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本編
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死屍累々とは、まさにこのこと。
バタ、ゴロ、と屈強な成人男性達が訓練場で倒れている。
魔法師団だけではなく、騎士団の面々も混じっているようだ。
魔法師団と言えども、魔物だけで無く、対人の訓練も欠かせない。
ノクスはこう見えて、剣技も強いし、体力もある。
腕力だけでは、さすがに屈強な男達に敵わないものの、魔法を駆使して攻撃をし続け、相手を追い詰めていく戦略はまさに魔王の名にふさわしい。
「お前ら誰が休んでいいなんて言った。ほら、五秒で起きろ、いーーち、にーーーい、さーーん、」
ノクスの、成人男性にしては少し高い声が何やら楽しげだ。
団員達は「ゔゔ・・・」と呻き声をあげながら、立ち上がろうとする。
が、もう限界。
何故なら早朝から、ちょびっっとの昼休憩を挟み、ほぼぶっ通し。
もうすでに夕方、へとへとの、へとへと。
「は~~、だっらしねぇーなー!ディトの奴も帰ってこねぇし・・・って、・・・ん?」
ノクスはくんくん、と鼻を動かす。
急に香ってきた甘い香りと一緒に、身体がぶわっと、熱くなるのを感じた。
背中がぞわぞわするし、落ち着かない。
「・・・??な、んだ?」
自分の身体をペタペタと触り状態を確かめる。
呼吸も荒くなり、どんどん身体も熱くなる。
頭が身体に追いつかない、むしろ追い越されていくようだ。
死んだように倒れていた団員も、ノクスがおかしいことに段々と気がつき始め、お互い目配せをして、様子を伺っている。
下手に声をかけると、倍になって返ってくることがあるから慎重なのだ。
「たっだいま戻りましたーー・・・・・・って、だいぶやりましたね、また。・・・ん?団長?どうしたんですか?顔赤いですよ・・・?」
呑気な声のディトが出入り口の通路から現れた。
目の前に広がるよく見る扱き後の光景に、うへぇ、と嫌そうに舌を出した後、何やら様子がおかしいノクスに気づくと首を傾げた。
「ディト・・・遅ぇよ・・・、何か急に身体が・・・っ、」
「あなたが、ノクスさんですか?」
ノクスにとっては聞き覚えのない声。
なのにその声を聞いた途端、足の力が抜け、ペタンと、その場に座り込んでしまった。
その声がした方をノクスが睨みつける。
だが、すぐにそれもできなくなった。
「うわっ!お、降ろせ!おまっ、なっ、」
「・・・軽。ディトさん、宿舎ってどっちですか?」
「は?え?宿舎はここから南に向かった白い建物だけど・・・は?!ノクス団長?!何で担がれて怒んないですか??!俺がやったら半殺しのやつですよ?!まさかの知り合い?!」
「なわけねーだろっ!力が入らねぇんだよ・・・なんだ、これ・・・っ、」
「俺達、運命の番なんだと思います。獣人には、そういう相手がいるんですよね?ジャスパー王子に聞きました。じゃ、先に宿舎戻るので。あ、皆さん、あと二、三時間ほど時間置いてから帰ってきてもらえると色々助かります!では!」
「「「「「「「はぁぁぁあ~~~?!!!!!」」」」」」」
さすが、狼。
びゅんっと、走って加速するとむしろ乗ってきた馬よりも速いのではないかと言うスピードだ。
団員達の叫び声も無視して、南に向かって猛ダッシュ。
途中、ノクスは「ここ右ですか?」「ノクスさんの部屋何階ですか?」「あっ、鍵ください!」とまだ名前すら知らない突然現れた相手に言われるがまま、されるがままだった。
恐らくこいつがディトに迎えを頼んだ異世界人なのだろう、という察しはついていたし、先ほどの運命の番発言も、ノクスは妙に納得していたからだ。
御伽噺の類だろうと、今まで一ミリも信じていなかったが、この感覚は凄まじいものがある。
もっと、触れたい。
もっと、声を聞きたい。
もっと、混ざり合いたい。
こんな感覚になるのは、初めてだった。
