笑うピエロは壊れてる

枝豆散弾銃

文字の大きさ
上 下
46 / 53

絶望

しおりを挟む

「久しぶりにのんびりできたな」
 
そう思い、伸びをしながらエントランスでセツナが帰ってくるのを待つ

すると、肩を叩かれた

「ねぇねぇ、お兄さん。今暇?」
「うわっ、ロリが逆ナンしてきた。すみません、10歳以下お断りです」
「ちゃんと、10歳以上だわっ」

そこにはカリナとシズカがいた

「お前らいつの間に仲良くなったの?」
「シンパシー?」
「はぁ」

あっこれ、一方的なやつだ
前回もそんな感じだったし、そんなすぐに仲良くなるようなものじゃないか

「それでリーダーに相談があるんだけどー」
「ん?なんでも言ってみろ。全部断ってやるから」
「それはひどいよ・・・まぁ、相談があるって言ってもシズカのことなんだけどね」

俺はシズカに目をやると首を縦に振り、事実だと悟る

「聞こうか」
「あ、うん。シズカが仕事辞めたいらしいのね」
「あぁ、却下だ」

俺は即答し、シズカを見る

「俺はお前を手放す気はない。諦めろ」

俺はそう言い放つ
突き放し、絶望させるように

「一応これでもホロ家の人間だ。絶対に逃がさない」

最悪だな
シズカはおそらく心底絶望しているだろう

確か、あいつには夢があった
今度は俺が否定する番になるとはな

その言葉を聞いたシズカは何処かへと走り出してしまった

「はぁ」

ニヤニヤしているカリナをキッと睨みつける

「なんだ?」
「なんでもなーい」
「ほほう?ちょっとお前、訓練付き合え。体鳴らしときたいからな」

カリナはハハンと笑みをまさせる

「自分より小さい子をわからせようとしてるー。変態だー。でも、いいよ。私も体が思ったように動かないところあるし」
「よし、弾は激痛弾でいいな」

注)激痛弾・・・名前の通り、当たると実弾より激痛が走る。しかし貫通はすることがないため死にはしない

「いつも通りだねー」
「体づくりならシズカのがお勧めだぜ?」

寒気と怖気を隠しながら地獄仲間を作ろうとしたが

「嫌。シズカ、鬼畜じゃん」
「お前にだけみたいなところあるけどな」
「やだー。私たち仲良しこよしだよ?心外ー」

俺達は地下訓練場へと消えていったのち、この世のものとは思えないほどの音が鳴り響いていた
しおりを挟む

処理中です...