5 / 14
本編
5
「俺、浄化得意なんで」とノクスの小ぶりな尻と腹に手をかざし、無詠唱で魔法を使ったのは、他でもない狼の獣人キイチである。
身体の隅から隅を撫で回すように洗われたノクスは、恐らく自分よりも年下の男にそんなことをされた羞恥心で全身が林檎くらい赤くなった気がしていたが、恥ずかしさで碌に自分の身体も見ることができないまま、またベッドに戻ってきた。
「ねえ、ノクスさん。こんなことするの初めて?それともしたことある?」
「あ゛、んんっ、なん、で、そんなこと・・・あっ、」
「いいから答えて。」
「ひゃっ、は、初めて!初めてだか、ら、もう・・・ち、乳首舐めんなぁ・・・っ、」
「・・・ひゃだ(やだ)。」
「~~っ、ああっ!」
ぱくり、と飴玉を食べるかのようにノクスの薄い桃色の乳首を口に含むキイチ。
風呂から出て、必死に身体を隠そうと服を手に取ったが、さも当然のように、下穿き一枚だけしか履かせてもらえなかったノクス。
同じく下穿き一枚のキイチとのあまりの体格差に愕然とするが、それを引き摺る余裕なんてなかった。
性欲も薄いし、恋人も今までいなかったのだから、こういうことはド素人もいいところなのだ。
繰り返される甘い甘いキスや愛撫に、どうしていいのかわからない。
嫌悪感なんてものは全くなく、ただ、ただ、気持ちがいい。
身体が自分のものではないみたいに。
それが少し、怖い。
「好き・・・っ、好きです、ノクスさん・・・可愛い、好き、大好き。」
「も、黙っとけよぉ・・・っ、」
「俺の恋人になってくれる・・・?ねぇ、ノクスさんは俺のこと好き?こっち見て、」
「~~っ、そ、んなこと急に言われて、も・・・っ、」
「・・・じゃあ俺のこと、嫌?もう、やめたい?」
「・・・えっ、」
優しく、優しくノクスの頭を撫でていた手がぴたりと止まる。
密着していた身体も離れ、すぅーっと、二人の間に空気が流れ込むようだった。
何故か唇を避けるように繰り返されていたキスもぱたりと止まって、ノクスの身体の中で疼く熱がどんどん内に篭っていく。
「俺もこういうことするの初めてなんですけど、ノクスさんが最初で最後の相手になるんで。でもノクスさんが嫌なら、」
「・・・・・・・・・・・・い、て」
「え?」
「だ、だから!!!嫌じゃねぇーって、ば!恋人も、番になりたい奴も今まで居なかったんだよ!急に、こ、こんなっ、」
ぽぽぽ、っとまたノクスの顔が赤くなる。
必死にその赤い顔を隠そうとするが、下を向くと、自分が下穿き一枚のほぼ裸なのが目に入ってしまい、とうとうカチリ、と動きが固まってしまった。
その一通りの動きを見ていたキイチは、自分の中心に熱が集まるのが分かった。
が、ノクスを怖がらせないためにも、ふぅーっと小さく息を吐き、自分を抑えようと必死である。
「・・・ノクスさん、俺のこと好きになってくれる?」
キイチはきゅっと優しくノクスの身体を抱きしめた。
どくん、どくん、とお互いの心臓の音が伝わってくる。
息を吸うと、その甘い香りが自分達の身体に染み混んでくるようだった。
「・・・・・・お前、元は獣人じゃないんだろ?何でそんなに落ち着いてられるんだよ。」
「?番とかはよく分かってなかったですけど、要は相手のことが猛烈に好きになるってことですよね。」
「・・・んー・・・ま、まあ?そ、そうだな?」
「最高じゃないっすか。」
「は?」
「?だって会った瞬間ももうすでに大好きなのに、これから一緒に居て、お互いのこと知ってもっともっと好きになるってことでしょ?楽しいに決まってます。」
「・・・・・・ふはっ、あははっ、そうか。そうだな。」
「・・・!笑った・・・可愛い・・・!!!」
「可愛い言うな。」
「何でですか?可愛いんですもん。もっと笑ってください。・・・・・・あ、もちろん俺の前だけでいいんで。」
「ふっ、ふふ、お前、面白いな。」
「・・・キイチ。」
「・・・?」
「キイチ、って呼んでください。」
ぶす、と口を上に曲げ、自分の膝の上に乗せているノクスを見つめ始めるキイチ。
会ってから一度たりとも(そんなに時間は経ってないが)名前を呼んでくれないノクスに痺れを切らしたらしい。
ノクスはそんなキイチの顔を見て、またくすくすと笑い始めた。
「・・・実はまだまだ餓鬼だろ、お前。」
「・・・・・・18歳です。」
「はぁぁあ?!俺の十個下じゃねーか!!!」
「歳なんて関係ないです!!ほらっ、ノクスさん!!な・ま・え!!!」
「・・・ふはっ、可愛いな。・・・キイチ。俺も好きだよ。」
「~~~っ!!俺の方がもっと好きです!!!!ノクスさん!!大好き!!」
耳と尻尾がぴーーーーん、と立ったかと思ったら、尻尾なんかぶんぶん横に大揺れだ。
