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夕焼けみたいな瞳が、好き。
頭を撫でてくれるその大きな手が、好き。
たまにふわっと綻ぶ顔とか、時折見える尖った歯も、大好き。
好きなところをあげるとキリがない。
僕、ずっと前からクロヴィスさんの全部が好き。
でも言葉で表しても全然足りないから、今日は沢山の人に見てもらって証人になって貰おうと思います。
----------------⭐︎
最後は"歓喜"を表現したい。
そう言い出したのは、僕だった。
楽しい時、嬉しい時、明るい気持ちになる時に僕の頭に浮かぶのはクロヴィスさんの瞳と同じ夕焼け色。
風を吹かせ、色とりどりの花を舞わせた最後に、僕は夕焼け色の花を会場中に散りばめた。
耳を劈くような拍手に浮き立つような達成感で胸がいっぱい。
花の甘い香りに包まれた会場で僕は最後にくるりと一周回って、一礼する。
顔を伏せた瞬間に両手に抱えられるだけの、夕焼け色の花束を準備した。
きょろきょろ見渡して探さなくてもすぐわかる。
僕の大好きで、大好きでたまらない人は観客席の一番前に立っていて、きっといつもみたいに真っ直ぐ僕を見てくれているから。
花束に魔法をかける。
貴方に初めて見せたのは、この浮遊魔法でしたね。
絵本を浮かせて見せた時、途中で失敗して僕の額にそのまま落ちてきた。痛くて、痛くて、涙が出そうだったけど、貴方がたくさん慰めてくれた。
だから僕はめそめそ泣かずに済んだし、それどころか貴方が自分のことのように魔法が使えたことを喜んでくれて、自分のことが誇らしくなった。
ふわりと浮かんだ花束は一直線に貴方の元へ向かっていく。
これだけ広い会場の中、観客席はここから少し離れていて表情ははっきりと分からない。
だけどきっとこの花束を、貴方は喜んでくれるでしょう?
相手の瞳の色の花束を贈る。
学科長から提案された時は知らなかったけど、ティフくんの話によると、これは求愛の意味があるんだって。
今の僕に、ぴったりだ。
魔法の披露が終わったと思いきや、僕がとった予想外の行動に会場はどよめきが起こり、悲鳴のような声まで聞こえる。
僕の心臓も最近いつも忙しいけど、このどよめきに負けないぐらい一番ドキドキしてる。
クロヴィスさんに向かって、僕は片膝をつき杖を横にして掲げ頭を下げた。これは、魔法使いの最敬礼。
頭を下げた方が視界が狭まる分、どよめきが耳に響いてくる。
どんどん大きくなるそれは、果たしてどういう意味を表しているんだろう。
・・・あ、あれ?もしかして・・・やりすぎた・・・?
クロヴィスさん目立つの好きじゃないし、困らせちゃったかも────・・・!
「ラウー、顔を上げてくれ。」
「へ?」
耳のすぐ近くから聞こえた声に驚いて、急いで顔を上げる。
目の前に僕と同じように片膝をつき、少し頭を傾けて顔を覗き込むクロヴィスさん。
両腕で夕焼け色の花束を抱いていた。
「ラウーはいつも、俺の先を行ってしまうな。置いていかれないよう、俺はいつも必死なんだ。」
「な・・・なにを言ってるんですか・・・?」
「俺は魔法が不得手ですまない。今度二人で花を買いに行ってもいいだろうか?」
「・・・黒、じゃなきゃ・・・嫌ですよ・・・?」
「勿論だ。・・・ラウーは涙まで美しい。」
「・・・うう、う・・・」
「ラウーのこと、愛してる。」
「・・・は、い。」
「君の恋人に・・・いや、ラウーが卒業したら、俺を君の番に、してくれないだろうか・・・?」
「・・・・・・っ、」
頬を伝う涙が、こんなにもあたたかい。
きゅっと唇を噛むと、困ったように眉を下げたクロヴィスさんが指で僕の涙を拭ってくれた。
涙のついた手をとり、僕の頬に近づける。
大きな手がまた冷たい。
僕がそれを拒む理由なんて、何一つないのに。
「・・・・・・もち、ろんです・・・っ、」
「・・・二言はないな?」
「当たり前、です!」
「・・・嬉しい。」
花が綻ぶ笑顔とは、この顔のことだ。
僕がそんなことを考えていると、腕を引かれ花束ごと抱きしめられた。
クロヴィスさんの腕は、驚くほど力強くて、
少し震えていた。
会場がより一層騒がしくなる。
最早魔法を披露した時よりも歓声が凄いのでは・・・?!