ガチャ、リリーン・・・と、ノクスは自分の部屋の扉に付けたベルの音で、身体の熱に持っていかれていた意識を引き戻す。
無意識のうちにまだ名前も知らない男にしがみつき、必死に匂いを嗅いでいたのだ。
カァァァァ・・・と、一瞬にして顔が赤くなるのが分かったが、そんな自分を認めたくないし、相手にも真っ赤な顔を見られたくなくて、ぎゅうっと、また首元にしがみついた。
「堪んない・・・っ」と耳元でノクスより低く、頭に響くキイチの声に、思わずノクスはぶるりと、身体を震わせる。
ノクスは今日の朝、着替えた服をポイッと投げたままだった自分のベッドに降ろされた。
まさかこんなことになろうとは、朝の時点では思いもしなかったはず。
そのまま両手を絡まされ、ドサッと仰向けになる。
ようやく、相手の顔が目に入った。
その焦茶色の瞳は情欲にまみれ、ゆらゆら揺れているように見えた。
視界に入った灰と白の尻尾も揺れている。
それですら、いやらしく感じてしまうのは、何故なのだろうか。
「・・・兎の、獣人のノクス、だ。」
「俺こっち来て狼の獣人になりました、キイチです。ノクスさん、目も髪も黒いですね。ニホンジンみたい。」
「・・・んっ、あんま耳の近くで喋ん、な・・・」
「・・・っ、はぁ、堪んない・・・!番って、こんな一気に好きになるんだ・・・っ、獣人ってすげぇ・・・!」
どこか苦しそうにも見えるキイチは、ぎゅう、と強くノクスを抱きしめた。
ちゅ、ちゅ、と髪の毛や、額、頬に首。
相手の存在を確かめるように、キスを繰り返すキイチ。
「ふ、風呂・・・、風呂入りたい・・・」
「・・・わかりました。でももう限界近いのでこのまま行きます。」
もうすでに半裸の状態にされていたノクスだが、自分が今日一日中暴れ回っていたことを思い出し、言葉を絞り出した。
頭の中はもうとろとろに蕩けかかっているが、そこは譲れなかったらしい。
キイチはノクスの甘い香りが漂う身体をひょいっと抱え上げ、そのまま風呂場へと向かった。
「おまえ・・・一緒に入る気か?」
「?当たり前でしょ。さっ、行きましょうね~♪」
「・・・・・・」
聞いたことのないキイチの鼻歌を聴きながら、ノクスはこれ以上頭の中が蕩けないように、なぜか必死に羊を数えていた。
バタ、ゴロ、と屈強な成人男性達が訓練場で倒れている。
魔法師団だけではなく、騎士団の面々も混じっているようだ。
魔法師団と言えども、魔物だけで無く、対人の訓練も欠かせない。
ノクスはこう見えて、剣技も強いし、体力もある。
腕力だけでは、さすがに屈強な男達に敵わないものの、魔法を駆使して攻撃をし続け、相手を追い詰めていく戦略はまさに魔王の名にふさわしい。
「お前ら誰が休んでいいなんて言った。ほら、五秒で起きろ、いーーち、にーーーい、さーーん、」
ノクスの、成人男性にしては少し高い声が何やら楽しげだ。
団員達は「ゔゔ・・・」と呻き声をあげながら、立ち上がろうとする。
が、もう限界。
何故なら早朝から、ちょびっっとの昼休憩を挟み、ほぼぶっ通し。
もうすでに夕方、へとへとの、へとへと。
「は~~、だっらしねぇーなー!ディトの奴も帰ってこねぇし・・・って、・・・ん?」
ノクスはくんくん、と鼻を動かす。
急に香ってきた甘い香りと一緒に、身体がぶわっと、熱くなるのを感じた。
背中がぞわぞわするし、落ち着かない。
「・・・??な、んだ?」
自分の身体をペタペタと触り状態を確かめる。
呼吸も荒くなり、どんどん身体も熱くなる。
頭が身体に追いつかない、むしろ追い越されていくようだ。
死んだように倒れていた団員も、ノクスがおかしいことに段々と気がつき始め、お互い目配せをして、様子を伺っている。
下手に声をかけると、倍になって返ってくることがあるから慎重なのだ。
「たっだいま戻りましたーー・・・・・・って、だいぶやりましたね、また。・・・ん?団長?どうしたんですか?顔赤いですよ・・・?」
呑気な声のディトが出入り口の通路から現れた。
目の前に広がるよく見る扱き後の光景に、うへぇ、と嫌そうに舌を出した後、何やら様子がおかしいノクスに気づくと首を傾げた。
