21 / 42
グレイス編
21
「どうした、シン。こっち向け。」
「・・・・・・い、まは、ちょっと、ですね・・・うう、」
「ぷっ、あはははははは」
「もうっ!ララ!笑わないで!」
「・・・・・・シンが元気ならそれでいい。話は・・・終わったのか?」
「はいっ!ロシュさん、それにみなさんも・・・ここまで連れてきていただいてありがとうございます。」
「・・・ああ。」
「あ、あのっ!ソレイユの騎士団の皆様、ちょっとお話いいですか?!」
隣にいたララがハイッと手を上げる。
目がキラキラ・・・いや、ニヤニヤ?してる。・・・何か嫌な予感がするなぁ・・・!
「・・・なんだ。」
「シン兄ちゃんは、お風呂が好きです!あとルルの実みたいな甘いものも!えーっと、浄化はできるのに案外お化けとか怖がります!それから、それからっ、」
「ララ!しぃーーーー!いきなり何言い出すのかと思ったら!」
「だって、もう会えないかも知れないんでしょ?だから、私の知ってること伝えとかないとって・・・うっ、ぐすっ、」
「ああああ、もう泣かないでってば!わかった、わかったよ!」
「いつでもってわけには行かないっすけど、そのうち会えるようになるっすよ?ね、団長?」
「「えっ?!!」」
ロシュさんの方を見ると、何だか複雑そうな顔をしている。
ポリポリと頭を掻いた後、ララの隣にいた僕をひょいっと、抱え上げた。
ララが口元を押さえ、「ひゃーーー」と小さく叫んでいるのが見える。
「グレイスも、ソレイユの領地になるからな。行き来はそのうち出来るようになるはずだ。」
「ロシュさん・・・、抱っこ、恥ずかしいです・・・」
「?いつもしてるだろう?」
「いつもしてるんだぁ・・・っ!」
「・・・してますけどぉ・・・うう・・・」
ララの視線から逃れようと俯く僕の顔を、覗き込むロシュさん。
そしてそのまま、こつんと、僕のおでこにロシュさんのおでこが重なった。
わっ、ロシュさんも体温高いんだな。
ヨミさんほどは、高くないけど。
それによく見ると黄金の瞳の奥が、本当に宝石みたいにキラキラしてる。
こんなに近くで瞳を見たことがなかったけど、本当に、本当に、綺麗で真っ直ぐだ。
ロシュさんの瞳に見惚れていたその一瞬。
ふわりと、その宝石のような瞳が弧を描いた。
僕よりも少し高い体温が、すっと離れる。
それが「名残惜しい」だなんて。
そんなことを思った僕は、欲張りだろうか。
名残惜しさを感じたすぐ後。
ロシュさんの少し薄い唇が視界に入った。
ちゅっ。
ふわふわと柔らかい感触と共に、僕のおでこから、小さく、そして可愛い音が聞こえてくる。
そしてまた、あの温かくて優しい、ロシュさんのおでこがこつん、とくっついた。
「すまないが、行き来できる日が来ても簡単には連れて来れない。シンには俺の目が届くところにいて欲しいからな。」
僕の首輪を一撫ですると、にやり、と悪戯な顔で笑うロシュさん。
僕、今おでこにキス、された?
みんな見てた・・・よね?!
ディーナさん、舌打ちしてるし、フォルさんため息ついてるし!
ひゃ~~~っ!
お湯が沸騰するみたいに、僕の頭から湯気が出そう。
「・・・ひゃ、わっ、」
「~~っ!じゃあ、一緒に!一緒に来てくださいねっ!私待ってますから!」
「・・・・・・考えておく。」
「何が、考えておく、よ!?あんたが単にシンちゃんにべったりしたいだけでしょうが!」
わーわー、騒ぎ出すディーナさんを完全に無視したロシュさんは、真っ赤な僕の耳元に近づくと、そっと呟いた。
「今度来る時は、揃いの首輪でも付けるとしよう。」
そしてロシュさんはまた耳元で、ちゅっ、と小さな音を立てた後、僕をぎゅーっと強く抱きしめた。
「・・・・・・い、まは、ちょっと、ですね・・・うう、」
「ぷっ、あはははははは」
「もうっ!ララ!笑わないで!」
「・・・・・・シンが元気ならそれでいい。話は・・・終わったのか?」
「はいっ!ロシュさん、それにみなさんも・・・ここまで連れてきていただいてありがとうございます。」
「・・・ああ。」
「あ、あのっ!ソレイユの騎士団の皆様、ちょっとお話いいですか?!」
隣にいたララがハイッと手を上げる。
目がキラキラ・・・いや、ニヤニヤ?してる。・・・何か嫌な予感がするなぁ・・・!
