1 / 1
また僕を一目惚れしてくれる?
しおりを挟む
産まれたのは暑い日だった。らしい。産まれた時の記憶なんて無いし、なんならさっき何処で昼寝していたのかも思い出せない。もうすぐその季節が来るようで、網戸を抜けてくる風が柔らかくてツンツンはもう無い。同時に今は雨の匂いも感じるから、きっともうすぐ降り出すのだろう。
エリはきっと慌てて洗濯物を取り込む。そのバタバタした感じが好きだ。普段はのんびりしてソファーでゴロゴロしている事が多いけど、洗濯物を取り込む時と遅刻しそうな時は顔が面白くなる。
トン。トン・・・トン、トン。トットットットッ。そら来た。屋根や手すりに当たる雨の音はなんだか落ち着く。対照的にエリは面白い顔だ。邪魔だけはしないようにベッドの上に避難しておく。これくらいはお手伝いしないと。
一緒に住むようになってからどれくらいの月日が経っただろうか。一目惚れしたと言ってくれたエリは、たぶん今も僕に惚れてる。「ほれたらまけ」と電話でエリが話しているのを聞いたことがある。僕は勝っているみたいだ。実感はないけど。
エリがいた部屋の窓が開いてる。閉めてから洗濯物を取り込めばいいのに。雨が入ってきちゃう。まったく。ここは僕の出番ですね。何も言わず、気付かれずに閉める。これが男ってもんだな。うん。
少し濡れたみたいだけど、洗濯物は無事だったようだ。顔はいつもの表情に戻っている。布団とかを干してなくて良かったし、日課のデートに行ってなくて良かった。慌ててるエリは好きだけど、落ち込んだりショックを受けてるエリは見たくない。
夕飯は簡単な物でいい。たまに手の込んだものを出してくれるけど、割と同じ物を食べ続けてもいけるタイプだから。でも、料理している時の少し俯いた横顔が好き。髪の毛が耳元から落ちてる感じがいいんだ。寝転がってそれを眺めるのが趣味みたいなところがあるんだよね。
ボーっと1つを眺めていると勝手に頭が何かを考え出すのはなぜなんだろう。色々忘れるくせに、色々あっちこっち行っちゃって。そういえば、魂というのがあるらしい。TVで見たんだ。それは、前世と来世にも繋がってるって。仲良しの魂とはずっと一緒にいるって。だから僕は、前世もエリと一緒だったはずで、来世も一緒になるはず。
でも1つ悩みがあるんだ。ヒロの存在だ。ヒロはエリと仲良しだ。家にもよく来る。ヒロはいい奴だよ?僕の頭を撫でてくれるし。でもさ、エリが僕だけに構ってくれなくなるのがちょっと嫌なんだよな。いつもベッタリしたい訳じゃないけど、くっつきたい時に2人が楽しそうにしてると割り込めないわけ。ほら、僕ってそういうとこあるから。
そんで、魂の話に戻るけど、今の僕はこんなに可愛いからエリは好きになってくれてるけど、もし来世になって僕がカッコ良くない人間に産まれたら、また僕を一目惚れしてくれるかな?それが不安なんだ。恋人ってやつはきっとヒロがまたなる。それは仕方ないって思うよ。欲張らないのが幸せの秘訣だって。でもそうなると僕はエリの側にはいられないかもしれない。それは嫌だよ。
それなら僕はまた、ガラス越しに君と出会いたい。
エリはきっと慌てて洗濯物を取り込む。そのバタバタした感じが好きだ。普段はのんびりしてソファーでゴロゴロしている事が多いけど、洗濯物を取り込む時と遅刻しそうな時は顔が面白くなる。
トン。トン・・・トン、トン。トットットットッ。そら来た。屋根や手すりに当たる雨の音はなんだか落ち着く。対照的にエリは面白い顔だ。邪魔だけはしないようにベッドの上に避難しておく。これくらいはお手伝いしないと。
一緒に住むようになってからどれくらいの月日が経っただろうか。一目惚れしたと言ってくれたエリは、たぶん今も僕に惚れてる。「ほれたらまけ」と電話でエリが話しているのを聞いたことがある。僕は勝っているみたいだ。実感はないけど。
エリがいた部屋の窓が開いてる。閉めてから洗濯物を取り込めばいいのに。雨が入ってきちゃう。まったく。ここは僕の出番ですね。何も言わず、気付かれずに閉める。これが男ってもんだな。うん。
少し濡れたみたいだけど、洗濯物は無事だったようだ。顔はいつもの表情に戻っている。布団とかを干してなくて良かったし、日課のデートに行ってなくて良かった。慌ててるエリは好きだけど、落ち込んだりショックを受けてるエリは見たくない。
