流刑王ジルベールは新聞を焼いた 〜マスコミの偏向報道に耐え続けた王。加熱する報道が越えてはならない一線を越えた日、史上最悪の弾圧が始まる〜

五月雨きょうすけ

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第十二話 ジルベールの呪い

ステファン編

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 子供の頃から何かにつけて器用な奴と呼ばれていた。
 勉強も運動も得意。人に好かれるのも得意だし、人を傷つけるのも得意でよくやっていた。

 ただ生きることは得意とは程遠くて、人生に生きがいを見出せずにいた。

 他人に頭を下げたくない。
 かと言って一人孤独に作業し続けられる程陰気な性格もしていない。

 20歳を過ぎても働かなかった俺だったが、ある日親に家を追い出された。
 追い詰めればマジメに働くだろうと思ったのだろう。
 残念ながら路上で口説いた女に食わせてもらったりしながらダラダラと生きていた。
 それがまかり通る程には俺は器用だった。
 他人に笑われがちな幼い顔立ちも使い方を知れば相手を油断させ、好意を惹きつける武器になる。
 もっとも、社長に会うまでは女を抱くためくらいにしか利用していなかったけど。

 社長に会わなければ……うん、きっと俺の人生は退屈で仕方なかっただろう。
 高いところから世の中を見下ろしながら、愚民の所業を観察するのがここまで面白いだなんて知ることがなかった。


「社長ぉ! イーサンをちゃっかりゲットしてきちゃいましたよぉっ!」
「ご苦労。かけていいぞ」

 ウォールマン新聞社は一時的に別の建物に移転していた。
 近いうちに今までの塔よりもさらに大きな建物を建造し、より高いところから街だけでなく王宮までも見下ろしてやろうと社長は計画している。

 邪魔なジルベールを追い出し、跡目に付けたのは愚鈍なダールトン。
 王位につくための計略に協力した社長の事を完全に信頼していて、以降も恐ろしいほどの献金を我が社に捧げてくれている。
 普通逆だろうという話だが、金を払う方が偉いみたいな錯覚に陥っているらしい。
 バカも極まれりだ。
 王族に生まれながらも責任を負う事なく、我慢を知らず、恩恵だけを受け贅沢の限りを尽くしてきた愚かな男。
 少し提灯記事を書いてやるだけで満たされる程度の安い自尊心しか持ち合わせていない。
 だが、逆に賢くもある。
 我々にとって一番扱いやすいバカでいてくれるのなら、いくらでも新聞の中でおだててやるとも。
 ジルベールのような酷い目にはあわせないさ。


「しかし写真を掲載するようになってから売り上げ部数が跳ね上がったな。値段は以前の三倍以上になっているのに」
「特に舞台俳優の顔写真や娼婦の裸体を写した写真がある日はよく売れますね。
 男も女も欲望に忠実な事で」

 ヒヒ、と笑う俺に応えるように社長もククク、と笑う。
 ヒューズワン研究室から奪った写真との技術は我が社に多大な利益をもたらした。
 発明者であるシウネを引き入れられなかったのは期待が外れたが惜しむほどのことではない。
 垢抜けないなりに良い体をしていたのでモノにしてやりたい気持ちがなくはないが、誘いを蹴って逃亡犯になるようなじゃじゃ馬は手に余る。
 ちょっと賢くて仕事ができるからって調子乗りすぎだよな。
 女はバカで素直なのが一番。
 せいぜい逃亡犯として悲惨な暮らしを続ければいいさ。


「ところで、ジルベールの付け火についてだが」

 社長が真っ直ぐ俺を見つめて尋ねてきた。

「犠牲者は13人。全員、我が社の社員だ。
 そのうち女が10人で年齢は18から25。
 しかも13人全員が同じ部屋の中に閉じ込められるようにして焼け死んだ、と調査結果が出た」
「ハァー、哀れなモノですね。
 若い女性たちが非業の死を遂げるなんて。
 やっぱり、火を付けたジルベールは大悪党だ」

 そう答えた俺を社長はため息を吐きながら睨みつける。

「お前、機に乗じて在庫処分したな」
「ブッ!? あはは! 在庫処分となっ!
 これは流石社長! 上手い事おっしゃる!」

 あー、見透かされていたか。
 網を張っているのは会社の外だけではない、というワケか。

 俺は社内の複数の女性と関係を持っていた。
 もっとも、真面目に結婚などするつもりはない。
 性欲処理のために飼っていた、という表現がしっくりくる。
 まー、一人の相手で満足できるか、娼婦を汚いと思わないようなら、こんな面倒なことはしなくて良いのだが、どうやら俺の精神というのは繊細で贅沢な作りをしているらしい。
 おかげで、どれだけ冷たくしようと別れたがらない女が手元に残っていき、結果的に若い女性社員のほとんどが俺のお手つきとなった。

 今回のジルベールの放火はいい在庫処分の機会になった。
 燃え盛る社屋から避難する際に『安全な場所に連れて行く』と称して奴らを一室に閉じ込めたのだ。
 まー、安全でもなんでもないただの会議室だったけれど。
 ついでに命令を聞かなかったり反抗的だったりする目障りな男性社員も数人、オマケで詰め込んでやった。
 結果的に俺は何年かぶりにフリーになって、ジルベールには放火だけでなく殺人の罪状を課すことに成功した。
 今はなんだか、晴れやかな気持ちだね!