「・・・なんだ。」
「シン兄ちゃんは、お風呂が好きです!あとルルの実みたいな甘いものも!えーっと、浄化はできるのに案外お化けとか怖がります!それから、それからっ、」
「ララ!しぃーーーー!いきなり何言い出すのかと思ったら!」
「だって、もう会えないかも知れないんでしょ?だから、私の知ってること伝えとかないとって・・・うっ、ぐすっ、」
「ああああ、もう泣かないでってば!わかった、わかったよ!」
「いつでもってわけには行かないっすけど、そのうち会えるようになるっすよ?ね、団長?」
「「えっ?!!」」
ロシュさんの方を見ると、何だか複雑そうな顔をしている。
ポリポリと頭を掻いた後、ララの隣にいた僕をひょいっと、抱え上げた。
ララが口元を押さえ、「ひゃーーー」と小さく叫んでいるのが見える。
「グレイスも、ソレイユの領地になるからな。行き来はそのうち出来るようになるはずだ。」
「ロシュさん・・・、抱っこ、恥ずかしいです・・・」
「?いつもしてるだろう?」
「いつもしてるんだぁ・・・っ!」
「・・・してますけどぉ・・・うう・・・」
ララの視線から逃れようと俯く僕の顔を、覗き込むロシュさん。
そしてそのまま、こつんと、僕のおでこにロシュさんのおでこが重なった。
わっ、ロシュさんも体温高いんだな。
ヨミさんほどは、高くないけど。
それによく見ると黄金の瞳の奥が、本当に宝石みたいにキラキラしてる。
こんなに近くで瞳を見たことがなかったけど、本当に、本当に、綺麗で真っ直ぐだ。
ロシュさんの瞳に見惚れていたその一瞬。
ふわりと、その宝石のような瞳が弧を描いた。
僕よりも少し高い体温が、すっと離れる。
それが「名残惜しい」だなんて。
そんなことを思った僕は、欲張りだろうか。
名残惜しさを感じたすぐ後。
ロシュさんの少し薄い唇が視界に入った。
ちゅっ。
ふわふわと柔らかい感触と共に、僕のおでこから、小さく、そして可愛い音が聞こえてくる。
そしてまた、あの温かくて優しい、ロシュさんのおでこがこつん、とくっついた。
「すまないが、行き来できる日が来ても簡単には連れて来れない。シンには俺の目が届くところにいて欲しいからな。」
僕の首輪を一撫ですると、にやり、と悪戯な顔で笑うロシュさん。
僕、今おでこにキス、された?
みんな見てた・・・よね?!
ディーナさん、舌打ちしてるし、フォルさんため息ついてるし!
ひゃ~~~っ!
お湯が沸騰するみたいに、僕の頭から湯気が出そう。
「・・・ひゃ、わっ、」
「~~っ!じゃあ、一緒に!一緒に来てくださいねっ!私待ってますから!」
「・・・・・・考えておく。」
「何が、考えておく、よ!?あんたが単にシンちゃんにべったりしたいだけでしょうが!」
わーわー、騒ぎ出すディーナさんを完全に無視したロシュさんは、真っ赤な僕の耳元に近づくと、そっと呟いた。
「今度来る時は、揃いの首輪でも付けるとしよう。」
そしてロシュさんはまた耳元で、ちゅっ、と小さな音を立てた後、僕をぎゅーっと強く抱きしめた。
あなたにおすすめの小説
竜帝陛下の愛が重すぎて身代わりの落ちこぼれ薬師は今日も腰が砕けそうです 〜呪いを解いたら一生離さないと宣言されました〜
レイ
BL
「死ぬ覚悟はできています。でも、その前に……お口、あーんしてください」
魔力を持たない「無能」として実家で虐げられていた薬師のエリアン。
彼に下されたのは、触れるものすべてを焼き尽くす「死の竜帝」ヴァレリウスへの、身代わりの婚姻だった。
【完結。一気読みできます!】悪役令息に転生したのに、ヒーローもヒロインも不在で、拾って育てた執事が最強なんだが……なんで?!
はぴねこ
BL
前世の弟が好きだったゲームの世界に、悪役令息として転生してしまった俺。
本来なら、ヒロインをいじめ、ヒーローが活躍するための踏み台になる……
そんな役割のはずなのに、ヒーローともヒロインとも出会えない。
いじめる対象すら見つけられない新米悪役令息とか、ポンコツすぎないだろうか?
そんな俺に反して、子供の頃に拾って育てた執事は超優秀で、なぜか「悪役執事スキル」を着実に磨いている。
……いや、違う!
そうじゃない!!
悪役にならなきゃいけないのは俺なんだってば!!!
【完結】第三王子は、自由に踊りたい。〜豹の獣人と、第一王子に言い寄られてますが、僕は一体どうすればいいでしょうか?〜
N2O
BL
気弱で不憫属性の第三王子が、二人の男から寵愛を受けるはなし。
表紙絵
⇨元素 様 X(@10loveeeyy)
※独自設定、ご都合主義です。
※ハーレム要素を予定しています。
捨てられた生贄オメガ、魔王城で極上の『巣作り』始めます!~不眠症の魔王様、私のクッションで爆睡して溺愛モードに突入~
水凪しおん
BL
「役立たずのオメガ」として冷遇され、血も涙もない魔王への生贄として捨てられたリノ。
死を覚悟して連れてこられた魔王城は、寒くて硬くて、居住性最悪のブラック環境だった!?