しばらくぎゅっと抱きしめてくれていた腕の力が緩み、肩口にあったクロヴィスさんの顔がすぐ目の前に移動する。
どこか既視感のあるクロヴィスさんの表情。
その顔はさっきあの控え室で僕がした"してやったり顔"に近かった。
「ラウー、一ついいか?」
「?はい、僕ができることであれば何でも、んむっ!?」
お互いの歯が少しぶつかって、小さくカチッと音がした。
至近距離で見るクロヴィスさんの瞳にも涙が少し浮かんでいるのが見えて、僕はまた喉の奥がぎゅっと、熱くなる。
キスって、さ。
ただ唇を重ね合わせるだけなのに、こんなにも温かくて幸せな気持ちになるんだね。
名残惜しそうにゆっくりと離れていく唇。
こつん、と合わせた互いの額。
いつの間にかクロヴィスさんの尻尾は僕の体に巻き付いていて、それがとても可愛くて、くすぐったい。
「虫除けぐらいにはなったか?」
「・・・・・・よく分かんないですけど、もっとした方がいいと思います。」
「・・・・・・ラウーには、本当敵わない。」
ハハっと、子どもみたいに笑ったクロヴィスさん。
そのまま僕の顔に近づいてきたものだから、もう一度キスしてくれるんだ、と僕は自然と目を閉じた。
そんな僕の額に一つキスを落とした後、クロヴィスさんは僕の首に顔を寄せ、がぶりと一回噛み付いて、また"してやったり顔"で笑う。
首を噛むのは、番への求愛。
嬉しくて、照れ臭くて、先を越されたのが何だか悔しくて、僕は言葉が出なくなる。
クロヴィスさんはそんな僕を軽々と抱き上げて、また子どもみたいに、嬉しそうに笑った。
おしまい
----------------⭐︎
幸せになってくれ。
番外編も書きたい・・・!
頭を撫でてくれるその大きな手が、好き。
たまにふわっと綻ぶ顔とか、時折見える尖った歯も、大好き。
好きなところをあげるとキリがない。
僕、ずっと前からクロヴィスさんの全部が好き。
でも言葉で表しても全然足りないから、今日は沢山の人に見てもらって証人になって貰おうと思います。
----------------⭐︎
最後は"歓喜"を表現したい。
そう言い出したのは、僕だった。
楽しい時、嬉しい時、明るい気持ちになる時に僕の頭に浮かぶのはクロヴィスさんの瞳と同じ夕焼け色。
風を吹かせ、色とりどりの花を舞わせた最後に、僕は夕焼け色の花を会場中に散りばめた。
耳を劈くような拍手に浮き立つような達成感で胸がいっぱい。
花の甘い香りに包まれた会場で僕は最後にくるりと一周回って、一礼する。
顔を伏せた瞬間に両手に抱えられるだけの、夕焼け色の花束を準備した。
きょろきょろ見渡して探さなくてもすぐわかる。
僕の大好きで、大好きでたまらない人は観客席の一番前に立っていて、きっといつもみたいに真っ直ぐ僕を見てくれているから。
花束に魔法をかける。
貴方に初めて見せたのは、この浮遊魔法でしたね。
絵本を浮かせて見せた時、途中で失敗して僕の額にそのまま落ちてきた。痛くて、痛くて、涙が出そうだったけど、貴方がたくさん慰めてくれた。
だから僕はめそめそ泣かずに済んだし、それどころか貴方が自分のことのように魔法が使えたことを喜んでくれて、自分のことが誇らしくなった。
ふわりと浮かんだ花束は一直線に貴方の元へ向かっていく。
これだけ広い会場の中、観客席はここから少し離れていて表情ははっきりと分からない。
だけどきっとこの花束を、貴方は喜んでくれるでしょう?