目は喜びでキラキラ輝いていて、キイチは力一杯ノクスを抱きしめる。
「んふ、ふふふ、おもしれぇな、キイチ。」
「面白いだけじゃないっすよ!それなりにそういうことに興味はあったんで、知識だけは豊富ですから!じゃ、ノクスさん♪いただきまーーーす!」
「はっ?え、ちょ、ま、」
「待ちませーーーん!」
ぼすん!とベッドに押し付けられ、ノクスの視界はキイチの顔のドアップで埋まった。
「はぁ・・・よく我慢した、俺。ここにも、キスしていいですよね?ノクスさん。」
ペロリ、と舌舐めずりをしながら、人差し指でノクスの唇に触れるキイチ。
黒い耳と尻尾に生えた細かな毛がぶわり、と広がるような、鳥肌にも似た感覚を覚えたノクスは、少し考えた後、こくり、と静かに頷いたのだった。
身体の隅から隅を撫で回すように洗われたノクスは、恐らく自分よりも年下の男にそんなことをされた羞恥心で全身が林檎くらい赤くなった気がしていたが、恥ずかしさで碌に自分の身体も見ることができないまま、またベッドに戻ってきた。
「ねえ、ノクスさん。こんなことするの初めて?それともしたことある?」
「あ゛、んんっ、なん、で、そんなこと・・・あっ、」
「いいから答えて。」
「ひゃっ、は、初めて!初めてだか、ら、もう・・・ち、乳首舐めんなぁ・・・っ、」
「・・・ひゃだ(やだ)。」
「~~っ、ああっ!」
ぱくり、と飴玉を食べるかのようにノクスの薄い桃色の乳首を口に含むキイチ。
風呂から出て、必死に身体を隠そうと服を手に取ったが、さも当然のように、下穿き一枚だけしか履かせてもらえなかったノクス。
同じく下穿き一枚のキイチとのあまりの体格差に愕然とするが、それを引き摺る余裕なんてなかった。
性欲も薄いし、恋人も今までいなかったのだから、こういうことはド素人もいいところなのだ。
繰り返される甘い甘いキスや愛撫に、どうしていいのかわからない。
嫌悪感なんてものは全くなく、ただ、ただ、気持ちがいい。
身体が自分のものではないみたいに。
それが少し、怖い。
「好き・・・っ、好きです、ノクスさん・・・可愛い、好き、大好き。」
「も、黙っとけよぉ・・・っ、」
「俺の恋人になってくれる・・・?ねぇ、ノクスさんは俺のこと好き?こっち見て、」
「~~っ、そ、んなこと急に言われて、も・・・っ、」
「・・・じゃあ俺のこと、嫌?もう、やめたい?」
「・・・えっ、」
優しく、優しくノクスの頭を撫でていた手がぴたりと止まる。
密着していた身体も離れ、すぅーっと、二人の間に空気が流れ込むようだった。
何故か唇を避けるように繰り返されていたキスもぱたりと止まって、ノクスの身体の中で疼く熱がどんどん内に篭っていく。
「俺もこういうことするの初めてなんですけど、ノクスさんが最初で最後の相手になるんで。でもノクスさんが嫌なら、」
「・・・・・・・・・・・・い、て」
「え?」
「だ、だから!!!嫌じゃねぇーって、ば!恋人も、番になりたい奴も今まで居なかったんだよ!急に、こ、こんなっ、」
ぽぽぽ、っとまたノクスの顔が赤くなる。
必死にその赤い顔を隠そうとするが、下を向くと、自分が下穿き一枚のほぼ裸なのが目に入ってしまい、とうとうカチリ、と動きが固まってしまった。
その一通りの動きを見ていたキイチは、自分の中心に熱が集まるのが分かった。
が、ノクスを怖がらせないためにも、ふぅーっと小さく息を吐き、自分を抑えようと必死である。
「・・・ノクスさん、俺のこと好きになってくれる?」
キイチはきゅっと優しくノクスの身体を抱きしめた。
どくん、どくん、とお互いの心臓の音が伝わってくる。
息を吸うと、その甘い香りが自分達の身体に染み混んでくるようだった。
「・・・・・・お前、元は獣人じゃないんだろ?何でそんなに落ち着いてられるんだよ。」
「?番とかはよく分かってなかったですけど、要は相手のことが猛烈に好きになるってことですよね。」
「・・・んー・・・ま、まあ?そ、そうだな?」
「最高じゃないっすか。」
「は?」
「?だって会った瞬間ももうすでに大好きなのに、これから一緒に居て、お互いのこと知ってもっともっと好きになるってことでしょ?楽しいに決まってます。」
「・・・・・・ふはっ、あははっ、そうか。そうだな。」
「・・・!笑った・・・可愛い・・・!!!」
「可愛い言うな。」
「何でですか?可愛いんですもん。もっと笑ってください。・・・・・・あ、もちろん俺の前だけでいいんで。」
「ふっ、ふふ、お前、面白いな。」
「・・・キイチ。」
「・・・?」
「キイチ、って呼んでください。」
ぶす、と口を上に曲げ、自分の膝の上に乗せているノクスを見つめ始めるキイチ。
会ってから一度たりとも(そんなに時間は経ってないが)名前を呼んでくれないノクスに痺れを切らしたらしい。
