身代わりの身、捕らわれの身?

カヨワイさつき

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第36話 後悔

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アラン目線

チマリは、ちゃんと食べてるだろうか?
ちゃんと、眠れているだろうか?
俺は、無実の罪なのに、殺人未遂も、
監禁もしていない。
ストルグ王子は、どうゆうつもりだ?
今日で、何日経ったのだろうか?
足枷、手枷をつけられて、
日の差し込まない、地下牢。
まさか、俺が放り込まれるとはな。
夢にも思わなかった。

地下牢は、殺人、強盗、強姦など
犯した罪人が入る、ほぼ終身刑、
死を待つ牢屋、檻のお墓だった。
カビや、糞尿、死臭、腐敗臭。
匂いがキツイどころではない、口呼吸しても、まとわりつくような匂いだった。
地下牢。
半日から、一日居るだけでも、
ほとんどのものが、
発狂するか、自白して、
罪をみとめてしまう場所だった。

暗闇になれた目で、壁の方に向き直り、
自分自身の、一生を振り返っていた。
心残りは、チマリかな。
チマリだけは、幸せになってほしい。
自分が、幸せにしたかった。
比較的、罪人の埋まりが、少ない檻のお墓だった。
俺は、力を振り絞り、むき出しの土の地面に、直接、寝転び、仰向けになった。
俺も、盛り土の一部になるんだろうな。
アランは、暗闇の中、目を閉じた。

チマリ目線

アラン隊長が、拘束されて6日。
食事を拒否し、アラン隊長の無実を
訴えていたけど、聞き入れてくれなかった。
また、ベッドから、起き上がるのも、
話すのも、疲れてしまった。
チマリも、誰に何を話しかけられても、
答えることはなかった。

リマーユ王子

ストルグ王子に、アラン隊長は、
チマリの出生を調べるから、城を
出ていると、言われていた。
アラン隊長より、早く出生の秘密、
確実な証拠を見つけてやると思い、
城を抜け出した。
城の抜け道から、チマリが、いた
村はずれの家に、来ていた。
家の周りには、草が生え、見張りがいた。
「考えつく奴は、いるし、普通は、
手を回すよな。ハハハ。」

荒れたボロ家には、入れそうになかった。
教会。教会でなら、何か、知らないかな?
見張りはいたが、熱心な見張りでは
なかったのと、協会に来る者のほとんどが、
頭に布をかけたり、巻いていたりしていた。
俺は、怪しくなり過ぎない程度に、
手持ちの布を巻き、堂々と正面から、
入った。
一通りのミサが、終わり、個室のお悩み室、
懺悔する部屋に行った。

座った状態で、顔が見えない低い位置に
くり抜きの板の、窓があった。
板の向こう側に、誰かが、座る気配がした。
しばらく、向こう側の人も、俺も
話さなかった。

何を聞こうとしたんだろうか?
証拠があっても、なくても、
なぜ、チマリは、あの場所から
動かないんだ?
また、食事もとってないらしい。
アランも、アランで、なんで
そばにいないんだ。
「悩んでる気がしましたが、気のせいでした。」
「助けなければならない人が、
いるので、失礼します。」

ガタッ。
ん?

抜け道から、城に戻ると、騒がしかった。
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