不幸体質の私、トリップ先は○○ですか?!強面男性と童顔女性の物語。

カヨワイさつき

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快適な暮らし

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ゆりは、考えていた。

こんな快適な生活、お姫様扱いは
今までにないくらいすごい出来事だらけで
驚きを通り越していた。
ミーナ様じゃなくて"さん"や執事のゼルンさん、
あと、名前教えてもらえてないけど
メイドさん達は、いつもニコニコしていて
怖いくらい優しい。
ドレスも手作りで、全部着れるかなって
思うくらいの衣装持ちになってしまった。

ここでうっかり、「これ、可愛い。」
とかニコニコしながら、小物や靴
ドレスを見てはいけない。
悟られると、翌日には似たような
モノが数点増えている。
同じようにしか見えないドレスや小物が
エンドレスに増えていく。

あと最近気づいた事なんだけど、
自分の鈍感差に今更ながらに焦った。
とあるメイドさんの言葉で気づいた。

「まあ、すごくお似合いですわ。うちの
娘のお下がりですが置いてて良かったわ。」
「娘さんがいるんですね。お若いのに。」
「あら、やだぁ。ゆり様ったら。
私もうすぐ30歳なんですよ。娘はもう
14歳ですし、ゆり様と同じくらいですわ。」
30歳で14歳の娘持ち……。
私と5歳しか違わないのに。

この世界の成人は15歳。
魔力が強ければ、10歳以上なら
特別に成人扱いにされるそうだ。
そういえば長官は、16歳の姿のまま100歳を
超えているらしい。魔力により
若く保てる場合があるらしい。

成人後、結婚するのは当たり前で
お見合いパーティー的な成人式が
あちこちで開催されるそうだ。
このメイドさんは、幼なじみと
結婚したそうだ…。結婚……。
考えた事がないと言ったら嘘に
なるけど、諦めというか、相手が
いなかったから、考えようがなかった。

この世界では、25歳の独身の私は
かなり行き遅れかもしれない。

昔から童顔だとは思っていたが、
14歳の娘さんのドレスがぴったり
ってちょっと複雑。
しかもヒザ丈。
これは完ぺきな子ども服だそうだ。

大人はくるぶしまで隠れるスカート、
主にワンピースドレスを着るのが
一般的らしい。

しかも私は、少女かお嬢様呼びされる。
訂正したけど、皆様は笑顔でスルー
されてしまう。
しかも未だに、ヒザ丈のドレス。
頭は、複雑に編み上げたり、
付け毛をしたりして髪飾りをたくさん
ついた頭。メイドさんが楽しそうに
いつも結ってくれるから気づかなかった。
髪が短い=1、修道女、2、罪人、あとは、
3、ひどい扱いを受け、髪の毛を無残に
切られてしまった被害者。
私は、その3番目だと思われていたらしい。

私の髪を結ってくれたメイドさんに
「髪のばそうかなぁ。」
って呟いたら、大号泣されてしまった。
「お辛かったでしょう。何があったか
ご主人様もおっしゃられないけど、
ここでは何も心配ございません。」
って言われてしまった。
次々に泣くメイド達。
変に甘やかされる私。
「……。」
私が25歳独身、髪の毛はセミロング、
ちゃんと自分の意思で美容室で
切って貰ったんだとは言えなかった。

ペットとして頂いた食材だった"ウサモル"
薄黄色い子は、れもん。
薄ピンクの子は、もも。
クリーム色の子は、ゆき。
名前付けをし、手のひらサイズだった
この子たちは、今では60センチの
大きさになっている。
ふわふわ、もこもこ、可愛い。
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