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他人の空似?

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産直食堂オーナー、朝竹誠一は
オープ二ングセレモニーをした。

450店舗目。
妊婦~高齢者に優しい食事。
ベビーフードもある、食堂。
地域に沿ったお店。
超レア、数量限定、期間限定食あり。

旬の食材を、地元の味を大切にしたごはん。

宅配可能など、色々な想いを詰め込んだ
新店舗開店。

たくさんのノボリが、パタパタ揺れていた。

産直食堂初の貸し切りスペース。
1スペース10人~30人迄可能。
各イベント、記念日に。
パーティメニュー追加。

深夜、早朝お試し営業中。

フラッシュがたかれる中、
スーツ姿の誠一は、営業スマイルを
貼り付けていた。
マスコミからの鋭いツッコミに
ご想像にお任せします。とか、
食堂メニューや食堂の事については、
完璧な受け答えをしていました。


「うっわぁ~、アッサーのこの笑顔。
企んでる顔、この顔に騙される人が、
可愛そう…。」
「蘇我、まだ食ってたのか?」

「アッサー、酷っどっ。俺、さっきご飯
お代わりしたばかりだよ。」
「お前の方が、酷い。」

「普段はこんなかんじなのに、みんな
実物みたらドン引きだろうねぇ。」
「私服が、スーツっておかしいだろ。」

「そっちじゃなく、性格悪いとこ。
しつこいし、執念っていうか怨念?
諦め悪い不器用で、バカなやつ。」
「お前のノロケテロよりまっしだ。」

「こんなやつが、飲食店オーナーなんてなぁ。
頭いいのに、常識しらずびっくりだ。」
「あれは、…知らなかった…だけだ。」

誠一さんと蘇我さんで、街にスーパーに
買い物、お使いに行った時のことかな?

今まで直接な買い物に行った事がない、
誠一さんは、以前言っていた、
スーパーへの初買い物をしたらしい。

カレーのルーや調味料類が主な
買い出し品だったらしいです。
スーパーに着くと、買い物メモを見ながら
携帯をいじりだした誠一さん。

不審に思った蘇我さんが、誠一さんに
何をしてるか尋ねると、買い物だ、
っと答えたらしい……。

スーパーに行って、ネットショッピング…。

そのあと、フォローしながら買い物を終えた
2人の表情は、天と地だった。

誠一さんは、やり遂げた感たっぷりで、
しかも、新しい発見だらけみたいで、
イキイキした表情。

その一方で蘇我さんは、ツッコミすぎたのか、
グッタリした表情だったらしいです。


その2人と家族と従業員。
畜産農家、山ノ上家本宅で、
テレビをつけながら皆で晩御飯を
食べていました。
あかねさん、ケンジさんや
曾祖父母もいる空間。

「ほぉー。世の中には似たもんが
おるっちゅうが、こげんにも せいちゃんに
似ちょるのんも珍しかぁ。」
「「「「「……。」」」」」
「…すみません…それ俺です。」

「ほぉー。一丁前な立派なもん着ちょったから
ぼり(すごく、本当に) わからなんだー。」
「ひいおじいさん…。」
「せいちゃん、本人さんやったのねぇ~。」
「ひいおばあさんまで…。」

しばらく一緒に、ご飯を食べているうちに
誠一さんは、せいちゃん。
蘇我さんは、しんちゃんと呼ばるように
なっていました。
ひいおじいちゃんと、ひいおばあちゃんが
呼び始めると、おじいちゃん、
おばあちゃんまで呼ぶようになり、
呼んでいないのは、ケンジさんと
私だけになりました…。

年上だし、せいちゃん、しんちゃんって
呼べない。
しかも、私は…まだ、誠一さんと
ケンジさん、2人にあやふやなままだった。

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