いて確認した。
かき氷は紙の器とストローだけになっていて、中身が無くなり空っぽになっていた。しかも、器とストローは古くボロボロになっていて、もう何年も前に捨てられたゴミみたいだった。
順番を待っていたお客さんが驚きの声を上げ、お金のやりとりに集中していたおじさんはその声で異変に気付いたようだった。
作ったばかりのかき氷がなくなったどころか、器やストローがゴミのように汚れボロボロになっている。理解できない現象だろう。
でも、きっと洸がかき氷を取った事が影響している。プールの水が黒くなったのもきっと同じ事だ。洸も気付いてないと思う。俺はおじさんに「ごめんよ」と心の中で謝った。
おじさんは驚き続けてるわけにはいかないので、またすぐにかき氷を作り始めた。俺は洸の所へ戻り「美味しいか?」と聞いた。
「うん!」と洸は笑って答え、「セミさんも食べる?」と聞いて来たので、少し食べてみる事にした。
ストローの先端に少しだけ乗ったかき氷、口を刺してみるとしっかりと感触があった。冷たく甘いかき氷。これは本当なのか、記憶が温度と味を思い出しているのかわからなかった。
それでも、俺はかき氷を感じたし、洸は美味しいと笑っている。それは本当だ。おじさんとお客さんには悪い事しちゃったけど、また1つ俺たちは夏休みを楽しんだ。
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