相手の瞳の色の花束を贈る。
学科長から提案された時は知らなかったけど、ティフくんの話によると、これは求愛の意味があるんだって。
今の僕に、ぴったりだ。
魔法の披露が終わったと思いきや、僕がとった予想外の行動に会場はどよめきが起こり、悲鳴のような声まで聞こえる。
僕の心臓も最近いつも忙しいけど、このどよめきに負けないぐらい一番ドキドキしてる。
クロヴィスさんに向かって、僕は片膝をつき杖を横にして掲げ頭を下げた。これは、魔法使いの最敬礼。
頭を下げた方が視界が狭まる分、どよめきが耳に響いてくる。
どんどん大きくなるそれは、果たしてどういう意味を表しているんだろう。
・・・あ、あれ?もしかして・・・やりすぎた・・・?
クロヴィスさん目立つの好きじゃないし、困らせちゃったかも────・・・!
「ラウー、顔を上げてくれ。」
「へ?」
耳のすぐ近くから聞こえた声に驚いて、急いで顔を上げる。
目の前に僕と同じように片膝をつき、少し頭を傾けて顔を覗き込むクロヴィスさん。
両腕で夕焼け色の花束を抱いていた。
「ラウーはいつも、俺の先を行ってしまうな。置いていかれないよう、俺はいつも必死なんだ。」
「な・・・なにを言ってるんですか・・・?」
「俺は魔法が不得手ですまない。今度二人で花を買いに行ってもいいだろうか?」
「・・・黒、じゃなきゃ・・・嫌ですよ・・・?」
「勿論だ。・・・ラウーは涙まで美しい。」
「・・・うう、う・・・」
「ラウーのこと、愛してる。」
「・・・は、い。」
「君の恋人に・・・いや、ラウーが卒業したら、俺を君の番に、してくれないだろうか・・・?」
「・・・・・・っ、」
頬を伝う涙が、こんなにもあたたかい。
きゅっと唇を噛むと、困ったように眉を下げたクロヴィスさんが指で僕の涙を拭ってくれた。
涙のついた手をとり、僕の頬に近づける。
大きな手がまた冷たい。
僕がそれを拒む理由なんて、何一つないのに。
「・・・・・・もち、ろんです・・・っ、」
「・・・二言はないな?」
「当たり前、です!」
「・・・嬉しい。」
花が綻ぶ笑顔とは、この顔のことだ。
僕がそんなことを考えていると、腕を引かれ花束ごと抱きしめられた。
クロヴィスさんの腕は、驚くほど力強くて、
少し震えていた。
会場がより一層騒がしくなる。
最早魔法を披露した時よりも歓声が凄いのでは・・・?!
しばらくぎゅっと抱きしめてくれていた腕の力が緩み、肩口にあったクロヴィスさんの顔がすぐ目の前に移動する。
どこか既視感のあるクロヴィスさんの表情。
その顔はさっきあの控え室で僕がした"してやったり顔"に近かった。
「ラウー、一ついいか?」
「?はい、僕ができることであれば何でも、んむっ!?」
お互いの歯が少しぶつかって、小さくカチッと音がした。
至近距離で見るクロヴィスさんの瞳にも涙が少し浮かんでいるのが見えて、僕はまた喉の奥がぎゅっと、熱くなる。
キスって、さ。
ただ唇を重ね合わせるだけなのに、こんなにも温かくて幸せな気持ちになるんだね。
名残惜しそうにゆっくりと離れていく唇。
こつん、と合わせた互いの額。
いつの間にかクロヴィスさんの尻尾は僕の体に巻き付いていて、それがとても可愛くて、くすぐったい。
「虫除けぐらいにはなったか?」
「・・・・・・よく分かんないですけど、もっとした方がいいと思います。」
「・・・・・・ラウーには、本当敵わない。」
ハハっと、子どもみたいに笑ったクロヴィスさん。
そのまま僕の顔に近づいてきたものだから、もう一度キスしてくれるんだ、と僕は自然と目を閉じた。
そんな僕の額に一つキスを落とした後、クロヴィスさんは僕の首に顔を寄せ、がぶりと一回噛み付いて、また"してやったり顔"で笑う。
首を噛むのは、番への求愛。
嬉しくて、照れ臭くて、先を越されたのが何だか悔しくて、僕は言葉が出なくなる。
クロヴィスさんはそんな僕を軽々と抱き上げて、また子どもみたいに、嬉しそうに笑った。
おしまい
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