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第31話 新年

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打ち上げ花火の音が、いつまでも 
耳に聴こえていたけど、
抱きしめられたまま、口付けをされ 
いつのまにか眠って
しまっていました。
寝不足だたからかな?

朝はグラン様と 一緒に、
部屋で朝食をいただきました。
お昼ご飯は、バイキングみたいに、
パーティ会場のような 雰囲気の中、
次つぎに、色々な方から
「おめでとう」「幸せにね」
と新年の挨拶の、
声をかけてもらい、ご両親はなぜか
涙ぐんでいました。

お母様は、目が合うたび、なぜか
笑顔だったけど泣いていました。
情熱家な、家族だなぁ。
グラン様は、かたい表情で
うなずいていたけど、
私と目が合うと笑って下さりました。
自然に、腰に手をまわしてくれました。
なんだか、守られているようで
すごく安心するわ。
グラン様の、親族なんだけど、
色々な髪色、あるんだなぁ。
美形な一族いいなぁ。
男性では。グラン様が一番 
たくましくて 素敵。
「グラン様 素敵」

あっ。つぶやいちった。
ぎゅー。
また抱きしめられました。
ガタンっ
「グラン、あんた、何してんのよ。」
バキッ
「グ、グラン様…。」
グラン様が、吹き飛んだ後に、
すごい綺麗な女性に
抱きしめられました。
「ごめんね。ごめんね。
怖かったでしょう。」
「もう 安心していいのよ」
力、強い…。苦しい…。
気が遠くなり、いつのまにか、
気を失ってしまいました。

ふぎゃー。ふぎゃー。ふぎゃー。
あれ?赤ちゃん?クロン?
早く、起きなきゃ…。
目をあけると、笑顔のすごく、
綺麗な女性に見つめられていました。

「グラン、グラン、ココちゃん、
目覚めたわよ」
大きな声でグラン様を呼び
「はじめまして グランの姉リリーよ。」
気を失っている間に、
何かを誤解をしていた、
一番上のお姉様にグラン様は、
説明してくれていた様でした。

 赤ちゃんを出産したばかりなのに、
パワフルなお姉様。
赤ちゃんは グラン様に
似ていて、すごくかわいかった。
「かわいい。すごくかわいいです。」
女の子ですか?」
ぎゅー
お姉様に また 抱きしめられ、
「ありがとう。この子、
女の子なのに、なぜか、
すぐ男の子に間違えられるの。」
「‥‥‥。」
「よく わかったな。」
小さな声で グラン様は
つぶやいていた。

前の世界では、たとえ赤ちゃんが 
男の子にみえても
女の子ですか?と 聞いた方が 
喜ばれる事が多いらしいです。

異世界でも、実証済み。
とても喜ばれました。
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