「ディト・・・遅ぇよ・・・、何か急に身体が・・・っ、」
「あなたが、ノクスさんですか?」
ノクスにとっては聞き覚えのない声。
なのにその声を聞いた途端、足の力が抜け、ペタンと、その場に座り込んでしまった。
その声がした方をノクスが睨みつける。
だが、すぐにそれもできなくなった。
「うわっ!お、降ろせ!おまっ、なっ、」
「・・・軽。ディトさん、宿舎ってどっちですか?」
「は?え?宿舎はここから南に向かった白い建物だけど・・・は?!ノクス団長?!何で担がれて怒んないですか??!俺がやったら半殺しのやつですよ?!まさかの知り合い?!」
「なわけねーだろっ!力が入らねぇんだよ・・・なんだ、これ・・・っ、」
「俺達、運命の番なんだと思います。獣人には、そういう相手がいるんですよね?ジャスパー王子に聞きました。じゃ、先に宿舎戻るので。あ、皆さん、あと二、三時間ほど時間置いてから帰ってきてもらえると色々助かります!では!」
「「「「「「「はぁぁぁあ~~~?!!!!!」」」」」」」
さすが、狼。
びゅんっと、走って加速するとむしろ乗ってきた馬よりも速いのではないかと言うスピードだ。
団員達の叫び声も無視して、南に向かって猛ダッシュ。
途中、ノクスは「ここ右ですか?」「ノクスさんの部屋何階ですか?」「あっ、鍵ください!」とまだ名前すら知らない突然現れた相手に言われるがまま、されるがままだった。
恐らくこいつがディトに迎えを頼んだ異世界人なのだろう、という察しはついていたし、先ほどの運命の番発言も、ノクスは妙に納得していたからだ。
御伽噺の類だろうと、今まで一ミリも信じていなかったが、この感覚は凄まじいものがある。
もっと、触れたい。
もっと、声を聞きたい。
もっと、混ざり合いたい。
こんな感覚になるのは、初めてだった。
ガチャ、リリーン・・・と、ノクスは自分の部屋の扉に付けたベルの音で、身体の熱に持っていかれていた意識を引き戻す。
無意識のうちにまだ名前も知らない男にしがみつき、必死に匂いを嗅いでいたのだ。
カァァァァ・・・と、一瞬にして顔が赤くなるのが分かったが、そんな自分を認めたくないし、相手にも真っ赤な顔を見られたくなくて、ぎゅうっと、また首元にしがみついた。
「堪んない・・・っ」と耳元でノクスより低く、頭に響くキイチの声に、思わずノクスはぶるりと、身体を震わせる。
ノクスは今日の朝、着替えた服をポイッと投げたままだった自分のベッドに降ろされた。
まさかこんなことになろうとは、朝の時点では思いもしなかったはず。
そのまま両手を絡まされ、ドサッと仰向けになる。
ようやく、相手の顔が目に入った。
その焦茶色の瞳は情欲にまみれ、ゆらゆら揺れているように見えた。
視界に入った灰と白の尻尾も揺れている。
それですら、いやらしく感じてしまうのは、何故なのだろうか。
「・・・兎の、獣人のノクス、だ。」
「俺こっち来て狼の獣人になりました、キイチです。ノクスさん、目も髪も黒いですね。ニホンジンみたい。」
「・・・んっ、あんま耳の近くで喋ん、な・・・」
「・・・っ、はぁ、堪んない・・・!番って、こんな一気に好きになるんだ・・・っ、獣人ってすげぇ・・・!」
どこか苦しそうにも見えるキイチは、ぎゅう、と強くノクスを抱きしめた。
ちゅ、ちゅ、と髪の毛や、額、頬に首。
相手の存在を確かめるように、キスを繰り返すキイチ。
「ふ、風呂・・・、風呂入りたい・・・」
「・・・わかりました。でももう限界近いのでこのまま行きます。」
もうすでに半裸の状態にされていたノクスだが、自分が今日一日中暴れ回っていたことを思い出し、言葉を絞り出した。
頭の中はもうとろとろに蕩けかかっているが、そこは譲れなかったらしい。
キイチはノクスの甘い香りが漂う身体をひょいっと抱え上げ、そのまま風呂場へと向かった。
「おまえ・・・一緒に入る気か?」
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