「こんなところで寝られるか!」
極限状態で発動したオメガ特有の『巣作り本能』と、神業レベルの裁縫スキルが火を噴く!
ゴミ同然の布切れをフカフカのクッションに、冷たい石床を極上のラグマットにリフォーム。
すると、不眠症で常にイライラしていた魔王ザルドリスが、リノの作った「巣」のあまりの快適さに陥落してしまい……?
「……貴様、私を堕落させる気か」
(※いいえ、ただ快適に寝たいだけです)
殺されるどころか、魔王様に気に入られ、気付けば城中がリノの虜に。
捨てられた生贄オメガが、裁縫一つで魔王城を「世界一のマイホーム」に変える、ほのぼの逆転溺愛ファンタジー!
もふもふ聖獣様に拾われた不遇オメガは、空に浮かぶ島で運命の番として極上の溺愛を注がれる
水凪しおん
BL
「オメガがいるから、村に災いが降りかかったのだ」
理不尽な理由で村人たちから忌み嫌われ、深い雪の森へと生贄として捨てられた十九歳の青年、ルカ。
凍える寒さの中、絶望に目を閉じた彼の前に現れたのは、見上げるほど巨大で美しい「白銀の狼」だった。
伝説の聖獣である狼に拾われたルカが目を覚ましたのは、下界の汚れから切り離された雲海に浮かぶ美しい島。
狼は人間の姿——流れるような銀髪と黄金の瞳を持つ壮麗なアルファの偉丈夫、レオンへと変化し、ルカにこう告げる。
「君は、俺の運命の番だ」
これまで虐げられ、自分を穢れた存在だと思い込んでいたルカは、レオンの甘く深いアルファの香りと、恐ろしいほどの優しさに戸惑うばかり。
温かい食事、美しい庭園、そして決して自分を傷つけない大きな手。
極上の溺愛に包まれるうち、ルカの心に固く巻きついていた冷たい恐怖の糸は、少しずつほどけていく。
そして、ルカを捨てた村人たちが強欲にも島へ足を踏み入れたとき、ルカは自らの意志とオメガとしての本当の力に目覚める——。
これは、孤独だった不遇のオメガが、伝説の聖獣の番として永遠の幸せと自分の居場所を見つけるまでの、心温まる溺愛ファンタジー。
処刑されたくない悪役宰相、破滅フラグ回避のため孤独なラスボス竜を懐柔したら番として溺愛される
水凪しおん
BL
激務で過労死した俺が転生したのは、前世でやり込んだBLゲームの悪役宰相クリストフ。
しかも、断頭台で処刑される破滅ルート確定済み!
生き残る唯一の方法は、物語のラスボスである最強の”魔竜公”ダリウスを懐柔すること。
ゲーム知識を頼りに、孤独で冷徹な彼に接触を試みるが、待っていたのは絶対零度の拒絶だった。
しかし、彼の好物や弱みを突き、少しずつ心の壁を溶かしていくうちに、彼の態度に変化が訪れる。
「――俺の番に、何か用か」
これは破滅を回避するためのただの計画。
のはずが、孤独な竜が見せる不器用な優しさと独占欲に、いつしか俺の心も揺さぶられていく…。
悪役宰相と最強ラスボスが運命に抗う、異世界転生ラブファンタジー!
追放された味見係、【神の舌】で冷徹皇帝と聖獣の胃袋を掴んで溺愛される
水凪しおん
BL
「無能」と罵られ、故郷の王宮を追放された「味見係」のリオ。
行き場を失った彼を拾ったのは、氷のような美貌を持つ隣国の冷徹皇帝アレスだった。
「聖獣に何か食わせろ」という無理難題に対し、リオが作ったのは素朴な野菜スープ。しかしその料理には、食べた者を癒やす伝説のスキル【神の舌】の力が宿っていた!
聖獣を元気にし、皇帝の凍てついた心をも溶かしていくリオ。
「君は俺の宝だ」
冷酷だと思われていた皇帝からの、不器用で真っ直ぐな溺愛。
これは、捨てられた料理人が温かいご飯で居場所を作り、最高にハッピーになる物語。
『偽物の番』だと捨てられた不憫な第三王子、隣国の冷徹皇帝に拾われて真実の愛を教え込まれる
レイ
BL
「出来損ない」と捨てられた場所は、私の居場所ではありませんでした。
ラングリス王国の第三王子・フィオーレは、王族の証である『聖種の紋様』が現れなかったことで「偽物の番」と罵られ、雪降る国境へと追放される。
死を覚悟した彼の前に現れたのは、隣国アイゼン帝国の「冷徹皇帝」ヴォルフラムだった。