上 下
46 / 105

長い一日 パート3

しおりを挟む
あかね目線

弟から相変わらず、愛想ないメールが来た。
~~~~~~~~~~~~~~~~~
陣痛が始まった。
夕方出産予定。
さくらの都合で立ち合いオッケー。
~~~~~~~~~~~~~~~~~

あかねは弟のメールを解析してみた。

豚のさくらの陣痛が始まったので、
夕方には出産するかもしれない。
だから、さくらちゃんに予定が
なければ、豚の出産の見学していいよ。
ってか、私にさくらちゃんを
連れてきて欲しいって事よね。

さくらちゃんとケンジ。
朝のやりとり。
ウフフ。
姉としてキューピット役を
しっかりこなしてあげよう。
あの子もさくらちゃん気に入っている
感じよね。
人間に興味を持っていてよかったわ。

ケンジは豚やトリにしか興味がなく、
対人恐怖症?ひと嫌いとか思ってしまったわ。

優しく笑って頭撫でたり、ポンポンしたり
兄たちの子どもにもしないのに…。

さくらちゃんがケンジを人間らしく
してくれたのね~。

早く本当の妹にならないかなぁ。
ケンジは、ついででいいよ。

よし、ケンジ頑張れ。
骨は拾ってやる。砕けろ。
じゃないや、頑張らせるぞ。
ケンジ覚悟しろ。


さくらちゃんは、今まだお昼過ぎだから
畑仕事だけど、ケンジのとこに行き先変更。
よしっ。

一旦さくらちゃんと家に帰り通販で買った
仕事着にしようと思ってたけど……。

ポケット部分に小さなフリルや
ハートマークがあり ついつい
買ったんだけど、思ったより小さかった
ジャージ。
返品しようと思ってたけど、痩せたら
着れると思いずっと、取ってた
ジャージをさくらちゃんに
着てもらおう。

汗をかいたからシャワーを浴びて、
さくらちゃんにもシャワーをすすめ、
コッソリ桃の香りがするシャンプーと
石鹸に変えました。

ピンク色の可愛いジャージを
着替えに渡しました。
下着も可愛いけど、私には
小さかったフリルの下着。

ブラジャーはサイズがわからないから、
私のでは合わないだろうし、
カップ付きのキャミソールにしたけど
胸大きいし、ブラジャーつけた方が
いいよね。

さくらちゃんのアパートは
1キロちょっと。
そのまま戻ってしまうかもしれないし、
と迷っているうちに

「あかねさん、着替えなども貸して
頂いてありがとうございます」

「いーんや。さくらちゃんそれね、
私には小さいジャージでタンスの肥やしに
なってたんよ。良かったら、これからも
使ってくれたら、うれしいんよ。」
「えっ?」

あれ?伝わらないかな?
「そんれ、全部あげる、プレゼント。
私、着れない。あれ?なんか私カタコトに
なっとるかも。」

私が笑うとさくらちゃんも、頭を下げたあと
笑っていました。
ほんまええ子やわ。礼儀正しいし、
女の私でもさくらちゃん嫁に欲しいわ。


なんだかんだで、ケンジがいる
畜舎に到着。

「ケンジ着いたでぇ。さくらちゃんも
連れてきたよ。」

シャワーを浴びたばかりのさくらちゃんに
ケンジの所の豚が、夕方に出産する
みたいやからと見学に誘いました。

目を輝かせたさくらちゃんに、
かわいい花柄の長靴を履かせました。

私はさくらちゃんと色違いの
水色のジャージ。
サイズは、ちゃんと大きめで私に
ピッタリなのを買い直したものです。

同じく色違いの花柄の長靴。

姉妹に見えるかな?

あっ。テレビの取材がいる。
さくらちゃんと目が合ったのか
固まってる。
笑けるわって、ダメダメ。
ケンジとさくらちゃん くっつけ
作戦開始や。

まぁさくらちゃん、かわいいから
大丈夫しょっ。
しおりを挟む

処理中です...