「いやあ、最愛の彼女たちが死んでしまって胸にポッカリ穴が空いたようです」
「フン。多少の火遊び程度でお前を見限るような事をするつもりはないが、私の機嫌を損ねるような真似をするなよ」

 あら怖い。分かってますってば。
 社長の好みの女たちには手を出しませんて。
 ぶっちゃけ、想像するだけでキモすぎて吐きそうです。

 ニコニコと笑みを崩さない俺を見て社長は苦笑し、退室の許可を出してくれた。



 社長室から出た俺は部下の男性社員に呼び止められる。

「専務、すみません、今日もアレの苦情が……」
「またか! その報告はしなくていいと言っているだろうが!」
「も、申し訳ありません!
 ですが、保管していた写真が真っ黒になって見えなくなる、という苦情は日増しに増えてきています」
「ハァ! どうせエロい事考えて汚しちまった手で撫でまわし続けてきた結果だろ。
 ほっとけほっとけ」

 数日前からこのような苦情が販売員を通して社に届くようになった。
 ウォールマン新聞本誌でもロイヤルベッドでも同じ現象が起きているのだとか。

 特にレプラの写真についての苦情が多い。
 まあ、単純に数が多いからだろうが。
 記念すべき写真報道の第一号であったり、強姦されているかのように撮影されたフルヌードの写真があったりするからスケベな男連中が後生大事に保管しているようだ。
 度し難いね、まったく。

 舌打ちをして、写真の現像室に入った。
 あの火事で保管していたフィルムはことごとく焼けてしまった。
 せめて現像後の写真だけでも保管しておくべきだろうとこの部屋にかき集めている。

「まったく、ジルベールを揺さぶるために貶めたレプラの写真が見えなくなるなんて、それこそみたいなこと、起こってたまるか」

 ボヤきながら、戸棚を開けて保管している写真を整理し始めたのだが…………

「ジ……ジ、ジ、ジ、ジ、ジルベールの! 呪いだぁアアア゛アア゛アアア゛!!!!」

 思わず震え上がって叫んでしまった。
 みっともなく腰を抜かしているし、なんなら少し漏らしている。

 だって、信じられるか!?
 服を剥ぎ取り全裸に剥いたレプラの写真が濃い影が落ちたかのように真っ黒になって、ほとんど見えなくなっているのだ。
 インクを塗られたとか、焼け焦げたとかいう様子ではない。
 原因が不明すぎる!
 だがこれではまるで、ジルベールが、

『レプラの裸を見るな』

 とでも言っているみたいじゃないか!?



 次々と写真が真っ黒になったという苦情が上がってくる。
 そしてついに、その事が社長にバレてしまった。
 厳しく叱責されるかと思ったが、

「呪いなどあるはずがない。
 科学的な原因を大学の研究者たちと探り当てろ」

 と命じられただけだった。

 急いでシウネのいた研究室の長であるヒューズワンも呼び寄せた。
 ヤツは真っ黒になった写真を診て、あっさりと言い切った。

「ああ、これは現像液の問題だね。
 この配合では像が定着しきらないんだ」
「なんだとっ!?」

 結果は呆気ないものだった。
 呪いなどではなく、単純な科学的な不備……というか!

「お前ら! こんな粗悪品を商品として売り出していたのか!?」

 俺が怒鳴りつけるとヒューズワンは首を傾げながら、

「なに言ってるの?
 これは研究段階の試作品だよ。
 一ヶ月以上の像の定着は困難か。
 あなた方がたくさん世にばら撒いてくれたおかげで沢山のサンプルが取れたよ。
 今後も同様のケースが上がってくるだろうからよろしくね」

 罪悪感のかけらもない言い草に俺は流石に頭にきた。

「聞いていないぞ! こんな欠陥があるなんて!
 既に何万枚ばら撒いたと思っている!」
「そんなことを言われてもね。
 カメラの研究はあなた方のものになっただよね」
っ!」
「どっちでもいいよ。
 とにかく責任を取るのはあなた方。
 苦言を言わせてもらえば、研究段階から関わっていたなら像の定着が完璧でない事が分かっていたはず。
 研究とは成功例を見出すものではなく失敗作も含めてありとあらゆる事象を確認し、真理に辿り着く過程そのものなんだ。
 結果だけを切り取って金に変えようとするからこういうことになるんだ」

 ヒューズワンは悪びれもせず、こちらに責任をなすりつけてくる。
 覚えていろよ。
 呑気に研究なんてしていられないくらい追い込んでやるからな…………ん?