ノクスはそんなキイチの顔を見て、またくすくすと笑い始めた。
「・・・実はまだまだ餓鬼だろ、お前。」
「・・・・・・18歳です。」
「はぁぁあ?!俺の十個下じゃねーか!!!」
「歳なんて関係ないです!!ほらっ、ノクスさん!!な・ま・え!!!」
「・・・ふはっ、可愛いな。・・・キイチ。俺も好きだよ。」
「~~~っ!!俺の方がもっと好きです!!!!ノクスさん!!大好き!!」
耳と尻尾がぴーーーーん、と立ったかと思ったら、尻尾なんかぶんぶん横に大揺れだ。
目は喜びでキラキラ輝いていて、キイチは力一杯ノクスを抱きしめる。
「んふ、ふふふ、おもしれぇな、キイチ。」
「面白いだけじゃないっすよ!それなりにそういうことに興味はあったんで、知識だけは豊富ですから!じゃ、ノクスさん♪いただきまーーーす!」
「はっ?え、ちょ、ま、」
「待ちませーーーん!」
ぼすん!とベッドに押し付けられ、ノクスの視界はキイチの顔のドアップで埋まった。
「はぁ・・・よく我慢した、俺。ここにも、キスしていいですよね?ノクスさん。」
ペロリ、と舌舐めずりをしながら、人差し指でノクスの唇に触れるキイチ。
黒い耳と尻尾に生えた細かな毛がぶわり、と広がるような、鳥肌にも似た感覚を覚えたノクスは、少し考えた後、こくり、と静かに頷いたのだった。
あなたにおすすめの小説
【完】心配性は異世界で番認定された狼獣人に甘やかされる
おはぎ
BL
起きるとそこは見覚えのない場所。死んだ瞬間を思い出して呆然としている優人に、騎士らしき人たちが声を掛けてくる。何で頭に獣耳…?とポカンとしていると、その中の狼獣人のカイラが何故か優しくて、ぴったり身体をくっつけてくる。何でそんなに気遣ってくれるの?と分からない優人は大きな身体に怯えながら何とかこの別世界で生きていこうとする話。
知らない世界に来てあれこれ考えては心配してしまう優人と、優人が可愛くて仕方ないカイラが溺愛しながら支えて甘やかしていきます。
追放されたオメガの食堂~嵐の夜に保護した銀狼の獣人王と幼いもふもふ孤児たちに手料理を振る舞ったら、溺愛されました~
水凪しおん
BL
名門貴族の生まれでありながら、オメガであることを理由に家族から見捨てられた青年・リオン。
彼は国境の森の奥深くで、身を隠すようにして小さな食堂を営んでいた。
ある嵐の夜。
激しい雨風に打たれながら食堂の扉を叩いたのは、大柄で威圧的な銀狼の獣人・ガレルと、彼に抱えられた幼い2人のもふもふ獣人の孤児たちだった。
警戒心も露わな子供たちと、不器用ながらも彼らを守ろうとするガレル。
リオンは彼らを食堂へ招き入れ、得意の温かい手料理を振る舞う。
「……うまい食事だった」
リオンの作る素朴で心温まる料理と、彼自身から漂う穏やかな匂いに、ガレルや子供たちは次第に心を開いていく。
誰からも必要とされないと思っていたリオンだったが、ガレルからの真っ直ぐな愛情と、子供たちからの無邪気な懐きによって、少しずつ自身の価値と居場所を見出していく。
美味しいご飯が紡ぐ、孤独だった青年と不器用な獣人王の、甘く温かいスローライフ・ラブストーリー。
もふもふ聖獣様に拾われた不遇オメガは、空に浮かぶ島で運命の番として極上の溺愛を注がれる
水凪しおん
BL
「オメガがいるから、村に災いが降りかかったのだ」
理不尽な理由で村人たちから忌み嫌われ、深い雪の森へと生贄として捨てられた十九歳の青年、ルカ。
凍える寒さの中、絶望に目を閉じた彼の前に現れたのは、見上げるほど巨大で美しい「白銀の狼」だった。
伝説の聖獣である狼に拾われたルカが目を覚ましたのは、下界の汚れから切り離された雲海に浮かぶ美しい島。
狼は人間の姿——流れるような銀髪と黄金の瞳を持つ壮麗なアルファの偉丈夫、レオンへと変化し、ルカにこう告げる。
「君は、俺の運命の番だ」
これまで虐げられ、自分を穢れた存在だと思い込んでいたルカは、レオンの甘く深いアルファの香りと、恐ろしいほどの優しさに戸惑うばかり。
温かい食事、美しい庭園、そして決して自分を傷つけない大きな手。
極上の溺愛に包まれるうち、ルカの心に固く巻きついていた冷たい恐怖の糸は、少しずつほどけていく。
そして、ルカを捨てた村人たちが強欲にも島へ足を踏み入れたとき、ルカは自らの意志とオメガとしての本当の力に目覚める——。
これは、孤独だった不遇のオメガが、伝説の聖獣の番として永遠の幸せと自分の居場所を見つけるまでの、心温まる溺愛ファンタジー。
【完結】逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。抱かれたら身代わりがばれてしまうので初夜は断固拒否します!
雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
隣国の国王キリアン(アルファ)に嫁がされたオメガの王子リュカ。
しかし実は、結婚から逃げ出した双子の弟セラの身代わりなのです…
本当の花嫁じゃないとばれたら大変!
だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、
だんだんキリアンに惹かれてしまい、苦しくなる…という
お話です。よろしくお願いします<(_ _)>
「禍の刻印」で生贄にされた俺を、最強の銀狼王は「ようやく見つけた、俺の運命の番だ」と過保護なほど愛し尽くす
水凪しおん
BL
体に災いを呼ぶ「禍の刻印」を持つがゆえに、生まれた村で虐げられてきた青年アキ。彼はある日、不作に苦しむ村人たちの手によって、伝説の獣人「銀狼王」への贄として森の奥深くに置き去りにされてしまう。
死を覚悟したアキの前に現れたのは、人の姿でありながら圧倒的な威圧感を放つ、銀髪の美しい獣人・カイだった。カイはアキの「禍の刻印」が、実は強大な魔力を秘めた希少な「聖なる刻印」であることを見抜く。そして、自らの魂を安定させるための運命の「番(つがい)」として、アキを己の城へと迎え入れた。
贄としてではなく、唯一無二の存在として注がれる初めての優しさ、温もり、そして底知れぬ独占欲。これまで汚れた存在として扱われてきたアキは、戸惑いながらもその絶対的な愛情に少しずつ心を開いていく。
「お前は、俺だけのものだ」
孤独だった青年が、絶対的支配者に見出され、その身も魂も愛し尽くされる。これは、絶望の淵から始まった、二人の永遠の愛の物語。
鬼神と恐れられる呪われた銀狼当主の元へ生贄として送られた僕、前世知識と癒やしの力で旦那様と郷を救ったら、めちゃくちゃ過保護に溺愛されています
水凪しおん
BL
東の山々に抱かれた獣人たちの国、彩峰の郷。最強と謳われる銀狼一族の若き当主・涯狼(ガイロウ)は、古き呪いにより発情の度に理性を失う宿命を背負い、「鬼神」と恐れられ孤独の中に生きていた。
一方、都で没落した家の息子・陽向(ヒナタ)は、借金の形として涯狼の元へ「花嫁」として差し出される。死を覚悟して郷を訪れた陽向を待っていたのは、噂とはかけ離れた、不器用で優しい一匹の狼だった。
前世の知識と、植物の力を引き出す不思議な才能を持つ陽向。彼が作る温かな料理と癒やしの香りは、涯狼の頑なな心を少しずつ溶かしていく。しかし、二人の穏やかな日々は、古き慣習に囚われた者たちの思惑によって引き裂かれようとしていた。
これは、孤独な狼と心優しき花嫁が、運命を乗り越え、愛の力で奇跡を起こす、温かくも切ない和風ファンタジー・ラブストーリー。
給餌行為が求愛行動だってなんで誰も教えてくれなかったんだ!
永川さき
BL
魔術教師で平民のマテウス・アージェルは、元教え子で現同僚のアイザック・ウェルズリー子爵と毎日食堂で昼食をともにしている。
ただ、その食事風景は特殊なもので……。
元教え子のスパダリ魔術教師×未亡人で成人した子持ちのおっさん魔術教師
まー様企画の「おっさん受けBL企画」参加作品です。
他サイトにも掲載しています。