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篠原vs誠一

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「まともな告白出来ない可哀想な
誠一君、病院で淫らな行為は
しないで下さい。」

「看護士から蒸しタオルの回収に
行ったら 淫らな行為の最中だったと
聞いて来たんだけど、「さくら、
俺と結婚を前提に子づくりしてくれ。」って
最低な告白 聞かされるなんて
夢にも思わなかったわ。」

「「……。」」

「さくらちゃんは、こんな唐変木な男の
可哀想になるくらいの告白受けたわけだけど
大丈夫なのかしら?」

「えっ?あっはい。だ大丈夫です。あ、あの
誠一さんとお付き合いします。」

「「……。」」

「…さくらちゃん勇者だわ。」
「勇者?ですか?」
「勇者とか猛獣使いね。」

「誰が勇者や猛獣使いだ。さくらは可愛い
エルフや魔法使い的な位置だぞ。」
「……。」

「うわぁ。誠一くん、なんだかイタイ人だわ。」
「なんでだ?」
「エルフや魔法使い?そうゆうのが
好きなんだね。以外に乙女チックなのね。」
「お乙女チック?ち違う。」
「蘇我が置いて行った漫画に出てきたんだ。」
「あーアレね。」

アレは、蘇我をさしているのか
漫画をさしているのかどちらだろうか?

そんな事より、俺の気持ちを込めた
さくらへの告白はそんなに変だっただろうか?
一般的な統計より、告白より媚薬のせいだったが
成り行きセックスを先にしてしまった。
だが確認したし、同意したはずだ。

そのあとのセックスでも、気持ちが
通じたし、多少は思い違いをしたが
会話をして、本人も拒否をせず
俺を求めてくれた。

気持ちが良い思いをしたし。
俺たちは性の相性バッチリだ。

漫画では、長続きや上手くいってる
カップルの特徴は…。

お互い尊敬や信頼が出来る。
出来てるはずだ。

相手を笑わせる力。
さくらを笑わせてない。いや?偶然だが
脇をくすぐってしまったから、これも大丈夫だ。

独立心が保てている。
親からの独立はしている。

付き合いたての熱を保つ努力をしている。
さっき付き合いはじめれたし、これからは
この熱は保つ自信がある。

相手の立場から物事を考えている。
さくらの事いつも考えている。

大人らしい接し方。
大人の愛で包んでやる。

決断力や聞き上手。
出来てるはずだしこれからも努力する。

素直な気持ちを伝えること。
伝えれてないよな…。
会話を増やし努力する。

愛が原動力になっている。
愛はさくらだけに注ぐ。

俺たちは長続きできるカップルだ。

「……。」
ヤバイ。話の途中に考え事をしてしまった。
えーっと定番のセリフがあったよな。よしっ。

「さくら。俺はふつつか者だが 末永くよろしく
お願いする。さくらと付き合えて嬉しい。」

「…せ誠一さん、私もふつつか者ですが、
末永く よろしくお願いします。私も
誠一さんのそばに居て嬉しいです。」

おおっ。俺とさくらは付き合ったぞ。
相性もセリフもバッチリだ。

「…あなた達。なんだか…おかしいけど、
まぁ本人がいいなら…ね。疲れたわ。」

「シーツ交換するから、服装整えといてね。
あと、病院では淫らな行為しないで欲しいわ。」

ため息をつきながら、篠原は病室をあとにした。
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