「ちょっと待て。
 この事はシウネは知っていたのか?」
「どうだろう。だけど彼女は出来が違うからね。
 おそらく長期的な像の定着を可能とする現像法も知っていたんじゃない?
 ただ、この世界は彼女みたいに後ろ盾もない小娘に優しくないから……
 自分の成果が奪われた場合に備えて、根幹的な部分を隠し持っていた、なんて可能性は十分あるね」

 あ、あの女ぁああああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!

 ふざけやがってふざけやがってふざけやがってふざけやがって!!
 食い損ねたどころかまんまと一杯食わされたぁっ!!
 ちくしょう! 

 フィルムが残っていれば再現像は可能だが、全部ジルベールに焼き尽くされちまってる!
 ばら撒いた写真はもはやただの黒い紙……
 レプラの裸の写真に関してはこの世から抹消することに成功したってことか!

 あの日、我が社に火をつけて回ったジルベールの憤怒の表情を思い出すだけでゾッとする。
 ヤツが良心的な王であったおかげで事なきを得たが人質だった間は生きている心地がしなかった。
 あの底知れない迫力ならばこういう天運を引き寄せることもあるのかも知れない。
 追放には成功したがつくづく恐ろしい相手を敵に回していたものだ。



 社長に調査結果を報告すると、謝罪記事を掲載することに決まった。
『新聞とともに配布している写真は約一ヶ月で見えなくなってしまう』
 という事実を公表して、謝罪の言葉を書き並べた。
 当然、この国の愚民どもが『ごめんなさいをしたならゆるしてあげよう!』なんて健全な思考をするわけがない。

 ジルベールがいなくなり、怒りのぶつけ先を探し求めていたスラッパーを始めとする愚民どもが怒り狂って新聞社に押し寄せた。
 その怒りようは常軌を逸しており、ウチの女性社員に向かって「代わりにお前がハダカの写真をバラまけ!」などと罵るまで至った。
 親でも殺されたような怒りっぷりだが、コイツらはただ女のハダカ見たさに喚いているだけ……

「クソみたいな連中ですよ、まったく」

 俺は社長室の窓から門に押し寄せる愚民どもを見下ろしながら愚痴を吐いた。
 社長は興味なさそうな顔で書類仕事を進めている。

「ハダカの写真が見たいなら見せてやれ。
 旧ジルベール派の家の娘を攫って犯してその写真を撮れ。
 それをもっともらしい文章を付けてばら撒くんだ。
 民の怒りによって悪王ジルベール信望者に鉄槌をくらわせた、とでも書けば奴らも満足するだろう」

 社長はあっさりとえげつないことを言ってきた。
 さすがの俺も引いてしまうよ。

「そうしたいのはやまやまですが、ジルベール派の者どもの多くが失踪しているようです」
「なんだと?」

 俺の報告に社長がピクリと眉をひそめた。
 少しビビりながらも俺は詳細を話す。

「ジルベールがいなくなってバッシング記事のネタが減りましたからね。
 掘り返してみようと、判明しているジルベール派の人間を取材してみようとしたんですが誰も彼もいなくて。
 逃げ出した理由は疫病か迫害を恐れてだと思いますが」
「……そうか。たしかにレプラを始め、失踪しているジルベール関係者は多いな。
 案外、追放されたように見せかけてどこかに隠遁しているのかも知れないが」

 社長の発言に怯えて背筋に冷たい汗が流れた。

「で、ですけど、何ができるって言うんですか!?
 奴の名誉や信頼は地に堕ちていて再起なんてできませんよ」
「だろうな。それに反旗を翻すほどの根性があるならば、追放される前にヤツは動いていたさ」

 そう言って社長は笑い、俺の隣に立って押し寄せている愚民どもを見下ろした。

「まあ、些事は捨て置いてしまえ。
 ジルベールや愚民がどれだけ呪おうと我が社に傷をつけることはできん。
 何のためにあの俗物に王位なんて玩具をくれてやったと思っている」

 自信たっぷりな社長の表情は勝利を確信している男のそれだった。
 今やジャスティン・ウォールマンは国王の懐刀であり、パートナーと呼んでも過言でない。
 王国最大の影響力を持つウォールマン新聞によって、ダールトンに対して邪魔な情報をデマにて上書きし、あることないこと書き立てて求心力を高める。
 ジルベールの時とは真逆のことをやればいいだけだ。
 それだけで我が社は王になくてはならない存在となり、最大級の保護を受ける事ができる。