夕飯は簡単な物でいい。たまに手の込んだものを出してくれるけど、割と同じ物を食べ続けてもいけるタイプだから。でも、料理している時の少し俯いた横顔が好き。髪の毛が耳元から落ちてる感じがいいんだ。寝転がってそれを眺めるのが趣味みたいなところがあるんだよね。
ボーっと1つを眺めていると勝手に頭が何かを考え出すのはなぜなんだろう。色々忘れるくせに、色々あっちこっち行っちゃって。そういえば、魂というのがあるらしい。TVで見たんだ。それは、前世と来世にも繋がってるって。仲良しの魂とはずっと一緒にいるって。だから僕は、前世もエリと一緒だったはずで、来世も一緒になるはず。
でも1つ悩みがあるんだ。ヒロの存在だ。ヒロはエリと仲良しだ。家にもよく来る。ヒロはいい奴だよ?僕の頭を撫でてくれるし。でもさ、エリが僕だけに構ってくれなくなるのがちょっと嫌なんだよな。いつもベッタリしたい訳じゃないけど、くっつきたい時に2人が楽しそうにしてると割り込めないわけ。ほら、僕ってそういうとこあるから。
そんで、魂の話に戻るけど、今の僕はこんなに可愛いからエリは好きになってくれてるけど、もし来世になって僕がカッコ良くない人間に産まれたら、また僕を一目惚れしてくれるかな?それが不安なんだ。恋人ってやつはきっとヒロがまたなる。それは仕方ないって思うよ。欲張らないのが幸せの秘訣だって。でもそうなると僕はエリの側にはいられないかもしれない。それは嫌だよ。
それなら僕はまた、ガラス越しに君と出会いたい。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
初恋の人と再会したら、妹の取り巻きになっていました
山科ひさき
恋愛
物心ついた頃から美しい双子の妹の陰に隠れ、実の両親にすら愛されることのなかったエミリー。彼女は妹のみの誕生日会を開いている最中の家から抜け出し、その先で出会った少年に恋をする。
だが再会した彼は美しい妹の言葉を信じ、エミリーを「妹を執拗にいじめる最低な姉」だと思い込んでいた。
なろうにも投稿しています。
番など、今さら不要である
池家乃あひる
恋愛
前作「番など、御免こうむる」の後日談です。
任務を終え、無事に国に戻ってきたセリカ。愛しいダーリンと再会し、屋敷でお茶をしている平和な一時。
その和やかな光景を壊したのは、他でもないセリカ自身であった。
「そういえば、私の番に会ったぞ」
※バカップルならぬバカ夫婦が、ただイチャイチャしているだけの話になります。
※前回は恋愛要素が低かったのでヒューマンドラマで設定いたしましたが、今回はイチャついているだけなので恋愛ジャンルで登録しております。
友人の結婚式で友人兄嫁がスピーチしてくれたのだけど修羅場だった
海林檎
恋愛
え·····こんな時代錯誤の家まだあったんだ····?
友人の家はまさに嫁は義実家の家政婦と言った風潮の生きた化石でガチで引いた上での修羅場展開になった話を書きます·····(((((´°ω°`*))))))
~春の国~片足の不自由な王妃様
クラゲ散歩
恋愛
春の暖かい陽気の中。色鮮やかな花が咲き乱れ。蝶が二人を祝福してるように。
春の国の王太子ジーク=スノーフレーク=スプリング(22)と侯爵令嬢ローズマリー=ローバー(18)が、丘の上にある小さな教会で愛を誓い。女神の祝福を受け夫婦になった。
街中を馬車で移動中。二人はずっと笑顔だった。
それを見た者は、相思相愛だと思っただろう。
しかし〜ここまでくるまでに、王太子が裏で動いていたのを知っているのはごくわずか。
花嫁は〜その笑顔の下でなにを思っているのだろうか??
うっかり結婚を承諾したら……。
翠月るるな
恋愛
「結婚しようよ」
なんて軽い言葉で誘われて、承諾することに。
相手は女避けにちょうどいいみたいだし、私は煩わしいことからの解放される。
白い結婚になるなら、思う存分魔導の勉強ができると喜んだものの……。
実際は思った感じではなくて──?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる