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11、教会
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クロード様に連れられ、というか
抱っこされながらついた場所は
行きたかった教会。
孤児院を兼ねた教会だった。
俺はなぜ、行きたかったのだろうか?
『………統合速度上昇…ピピッ。』
うっ…、アタマ痛い……。
俺は痛むアタマを抑えたあと
こめかみをグリグリしていた。
そんな俺を、心配しながら見ている
クロード様たちに気づかなかった。
え~とこのお方たちは神官なの?
いや、これって筋肉ムキムキの冒険者だろ?
下手すればその辺のゴロツキより
凶悪顔。子どもを守るならこれくらい
顔面凶器じゃないとやっていけないのか?
袖なしのベストにモヒカンがにあいそうな
世紀末ひゃっっほーい!って感じの司教と神官。
司教や神官といえば、優しくて
ふんわりした雰囲気のオーラを
かもし出してるイメージなのに……。
なぜスキンヘッド?!
筋肉ムキムキで頬にキズまであるの?
しかも、血が滴り落ちる包丁を持っている。
だ、誰かをヤッたばかりなのか?!
こ、怖いよ……。
背筋がゾクゾクとした。
『……神気増加。ピピッ。』
俺、クロード様に抱っこされてて良かったよ。
間違いなく腰抜けそうだわ。
「エミリア司教、お久しぶりです。」
「あらぁ、クロードちゃんお久しぶりね。」
ま、まさか…こ、このしゃべり方は……。
「エミリア司教が本日も麗しくて
お元気そうで良かったです。」
「あらぁうふふ。お上手ね。誰かさんの
影響かしら?そちらの可愛いお人の
ご紹介してくださらないかしら?」
「………。」
俺と目が合ったエミリア司教とやらは
俺に投げキッスとウインクしてきた。
ゾクッ。
『……ピピッ。』
「その前に、ちょっと。」
「はい。エミリア司教様。」
「台所にあるブツ、血抜きは済ませたから
アレ適度な大きさに捌いといて。お願いね。」
「御意。」
「ふふっ。腕がなるわね。」
そう言って、もう1人のスキンヘッドに
血濡れた包丁を丁寧に渡していた。
「これで、ゆっくり話せるわね。」
いやいやいや。
まだ、手や頬そして服にも返り血が
あるよ。洗った方がいいんじゃないの?
「エミリア司教、私どもは急ぎませんし
一度、身なりを整えた方がよろしいかと
思いますし、その間この子に教会を
見学させたいのですがよろしいでしょうか?」
「あらぁ、そうね。アイツったら
あまりにも暴れるから一撃で
やれなかったのよねぇ。
私としたことが、苦しませちゃったわ。」
な、何をヤッたのでしょうか?
返り血が怖いよ。
司教様の切ない表情の微笑みも怖いよ。
「大モノだったのですね。」
「そこそこね。じゃあちょっくら
血を落としてくるわね。また、あ、と、で!」
ちゅッ、とリップ音を鳴らしながら
また投げキッスをされてしまった。
ゾクッ。
『……ピリッ。』
「クリョードしゃまぁ(様)さっきの人は?」
「ああ、エミリア司教をはじめ
この教会にいる2人の神官はな
俺なんかより色々すごいお人だよ。」
「へぇ。」
クロード様が話してくれた内容によると
人身売買が堂々と行われていた時
偶然狩りにきていたエミリア"神官"と
見習いの神官で鉢合わせになったらしい。
手に持っていた獲物を投げつけ、
相手を素手でなぎ倒しながら
5人の痩せこけた子どもを助けたそうだ。
成人して間もない頃の神官時代から
エミリア司教は困った人たちを
助けていたそうだ。
あちこちで人助けやさまざまな種族の者を
分け隔てなく癒していたそうだ。
光属性の癒しの魔法。
魔力量も相当ある持ち主だった。
大神官並みの魔力量。
神官から司教に出世したあと、
出世の道をなぜか断り、この町に
希望を出したそうだ。
ちなみにヒビーキ町長の父方の
従兄弟だそうだ。
ここだけの話、冒険者登録はしていないが
ここにいる神官2人とエミリア司教は
Cランク以上かBランクの実力はあるらしい。
日々、畑を耕しながら神に感謝と
祈りをし子どもの面倒をみながら
隔日で炊き出しなどしているとの事。
炊き出しの日は自ら狩りに行き
新鮮なうちに捌くらしい。
動物の鳴き声や羽ばたく音が気になり
音に導かれるままにすすんだ。
驚く事に、小型の鳥型の魔物や
山羊っぽい動物までいた。
可愛い。
ここにいる魔物たちは神官や
司教が定期的に魔物狩りし、
生け捕りして育てているそうだ。
玉子やミルクを得るためだとか。
乳飲み子1人、幼児3人あと6人程
ここで生活しているそうだ。
大人3人に乳幼児を含んだ子ども9人?!
この教会、そんなに広くないよね?
疑問に思ってたら、さっきと同じ
服装だけれどきれいになった
エミリア司教が戻ってきた。
「私ったら、ちょ~うっかり。てへっ。」
ゾクゾク。
『……神気上昇。ピシッ。』
顔面凶器のエミリア司教が出してくれた
お茶とたまごボーロ?
「お、美味しゅうごじゃいましゅ。」
緑茶だった。
すごい、美味しい。
懐かしい……?
「ふふっ、黒髪のカワイイ坊や。
うちのご先祖様と同郷かしら。」
「……。」
「ニホン。」
「……!」
黙ったままの俺。
日本人がやはりこの世界に来てたんだ。
俺も同じ…日本……。
『……記憶、統合、修正……ピーッ。』
クロード様に抱っこされたまま
教会内を見学した。
そして驚くべき事実にぶち当たったのだ。
この世界の真実?!アハっ。
一歳未満なのに、赤ちゃんはデカかった。
日本での一歳過ぎの赤ちゃん
身長平均約75cm前後
体重約9kg前後としたら
この世界の赤ちゃん身長約1m、体重は……。
うん、重そうだ。
骨格からして違うんだろうな。
大人と言えば身長2mは余裕で
超えてるもんなぁ。
巨人でボディービルダーの世界なのか?
俺、3歳児らしいのに一歳未満の
赤ちゃんに身長と体重負けてるよ。
俺がチビってわけじゃない。
この世界の人たちがやたらと
体格がいいだけだ。
ここにはボディービルダー系の人族しか
いない世界なのか?
異世界といえば、プロポーション
バッチリの美人や美少女、可憐で
可愛い美人や美少女、エロいエルフ
もふもふ、獣人族とか……ハァハァ。
異世界ならではのドキドキで
ハラハラする恋愛要素はないのか?!
くそぉっ、ジャンルが違うのか?
剣と魔法、ボディービルダーの
異世界なのか?
俺を見て、クロード様たちが
過保護になるわけだ。
俺、赤ちゃんより小さいもんな。
捕まりだちした赤ちゃんの
ハイハイは、驚異的なスピードで
俺は涙目でクロード様にしがみついた。
こ、怖かった。
無邪気なジャイアントベビー。
のしかかられたら大変だ。
今、思った事だが……。
俺が来ている服ってベビー服だ。
つなぎだと思っていたが、これ
ロンパースって言う物じゃないのか?
トイレする時、脱ぎにくいと思ったけど
あとはフリフリがやたらとついた
ワンピースっぽいのが多かった。
靴下もフリフリ。
クロード様自体、たまにフリルがついた
シャツを着てるから気にしない様に
していたけど……。
既製品があちこちあるわけじゃなく
古着かオーダメイドが当たり前の世界。
幸い孤児院や数人の赤ちゃんが
いるからか、古着があったそうだ。
それを俺用に縫い縮めたのが
メロリラさんとキオーナさんだった。
全体的にギャザーがやたらと多いが
初めからこういうデザインだと
思うような出来栄えだった。
ベビードレス状態の物ばかりある。
よ、よかったのか?
布で出来た柔らかな靴は履きやすいが
これで外歩くのは抵抗ある。
クロード様たちが履いてる革靴、
うん、蒸れそうで臭そう……ゴホッ。
じゃなくて、布靴よりは足を
守ってくれそうだ。
教会内の地下に居住空間があり
まさしく和空間だった。
地下なのにこんなにも明るく
広いの?って思ったら
これも、王宮で使用されているのと
ほぼ同じ魔法だそうだ。
えっ?この町、何気に凄くない?
そう思ったら、ここの御先祖様や
ヒビーキ町長、司長さんたちが
半端ないレベルのお人だったのだ。
この居住空間は空間魔法が施され
とにかくすごいとしか言えない場所だった。
タンスにタタミ。もちろん土足厳禁。
積み上げられた、和式布団や座布団。
ちゃぶ台で、すごろくしてる子どもまでいた。
子ども、もだがスケールまでデカかった。
そして、この世界に来て初めて痩せた
華奢な女の子を見た。
つい最近この教会に来たらしい。
部屋の隅っこで和敷布団で寝ていた。
この和式布団も大きいよね?
隣村から母親と命からがら
逃げてきたらしい。
近くの森にこの子を庇うように母親は
命を落としたそうだ。
襲われているところを狩りに
来ていた神官に助けられ
虫の息だった母に託されたとの事だった。
詳しい事はまだわからないらしい。
茶色い髪にエメラルドグリーンの目。
一瞬目があったけど、目を閉じてしまった。
クロード様に降ろしてもらい
おでこに触った。
『ピピッ。』
目の前で母親が亡くなったんだ。
ショックも大きいだろう。
手と足に縛られた痕。
司教と神官が交代で癒やして
傷もだいぶ良くなったそうだ。
子どもが傷ついてるのは辛いなあ。
"早く治りますように。"
"心が癒えますように。"
"痛みがいえますように。"
『……魔力解放しました。ピピッ。』
目を閉じている子のおでこに手を
当てながら無意識にそう願った。
「……奇跡か?」
「……神の御遣い。」
静寂のあと、周りの声が聞こえてきた。
手の跡はきれいに治っていた。
エメラルドグリーンの目からは
涙が出ていた。
「……暖かい。」
「君、何をしたんだ?!」
恐ろしい顔のエミリア司教に
にじり寄られ、また俺は
クロード様にしがみついた。
「ま、魔力量がすごいと思っていたが
魔族並みの…いやそれ以上の……。」
「……。」
俺は何をしたんだ?
"俺たち以外の前では魔法は使うな"
今更ながらクロード様の言葉が
チアキの頭の中で繰り返し再生されていた。
『……魔力補充、修正……ピーッ。』
抱っこされながらついた場所は
行きたかった教会。
孤児院を兼ねた教会だった。
俺はなぜ、行きたかったのだろうか?
『………統合速度上昇…ピピッ。』
うっ…、アタマ痛い……。
俺は痛むアタマを抑えたあと
こめかみをグリグリしていた。
そんな俺を、心配しながら見ている
クロード様たちに気づかなかった。
え~とこのお方たちは神官なの?
いや、これって筋肉ムキムキの冒険者だろ?
下手すればその辺のゴロツキより
凶悪顔。子どもを守るならこれくらい
顔面凶器じゃないとやっていけないのか?
袖なしのベストにモヒカンがにあいそうな
世紀末ひゃっっほーい!って感じの司教と神官。
司教や神官といえば、優しくて
ふんわりした雰囲気のオーラを
かもし出してるイメージなのに……。
なぜスキンヘッド?!
筋肉ムキムキで頬にキズまであるの?
しかも、血が滴り落ちる包丁を持っている。
だ、誰かをヤッたばかりなのか?!
こ、怖いよ……。
背筋がゾクゾクとした。
『……神気増加。ピピッ。』
俺、クロード様に抱っこされてて良かったよ。
間違いなく腰抜けそうだわ。
「エミリア司教、お久しぶりです。」
「あらぁ、クロードちゃんお久しぶりね。」
ま、まさか…こ、このしゃべり方は……。
「エミリア司教が本日も麗しくて
お元気そうで良かったです。」
「あらぁうふふ。お上手ね。誰かさんの
影響かしら?そちらの可愛いお人の
ご紹介してくださらないかしら?」
「………。」
俺と目が合ったエミリア司教とやらは
俺に投げキッスとウインクしてきた。
ゾクッ。
『……ピピッ。』
「その前に、ちょっと。」
「はい。エミリア司教様。」
「台所にあるブツ、血抜きは済ませたから
アレ適度な大きさに捌いといて。お願いね。」
「御意。」
「ふふっ。腕がなるわね。」
そう言って、もう1人のスキンヘッドに
血濡れた包丁を丁寧に渡していた。
「これで、ゆっくり話せるわね。」
いやいやいや。
まだ、手や頬そして服にも返り血が
あるよ。洗った方がいいんじゃないの?
「エミリア司教、私どもは急ぎませんし
一度、身なりを整えた方がよろしいかと
思いますし、その間この子に教会を
見学させたいのですがよろしいでしょうか?」
「あらぁ、そうね。アイツったら
あまりにも暴れるから一撃で
やれなかったのよねぇ。
私としたことが、苦しませちゃったわ。」
な、何をヤッたのでしょうか?
返り血が怖いよ。
司教様の切ない表情の微笑みも怖いよ。
「大モノだったのですね。」
「そこそこね。じゃあちょっくら
血を落としてくるわね。また、あ、と、で!」
ちゅッ、とリップ音を鳴らしながら
また投げキッスをされてしまった。
ゾクッ。
『……ピリッ。』
「クリョードしゃまぁ(様)さっきの人は?」
「ああ、エミリア司教をはじめ
この教会にいる2人の神官はな
俺なんかより色々すごいお人だよ。」
「へぇ。」
クロード様が話してくれた内容によると
人身売買が堂々と行われていた時
偶然狩りにきていたエミリア"神官"と
見習いの神官で鉢合わせになったらしい。
手に持っていた獲物を投げつけ、
相手を素手でなぎ倒しながら
5人の痩せこけた子どもを助けたそうだ。
成人して間もない頃の神官時代から
エミリア司教は困った人たちを
助けていたそうだ。
あちこちで人助けやさまざまな種族の者を
分け隔てなく癒していたそうだ。
光属性の癒しの魔法。
魔力量も相当ある持ち主だった。
大神官並みの魔力量。
神官から司教に出世したあと、
出世の道をなぜか断り、この町に
希望を出したそうだ。
ちなみにヒビーキ町長の父方の
従兄弟だそうだ。
ここだけの話、冒険者登録はしていないが
ここにいる神官2人とエミリア司教は
Cランク以上かBランクの実力はあるらしい。
日々、畑を耕しながら神に感謝と
祈りをし子どもの面倒をみながら
隔日で炊き出しなどしているとの事。
炊き出しの日は自ら狩りに行き
新鮮なうちに捌くらしい。
動物の鳴き声や羽ばたく音が気になり
音に導かれるままにすすんだ。
驚く事に、小型の鳥型の魔物や
山羊っぽい動物までいた。
可愛い。
ここにいる魔物たちは神官や
司教が定期的に魔物狩りし、
生け捕りして育てているそうだ。
玉子やミルクを得るためだとか。
乳飲み子1人、幼児3人あと6人程
ここで生活しているそうだ。
大人3人に乳幼児を含んだ子ども9人?!
この教会、そんなに広くないよね?
疑問に思ってたら、さっきと同じ
服装だけれどきれいになった
エミリア司教が戻ってきた。
「私ったら、ちょ~うっかり。てへっ。」
ゾクゾク。
『……神気上昇。ピシッ。』
顔面凶器のエミリア司教が出してくれた
お茶とたまごボーロ?
「お、美味しゅうごじゃいましゅ。」
緑茶だった。
すごい、美味しい。
懐かしい……?
「ふふっ、黒髪のカワイイ坊や。
うちのご先祖様と同郷かしら。」
「……。」
「ニホン。」
「……!」
黙ったままの俺。
日本人がやはりこの世界に来てたんだ。
俺も同じ…日本……。
『……記憶、統合、修正……ピーッ。』
クロード様に抱っこされたまま
教会内を見学した。
そして驚くべき事実にぶち当たったのだ。
この世界の真実?!アハっ。
一歳未満なのに、赤ちゃんはデカかった。
日本での一歳過ぎの赤ちゃん
身長平均約75cm前後
体重約9kg前後としたら
この世界の赤ちゃん身長約1m、体重は……。
うん、重そうだ。
骨格からして違うんだろうな。
大人と言えば身長2mは余裕で
超えてるもんなぁ。
巨人でボディービルダーの世界なのか?
俺、3歳児らしいのに一歳未満の
赤ちゃんに身長と体重負けてるよ。
俺がチビってわけじゃない。
この世界の人たちがやたらと
体格がいいだけだ。
ここにはボディービルダー系の人族しか
いない世界なのか?
異世界といえば、プロポーション
バッチリの美人や美少女、可憐で
可愛い美人や美少女、エロいエルフ
もふもふ、獣人族とか……ハァハァ。
異世界ならではのドキドキで
ハラハラする恋愛要素はないのか?!
くそぉっ、ジャンルが違うのか?
剣と魔法、ボディービルダーの
異世界なのか?
俺を見て、クロード様たちが
過保護になるわけだ。
俺、赤ちゃんより小さいもんな。
捕まりだちした赤ちゃんの
ハイハイは、驚異的なスピードで
俺は涙目でクロード様にしがみついた。
こ、怖かった。
無邪気なジャイアントベビー。
のしかかられたら大変だ。
今、思った事だが……。
俺が来ている服ってベビー服だ。
つなぎだと思っていたが、これ
ロンパースって言う物じゃないのか?
トイレする時、脱ぎにくいと思ったけど
あとはフリフリがやたらとついた
ワンピースっぽいのが多かった。
靴下もフリフリ。
クロード様自体、たまにフリルがついた
シャツを着てるから気にしない様に
していたけど……。
既製品があちこちあるわけじゃなく
古着かオーダメイドが当たり前の世界。
幸い孤児院や数人の赤ちゃんが
いるからか、古着があったそうだ。
それを俺用に縫い縮めたのが
メロリラさんとキオーナさんだった。
全体的にギャザーがやたらと多いが
初めからこういうデザインだと
思うような出来栄えだった。
ベビードレス状態の物ばかりある。
よ、よかったのか?
布で出来た柔らかな靴は履きやすいが
これで外歩くのは抵抗ある。
クロード様たちが履いてる革靴、
うん、蒸れそうで臭そう……ゴホッ。
じゃなくて、布靴よりは足を
守ってくれそうだ。
教会内の地下に居住空間があり
まさしく和空間だった。
地下なのにこんなにも明るく
広いの?って思ったら
これも、王宮で使用されているのと
ほぼ同じ魔法だそうだ。
えっ?この町、何気に凄くない?
そう思ったら、ここの御先祖様や
ヒビーキ町長、司長さんたちが
半端ないレベルのお人だったのだ。
この居住空間は空間魔法が施され
とにかくすごいとしか言えない場所だった。
タンスにタタミ。もちろん土足厳禁。
積み上げられた、和式布団や座布団。
ちゃぶ台で、すごろくしてる子どもまでいた。
子ども、もだがスケールまでデカかった。
そして、この世界に来て初めて痩せた
華奢な女の子を見た。
つい最近この教会に来たらしい。
部屋の隅っこで和敷布団で寝ていた。
この和式布団も大きいよね?
隣村から母親と命からがら
逃げてきたらしい。
近くの森にこの子を庇うように母親は
命を落としたそうだ。
襲われているところを狩りに
来ていた神官に助けられ
虫の息だった母に託されたとの事だった。
詳しい事はまだわからないらしい。
茶色い髪にエメラルドグリーンの目。
一瞬目があったけど、目を閉じてしまった。
クロード様に降ろしてもらい
おでこに触った。
『ピピッ。』
目の前で母親が亡くなったんだ。
ショックも大きいだろう。
手と足に縛られた痕。
司教と神官が交代で癒やして
傷もだいぶ良くなったそうだ。
子どもが傷ついてるのは辛いなあ。
"早く治りますように。"
"心が癒えますように。"
"痛みがいえますように。"
『……魔力解放しました。ピピッ。』
目を閉じている子のおでこに手を
当てながら無意識にそう願った。
「……奇跡か?」
「……神の御遣い。」
静寂のあと、周りの声が聞こえてきた。
手の跡はきれいに治っていた。
エメラルドグリーンの目からは
涙が出ていた。
「……暖かい。」
「君、何をしたんだ?!」
恐ろしい顔のエミリア司教に
にじり寄られ、また俺は
クロード様にしがみついた。
「ま、魔力量がすごいと思っていたが
魔族並みの…いやそれ以上の……。」
「……。」
俺は何をしたんだ?
"俺たち以外の前では魔法は使うな"
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チアキの頭の中で繰り返し再生されていた。
『……魔力補充、修正……ピーッ。』
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