「なるほど。王とは便利なものですね。
 敵対しても味方にしても我々の得になる」

 俺が笑うと社長もほくそ笑んだ。
 ところが————

「ん? なんだ? アレは……騎兵隊?」

 何かに気づいた社長の視線の先を追った。
 そこには鎧を着込んだ重装騎兵の集団、50名程度がこちらに向かって進んできていた。
 その物々しさに下で集まっている愚民たちも注意を向けた————その時だ。
 隊の後方にいる一際大きな黒馬に乗った黄金の鎧を着た男が手を掲げ、愚民たちの群れを指し示した。

 瞬間————騎兵隊は猛然とした勢いで愚民の群れに突っ込んだ。

「なっ!?」
「はあああああああああ!?!?」

 俺たちは驚きのあまり大声を上げて窓ガラスに張り付いた。
 無抵抗の愚民相手に完全装備の騎士たちが全力で拘束、いや殺害行為を行なっている。
 事態に気づき逃げようと背中を向けた男の心臓を背中から貫く。
 転けて地面に伏せた男の頭蓋を巨大な馬の蹄で踏み砕く。
 両手を上げ降伏する男の首を剣の一振りで斬り飛ばし、首が地面に転がった。

 虐殺だ。
 こんな知らないってくらい凄絶な虐殺だ。

「まさか……ステファン! ついて来い!!」

 社長は怒鳴るように俺を呼びつけ、社長室を出た。


 長い螺旋階段を降り切った社長と俺は勢いよく、正門を開けた。
 押し寄せていた愚民の姿はそこになく、返り血を浴びた騎士たちが息をきらせて立っているだけだった。
 視線を下にやると————うぇぇ……見なかったことにしたい。

 吐き気をなんとか堪えていると、この隊のリーダーらしき大きな男が馬に乗ったまま社長に近づき、兜の面を上げた。
 出てきたのはゴツゴツとした岩のような印象の中年男、国王ダールトンその人だった。

「ッ……陛下、これは?」
「フハハハハハ! 喜べジャスティン!
 貴様が暴徒どもに囲まれて困っていると聞いたのでな。
 吾輩————余が、自ら馬を駆って助けに来てやったのだ」

 喜べるかッ!!
 上機嫌そうなダールトンの顔を見て顔面の筋肉が引きつり切れそうになる。
 無抵抗の民を相手に武装した騎士を引き連れて虐殺だなんて何を考えている!?
 いや、考えていないのか?
 こんなことをしたら自分の評判がどうなるか!
 まず他の新聞社にも圧力をかけてこの件を報道させないようにしなければ……

「礼はいらんぞ。だが、そうだな。
 この事は新聞の一面で書いてもらいたいな。
 何せ余の初陣ぞ。
 民を困らす暴徒をバッタバッタと薙ぎ倒し鎮圧!
 男というもの武勲話のひとつでもなければ、前王や兄上のように腰抜け呼ばわりされてしまう」

 バカバカバカバカ、バッカ野郎!!
 武勲じゃなくて罪科だよ!
 テメェに降ろされるギロチンの重量増やしたいのか!? このバカは!?

 コイツだけの問題じゃない。
 愚民とはいえウチの新聞の購買者どもだ。
 それをこんな形で虐殺なんてして、それを暴徒鎮圧呼ばわりして記事を書き立てれれば我が社への信頼がガタ落ちする!
 愚民どもは自分たち以外の者には手厳しいが自分たちには甘い!
 この集まりに来ていなくとも写真の件で不満を抱えている連中からすれば心中穏やかでないはずだ。

 社長は、どう出る?

 内面を悟らせないような涼やかな笑顔を顔に貼り付けたまま、口を開く。

「仰せのままに。
 せっかくですので、殺された連中はジルベールの支持者ということにでもしておきましょう」
「うむ! それは良いな!
 せっかくだ! この姿、写真に撮ってくれ!」

 能天気に馬上でふんぞり返って満足げにしている。
 そして思い出したかのように、

「ああ、ところでレプラが辱められているあの写真なのだが真っ黒になって見えなくなってしまったぞ。
 代わりを寄越せ」

 こ、コイツっ!?

 ここに集まった民が何のために集まったのかも知らずにこんなトチ狂った真似をしでかしたのか!?

 やばい……尋常じゃないバカっぷりだ。
 社長は表情を変えずに応対しているが、内心ハラワタ煮えくり返っている事だろう。

 前言撤回だ。

 王族は敵でも味方でも得になるのではない。
 有能な王族ならば敵としては組み易く、味方としては頼もしい。

 だが、極まったバカな王族は敵にすれば何をしでかしてくるのか分からなくて恐ろしいし、味方にすれば便宜の図り方を知らず恩を仇で返し、無駄な仕事を増やしてくる。


 社長……俺たちは担ぐ国王を間違えたのではないですかね……?
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